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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1327話

「転移、成功しました」

 ニヴルヘイムに量産型Wの声が響き渡る。

「周囲の様子をチェック、スクリーンに映して」

 マリューの指示に従って量産型Wが動き始め、映像スクリーンに周囲の様子が映し出された。

「な!?」

 驚愕の声を上げたのは、誰だったのか。
 だが、その理由も分からないではない。何故なら、現在映像スクリーンに映し出されているのは木星蜥蜴がとある場所に対して襲撃をしている光景だったからだ。
 ……その襲撃されている場所は、俺にとっても見覚えのある場所だった。
 当然だろう。その場所で……正確にはそこに停泊しているナデシコで俺はハルカとエリナを抱いたのだから。……酒で記憶に残ってないけど。
 そんな場所のサツキミドリ2号が、現在木星蜥蜴の群れに襲われている。
 どうやら戦闘開始からそれ程経っていないらしく、サツキミドリ2号にはこれといった被害のようなものはない。
 だが、元々サツキミドリ2号はそれ程強固な防御施設って訳でもないので、木星蜥蜴の物量を重視した戦い方で襲われればひとたまりもない筈だ。

『アクセルさん、ナデシコはこれよりサツキミドリ2号を救助する為に出撃します!』

 ナデシコとの通信が繋がるや否や、ミスマルがそう叫ぶ。
 まぁ、ミスマルの性格を考えれば不思議な事じゃないだろうし、何だかんだとナデシコの連中は人の良い連中が多いしな。

「アクセル、ここは私達も出撃した方がいいんじゃない? そうすれば、シャドウミラーが木星蜥蜴とは違う勢力だというのを地球の人達に教える事が出来るし、何より実力を見せつけるのはシャドウミラーとしても当然でしょう?」
『政治班としてもマリューの言葉には同意させて貰うわ。ここで地球に対して恩を売っておくというのは、決してマイナスにならない筈よ。寧ろシャドウミラーの利益になるわ』

 マリューとエザリアの言葉ももっともだし、そもそもあの程度の戦力にシャドウミラーの実働班が被害を受ける事はない、か。
 それにメギロートをシャドウミラーの機体だと印象づけるってのも決して悪い話じゃない。
 数秒悩み、すぐに決断する。

「分かった。実働班はすぐに出撃を。それとメギロートとシャドウにもきちんと出撃させて、俺達は木星蜥蜴とは違う第3勢力だというのを地球の連中に教えてやれ。俺も出撃する」

 そう告げると、スレイが俺の近くへとやって来る。
 また、シロガネの方でもムウやイザーク、オウカが動いているのが見えた。

「じゃあ、行くか」
「ああ。私達の力を地球の者達に見せつけてやるとしよう」

 スレイと短く言葉を交わすと、マリューと唇を重ねるだけのキスをしてから影のゲートを展開する。
 そうして次に俺とスレイが姿を現したのは、ニヴルヘイムに幾つかある格納庫の内の1つだった。
 既に出撃命令は出ているので量産型Wはシャドウへと乗り込んでいるし、メギロートの方も出撃準備は整っている。
 また、ニヴルヘイムにある格納庫は今俺がいるここだけではない。
 小さな街とでも呼べる機動要塞なだけに、他に複数の格納庫を持っている。
 現在はそこでも出撃の準備をしているし、当然シロガネの格納庫でもメギロートやシャドウは出撃の準備をしているのだろう。

「では、アクセル。私も準備をさせて貰う」

 そう告げ、パイロットスーツへと着替えに向かうスレイ……と思ったが、数歩進んだ後でこちらへと戻ってくると、有無を言わさず俺の唇へと自分の唇を重ねる。

「マリューだけだと少し贔屓だろう? それに、私はこれから前線へと向かうのだから、少しくらいはいいと思わないか?」
「いやまぁ、それでスレイが楽に戦えるのなら全く問題ないけど」
「だろう?」

 そう言うと艶やかな笑みを浮かべたスレイは去って行く。
 その後ろ姿を見送ると、俺もまた空いている場所へ向かって空間倉庫からニーズヘッグを取り出す。
 ……スレイも随分女らしい仕草をするようになってきたな。

『アクセル? 出撃準備はいい?』
「え? あ、ああ。勿論いつでも出撃出来るぞ」

 ニーズヘッグのコックピットで機体を起動させていると不意に映像モニタにマリューが映し出される。

『……どうしたの? 何だか慌ててるようだけど』
「いや、ちょっとスレイにしてやられて驚いただけだ」
『なるほどね。まぁ、その件はとにかくとして、そろそろ出撃出来る? あのサツキミドリ2号だったかしら。ナデシコが援護してるけど、結構ピンチよ?』
「だろうな」

