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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1324話

 オリンポス山の麓にある、ネルガルの研究所を狙ってきた木星蜥蜴達。
 恐らくユートピアコロニーの時にニーズヘッグと戦って、これくらいの戦力を出せば何とかなる……と思ったのかもしれないが、ゲートという存在に気が付かなかったのは致命的だった。
 いや、実際ゲートの存在を予想出来るような奴がいるとは思えないけど。
 もしいたら、そいつは電波的なものを受け取っていると考えてもおかしくはない筈だ。
 ともあれ、向こうがシャドウミラーという戦力を理解出来ていなかった結果……今回の戦いは、ユートピアコロニーの戦いに続いての敗北となった。
 その結果、現在俺達の前にはこれでもかと言わんばかりに木星蜥蜴の無人機の残骸が転がっている訳で……

「いやいや、ありがとうございますアクセルさん。カトンボの残骸を始めとして幾つか分けて貰って」

 メギロートやイルメヤ、シャドウが木星蜥蜴の残骸を運んでいる様子を眺めていると、不意にそんな声が後ろから聞こえてくる。
 誰の声かというのは、考えるまでもなく明らかだ。

「そっちの交渉はエザリアがやったんだから、俺に礼を言う必要はないさ。こっちにもきちんと利益は出てるんだろうし」

 俺達がここに攻めて来た木星蜥蜴と戦っていた間、エザリアは何もせずにナデシコの中で遊んでいた訳ではない。
 プロスペクターやエリナといった面子と交渉し、十分に利益を得ていたのだ。
 交渉の内容については大雑把にしか聞いていないが、これまで以上にネルガルをこちらに引き込む事には成功したらしい。
 まぁ、ここにいるのはネルガルのトップではないから、今回の交渉がどこまで地球に戻った時に影響を与えるのかは分からないが、それでもプロスペクターにシャドウミラーがどれだけの戦力を持っているのかというのを見せつける事が出来たのは大きい。
 その上、今回の戦いではシロガネやニヴルヘイムといった存在も出していないし、ニーズヘッグも戦闘には殆ど参加していない。
 その辺を考えると、ネルガルとシャドウミラーの間にどれくらいの差があるのかというのは、これ以上ない程に理解出来ただろう。
 同時にエリナからはホワイトスターがどんな場所なのかというのも報告されるだろうし、そういう意味ではこっちにとってカトンボの残骸を多少譲るくらいは全く問題ない。
 ……にしても、カトンボの残骸を得てどうするんだろうな。エステバリス部隊に何か指示を出していたみたいだけど。

「はははは。仰る通りで。正直、シャドウミラーには色々としてやられっぱなしですな。……それで、その、そろそろ私共としても地球に戻る必要があるのですが、その辺はどうなっているんでしょう?」

 ああ、そっちが本題か。
 まぁ、今のナデシコでプロスペクターがただ感謝の言葉を言う為にこうして出てくるってのはちょっと難しいだろうしな。

「そう、だな。こちらとしては火星の敵をある程度片付けてから……と思っているけど、それだと厳しいか?」
「はい。今回のスキャパレリプロジェクトは色々と得た物が大きかったので、なるべく早く本社に連絡を入れたいのですが」

 出来れば火星の実効支配が終わってから、事後承諾という形で地球に連絡を入れるというのがベストだったんだが。
 ただ、それまで待つとなると、ナデシコが自分達だけで帰ってしまう可能性もあるか。
 そもそも、ナデシコなら火星と地球は片道2週間程度の道のりだ。
 どうしても俺達シャドウミラーの手助けがなければならないって訳でもないしな。
 ……まぁ、シャドウミラーというか、ニーズヘッグのシステムXNがあれば片道数秒といったところなんだが。
 2週間と数秒。これを考えただけでも転移装置のありがたみってのがよく分かる。

「他の面子にも相談する必要があるが、そう遠くない内にどうにか出来ると思う。出来ればもう少し我慢してくれ」

 シャドウミラーの戦力が木星蜥蜴を相手にしてどれくらい戦えるのかというのは、奇しくも先程行われた戦いで証明出来た。
 あの戦いの様子を見る限りでは、基本的にメギロート、イルメヤ、シャドウといった無人機と量産型Wでどうにかなるというのは間違いない。
 メギロートとイルメヤは大型戦艦のグラビティラストには対抗出来ないから、いざという時の為に幹部の中から何人か残しておく必要はあるだろうが、それで戦力的には十分問題ない筈だ。

