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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1330話

 アカツキとエザリアが映像モニタ越しに話しており、時折そこに俺が口を突っ込み、あるいはアカツキがプロスペクターやエリナに話し掛けるといった具合に話は進む。

『それにしても、エザリアさんは本当に美人ですね。聞いた話だと、お子様がいらっしゃるという話ですが、何故そんな美しいままなのでしょう? 正直なところ、その方法を教えて貰えれば、それだけでこの世界では大儲け出来ますよ。……シャドウミラーが接触を持っている世界は他にも幾つかあるという話でしたが、もしかしてその世界では皆が若いのでしょうか?』
「ふふっ、ありがとう。ちなみに私の息子はそこにいるイザークよ。イザーク、挨拶を」

 エザリアの言葉に、ソファの後ろに立っていたイザークが口を開く。

「シャドウミラーの実働班に所属するイザーク・ジュールだ」

 感情を表に出さないように自己紹介し、頭を下げるイザーク。
 だが、その内心では自分の母親を口説きそうなアカツキに対して警戒しているのは間違いない。
 普通にエザリアに向かって美人だと言っただけではここまで警戒しないのだが、今回ここまで警戒しているのは、やはりアカツキの外見があからさまに軽いからだろう。

『ほう……これはまた、随分と大きな息子さんをお持ちで。こうして見ると、姉と弟にしか見えませんね』
「ふふっ。よく言われるわ」
『美人と言えば、最初にも言いましたがそちらのお二方も随分と美人ですね』

 エザリアからあやかと千鶴へと粉を掛けるアカツキだったが……今回の場合は相手が悪いとしか言えなかった。

「あら、ありがとうございます。ですが私はこう見えてアクセルく……代表の恋人ですから」
「あやかと同じく、私もそうなりますね」

 あやかと千鶴の2人が左手の薬指に嵌まっている時の指輪を見せると、映像モニタの向こうのアカツキは見て分かる程に驚く。

『恋人が2人? 更に、2人共それで納得をしていると?』

 うん? 俺の恋人が2人どころじゃないってのは、当然エリナは知ってる筈だけど……報告してなかったのか?
 それとも、報告するまでもない出来事だと思ったのか。
 ああ、それともアカツキは既にその事を知っていたけど、それを知らない振りをしてわざと驚いて見せているという可能性もあるのか。

『アクセル代表、もしかしてシャドウミラーというのは一夫多妻制だったりしますか?』
「そうだな、今は黙認の状態だが……」

 そこで一旦言葉を止め、視線をあやかと千鶴の2人へと向ける。
 そんな俺の視線に気が付いたのだろう。その2人は笑みを浮かべて頷く。

「どうやら近いうちに法的にも大丈夫になるらしい」
『ほう! ほうほうほう! こちらの世界でも複数の恋人や大勢の内縁の妻、愛人といった人を抱えている者はそれなりに存在しています。ですが基本的に一夫一婦制なので、世間に知られれば白い目で見られる者が殆どです。僕にとってもシャドウミラーというのは随分と魅力的なようですね。どうでしょう? ネルガル支社をシャドウミラーの本拠に……ホワイトスターとか言いましたか? そこに設置してみるというのは』

 そう来たか。
 改めて交渉するのではなく、世間話に絡めてくる。
 良くある手ではあるが、ネルガルにしてもあまり絡め手を使ってこっちを刺激したくないというのはあるんだろう。だからこそ穏当な手段を取ってきた訳で。

「そうだな、俺達と友好な関係になればそういう可能性もあるかもしれないな。エリナから聞いてるかどうかは分からないが、ホワイトスターには他の世界から出店してきている店はかなりの数がある」

 と言うか、正確にはほぼ全てが他の世界からの出品だ。
 シャドウミラーの直営店とも呼べる店は、それこそ超包子くらいじゃないか?
 あ、いや違うな。牧場区画とかにある土産物屋とかはシャドウミラーの直営店だし、ワイバーンに乗せるというのもシャドウミラーの管轄だ。
 交流区画にある店だと、技術班がお遊びで作った代物を売ってる店とか、門世界のモンスターの剥製とか骨格とかを展示している博物館も同じくシャドウミラーの管轄だ。
 しかも聞いた話だと、フェイトがホワイトスターでコーヒー豆の直営店を出そうと考えてるとか何とかも聞いた覚えがある。
 ……こう考えるとシャドウミラーの直営店は結構多いが、それでも交流区画にある店の全体から見れば1割あるかどうかといった具合だろう。

