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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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第126話

探索を再開したケビン達はシェラザードが解放された事によって行けるようになった最後の『修練場』―――『グリムゼル小要塞』の探索を開始し、探索の途中に現れる敵やトラップを排除しながら終点に到着した。すると牛のような姿をした獣人達と共に虚ろな目をしたアガットが妖しげな光陣から現れた!



~グリムゼル小要塞・終点~



「…………………」

「あ………!」

「アガットさん………!」

虚ろな目をしたアガットを見たティータは不安そうな表情をし、ヨシュアは叫んだ。

「……奴が相手か。」

「やれやれ……厄介なのが現れたわね。」

「ま、ルークが出て来なかっただけマシだと思うよ?今のあいつが敵に回ったら、わたし達も結構苦戦するし。」

アガットの登場にバダックは表情を引き締め、シェラザードは苦笑し、アニスは疲れた表情で呟いた。

「………どうやら相当、キツイ戦いになりそうやな。ティータちゃん、気合い、入れていくで!勝ってその手でアガットさんを取り戻すんや!」

「はいっ………!」

そしてケビンの呼びかけにティータが頷いたその時双方はそれぞれ突撃して戦闘を開始した!



「か、覚悟してください!ええいっ!!」

戦闘開始早々ティータはクラフト――スモークカノンを放って、敵達の目をくらまそうとしたが

「「「………………」」」

敵達は効いていないのか、アガットと共に襲い掛かって来た!

「フンッ!!」

「セイッ!!」

獣人達にはバダックとヨシュアがそれぞれの武器で受け止め

「やあっ!!」

アガットにはアニスがトクナガを操ってアガットの攻撃を受け止めていた。

「これでも喰らえやっ!!」

そこにケビンが邪気を乗せた矢を放つクラフト――ゴルゴンアローを放って、アガットを石化させた!



「やあっ!エアロストーム!!」

そして仲間達が時間を稼いでいる間にオーブメントの駆動を終えたシェラザードは獣人達に高火力のアーツを放ってダメージを与えると共に怯ませた。

「獅子戦吼!!」

「双連撃!!」

そこにバダックとヨシュアがそれぞれクラフトを放って獣人達に追撃し

「でっかいトンカチ、当たって砕けろ―――ミラクルハンマー!!」

「ほれっ!ストーンインパクト!!」

術の詠唱やオーブメントの駆動を終えたアニスとケビンがそれぞれ譜術とアーツを放って更にダメージを与えた。



「「――――――!!」」

ダメージを受け続けた獣人達は雄たけびを上げた後一番近くにいたバダックとヨシュアに突進した!

「っ!?」

「グッ!?」

敵達の攻撃があまりにも早かった為2人は回避できず、さらに吹っ飛ばされてダメージを受け

「「――――!!」」

敵達は続けてケビンとシェラザードに突進した!

「チッ……!これでしまいやっ!!」

「!ふふっ、これで終わりよっ!!」

「「―――――!!??」」

それぞれ側面に跳躍して回避したケビンは凄まじい邪気を矢に纏わせる事によって即死効果を付与する矢を放つクラフト―――デビルアローを、シェラザードは”死神”の絵柄が書かれてあるタロットカードを投擲するクラフト―――デスカードを放ち、それぞれ即死効果を持つクラフトを受けた獣人達は叫び声をあげながら消滅した!



「……………」

するとその時石化していたアガットは石化から回復して、なんとSクラフト―――ドラゴンダイブを放ち、ケビン達に大ダメージを与えた!

「くっ……はっ!ほらっ、シャキッとしなさい!」

アガットが放ったSクラフトによる大ダメージに呻いていたシェラザードだったが、すぐに立ち直って味方をムチ打つ手荒な激励―――ヘブンズキスでダメージを受けた事によって怯んだケビン達をすぐに動かせるようにした。

