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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!

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第五話 女性士官学校設立です!!

 
前書き
女性士官学校がいよいよ設立します。設立に奔走した結果「マインホフおじいさま」の髪の毛の⒗分の1が消失する被害が!! 

 
帝国暦478年3月15日――。

帝都オーディン アンヴェイル地区―― 女性士官学校校舎執務室 マインホフ元帥

 とうとうこの時がやってきた。だいぶ紆余曲折、反対のための反対、貴族共の妨害があったが、最終的には『皇帝陛下の勅命である!!』という脅しを乱発し、ようやっとここまでこぎつけた。最後には貴族共や反対派は「どうせこれも短命で終わるだろう。皇帝陛下の気ままな趣味だ。大方後宮に上げるための下調べでも行うに違いない。」とかなんとかほざいていた。まったくもって汚らわしい奴らめ!!!
 じゃが、ひとたび完成してしまえばもうこっちのものじゃ。ストレスでだいぶ白髪が増えて髪も抜け落ちたが、そのかいがあったというもの。アレーナも目を輝かせて儂の頬にキスを浴びせてきた。いやはや照れるのう。年甲斐もなく顔がゆるんでしまったぞ。4月から新学期が始まる。最初じゃから年齢はまちまちじゃが、全部で5000人を超える女学生があつまった。うむ、悪くはないの。
 さて、人選じゃが、校長には儂自らが兼務する。そうでなければ、反対派を押さえつけられないからの。副校長にはアレーナの勧めで、グレゴール・フォン・ミュッケンベルガーを指名した。奴は帝国歴430年生まれ、今年48歳。中将だが来年より大将に昇格し、宇宙艦隊副司令長官になるだろうと言われておる。ずっと将来は宇宙艦隊司令長官へ行くだろうとの下馬評がある。アレーナは将来の宇宙艦隊司令長官に女性登用の道を開いてほしいと思っているのじゃろう。奴はだいぶ渋っておったが退役後の年金増額と爵位授与を条件に引っ張ってきた。これもアレーナの案じゃ。
 そして、教官だがこれが難航じゃった。こわもての教官を集めれば、きっと女の子が泣くじゃろうからの。そこで、これもアレーナの勧めで、ヘルムート・レンネンカンプ少佐、エルネスト・メックリンガー大尉、コルネリアス・ルッツ中尉に来てもらうこととした。三名ともこれまでの経歴を見ると、武弁一辺倒ではなく、攻守ともにバランスが取れている人材じゃ。それに、メックリンガーは芸術家としても鳴らした男である。うむ、いいところに目を付けおった。
 それにしてもアレーナはいつのまにそんな情報を知っておったのじゃろうか?
 
ノイエ・サンスーシ 自室にて
■ カロリーネ・フォン・ゴールデンバウム
 ちょっとぉ!女性士官学校ってどういう事?そんな話聞いてませんけれどおじいさま!しかも仲間にする予定だったレンネンカンプ、メックリンガー、ルッツがどうして教官に抜擢されるわけ!?おまけにグリンメルスハウゼンのおじいさまとやっと会えたけれど、ケスラーに会えなかったし、なんだかおじいさまもそれほど私の話に感銘を受けていなかったみたい。

 ・・・後半は居眠りしてた。最悪ね。普通将来を予測するってなかなか8歳の子供にできないと思うけれど、というか無理だと思うけれど、それきいて何とも思わないって、なんでだろう?

 ・・・・な~んかきな臭いわね。なんでかな、私が出てきたことで話の筋が狂っちゃったとか?

