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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1332話

 アカツキとの会談……というか交渉が終わり、サツキミドリ2号の名物とも呼べるフライドポテトを食べて満足した俺達は、ニヴルヘイムへと戻って来ていた。
 このままホワイトスターに戻ってもいいのだが、そうすると色々と連合軍辺りに勘ぐられるという事もあり、暫く……取りあえずネルガルの橋渡しがどうにかなるまではこの宙域に待機する事になっている。
 その辺に関しては、ネルガルの方できちんと連合政府に話を通してあるらしい。
 未知の勢力……それも、この世界の軍事力とは比べものにならない程強力なシャドウミラーを自分達の懐に入れるというのは、かなりの出来事だ。
 それだけネルガルに力があるって事なんだろうが……ああ、それともムネタケの件をここで使ったのか?
 ムネタケは俺に……シャドウミラーの代表である俺に対して銃口を向けているし、エリナを庇った時ではあるが発砲もしている。
 そう考えれば、連合軍の失点はかなり大きい筈だ。
 その辺を突けば、俺達がこの宙域に待機しているというのを認めざるを得ないかもしれない。

「それで、量産型Wについての報告があるって話だったが?」

 そういう訳で、ホワイトスターに戻れない俺としては通信でレモンからの報告を受ける事になっている訳だ。
 いや、正直なところニヴルヘイムの中は広いし、システムXNを使って転移フィールドの生成をするのも難しくはない。
 けどこっちで何が起きるか分からないというのがある。
 その気になればホワイトスターの俺の家からニヴルヘイムのいる場所まで数分と掛からずに到着するんだが、その数分が命取りになる事もある。

『ええ。量産型Wを見て、何か違和感がなかった?』
「違和感? ……そう言われればあったような気がするけど」

 うん、確かに違和感はあった。
 ただ、その違和感以外にも色々とやるべき事が多過ぎて、結局そのままだった気がする。
 家に戻った時に言ってもよかったと思うんだが……まぁ、ハルカとエリナを連れていったからな。そっちの対応で忙しかったってのもあるんだろう。

「そういう風に言ってくるって事は、何か特別な事があるんだな?」
『ええ。アクセルが持ってきたサーヴァントの両腕があったでしょう?』
「……ああ。あの金ぴかか」

 脳裏を過ぎったのは、金ぴか。
 実際に能力は非常に高いんだろうが、俺から見ればピエロにしか見えなかった存在。
 その両腕を奪って、技術班に提供していたのを思い出した。
 金ぴかの宝具と併せて、Fate世界の座標を探って欲しいという、かなり無茶なのを承知の上での希望だったのだが。
 量産型Wの件でそんな風に言ってくるという事は……

「量産型Wにあの金ぴかの腕を使ったのか?」
『ええ。正確にはあの腕の細胞をホワイトスターの施設で培養して、それを量産型Wに組み込んだといったところね。能力値に関しては軒並み1割以上の上昇を確認してるわ。ただ、安定しないのよ。ある個体では筋力が3割上がってるのに、他の個体では1割しか上がらなかったり。かと思えば、五感が鋭くなった代わりに持久力が落ちていたり、魔力も上下が激しいわ』
「……何だそれは。あの金ぴか、使えそうで使えないな」

 量産型Wというのは、画一的な能力を持って生まれてくる。
 シャドウミラーの主戦力でもあるのだから、当然だろう。
 平均的に高い能力を持っているというのが売りだというのに、何だってそんな事になってるんだ?

『ただ、量産型Wの能力値を上げる効果を持つというのは確実だわ。今は何とかその細胞を安定して発揮させられないかを試しているところよ』
「一応聞いておくが、量産型Wに自我が目覚めたりはしてないだろうな? 特にあの金ぴかの自我が目覚めると厄介だぞ」

 俺に対する恨みは、これ以上ない程持っている金ぴかだ。
 自我としてその金ぴかが出てこようものなら、間違いなく俺に……そしてシャドウミラーに対して牙を剥くだろう。
 そしてあの金ぴかに対抗出来る者が……
 うん? 結構いるか?
 そもそも、もし本当に金ぴかの自我が目覚めたとしても、その能力値はどうなってるか分からない。
 いや、能力値だけなら生前のものを持っていてもおかしくはないが、あの金ぴかが強いと言われていた理由はあくまでも宝具だ。
 ……さて、問題は量産型Wであの金ぴかの自我が戻ったとして、宝具を使えるのかどうか。
 正直、俺がいる場所でなら宝具を持って蘇って欲しいとは思う。
 鍵の短剣を俺が使えない以上、向こうに宝具を無数に射出して貰ってそれを俺が奪うってのがベストなんだから。
 で、量産型Wにあの金ぴかを狙って蘇らせる事が出来るようになれば……そして、全ての金ぴかが宝具を使えるとなれば、それこそ宝具を無数に手に入れる事が出来る訳だ。
 まぁ、そこまで上手くいくとは思えないけどな。……この場合は美味くいく、か?
 ともあれ、それだって俺がいてこそだ。
 まぁ、エヴァとかなら対抗出来そうな気もするが……