「今助けたる―――そらっ!!」

「が、頑張って!!」

そしてすぐに動けるようになったケビンとティータはそれぞれ回復系のクラフトで自分や味方の傷を回復し

「おぉぉぉぉぉ……!!」

ヨシュアは魔眼でアガットの動きを封じ込めていた。

「覇道………滅封!!」

そこにバダックが遠距離から極太の闘気のエネルギーを放ってアガットにダメージを与え

「聖なる意思よ、我に仇為す敵を討て――――ディバインセイバー!!」

アニスは高火力の譜術を発動してアガットに追撃した。するとアガットは凄まじい雷撃を受けた影響によって一時的に全身が麻痺して思うように動けなくなり

「双連撃!!」

「もう、しまいにしよか……滅!!」

「はっ!バインドウィップ!!」

その隙を逃さないかのようにヨシュアとケビン、シェラザードはアガットに一気に詰め寄って次々とクラフトを叩き込んだ。するとアガットは”グリモア”に変化し

「か、覚悟してください!い、行きます!やあぁぁぁぁぁ!!」

止めにティータがSクラフト――カノンインパルスを放って止めを刺した!

「ドキドキしちゃった…………」

敵に止めを刺したティータは安堵の溜息を吐くと、アガットがいた場所に封印石が現れ、武器を収めたケビンは封印石を手に入れた。



「ふう………これでオッケーや。それにしても………なんちゅう強さや、ホンマ。」

封印石を回収したケビンは安堵の溜息を吐いた。

「こ、これでアガットさんが………ケビンさん、早く庭園に戻りましょう!」

一方ティータは嬉しそうな表情で提案した。

「わかった、わかった。」

「はは、急いで戻りましょうか。」

その後ケビン達は庭園に戻り、封印石を解放した。



~隠者の庭園~



「あっ………!」

「ふふ、良かったね。」

「うんうん。相変わらず見事な赤毛やね。」

封印石が解放され、光の中から現れようとした人物を見たティータは嬉しそうな表情をし、ヨシュアはティータの様子を見て微笑み、ケビンは何度も頷きながら言った。そして光は消え、そこにはアガットが蹲っていた。

「クッ………いきなり何だってんだ………!―――おいダン!いったい何があったんだ!?………!へ………」

顔を上げて叫んだアガットだったが、目の前にいるティータに気付いて呆けた声を出した。

「ア、アガットさん………」

なんだティータ、晩メシ作ってたんじゃ………って、あれ?たしか定期船から降りた所でお前の親父と出くわして………」

「………っ………」

直前の事を思い出して首を傾げているアガットにティータはいきなり抱きついた!



「お、おいおい………何だってんだ、いきなり………」

「よ、よかった………ホントーによかったです………アガットさんが無事でいてくれて………」

「無事って………この前会ったばかりだろうが。おい、ヨシュア。いったい何があったんだ―――!そういやお前………いつの間に戻ってきたんだ?それに不良神父………?なんでお前がいるんだよ!?」

「はは、その…………」

「これには色々と深い事情がありましてなぁ。」

状況に戸惑っているアガットにヨシュアとケビンは苦笑し

「言っておくけどあたし達もいるわよ。」

「よう、久しぶりだな。」

「ふふ、ご無沙汰してました。」

シェラザード、ジン、クローゼはそれぞれ声をかけ

「いいなあ、アガット先輩。相変わらずティータちゃんとラブラブで………」

「フッ、三国一の果報者とは君のことを指すに違いあるまい。」

「年齢差での結婚は否定しないが………さすがにそのような幼い時から付き合うのはどうかと思うぞ?」

アネラスは羨ましがり、オリビエはアガットを称え、バダックはアガットをからかうかのように口元に笑みを浮かべてアガットに指摘した。



「ア、アホか!そんなんじゃねえっての!」

アネラス達の言葉を聞いたアガットは慌てて叫んだ。そしてティータはアガットから離れ、離れられたアガットは立ち上った。

「えへへ………ごめんなさい、つい嬉しくて。うん、でもこれで後はエステルお姉ちゃん達だけだよね!」

「へ………エステルって………っていうかおい!こりゃ一体どういう事だ!?またエリカ・ラッセルあたりのトラップじゃねえだろうな!?」

ティータの言葉を聞いたアガットは驚いた表情で叫び、アガットの叫びを聞いた全員は脱力した。

「エリカ博士………そこまでアガットさんのことを目の仇にしてたんか………」

「一体どういう方なんでしょうね………」

「………なんだかお母さんたちが帰ってきてから色々とあったみたいだね。」

「あう………恥ずかしながら………」

ケビンは疲れた表情で呟き、カリンとヨシュアは苦笑し、ケビン達の言葉を聞いたティータは恥ずかしそうな表情をした。そしてケビン達は状況をアガットに説明し、初対面の者達は自己紹介をした。