 でもまぁ、こっちはファーレンハイトを侍従武官にできたからね。それに8歳だけれど、病院や救貧施設、幼年学校を慈善訪問しているからね。もちろんお父様も一緒。だけれど、最近はお疲れのようで。私だけのことが多い。それだと怪しまれるので、ほどほどにしておいている。才色兼備っていわれて暗殺の対象にされたら元も子もないし。やっぱりアンネローゼ様が上がっていらっしゃったからかな。結局駄目だった。色々阻止しようと奮闘したけれど、小役人ががっちり目ェつけて引っ張ってきちゃってた。ショック・・・。
 う~ん、ちょっとペース上げてみる?でも8歳じゃあまだ何にもできないし。
 そういえば、来年はエル・ファシルの英雄が誕生する頃ね。リンチ少将がこっちにつかまる予定になってるけれど、ラインハルトに利用させるのはちょっと嫌なのよね~。ヤンについてもそうそう手柄を立てさせたくはないし。でも、コネクションが軍のお偉いさんにないからなぁ・・・。ちょっと軍務省に行ってみたいっておじいさまに言おうかな。



ヴァルハラ星系隣接 バウムガルデン星系 
■ アルフレート・ミハイル・フォン・バウムガルデン
 まさか銀河英雄伝説の世界に転生するとは思わなかった。

 はっきりと覚えているが、俺は都内の有名私立大学の法学部の4年生だった。法律系サークルでは討論会を主催し、そこでノウハウを培い、様々な仲間を得ることができた。彼女もいて、就活も無事に終わり、一流企業への内定も決まっていた。
 まさに順風満帆だった。それが4年生の夏、暑い日に大学のキャンパス内で急に眩暈がして意識を失い、目が覚めたら、全く知らないところにいた。わかったのは、俺が銀河英雄伝説の世界に転生してしまったことだ。

 ・・・まぁ、転生者の話はよく二次創作としてネットにアップされていたし、俺も好きで読んでいた。だが、まさか自分がこうなるとは!!!

 悲しんでいる暇はない。もう大切な人たちに会えないが、俺はここで生きていくしかないんだから・・・・。

 紆余曲折を経て、来年から幼年学校だ。本来ならば幼年学校をすっ飛ばして士官学校に入ってもよかったのだが、こちらは転生者、いきなり軍に入れと言われても体が言うことを利かない。これも修行のためである。そして、ラインハルトに接触するためでもある。彼がこちらに好意的であればいいが、貴族を打倒するというフラグが立っている以上は、こちらの身も危うい。対策は必要だが、どんな人物なのか実際に会ってみないとわからないと思ったからだ。

 できることと言えば、今のうちに勢力づくりである。が、どうしたことか、帝都オーディンに女性士官学校が誕生するというではないか。なんだそれは!?そんな話は原作には出てこなかったぞ!?
 しかも教官にルッツ、レンネンカンプ、メックリンガーが抜擢されたというし、副校長があのミュッケンベルガーだっていうじゃないか。嘘だろ!?引き抜こうと思っていた矢先にどうしたんだ?

 まさか、俺が生まれたことで歴史が変わったのか?考えていても仕方がない。とりあえずラッキーなことにシュタインメッツが俺の教育官としてこっちに来ている。才気ばしったところはないが、廉直な人柄だ。こちらに敬意をもって接してくれる。俺は貴族ぶるのが好きじゃないから、こちらも向こうに敬意をもって接している。これにはシュタインメッツも驚いたらしいが、じきになれてくれた。
 いい兆候だ。このまま徐々に味方を増やしていきたいな。



ランディール侯爵家 私室
■ アレーナ・フォン・ランディール
 はっはっは~~!!どうだ『チート共』!!してやったわ。ざまあみろ!!!

 これでもうルッツ、レンネンカンプ、メックリンガーはこっちのものになったわよ!!!でもね、ファーレンハイトがカロリーネ皇女のところに、シュタインメッツがあのアルフレート・ミハイル・フォン・バウムガルデンのところに行ってしまったのは残念だったわ。さすがに転生者、やることは早いのね。後、ワーレンも引っ張りたかったけれど、こちらは巡航艦の乗り組みで長期航海に行ってしまった後だったから、できなかったわ。あ~残念。まぁ、ワーレンはどっちみちまだ士官学校の候補生だから、無理できないか。でも、逃がさないわよ~。
 まぁ、でも総取りはできないし、それに後々の対策もイルーナと考えてあるからね。
 残念ながら、ケスラーはグリンメルスハウゼン子爵の専属の副官になってしまったので、オファーできませんでした。でも、ケスラーには、ずっと前にマインホフおじいさまと一緒にグリンメルスハウゼン子爵邸であっているから、顔は知っているわ。
 カロリーネ皇女殿下よりも、速攻で会いました。でないとこっちが二番煎じになってしまうから。そのかいあってか、私は度々グリンメルスハウゼン子爵邸に呼ばれるようになったわ。爺様私のこと気に入ってくれたようね。というわけでカロリーネ皇女殿下、あなたがグリンメルスハウゼン子爵に初めてお会いした時には、私はもう何か月も前から会っているのよ。年季が違うわ。

