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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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雷藤VSレーゼ

 
前書き
ついに雷藤が初のエイリア学園戦! 

 
奈良シカTVに到着した俺たちは急いで入り口に向かった。

警備員のところに辿り着いた俺たちは、改めて俺は話し掛ける。

「警備員さん、この人を見てもさっきの話…信用出来ないか?」

黒薔薇が俺たちの後ろから現れると、警備員の目が変わった。

「き、君はもしかして…!奈良最強のサッカー選手…黒薔薇じゃないか!?」

「ああ。その通りだよ。俺たちをこの先に通してくれるかな?」

「黒薔薇を仲間にしているとは…。どうやら君達の力は本物らしいな」

その言葉を聞いた円堂が警備員に叫ぶ。

「警備員さん!塔子は…SPフィクサーズたちは、今どうなっているんですか!?」

「それが…さっきからSPフィクサーズと連絡が取れないのだ。まさかとは思うが…。彼らはもう…」

「そ、そんな!」

「彼らは今、屋上で宇宙人と戦っている!早く手伝いに行ってくれ!」

俺たちを実力をようやく認めた警備員が道を開くと、円堂が一番に走り出し叫ぶ。

「エイリアを倒して塔子たちを助けるんだ!!行くぞ、みんな!!」

「「「おおっ!!」」」


俺たちが屋上に登って行く、丁度その時……。

「さあ、残るは1人…」

そう冷たく言葉を放ったレーゼは、塔子を見る。

「くそっ!お前たち、よくも…!」

レーゼがロックオンした塔子を庇うように、スミスが足を引きずりながら塔子の前に立つ。

「お嬢様はまだ子ども。こんなところで果てるわけには…!」

「うるさいっ!あたしはSPフィクサーズのキャプテンなんだ!スミスたちを見捨てていけないよ!あたしも最後まで戦うんだ!」

塔子がそう叫んだ時だった…。

「そこまでだっ、レーゼ!」

「円堂!?」

俺たちがグラウンドに向かうとエイリア学園の姿があった。

「ほう…あの時の地球人か?」

レーゼがそう呟く。

「円堂たち来てくれたのかっ!?