「あの金ぴかは、能力値だけなら無駄に高いからな。全くそれを使いこなせはしていなかったが」

 そもそも普通のサーヴァント3騎分の魂を持っていた割りに、その能力は王の財宝に特化されていた。
 その結果、金ぴか個人の戦闘力は殆ど存在しなかった訳だ。
 まぁ、王の財宝が反則級に強かったから、金ぴかの欠点は殆ど露わになる事はなかったけどな。
 ああ、乖離剣エアもあったか。もっとも、それだって強いのは宝具の能力であって、剣を振るう能力は衛宮以下なんだろうが。

『ええ、だから一応培養した細胞を使った量産型Wにはきちんと監視を付けているわ。もっと、魔法球の中で確認した限りは全く問題がなかったけど』

 なるほど、既に魔法球で確認してるのか。
 魔法球の中でならその辺を監視するのも難しくはない。
 こちらの1時間が2日間だしな。

「能力値が上がった以外に何かあるか?」
『魔力も通常の量産型Wに比べると高いわね』
「……だろうな」

 この辺も金ぴかの影響だろう。
 素の能力は高かったのだから。

「こうして聞いている限りだと、良い事だけのように聞こえるけど……何か不具合はないのか?」
『……あるわ』

 ああ、やっぱり。
 まぁ、量産型W……人造人間にサーヴァントの細胞――培養されたものだが――を組み込むというのがそもそも無茶なのだから、何らかの問題が起こっても仕方がない、か。

「具体的には?」
『サーヴァントの細胞を組み込んだ量産型Wの寿命は、通常の量産型Wの半分……どんなに長くても7割ってところね。こちらはまだ魔法球で全て試した訳じゃないんだけど、量産型Wから取ったデータで考えるとそんな具合ね。だから今は、最も長く稼働を続けるだろう量産型Wのデータを取って、それを基により長く動かせるようにしているところよ』

 寿命が7割、か。
 元々量産型Wの寿命は10年以上20年未満といったところだ。
 Wナンバーズになれば、きちんとその辺の調整もして生まれてくるんだが……量産型Wは文字通りの意味で量産型だからな。
 その辺の余計なコストからそんな感じになっている。

「取りあえず、大きな不具合がないのは分かった」
『……寿命の問題という大きな不具合があるんだけど』
「いや、俺の言ってる大きな不具合ってのは、量産型Wが金ぴかの細胞に意識を乗っ取られるとか、そういう件だ。ともあれ、純粋な能力で見れば今までの量産型Wよりも上なのは間違いないんだな?」
『ええ』
「なら、暫く様子を見ながら寿命の件を解決してくれ。それで現在見えている問題が全て解決したら、順次新型に移行していくといった感じで」
『そうね、そうさせて貰うわ。色々とやるべき事があって忙しいんだけど』

 そう言われると、こっちとしてもあまり強くは言えない。
 実際、今の技術班にはかなり無理をさせているという思いがある為だ。
 魔法球があるからこそ何とかなっているが、もしシャドウミラーに魔法球がなければ、今頃完全にパンクしていただろう。
 技術班には有能な技術者が揃ってはいるが、それでも1人は1人でしかない。
 物理的な意味で手が足りなくなってしまっては、どうしようもないのだから。
 ……いや、技術班の事を考えると、物理的に手が足りなくなってしまえば妙な技術を使って解決しそうではあるが。

「悪いな」
『いいわよ。大変なのは事実だけど、それが辛いって訳じゃないから。皆大変なのを楽しんでいるから』

 この辺が技術班だよな。
 楽しんで仕事を出来るというのは、色々な意味で強い。
 特にその傾向が強いのは、ロイド辺りか。
 寧ろ仕事にめり込み過ぎてセシルが実力行使で止めているって話だし。

「技術班の方はそれでいいとして、火星はどんな状況だ?」
『そうね。ムラタは喜んでるらしいわよ? ディストーションフィールドをどうにかして斬ろうとしているらしいわ』
「斬る? いやまぁ、ムラタならそれを狙ってもおかしくはないか」