「そうですか。では、お願いします。出来るだけ早くして貰えるとこちらとしても助かりますので」

 そう告げると、頭を下げて去って行く。
 そんなプロスペクターを見送ると、俺もその場を離れる。
 木星蜥蜴の残骸については、無人機と量産型Wに任せておけば問題はないだろう。
 プロスペクターがエザリアとの契約を破って、余分に残骸を入手しないとも限らないが……いや、ないな。プロスペクターの性格を考えれば、基本的に契約や約束事は遵守する性格だろうし。
 視線の先では、エステバリスがカトンボを解体している様子が見える。
 いや、解体と言うよりは必要そうな部品を調達しているといったところか?
 具体的には相転移エンジンとか。
 まぁ、ナデシコも古代火星文明の遺産の産物だと考えれば、カトンボはナデシコの血の繋がった親戚といった扱いになるんだろうし。
 ナデシコを設計したイネスや、整備班を纏めているウリバタケ辺りなら研究のしがいがあるんだろう。

「精々頑張ってくれ。ネルガルが強くなるというのは、俺達にとっても利益になるんだし」

 地球連合軍の戦力はそれ程ではなくても、俺達のような例外でもない限り数は力だ。
 こっちとしては手を組む事になるだろうネルガルの戦力が上がるというのは、非常にありがたい。
 ……まぁ、それでも本格的に地球連合軍と戦いになったりした場合、ネルガルがどっちにつくのかは分からないが。
 一応シャドウミラーの戦力は見せたし、エリナはホワイトスターもその目で見ている。
 そう考えればこっちについてもおかしくはないんだが……本拠地が火星になったってのは、ネルガルにとってマイナスに感じるかもしれない。
 いや、ぶっちゃけシステムXNがある以上は地球と火星の距離程度なら殆ど問題はなくて、隣の家のような感じなんだけどな。
 一度経験して貰えばその辺は分かって貰うだろうから、ネルガルのお偉いさんでも火星に連れてくるか?
 ああ、ならいっそ連合軍のお偉いさんを纏めてシステムXNで火星に連れてくるというのもいいかもしれない。
 ……いや、そんな真似をすれば自分達がこの世界の最大派閥だというのを理解している為に強制的にシステムXNを奪おうとしてくるか。
 実際にミロンガ改やナデシコを奪おうとした事実があるだけに、どうしても信用しきることは出来ない。
 まぁ、あの時と今では事情も違うけどな。
 あの時はミロンガ改やナデシコはあくまでもネルガルの所有物であり、連合軍としてもいざとなれば……企業の規模を考えると本当に最悪の場合になるだろうが、ネルガルを物理的に潰すという選択肢すら存在していた。
 だが今回は俺達シャドウミラーが相手だ。
 区分で言えば企業が一国になっただけであり、そうなると連合軍にとっては大差ないという扱いかもしれないが……この場合の一国は、世界の全てを敵に回しても勝てるだけの戦力を持っている軍事国家だ。
 異世界の国に対して攻撃を仕掛けようものなら、どうなるのか。特にプロスペクターを含めたネルガルの社員から情報を貰って、それでもこっちに攻めてくるような事があれば、俺としても受けて立つだろう。