『それでは、ネルガルについても?』

 食い気味……に見えるアカツキの言葉だったが、俺が応える前にエザリアが口を開く。

「アクセル代表が言った通り、きちんとこちらの要望を聞いてくれて、友好関係になれば可能性はあるでしょうね。既にこちらの要望は伝わっているわよね?」
『……連合軍、連合政府との橋渡し役ですか』
「ええ。分かっているのならいいわ。後はそちらの態度次第よ。シャドウミラーとしては、アクセル代表に良くして貰った恩もあるし、出来れば交渉相手はネルガルにしたいのだけど。クリムゾングループより、ネルガルの方が気心も知れているし」

 クリムゾングループという名前が出ると、アカツキの表情が一瞬だけ苦いものに変わる。
 現在の地球……少なくても俺達が地球を発った時の状況では、ネルガルの影響力はかなり強い物になるという予想……いや、確信があった。
 当然だろう。連合軍が木星蜥蜴に勝てないでいる状況で、ナデシコとエステバリスは木星蜥蜴を相手に圧倒的な力を見せつけたのだから。
 それとミロンガ改もあの時はネルガルの機体って事になっていたし。
 そんなナデシコやエステバリス、ミロンガ改を開発出来る能力を持っているネルガルだ。当然連合軍に対する影響力は非常に強くなるだろう。
 ……まぁ、ミロンガ改は当然の如く新しく生み出す事は出来ないんだが。
 ともあれ、現状の連合軍が木星蜥蜴に勝つ為にはどうしてもネルガルの力が必要な訳だ。
 今エザリアが口に出したクリムゾングループも、バリアに関しては高い技術を持っているらしいが……木星蜥蜴に勝つ為に必要なのは、防御力じゃなくて攻撃力だ。
 いや、ナデシコにもディストーションフィールドっていうバリアはあるんだけどな。
 そんな理由もあって、現在地球で大きな勢力を持っているだろうネルガルとしては、出来るだけそれを維持したい。
 けど、そこにシャドウミラーが現れてしまい、クリムゾングループに協力したとしたら?
 勿論俺達がクリムゾングループに協力したところで、すぐにナデシコ級の戦艦を開発出来るとは思えない。
 幾ら技術を提供したとしても、戦艦を建造するのに数日とかでは絶対に無理なんだから。
 いや、魔法球を所持しているシャドウミラーなら現実世界で数日あれば普通に戦艦は出来ると思うけど。
 ともあれ、普通に考えてクリムゾングループが技術力を得てもすぐに戦艦を作る事は出来ない。
 だがそこにシャドウミラーが傭兵として雇われればどうなるか。
 ナデシコVSシャドウミラー。……火星での戦いを直接その目で見ているプロスペクターやエリナ、ゴートといった面々。そして何よりナデシコのクルー達がシャドウミラーと競い合って勝てるとは思わないだろう。
 そうなれば、現在地球で得ているネルガルの覇権は終わりを告げる。
 そしてクリムゾングループに抜かれたネルガルが以後再び浮き上がってくるのは……無理とは言わないが、相当に難しくなるのは間違いないだろう。
 ネルガル会長のアカツキとしては、そんな事態は絶対に避けたい筈だ。

『まさか、そんな手段に出るとは思いませんでしたよ』
「当然でしょう? 確かに今の私達はネルガルと友好関係にあるけど、別にそれがネルガルでなければならない、とは限らないのだから」
『ネルガルとしては、そのような行為は出来れば止めて欲しいというのが本音ですね』
「では、連合軍や連合政府との橋渡し、お願い出来るかしら?」
『……事前交渉の時に聞いてるかもしれませんが、確実に橋渡しが出来るとは限りませんよ? また、下手をしたら連合軍がそちらの巨大な城……ニヴルヘイムとかいいましたか? それに攻撃を仕掛けるという可能性も否定出来ません』

 慎重に言葉を選んでいるように思えるが、ネルガル会長であるアカツキの口からこういう言葉が出るという事は、恐らく既に攻撃を主張している者が一定数以上いるんだろう。
 それでも実際に攻撃を行っていないのは、やはり俺達がサツキミドリ2号を助けたという実績があるからか。

「その場合、もしかしたらナデシコも……更にはネルガルも連合軍の攻撃対象になるかもしれないのでは? 何しろ、私と一緒にこの宙域に転移してきたのだから」
『なるほど。ナデシコを連れてきてくれたというのは、そちらも狙いですか。念には念を入れる、と。怖い人だ』
「政治家としては喜ぶべきなんでしょうが、女としてはあまり嬉しくない言葉ね。……で、どうするの?」
『どうするのと言われても、こちらには最初から取れる手段はないように思えるのですが?』
「そう? 自分達の潔白を証明する為、率先して私達に攻撃するというのは手段の一つとしてあると思うけど」
『ご冗談を。アクセル代表が地球で見せたミロンガ改、更に火星のユートピアコロニー跡で木星蜥蜴を相手の戦闘、そして最後にオリンポス山の研究所で木星蜥蜴と戦ったシャドウミラー。これらの戦闘映像を見てしまえば、とてもではないがシャドウミラーとの敵対は出来ませんよ』