「フン………まあいいだろう。とても納得はできねえがグダグダ言っても始まらねぇ。俺も協力してやるからとっとと先に行くとしようぜ。」

「え………」

「はは、即断即決なんは相変わらずみたいですなぁ。何か疑問とかあるんならわかる範囲でお答えしますけど?」

アガットの判断にヨシュアは驚き、ケビンは感心しながら尋ねた。

「さっきの話で大体の事情はわかったからいい。あとはこの目で確かめるなり、他の連中から聞くなりしておくさ。それよりも………これだけのメンツが揃ってるのに肝心なヤツがいないじゃねえか。まずはとっととそいつを見つけなくちゃならねぇだろ。」

「アガットさん……」

「………ありがとうございます。」

優しそうな微笑みを浮かべて語るアガットをティータは見つめ、ヨシュアは軽く頭を下げてお礼を言った。



「あー、礼を言われる筋合いはねぇ。お前同様、あいつは俺の後輩でもあるんだからな。それより、どうだヨシュア。外国に武者修行に出てまた腕を上げやがったのか?」

「ええ………それなりには。でも、僕よりエステルの方が頼もしくなったと思いますよ。今では旅先のギルドでもずいぶん頼りにされていますから。」

「へっ………さすがオッサンの娘といったところか………」

「………かもしれません。レーヴェに追いつくため、エステルと一緒に頑張っています。」

「へっ、そうか。……………ん?…………!おい、仮面女……じゃなくてカリン、だったよな?あんたに聞きたいことがあるんだが………」

ヨシュアの言葉を聞いたアガットは頷いた後ある事に気付き、複雑そうな表情でカリンを見つめて尋ねた。

「?何でしょうか?」

「あの野郎………”剣帝”もこの”影の国”とやらに取り込まれているのか?」

「……多分取り込まれていると思います。私が”影の国”に取り込まれる直前はレーヴェもその場にいましたので。」

「そうか………今までさんざんやり合ってきたあの野郎と共に戦うのは変な感じだが…………へっ、ちょうどいい。今までの分の借りを返す機会が巡ってきそうだな。」

カリンの答えを聞いたアガットは複雑そうな表情をしていたが、やがて不敵な笑みを浮かべた。



「ア、アガットさん。もうレーヴェさんは敵じゃないんですから………」

アガットの言葉を聞いたティータは心配そうな表情をして溜息を吐いた。

「安心しろ。模擬戦をするだけだ。―――ただし、お互い本気の………だが。」

「ハハ、”剣帝”と手合せか。”剣帝”が解放されたら俺も挑むとするか。俺も一度手合わせをしたいと思っていたしな。」

「ふふ、なら私も頼もうかな。同じ剣士としてどれほどの腕か非常に気になりますし。」

「意外と人気者やね、彼。」

「ハハ、そうですね。」

アガットに続くようにレーヴェとの手合わせをしようと思っているジンとアネラスの答えを聞いたケビンに訊ねられたヨシュアは苦笑しながら返事をした。



「ふふ、でもアガット………あんたよくこの状況をすぐに受けいれられるわね。」

「夢とか幻術じゃないかって疑ったりしなかったんですか?」

「そ、そりゃまあ………」

シェラザードとアネラスの疑問を聞いたアガットは戸惑いながら言葉を濁したが

「フッ、当ててみせようか。抱きついたティータ君の瑞々しい匂いと柔らかな感触………それが余りにもリアルだったから疑いようがなかったんだろう?」

「っ!?」

オリビエの推測を聞いて表情を引き攣らせた。



「え、え、え…………!?」

「ふむ………なるほどな。」

「まあ、二人の微笑ましい関係を考えたらそう思うのも無理はないわね。」

「フフ………なるほど。そういう事ですか。」

一方ティータは顔を赤らめて戸惑い、ユリア大尉は静かに頷き、アーシアは苦笑し、ナタリアは微笑ましそうにアガットを見つめ