 ナデシコが幾ら強力なグラビティブラストを持っていても、木星蜥蜴にもディストーションフィールドを装備した機体が出て来た以上、そう簡単に圧勝は出来ない。
 また、サツキミドリ2号を守りながら戦うというのも、ナデシコには不利な方向に働いていると言えるだろう。
 防衛戦という意味では、俺達がサツキミドリ2号から出航しようとした時と同じようなものだが、場所が違う。
 あの時のナデシコはサツキミドリ2号のすぐ側で戦う事が出来ていたが、今は木星蜥蜴の向こうにサツキミドリ2号がある形だ。
 これは、挟撃や背後からの奇襲という意味では有効ではあるが、ナデシコの場合は下手にグラビティブラストを発射出来ないという事も意味している。
 下手にグラビティブラストを撃てば、サツキミドリ2号にすら被害を与えてしまうのだから。
 そう考えれば、寧ろ前回のサツキミドリ2号防衛戦と比べれば圧倒的にこっちの方が難易度は高いだろう。

「ナタルなら分かってると思うけど、一応伝えてくれ。まずは木星蜥蜴の包囲網を突っ切って、サツキミドリ2号を守る事を最優先するようにと」
『ええ、分かったわ。戦闘指揮はアクセルが執るの?』
「……それしかないだろうな。出来ればナタルに任せたいが、木星蜥蜴の向こう側に防衛対象のサツキミドリ2号がある以上、俺が指揮を執った方が手っ取り早い。……まさかシロガネを敵の真ん中に突っ込ませる訳にもいかないしな」

 ムウかスレイ、イザークやオウカに任せるか? いや、自慢じゃないがこの面子だと俺が一番指揮能力が高い。
 サツキミドリ2号が包囲されている状態では、俺が単独で向かってもそれ程の効果はない。
 どうしたって広範囲に戦域を拡大してサツキミドリ2号を包囲している木星蜥蜴を倒す必要があるのだから。

『分かったわ。じゃあ、ナデシコにもその辺を伝えておくから』

 そう告げると、マリューからの通信が切れる。
 通信が切れたのを確認すると、シャドウやメギロートを引き連れてカタパルトへと向かう。

「全機、俺に続け」

 そう告げた瞬間、カタパルトによりニーズヘッグはニヴルヘイムから射出される。
 猛烈な速度で、すぐにサツキミドリ2号を包囲している木星蜥蜴の群れが見えてくる。
 一番外側に援軍を延々と転移させる為のチューリップと、後方から支援射撃をする為の大型戦艦。
 中でも最も厄介な大型戦艦に向けて、T.T.キャノンのトリガーを引く。
 T-LINKシステムにより、俺の意思に従って大きく弧を描きながら飛んでいったビームが、大型戦艦二隻をディストーションフィールド諸共に真横から貫く。
 それだけでは爆発はしないが、大きなダメージだったのは間違いない。

「メギロート、シャドウ共に俺がダメージを与えた相手に攻撃しろ。ただし、足を止めるな。今はサツキミドリ2号を救出するのが最優先だ。攻撃するのは通り過ぎる時だけにしろ」

 そう通信を送ると同時に、映像モニタにシロガネから出撃してきたアシュセイヴァーやヒュッケバインMk-Ⅱ、ヒュッケバインMk-Ⅲといった機体が目に入る。
 また、ニヴルヘイムからもスレイがカスタム化されたシャドウに乗って出撃してきた。
 それぞれがシャドウやメギロートを引き連れての出撃であり、純粋な質としては木星蜥蜴よりも圧倒的に上だろう。

『アクセル、俺達はどうする?』

 ムウからの通信に、戦場へと視線を向ける。
 サツキミドリ2号は木星蜥蜴によって完全に包囲されている状況だ。
 一点だけを突破してコロニーに到着しても、他の場所からの攻撃でコロニーを守り切れるとは限らない。
 つまり、現在シャドウミラーが取るべき戦術は……

「ムウ、スレイの2人はそれぞれシャドウとメギロートを率いて別々の方向から木星蜥蜴の包囲網を突破してサツキミドリ2号へ向かえ。中だけに突っ込む戦力だけだと敵の殲滅速度が下がるから、イザークとオウカは木星蜥蜴の背後から攻撃して内部からの攻撃で前後から挟撃だ。それと、ナデシコのエステバリス隊もイザークやオウカと一緒に行動して貰う」

