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英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)

作者:sorano
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第104話

~キルシェ通り~



その後サフィナ達の誘導の元、エステル達は無事、王都付近の街道に到着した。

「それでは私達はこれで失礼します。」

「う、うん………サフィナさんもこれから戦場に向かうの?」

地上に降り立ったエステルはサフィナを見て尋ねた。

「ええ。エリーズ街道の敵軍を殲滅すれば、すぐに我々も向かうつもりです。ご武運を!」

エステルの疑問に答えたサフィナは飛竜を空へと舞い上がらせた!

「総員!これよりエリーズ街道の敵軍を背後から奇襲する!私に遅れるな!」

「ハッ!!」

そしてサフィナ達はロレント方面に飛び去った。

「エステル、急ごう!」

「うん!」

そしてエステル達は王都に急いで向かった。



エステル達が王都付近に到着したその頃、1隻の結社の飛空艇が王都前に降り立ち、そしてそこからブルブラン、ヴァルター、ルシオラ達”執行者”が飛空艇から飛び降りた。

「さて……それでは始めるとしようか。」

「ったく、”剣聖”がいればちったぁ楽しめたものを……。銃が撃てない兵士なんざ肩慣らしにもならねえぜ?」

「ふふ、相変わらず戦いが好きなのね。」

ブルブラン達が談笑していたその時、王都から王国軍兵達が次々と駆け付けた。

「貴様らは”身喰らう蛇”!おのれ……この状況で飛行艇を使うとは……」

ブルブラン達を確認した士官はブルブラン達を睨んだ。

「フフ、お初にお目にかかる。我が名は”怪盗紳士”ブルブラン。」

「クク……”痩せ狼”ヴァルターだ。せいぜい足掻いてもらうぜ。」

「”幻惑の鈴”ルシオラ。短い間ではあるけど、どうかお見知りおきを……」

「な、名乗りとは悠長なことを……!総員構え!突撃ィィィッ!」

そして王国軍兵達はブルブランに突撃した!しかし!

「ふふ………ゆっくりお眠りなさい………花は散ってこそ花………旋風よ、砕き散らしなさい!奥義、華散風魔の舞!!」

「クカカ………ちったあ、耐えろよ?……はっ!ふんっ!おらおらおらぁ~っ!アルティメットブローッ!!」

「グワアアアアアッ!?」

「ギャアアアアアアッ!?」

ルシオラとヴァルターが放ったSクラフトによって、吹っ飛ばされ、そして地面に叩き付けられて二度と立ち上がらなくなった!

「……え。」

一瞬にしてやられた部下達を見て、ただ一人残った士官は唖然とした。

「―――所詮この世は夢幻(ゆめまぼろし)。」

そしてブルブランが士官の背後に現れた!

「ひっ……」

ブルブランに気付いて、慌てて振り返った士官は武器を構えて攻撃しようとしたが

「せめて見せてあげよう………地獄のような甘美な悪夢を………さあ、美しく散るがいい!! フハハハハハ、さらばだ!!」

「ガハッ!?」

ブルブランのSクラフト――デスマジックを受け、地面に倒れて、二度と立ち上がらなくなった!

「チッ、雑魚どもが……」

「ふふ……贅沢は言わないの。まあ、女王陛下の親衛隊ならば少しは楽しめるのではないかしら?」

倒れ伏した王国軍兵達を見て舌打ちをうったヴァルターにルシオラは妖しい笑みを浮かべて言った。

「ふむ、そう願いたいものだな。……さて。」

ルシオラの言葉に頷いたブルブランは後ろに控えていた猟兵達と人形兵器に振り返った。

執行者(われら)はこれよりグランセル城に向かう!諸君は予定通りグランセル市街を制圧せよ!」

了解(ヤー)!!」

そしてブルブラン達は王都に突撃した!



しばらくするとエステル達は王都前に到着した。

「あ、あれは……!」

「……急ごう!」

倒れ伏した兵達に気付いたエステル達は急いで向かった。

「こ、こいつは……」

「ひ、酷い…………」

倒れ伏している兵達を見たアガットは目を細め、ティータは信じられない表情をし

「不幸中の幸いか、全員酷い傷を負っていますが生きてはいますね。」

「どうやら手当てをした方が良さそうね。」

「うん………!手分けして、傷を回復しないと………!」

リタとシェラザードの言葉にミントが頷いたその時

「そ、その必要はない……」

倒れていた士官がよろよろと立ち上がった。

「おい、大丈夫か!?」

その様子をみたジンは声をかけた。

「あ、あんたたちは遊撃士だな……。今しがた……”結社”の執行者どもがここを通っていったばかりだ……。どうやら狙いは…………グランセル城にあるらしい……」

「やはり……」

士官の話を聞いたヨシュアは真剣な表情になった。

「その他の敵部隊は市街を制圧しているらしい……。……頼む……街と城を……」

そして士官は意識を失い、地面に倒れ伏した。

「エステル……!」

「うん……!兵士さんたちには悪いけど先を急がせてもらいましょ!」

そしてエステル達は王都に入った。



~グランセル~



エステル達が王都に入った時には、すでにあちこちから火の手が上がり、戦場と化していた。

「ひ、ひどい……!」

「メチャクチャだわ……」

「クソが……!」

王都の様子を見たエステルは信じられない表情をし、シェラザードは辺りを睨み、アガットは舌打ちをした。

「みなさん!」

そして何かに気付いたリタは警告した。すると人形兵器がやって来た!

「すぐに終わらせるぞ!」

ジンは戦いの構えをして、言った。そしてエステル達は戦闘を開始した!敵達は機械人形の為、中々物理攻撃は通らなかったが、魔術や絵札、ティータの魔導砲を主力に倒した。

「はあはあ……ど、どうしよう……。こんな状況じゃいったい何をしたらいいのか……!」

「―――皆さん!?」

戦いの構えを解いたエステルが呟いたその時、ギルドからエルナンが出て来て、エステル達の元にやって来た。

「エルナンさん!」

「いい所に来てくれました!女王陛下の用件で王都に来てくれたんですね!?」

「はい……状況は?」

エルナンに尋ねられたヨシュアは頷いた後、尋ねた。

「現在、軍の守備隊が東街区と西街区で交戦中です。かなり厳しい状況ですが今は任せるしかないでしょう。エリーズ街道で戦っているメンフィル軍も戦いを終わらせれば、こちらに向かう予定となっている事をペテレーネ様から聞いたアイナさんやツァイスに在留しているメンフィル軍の一部の数部隊がこちらに向かって出撃した事を、キリカさんが先ほど通信で報告してくれました。皆さんは、城に向かった執行者たちを追ってください。」

「で、でも!」

「市街の方はいいのか?」

エルナンの指示を聞いたエステルは周りを見回して反論し、アガットは尋ねた。

「この付近の街路にいた人々はギルドに避難してもらいました。他の街区でも、軍の部隊が避難誘導をしているはずです」

「そうなんだ……。……だったら申し訳ないけど城の方に急がせてもらうわね!」

「ええ、よろしくお願いします。武運を……くれぐれも気を付けてください。」



そしてエステル達はグランセル城に向かった…………!








 
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