「うわっ、そっちの趣味の人なんだ。」

「まあ、見た目通りですからそんなに驚く事はないんじゃないですか?」

「みゅ?ティアさん、ジェイドさんの言っている事は本当なのですか?僕にはよくわからないのですの。」

「フフ、ミュウは判らなくていい事だから気にしなくていいわよ。」

意味ありげな笑みを浮かべてアガットを見つめるアニスにジェイドはからかいの表情で指摘し、首を傾げているミュウにティアは微笑みながら指摘した。

「ロイドも気を付けろよ?お前のリア充っぷりを考えると、あんな風に言われる事もありえるぜ?」

「いや、意味がわからないですし、何でそこで俺が出てくるんですか!?」

からかいの表情をしているフレンに指摘されたロイドは疲れた表情で声をあげた。



「ちょ、ちょっと待て!なんでいきなりそーなる!?」

そして仲間達の会話を聞いていたアガットは慌てて叫んだ。

「照れない、照れない♪」

「ま、いいんじゃない?年の差カップルっていうのも。」

「いやいや!むしろそれがいいんだってば!この絶妙な距離感が微笑ましくて仕方ないというかじれったくて身悶えするというか!」

アガットの様子を見たシェラザードは茶化し、ジョゼットは口元に笑みを浮かべて呟き、ジョゼットの言葉にはアネラスが何度も頷いた後微笑ましい表情でアガットを見つめた。

「なるほど………ロマンってやつだね。」

「”犯罪同然”の言葉が前につきますが。よかったですね、ティア。彼はある意味貴方と”同類”ですよ?」

「確かにルークの本当の年齢を考えたらそうだよねぇ?」

「あー……まあ、ルークは生み出されて7年しか経っていないからな……」

「フフ、とても7歳児には見えない大きな子供ですが。」

アネラスの言葉に納得している様子のジョゼットに一言付け加えたジェイドはアニスと共にからかいの表情でティアを見つめ、二人の指摘を聞いたガイとナタリアは苦笑していた。



「なっ!?何で私をあんな男と一緒にするのよ!?というかルークは公式でもアッシュと同い年扱いされていたから当時のルークは17歳で私は16歳だったから、年の差は私と大して変わらないし、それを言ったらアニス。フローリアンを育てている貴女も同じなんじゃないの!?」

一方からかわれた側のティアは驚いた後すぐに反論してアニスを睨んだ。

「え~、わたしはフローリアンの事は弟か息子みたいに見ているだけで、恋愛対象には見ていないから実際の年齢は7歳のルークにベタ惚れのティアと一緒にしないでくれる?」

睨まれたアニスは意味ありげな笑みを浮かべて答えたが

「みゅ?でもアニスさんは実際の年齢は2歳のイオンさんの事を好きだったんじゃないですの?」

「ブタザル風情が余計な事を言ってんじゃねぇよ。」

「みゅ~~~~~~っ!?目が回りますの~~~~~っ!?」

「ちょっと、アニス!?昔のルークみたいにミュウに八つ当たりをしないでよ!?」

ミュウが首を傾げてある事を呟くと”本性”をさらけ出してミュウの頭を掴んで自分の目の前まで持ち上げてミュウを睨んだミュウを持った腕を激しく振り回してミュウの目を回させ、それを見たティアはアニスを睨み、その様子を見ていたケビン達は冷や汗をかいた。

「あ、あう………」

「て、てめえら……」

一方話の的にされたティータは恥ずかしそうな表情で溜息を吐き、アガットは仲間達を睨み

(やれやれ………何とも緊張感に欠けるな。)

(はは、これも俺達ならではのノリってやつさ。)

(というか何気にとんでもない事実が発覚しましたね♪)

(ええ……これでルークが今まで恋人を頑なに作らなかった理由がようやくわかったわね♪)

(フフ、ティアさんみたいな素敵な女性に想いを寄せられているのですから、ルークさんも隅におけませんね。)