 その通信に、エステバリス隊から映像やナデシコのブリッジの映像が映し出されて、それぞれ急いで頷きを返してくる。
 このまま言い争って時間を無駄にするという事は、サツキミドリ2号の破壊という事を理解しているのだろう。
 それにエステバリスはナデシコから距離を取れない以上、俺達のように包囲網を突破するってのはエネルギー的にも厳しい。
 正直、エステバリスはこういう時に使い勝手が悪いんだよな。
 ナデシコが敵に突っ込んで行けるのならまだしも、ナデシコの武装はグラビティブラストとミサイルだけだし。
 近距離に攻撃出来る武器がない以上、敵陣へと突っ込む訳にもいかない。
 イネスもナデシコを設計する時、その辺を考えなかったのか?
 それとも、元々コンセプトが違うとか。……まぁ、取りあえず木星蜥蜴に対抗出来る艦って設計だと考えれば、そんなにおかしい話じゃないか。

「全機、行動開始だ」

 俺の口から出た言葉で、それぞれが行動を開始する。
 ニヴルヘイムから放たれる重量子ビーム砲とG・インパクトキャノンがサツキミドリ2号から離れた場所にいるチューリップやカトンボ、大型戦艦といった大きな目標を次々に撃破していく。
 ディストーションフィールド? 何それ? といった感じで放たれる攻撃の数々は、バリアなど何の意味もないといった感じだ。
 ……そうなんだよな。本当に今更だけど、シャドウミラーの兵器はビーム兵器がメインなのに、その象徴でもあるニヴルヘイムって純粋なビーム兵器って近距離攻撃用のビームバルカンだけなんだよな。重量子ビーム砲は実際にはシャドウミラーがメインで使っているビームじゃないし。
 まぁ、もう片方のメインである重力波砲に関してはG・インパクトキャノンと何よりも主砲のエーリヴァーガルで採用されてるんだが。
 シロガネのホーミングミサイル、連装副砲、連装衝撃砲がカトンボやバッタを次々に消滅させていく。
 多重連装ビーム砲がディストーションフィールドを貫通している辺り、威力的な問題があるんだろう。
 ナデシコのグラビティブラストも、サツキミドリ2号には絶対に当たらない場所……包囲網の外側に近い場所へと撃ってバッタやカトンボを撃破している。
 グラビティブラストを一撃くらっただけでは撃破されないカトンボだが、それこそここは地上ではなく宇宙だ。ユートピアコロニーの時のように連射が出来ないといった事はないので、グラビティブラストの連射によって次々にカトンボは撃破されていく。
 そしてサツキミドリ2号を包囲するようにしている木星蜥蜴に突っ込んで行くのは俺のニーズヘッグ、スレイのカスタムタイプのシャドウ、ムウのアシュセイヴァー。
 それぞれが包囲網を形成している敵の横を通り過ぎる間に攻撃し、木星蜥蜴を撃破していく。
 3つの勢力がそれぞれ別方向から突っ込んで行く為、包囲網は容易に食い破られていく。
 混乱する木星蜥蜴の背後からはイザークのヒュッケバインMk-ⅢとオウカのヒュッケバインMk-Ⅱがそれぞれシャドウやメギロートを引き連れて撃破していく。
 勿論エステバリスもそれぞれ協力して攻撃をしていた。
 そんな中、俺達は攻撃をしながら包囲網を突き抜けていき……

「見えた」

 木星蜥蜴の包囲網の最前線、バッタの群れを撃破しながら突破すると、やがて視線の先にはサツキミドリ2号を捉える。

「よし、まだ持ち堪えてるな」

 サツキミドリ2号は、コロニーのあちこちから煙を吐き出してはいるが、それでもまだ崩壊にまでは至っていない。

「全機、サツキミドリ2号を攻撃している機体を優先して撃破していけ。サツキミドリ2号の機体には決して手を出すな。……サツキミドリ2号、管制、聞こえているな?」

 それぞれに指示を出しつつ、ヒュドラからファントムを射出する。
 ビームではなくレーザーソードを展開したまま真っ直ぐに突っ込んで行く48機のファントムは、ディストーションフィールドを貫き、バッタを撃破していく。
 一瞬にして50機近いバッタが一気に消滅したのに驚いたのか、サツキミドリ2号から慌てたように通信が送られてくる。

『こ、こちらサツキミドリ2号、その、そちらはどこの勢力でしょうか? 初めて見る機体なのですが』
「そうだな、取りあえずネルガルに協力している勢力だと言っておこうか。もう少しすればナデシコが姿を現すだろうから、詳しい話はそっちに聞いてくれ。今は、とにかくサツキミドリ2号を守る方が先決だろう?」

 言葉を一旦止め、ランツェ・カノーネの砲門でバッタ10機程を纏めて爆散させる。

『わ、分かった。取りあえず俺達を助けてくれるんなら、こっちとしては大歓迎だ』
「こっちの戦力には虫のような無人機がいるけど、大きさが違うから分かるだろ。その機体には攻撃をしないようにしてくれ」
『すぐに連絡を徹底する!』

 その言葉は決して嘘ではなく、メギロートと協力するような行動を行い……20分程でサツキミドリ2号を包囲していた木星蜥蜴は全てが撃破されるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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