「とにかく今は、連合軍や連合政府との交渉に力を入れる必要があるだろうけどな。エザリアには悪いが」

 1つの世界を相手にする交渉だけに、当然シャドウミラーからは政治班を統べるエザリアが出る必要がある。
 いや、一国の代表って意味では俺も出る必要はあるだろうが。
 そうなると当然色々と難しい交渉をする必要がある訳で……もっともストレスが溜まったらシステXNでホワイトスターに戻って魔法球でストレス解消させる必要があるだろうな。
 そんな風に考えながら、影のゲートを使ってゲートの前へと移動する。
 そこでは、何機ものメギロートやイルメヤ、シャドウが纏まって転移フィールドに包まれてはホワイトスターへと転移しており、逆にホワイトスターからナデシコ世界へと向かって転移してきてもいる。
 また、ゲートの周辺にあった瓦礫と化した建物をホワイトスター側に持っていっているメギロートの姿もあった。
 何しろゲートの周辺にはメギロートが最大30機程しか転移してくる事しか出来ない。
 それにシロガネを転移してくるのも無理……とは言わないが、危険だ。
 ニヴルヘイムは言うに及ばずだろう。
 安全にナデシコ世界に持ってくるのであれば、それこそ俺の空間倉庫を使えば問題はないだろうが、それだと俺がいないと動けないという事になる。
 出来ればそういう事態を避けたいし、可能な手段があるのならそれを選択するのは当然だろう。
 ちなみに建物に関しては、前もってプロスペクターやエザリア、イネスといった面々に中身を調べて貰って中に何か重要な物が残っているといった事はない。
 ネルガルにとっては、出来れば中身は全部自分達で引き取りたいと思うんだろうが……いや、そうでもないか? 寧ろ邪魔なのをこっちで処理してくれるといった風に嬉しく思うか?
 ともあれ、そんな理由でゲートの周辺にある建物は解体されてはホワイトスターに運ばれ、キブツへと投入されている。
 これも俺達の物資になってくれるんだから、寧ろ感謝しなきゃな。
 ちなみに、木星蜥蜴の兵器のうち、調べるのが無理な程に壊れている物もキブツへと放り込まれていたりする。
 特にバッタが多いらしい。
 バッタは小さくて、その上更に脆い。
 そう考えれば、結構簡単に壊れてしまうのは当然なんだろう。
 イルメヤのスパイダーネットを使って空を飛んでいるところを捕まえると、高度や速度によってはあっさりと破壊されてしまうしな。
 少し調べた技術班からの報告によると、兵器どころか車でぶつかった程度の衝撃でも破壊されるらしいし。
 いやまぁ、胴体にミサイルを内臓してるんだから、地上に落ちた時の衝撃でそれが爆発とかしてもおかしくはない……のか?
 コンテナに詰め込まれたバッタの残骸を眺め、メギロートが消えたのを見ながら量産型Wへと声を掛ける。

「俺をホワイトスターに転移してくれ」
「了解しました」

 短い返事ですぐに操作を開始し、俺の姿は転移フィールドに包まれると次の瞬間にはホワイトスターの転移区画へと姿を現す。

「こっちもこっちで色々と凄い事になってるな」

 周囲を見回すと、そこにはメギロートやイルメヤ、シャドウが列を成している。
 勿論他の世界から来る者達が不便しないようにしてはいるが、何も知らない奴もいるのだろう。転移区画に転移してきた瞬間に目の前にシャドウミラーの機体が群れを成しているのを見て驚いている奴も多い。

「な、なぁ。これって何でこんな風になってるんだ?」
「はい。現在ナデシコ世界で行われた戦闘の後始末をする為の者達です」
「ナデシコ世界? え? また新しい世界と繋がったのか?」
「はい。現在、シャドウミラーが主に動いているのはそちらとなります」
「……はぁ。結構意外っつーかなんつーか。ただ、戦闘の後始末って事は敵対的な世界とか? それとも俺の世界のバジュラみたいに襲ってくる相手がいるとか」

 そんな声を聞きながら、なるほどと納得する。
 あの男はマクロス世界の出身か。
 ま、バジュラと木星蜥蜴は似ているところがないとは言えないしな。
 特に有無を言わさず襲い掛かってくるところとか。
 だが、バジュラは言葉で意思疎通は出来ないけど、歌を使えばそれが可能だ。
 それに対して、木星蜥蜴の場合は無人機なだけにこっちの意思を確認はしない。
 もし何らかの手段で意思疎通が出来るのであれば、今頃地球の方でも木星蜥蜴と何らかのやり取りを行っていてもおかしくはない。
 ただまぁ、無人機だからその辺の融通が利かないのかもしれないが。
 ああ、でもそうなると一番相応しいのはバジュラじゃなくてBETAなのかもしれないな。
 BETAは完全に意思疎通が不可能だし、バジュラよりも無人機らしい。……生物的な外見を持ってはいるが。

「ま、どのみち俺達に取っては木星蜥蜴ってのは色々と新しい技術をくれる奴なんだから、仲良くしているよりも敵対している方がいいのかもしれないけどな」

 脳裏に、大型戦艦を始めとする生産プラントを何とか入手する方法を幾つか考えながら、足下に影のゲートを作り出す。
 さて、それを実行する為にも、まずは地球との関係を早急に何とかする必要があるな。
 プロスペクターからの要求もあったし、エザリアやコーネリア、レモンに話を通しておいた方がいいだろう。……レモンは色々と忙しくて手が離せないかもしれないが。  
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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