「塔子!大丈夫だったのか!?」

塔子に円堂が話しかけると塔子がスミスたちを見ながら話す。

「あたしは平気…!!でも、でもみんながっ!!」

「「うう……」」

「スミスさん!…な、なんてことを」

そんな哀れなスミスさんたちを見て、相手のキーパーのゴルレオが呟く。

「フン…身の程を知らず、我らに戦いを挑むからそうなるのだ」

ゴルレオの言葉にニヤッと笑いレーゼは話す。

「まだゲームは始まったばかり。地球人はこれから真に思い知るのだ。我らの大いなる力をな」

その言葉を聞いた円堂が声を荒げ叫ぶ。

「何がゲームだっ!ふざけるなっ!」

「円堂…!」

「レーゼ!俺たちと勝負だっ!!入院している半田や少林…みんなの気持ちを背負って俺たちはここに来た…!だから絶対負けない!今度こそお前らを倒してやる!!」

その円堂の言葉に笑いを堪えきれなくなったゴルレオが話す。

「くく…、聞いたか。俺たちを倒すだと」

「フン…。我らも甘く見られたものだ。…いいだろう。二度と立ち上がれないよう叩き潰してやる」

レーゼは冷たく言い切ると、円堂を見て俺に目を向けた。

「…今回は楽しくなりそうだな」

レーゼが放った言葉は聞き取れなかったが、嫌な予感しか湧いてこなかった。

「円堂!あたしも一緒に戦わせて!あたしを庇ってくれたSPのみんなの気持ち…。無駄にしたくないんだ!」

「決まりだな!頼むぜ塔子!」

「ああ!」

塔子の言葉を受け、レーゼを睨んだ円堂は叫んだ。

「行くぜ!もう一度勝負だエイリア学園!お前たちを倒して…サッカーを破壊の道具に使うことを止めさせてやるっ!」


FW豪炎寺 黒薔薇 染岡
MF天空橋 雷藤 鬼道 一之瀬
DF風丸 壁山 土門
GK円堂

この布陣で挑む。今までのオーダーで一番強いだろう。

俺はグラウンドに向かいながらレーゼを見る。

「……………」

俺は視線を心美に向けると塔子と話していた。

「パパは必ず取り戻す!エイリア学園を倒してね!」

「うん!絶対倒そうね!」

そんな言葉を聞いたレーゼは呟く。

「地球にはこんな言葉がある。『井戸の中の蛙 大海を知らず』…己の無力を思い知るがいい」

そのレーゼが放った一言で俺は、確信した。

「やっぱり、お前は…………」



俺たちのボールから試合はスタートだ。

染岡がボールを蹴り、黒薔薇にボールが渡り試合が始まった。

「行くぜ黒薔薇!」

「任せろ…。えーっと…」

黒薔薇が返したボールを受け取りながら、染岡は叫ぶ。

「染岡だっ!」

染岡が上がって行くと、相手のDFギグに瞬く間にボールを奪われた。

「ぐっ、クソォ!」

「行かせないっ!サンダーバインド改ッ!」

雷を纏った俺はギグからボールを奪った。

「な、何っ!?」

俺がハイスピードでエイリア学園に攻めて行くと、ゴール前まで下がって来ていたレーゼがディフェンスに入る。

「私たちに付いてくるとは、流石だな雷藤…」

「やっぱりお前は緑川なのか…」

「やはり気付いていたか…」

「どうしてお前が!どうしてなんだっ!!」

「父さんのためだ…」

レーゼ…。否、緑川から放たれた言葉に俺は絶句した。

「と、父さんの為だって…」

「だから私たちはお前たちに負ける訳には行かないっ!」

その瞬間、腹部に激痛が走る。

「雷藤!」

円堂の声が響く。

俺からボールを奪っていたレーゼが、俺の腹部にシュートを放ったのだ。

「ぐあっ…!」

軽く吹き飛んだ俺だったが執念で踏みとどまり、再びボールを持ったレーゼにタックルを仕掛ける。

「うおおおおっ!!」

ガッ!

「今のを喰らってなお歯向かうか…!」

ガツンガツンとタックルしあう俺たち…。そして主導権を握ったのは俺だった。

「おおおおおっ!!」

「ぐっ…!奴を通すな、止めろ!!」

俺に四人のマークが付き、身動きが取れなくなった。

「くっ……!」

俺が身動きが取れないでいると、豪炎寺の声が聞こえた。

「雷藤、俺が打つ!上にボールを蹴ってくれ!」

「よし!頼んだ豪炎寺!!」

俺が空に向かいボールを蹴り上げると、豪炎寺が纏う炎が目に入った。

ゴールに目線を向け、打とうとした豪炎寺だが頭にある事が浮かんだ。

『お前たちは何者だ!』

『お前が…豪炎寺 修也か?』

『…………………が大事ならわかってるな?』

「うっ…!」

豪炎寺が放ったファイアトルネードはゴールから大きく外れ、ビルにぶつかり弾き飛んで来る。

「くっ…!」

「えっ!?」

俺も驚きを隠せず呟く。

「豪炎寺が…外した?」

「大丈夫か豪炎寺?」

円堂が豪炎寺に心配して話し掛ける。

「あ、ああ…」

「どんまいどんまい!次は決めていこうぜ!」

「ああ…すまない」

そんな豪炎寺を見ていた黒薔薇が呟く。

「あの豪炎寺がシュートを外すなんてな…」

そんな俺たちの様子を見ていた瞳子監督がベンチから話し掛ける。

「…あなたたち、今、自分たちがどんな状態かわかっているの?」

風丸が呟く。

「状態?」

「今のあなた達じゃ雷藤くんを除いて、奴らのスピードにはついていけない。それはもうわかったでしょう」

瞳子監督の言葉に染岡が叫んだ。

「んなことはわかってる!じゃあ、どうしろってんだ!!」

「ここからはディフェンダーとフォワード全員入れ替わりなさい」

「えっ?入れ替わる!?」

その提案に反対する染岡が叫ぶ。

「おい!そんなこといきなり言われても出来るわけねえだろ!」

「そんなディフェンスじゃ、奴らに抜かれるに決まっています!」

「だったら抜かれないようにすることね」

そして俺たちはディフェンダーとフォワードを入れ替わった。




その後は言うまでもなく、慣れないポジションになった俺たちは手も足も出ず、点を大量失点してしまっていた。

「ぐふっ…!」

エイリアの強烈なシュートに膝を付く円堂。
すると、膝を付いた円堂を見たレーゼは突如として黒いボールを出現させ足元に下ろした。

「フン…つまらんな。これ以上貴様らの相手をしている暇はない。お遊びはお終いだ。これで消えろーっ!」

黒いボールに邪悪な渦が纏い始め、そのボールを円堂目掛けてレーゼが打ち込む。

「アストロォォ…ブレイク!!」

グオオオオオオオオオオオッ!!

地面を大きく抉りながら突き進むシュートに周りにいた選手が吹き飛ばされる。

「果てろォォォォ!」

俺は気付いたら円堂の前に立っていた。

「ここで円堂を失うわけには行かない!うおおおおおおっ!!」

俺はシュートに突っ込み蹴りを打ち込む。

しかし俺の身体はシュートの威力に押され、シュートに呑み込まれてしまった。
そして俺の意識はなくなった。



お兄ちゃんが止めに入ったシュートが収まると、そこにお兄ちゃんの姿はなかった。

「え…?お、お兄ちゃん…?」

私は確かに今までそこにいた筈のお兄ちゃんを探すが見当たらない。

「雷藤おおおおおおおお!!!」

私は円堂くんの叫びにビクッと反応すると、この状況を理解した。

「お兄ちゃん……嘘でしょ…。嘘って言ってよおおおっ!」

そう気付いてしまったのだ、お兄ちゃん…雷藤真紅は宇宙人によって消されてしまったと…。

「フハハハハ……!哀れな地球人よ…実に面白い見世物だな!」

そう言い残すとレーゼはボールから放たれた光に包まれ姿を消した。
 
 

 
後書き
心美「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 
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