 強くなるということを己に課しているムラタであれば、斬れないものは斬りたくなるだろう。

『それ以外は……そうね、メギロートの方に若干の被害が出てるけど、基本的にはシャドウミラー優勢ね。ただ……』

 何か口籠もるレモンの様子に、首を傾げる。

「どうかしたのか?」
『いえ、全体的に見ればこちらが有利なのは変わらないんだけど、そもそも木星蜥蜴がどこにいるのかを見つけるのに苦労しているし、見つけても戦わずに逃げていく集団もいるみたいなのよ。どう思う?』
「逃げる? 木星蜥蜴が? いや、無人機なんだから、自分達が敵わないと考えれば逃げたりしてもおかしくはないだろうが……」

 それでも、やっぱりどこか違和感がある。
 無人機というのは、自らの損害を考えたりはしない。
 敵の攻撃で手足が破壊され、中破、大破となろうが、それでも最終的に勝利出来るのであれば、躊躇なくその行動を選択する筈だ。
 それなのに無人機が逃げるというのは……どうなってる?

「別にこっちが有利な訳でも、圧倒的に……木星蜥蜴に手足を出させないよう程に圧勝しているって訳ではないんだよな?」
『ええ。BETAとは違うもの。メギロートはバリアがないから、バッタの攻撃でも集中されればミサイルを全て防ぎる事は出来ないし、大型艦……ヤンマだったかしら? そのヤンマからのグラビティブラストを食らえば、どうにも出来ないまま撃破されてしまうもの』
「だろうな」

 ネルガルの研究所に攻めて来た時、バッタの集中攻撃でメギロートが被害を受けているのは見ているし、ヤンマのグラビティブラストでメギロートが纏めて撃破されているのも見ている。
 ただ、同時にシャドウであればグラビティブラストを正面から受けても撃破される事がないというのも証明済みだ。

『そしてこっちの主戦力は圧倒的にメギロート。勿論シャドウとか幹部の機体もいるけど、向こうにとっては数は圧倒的に少ない筈よ。なのに、撤退している。……何故だと思う?』
「幾つか考えられるが、やっぱり一番可能性が高いのは総合的に見て勝ち目がないから、今は戦力を温存しているとかだろうな。あるいは……」
『あるいは?』
「もし木星蜥蜴の後ろに何らかの知的生命体がいるのであれば、そっちの力関係で、とか。いや、可能性は少ないと思うけど」

 そう、可能性は少ない。けど、少ないという事は0ではない訳で……
 だとすれば、木星蜥蜴は地球を狙っている者達の先兵って扱いになるのか?
 それこそ、シャドウミラーのメギロートと同じように。
 やっぱり木星を一度きちんと調査した方がいいか。
 連合軍や連合政府との交渉の時にはこの件も入れて貰おう。

『そう言えば、今日の戦いでカトンボが何隻が手に入っているわよ。現在技術班で調査中。……ただ、正直カトンボはシャドウミラーとしてあまり魅力的ではないかもしれないわね』
「何でだ?」
『少し作りが粗雑なのよ。何て言えばいいのかしらね。印象としてはきちんとした戦艦じゃなくて、簡易的な戦艦? そんな感じで。あくまでも私の印象だけど』
「簡易的な戦艦か。……まぁ、それでも数を揃えるって意味では使えるんじゃないのか? その辺をどうにかして生産プラントを入手すれば、結果的にありがたいと思うけどな」

 俺の言葉にレモンは少し躊躇しながらも頷きを返す。

『ただ、艦を分析してみた感じだとやっぱりヤンマの方がいいと思うわ』
「そりゃそうだろ。ヤンマの方が新型なんだから」

 劣化版ナデシコ……いや、純粋な攻撃能力で考えればナデシコよりも上だ。
 ナデシコが大挙して襲ってくると考えれば……こっちの世界でのナデシコの実力を知っている者にしてみれば、悪夢のような光景だろう。
 もっとも、ナデシコが強いのは艦の性能もあるが、それ以上に人材の面が強いのだが。

「とにかくそっちの方は任せた。他に何か報告はあるか?」
『そう、ね。追加武装……いえ、外部ユニットの方はもう少し掛かりそうね。出来れば木星蜥蜴との最終決戦には間に合わせたいところだけど』

 そう告げるレモンだったが、口調とは裏腹に自信に満ちた笑みを浮かべている。
 その外部ユニットには相当の自信があるのだろう。
 完成するのを楽しみにしながら、その後もレモンと暫く話をしてから通信を切るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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