 その時に自由惑星同盟の辺境警備(エル・ファシル星系)についてそれとなく質問してそれとな~く助言しておいたから効果は出るでしょ。
 みんなびっくりした顔をしてました。ネットサーフィンで培った雑学と、おじいさまの蔵書を読んだせいですなんて適当にごまかしておきました。

 ヤンには悪いけれど、エル・ファシルの英雄さんには誕生してほしくないからね。後、リンチ少将については身柄をこっちにもらうように話をしておきました。あ、もちろん話すときには個人名でなくて『司令官』という名称をつかったけれどね。だって敵国の一警備隊の司令官の名前を13歳の子供が知ってるっておかしいもの。『チート共』の手に渡ったら何されるかわからないし。




帝国歴478年4月1日 帝都オーディン アンヴェイル地区―― 帝国士官学校校舎大講堂

 入学第一期生が緊張した面持ちで集まっている。おろしたての制服を着て、一様に顔をこわばらせて。5000を超える女子の出身は、辺境農奴、平民、そしてうらぶれた貴族出身者と様々だ。みんな今の境遇から脱したいという思いで来ている。それだけ真剣なメンバーだから、脱落者もそんなにはいないだろうというのが首脳陣の意見だった。
 皇帝肝いりということで、フリードリヒ4世自らが、壇上に立ち、話し始める。
「卿らは本日より帝国女性士官学校第一期生としてここで勉学と鍛錬に励む。皆初めてのことで不安もあるだろうが、周りの者は出自は違えど志を同じくする仲間じゃ。どうか連帯、友愛の精神をもって学業に励み、鍛錬を怠らず、反徒共との戦いに立ってほしい。じゃが、無論無理は禁物じゃ。己に限界を感じたら道を違えるのも一つの勇気じゃ。こころせよ。」
短いが慈愛のこもった訓示に女子生徒たちはもちろん、居並ぶ校長以下の軍人たちもおおっというどよめきをもらした。

■ アレーナ・フォン・ランディール
 おじいさまにおねだりして来賓で来たけれど、壮観ね!うん、こういうのっていいと思う。それに皇帝がかっこよすぎる。原作だと暗愚だって言われてたけれど、あれはご自身の本心を韜晦なさっていたからなのよね。ラインハルトも最後には気づいていたけれど。
 カロリーネ皇女様も行きたいって言ってたらしいけれど、皇帝陛下が断ったみたいで姿を見せていません。はっはっは、残念でした~。何故ならこれを提唱したのはマインホフ元帥、そしてその裏にいる私だからだもの。横やりをいれさせるものか!!女性士官学校の勢力はこれで私の範疇に収まったわけだし、これからも積極的に慰問を行ってみよう。あ、でもあれか。私だけだと同性でつまらないか。だれか超イケメンを連れてこないと駄目かな。
 あ~前世で私がお仕えしていた公国のフロード殿下ならぴったしだったのに!!ちょっと抜けているけれど、とてもスマートな小動物的顔立ち。でもそういうところが女の子のハートを射止めるのよね。今頃どこほっつき歩いてんのかしらあの殿下。




 
 

 
後書き
 やっぱり果断速攻はいつどこの時にでも重要なのです。でもまだこっちのものになったわけでは・・・。モノじゃないんですから。油断は大敵なのです。

 ちなみにアレーナの上司のフロード殿下はアレーナの2つ下、つまり「お姉さんお姉さん」だったのです。 
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