ミュラー少佐とジンはそれぞれ苦笑しながら小声で会話をし、笑顔のアネラスの小声にシェラザードはからかいの表情で答え、クローゼは微笑みながらティアを見つめていた。



「ったく………いい加減にしろっての。そういや………もう一人仲間がいるんだろ?教会のシスターみてぇだが………いったいどこにいるんだよ?」

「あ………」

「………スンマセン。向こうの書架にいるんですけどちょっと事情がありまして………」

そして気を取り直したアガットの言葉を聞いたティータは心配そうな表情でケビンを見つめ、ケビンは苦笑しながら答えた。

「リースさんですよね?ちょっとお話しましたけどすっごく可愛い人ですよねぇ。」

「あたしも話したけど………独特の雰囲気で面白い子よね。なんか元気がなかったからあんまり話は弾まなかったけど。」

アネラスとシェラザードはそれぞれリースの自分での印象を口にした。



「………ケビンさん。探索は僕たちに任せて一度リースさんと話し合った方がいいんじゃないですか?」

「………………………いや………どうやら”方石”の扱い方はオレが一番馴染んでいるみたいや。”悪魔”の危険もあるし………外れるわけにはいかんやろ。」

「ですが…………」

「ま、あいつも子供やないんやし、そのうち機嫌も治るやろ。今は時間が惜しい………さっさと出発するとしよう。」

「ケビンさん………」

「フッ、ならばボクが残って彼女の心の扉を開くとしよう…………」

ヨシュアの提案を苦笑しながら断ったケビンをクローゼは心配そうな表情で見つめ、オリビエは静かに呟いた後、リュートを取り出し

「久々に解き放たれるこの超絶的なリュートテクでね!」

そして高々と叫んだオリビエの言葉を聞いた全員は脱力した。

「やめんか阿呆。」

「まったく……あんたも相変わらずねぇ。」

ミュラー少佐は顔に青筋を立てて呟き、シェラザードは呆れた表情で溜息を吐いた。その後ケビン達はメンバーを編成し、ケビン、ヨシュア、アガット、ティータ、ガイ、ジェイドのメンバーで探索を再開し、ロッジ内にある石碑に転位すると外は夕方になっていたので、外を出て探索を開始した。



~ル=ロックル訓練場~



「………見た所、外の風景が変わっただけで、特に何も起こっていないようですね……」

「ああ。だが、今までの事を考えると絶対何かが起こるはずや。」

ヨシュアとケビンが周囲を見て相談をしていたその時、訓練場の広い場所に妖しげな光陣が現れた!

「へっ、早速か。」

妖しげな光陣を見たアガットは仲間達と共に武器を構えて、不敵な笑みを浮かべた。すると妖しげな光陣から虚ろな目をしたレンが現れ、現れたレンは二振りの小太刀を構えた!

「……………」

「こ、子供!?」

「彼女も貴方達の関係者ですか?」

子供であるレンの登場にガイは驚き、ジェイドはケビン達に訊ねた。

「ええ……彼女が僕達の話の中に出てきたブライト家の末妹のレンです。―――気を付けてください!彼女は幼いですが達人(マスター)クラスの剣技に加えて銃や格闘、それにアーツもそれぞれの分野を得意と使い手達と同レベルでもある上、それらを巧みに切り替えながら臨機応変に戦う万能型の戦闘スタイルですから敵に回れば相当手強い相手です……!」

「へっ、まさかこんな形でやりあう事になるとはな……偽物とはいえ、今まで受けた借りの一部をここで返してやる!」

ジェイドの疑問に答えたヨシュアはレンの事を知らないガイとジェイドに警告し、アガットは不敵な笑みを浮かべてレンを見つめ

「ハア……偽物とはいえ、よりにもよって”執行者”を単独で、しかも銃やアーツも使わずに剣技だけで退けた事もあるあのとんでもないお嬢ちゃんを相手にせなあかんなんて、さっき以上に相当キツイ戦いになりそうやな。―――そんじゃ、さっき以上に気合を入れて挑むで!」

「おおっ!!」

「今、助けるからね、レンちゃん!」

ケビンは疲れた表情で溜息を吐いた後仲間達に号令をかけ、ティータは心配そうな表情でレンを見つめて声をあげた後レンとの戦闘を開始した!




 
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