 地球での戦いはともかく、火星での戦闘はやっぱり映像を撮ってたんだな。
 いや、そのくらいは予想していたし、当然だという思いの方が強いんだが。

「では?」
『……分かりました。全面的にシャドウミラーに協力しましょう。その代わり、ネルガルが連合軍に攻撃されそうになったら援軍を送ってくれるという保証を頂きたい。ネルガルとしても、今回の件は一か八かの大博打に等しいのだから』
「そうね」

 エザリアの問い掛けるように向けてくる視線に、口を開く。

「ネルガルがどの程度の規模なのか……いや、正確にはどのくらい支社や研究所といった攻撃される場所があるのか分からないから、全てという訳にはいかないかもしれないが、戦力は出そう。この世界の連合軍の戦力を見た限りだと、1ヶ所につきメギロートを数機……いや、一応戦艦が主戦力だと考えればシャドウを入れた方がいいか。シャドウを1機にメギロートを5機派遣しよう」

 正直、シャドウはともかくメギロートの数が多くないかと思うが、メギロートの増産は簡単に出来るし、何よりマブラヴ世界の戦闘でシャドウミラーの出番が精霊の卵くらしいかなくなった以上、数は余ってるんだよな。
 それこそ1ヶ所につきメギロート30機とか配置しても、全く問題ないくらいには。
 シャドウの方は、こちらもかなり量産されてるけど、メギロート程に数は多くない。
 いや、そもそもシャドウのような、一般的には超のつく高性能機を量産しまくってるって時点で色々と異常なんだけどな。
 それに警備という面もあるが、どちらかと言えばネルガルや連合軍、連合政府に対して恫喝する意味もある。

『ふむ、なるほど。……シャドウとメギロート、ですか』

 当然アカツキの方もそれを理解はしているのだろうが、アカツキにとってはこの件は殆どデメリットはない。
 完全にない訳じゃないが、メリットの方が多いだろう。
 シャドウミラーと自分達が友好関係にあるというのを示せるし、連合軍がネルガルの施設を攻撃しようとしても理不尽な対応は取られないで済む。
 ……まぁ、この世界の裏切り者というレッテルを貼られかねないが、それに関してはナデシコがニヴルヘイムやシロガネと一緒にこの宙域に転移してきた時点で今更だろう。

「そっちにとっても利益の方が多いと思うが?」
『そう、ですね。ええ、そう思います。ただ、もう少しこう……異世界間貿易についての件で色々と便宜を図って貰えれば』
「便宜、か。その辺はどうなんだ?」

 エザリアに発現を譲ると、すぐに頷きを返す。

「どのような便宜かというのにもよるでしょうね。例えば、異世界間貿易では基本的に禁じている兵器の輸出入に関して特例を設けて欲しいというのは無理だしね」
『いえいえ、勿論そんな大それた事は考えてませんとも。ただ、この世界……ナデシコ世界という名前になったんでしたか。そのナデシコ世界から異世界間貿易に参加する際にある程度のアドバンテージが貰えれば、と』
「具体的には?」
『クリムゾングループを始めとする、反ネルガル企業よりも優遇税制措置とか』
「……そうね。検討はしましょう。ネルガルがこれから連合軍や連合政府との間でどれだけ活躍したかによってはそのようなこともあるかもしれないわね。それに火星でプロスペクターと話をした時に、ホワイトスターに転移可能な人数を多少増やすという約束はしてるから、それも優遇措置と言えるんじゃない?」

 エザリアの口から出た言葉に、アカツキは嬉しそうな笑みを浮かべる。
 いや、勿論それが素直に感情を現している訳じゃないと思うんだが。

『色々と便宜を図って貰えるのであれば、こちらとしても橋渡し役を頑張る事が出来るというものです。……張り切って行動させて貰いますよ』
「そうして頂戴」

 こうして、お互いに色々と腹の中にはあるのだろうが、結果として無事に交渉は成立する。
 俺達の方が圧倒的に有利な交渉結果になったな。
 お互いの力関係を考えれば自然な事なのかもしれないが。
 それに、ネルガルにもかなりの利益が出ているのは確かだし。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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