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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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外伝~成竜セレーネの想い~後篇

~リィンの私室~



「―――リィンさん、入りますよ!」

「?ツーヤさん、どうし―――いい”っ!?」

リィンは突如自分の部屋に入った瞬間、一気に詰め寄って自分の首筋ギリギリに刀を突きつけたツーヤの行動に表情を引き攣らせた。



「ツ、ツーヤさん、突然何を……」

ツーヤの突然の行動に戸惑うリィンはツーヤを見つめて問いかけたが

「フ、フフッ、ついにセレーネを抱きましたね?セレーネが”成竜”になればいつかそんな日が来るだろうとは思っていましたけど、まさか”成竜”になって早々セレーネをキズモノにするとは思いませんでしたよ……!もしかして幼い姿のセレーネを抱くのは不味いと思って、あたしやミントちゃんのように成長して大人の姿になる時を待っていたんですか??」

「ちょっ、そんな事は全く考えていないぞ!?……………………そ、その。実はこれにはブレアード迷宮よりも深い事情があって……」

膨大な威圧を纏って微笑みながら殺気を自分に向けるツーヤの言葉を聞いて必死に否定した後冷や汗を滝のように流して表情を青褪めさせながら言い訳をしようとした。



「―――事情はセレーネ自身から聞いていますから、リィンさんがセレーネを抱いた理由も全て理解しています。ですが理由はどうあれ、セレーネをキズモノにしたのですから当然責任を取ってくれるのですよね??」

「そ、それは……………」

ツーヤの確認の言葉にリィンは口ごもったが

「まさかあれ程貴方の事を想い、純潔も貴方に奉げたあたしの大切な妹を捨てるつもりですか!?」

「そ、そんなつもりは全然ないって!?」

怒りの表情のツーヤに怒鳴られ、慌てた様子でツーヤの言葉を必死に否定するかのように何度も首をブンブンと横に振って答えた。



「なら、セレーネをキズモノにした責任を取って将来セレーネをリィンさんの妻の一人にしてくれるのですね?」

「うっ……!あ、ああ…………」

そしてツーヤの確認の言葉に唸った後恐る恐る頷き

「―――でしたら構いません。これからもセレーネの事をよろしくお願いします。あたしはリィンさんが複数の女性と結婚しても気にしませんが…………―――アリサさんやエリゼさん達―――セレーネ以外の女性達に構ってばかりで、セレーネの事を疎かにしたらあたしの竜の息吹(ドラゴンブレス)で氷漬けの刑にされる事を覚悟していてくださいね?」

リィンの答えを聞いたツーヤは刀を鞘に収めて殺気を纏ってリィンを睨んで忠告した後部屋を出て行った。

「…………ま、また増えてしまった…………アリサ達にどう言えばいいんだ……!?」

ツーヤが部屋を出るとリィンは疲れた表情で呟き、頭を抱え込んだ。



~数時間後~



数時間後、寮に戻り、それぞれ夕食を取ろうとしていたアリサ達は成長したセレーネの登場を心待ちにしていると、ツーヤが持っている予備の”Ⅶ組”の制服を身に纏ったセレーネがツーヤと共に1階に降りて来た。

「―――皆さん、お待たせしました。」

「うわ~…………!」

「キレイ……………!」

「フフ、随分と立派に成長したのだな。」

「フッ、今のセレーネを貴族達が見れば、こぞって求婚するだろうな。」

美しい容姿を持つセレーネの容姿を見たエリオットは驚き、アリサはうっとりし、ラウラとユーシスは静かな笑みを浮かべて称賛し

「ほ、本当に彼女がセレーネなのか!?別人と言ってもおかしくないぞ!?」

「いや……彼女が纏う”風”はセレーネそのものだ。」

混乱するマキアスの意見にガイウスは静かな表情で答え

「うおっ!?胸は委員長やツーヤよりもデカくなっている上、腰も細いから完璧なスタイルじゃねえか!?今のセレーネの姿を見たら、学院にいる男子共が絶対騒ぐぞ!」

「いいな、いいな、いいな~!ボクもセレーネみたいに一気に背や胸が大きくなりたいよ!」

「むぅ。そんな一気に成長するなんて、竜ってズルすぎ。」

「もう……3人共どこを見ているんですか……」

服越しからも膨らんで見えるセレーネの豊満な胸を見たクロウは興奮し、ミリアムは興味ありげな表情をし、フィーは頬を膨らませてジト目でセレーネを見つめ、3人の言葉を聞いたエマは呆れた表情で指摘した。



「よかったわね~、リィン?容姿端麗かつ清楚で、スタイル抜群に急成長したセレーネに子供の頃から好かれていたんだから、ここまで成長したら互いが合意の上なら”何をやって”も犯罪じゃないからいつでもセレーネの身体を好きにできるんじゃないの~?」

「サラ教官……俺を一体何だと思っているんですか……」

口元をニヤニヤさせるサラ教官に見つめられたリィンは呆れた表情で答えたが

「!!………………リ・ィ・ン~~??夕食の後で聞きたい事があるからちょっと付き合ってもらえるかしら??」

「ア、アリサ……」

(ヒッ!?アリサがまた怖くなった……)

ある事を察して目を見開いた後膨大な威圧と怒気を纏うアリサに微笑まれて冷や汗を滝のように流して表情を引き攣らせ、アリサの様子を見たミルモはアリサを怖がり

「ウフフ、おめでとうございます、セレーネ様。とても立派な淑女に成長なされましたわね。」

アリサの様子を微笑ましそうに見つめていたシャロンはセレーネを見つめ

「フッ、成長した今のセレーネを知ったエリゼ達が再び訪問してシュバルツァーに制裁を下すのではないか?」

「レ、レーヴェ。冗談になっていないわよ……」

静かな笑みを浮かべるレーヴェの推測を聞いたプリネは冷や汗をかいた。

「フフ……―――これからもよろしくお願いしますね、皆様♪」

そしてセレーネは嬉しそうな表情でリィン達を見回して微笑んだ。



~数日後・聖アストライア女学院~



「エリス、わたくし達の愛しのリィンさんからの手紙、早く読んでくださいな♪」

「もう……いつも思うのですが、何故私宛ての手紙を姫様が知りたいのですか……姫様も兄様と文通をなさっているのに……」

数日後、リィンから届いた手紙の内容を読むように急かすアルフィン皇女の行動にエリスは呆れ

「ふふっ、その代わりわたくし宛てに来たリィンさんの手紙をエリスにも聞かせてあげているでしょう?」

「……そうですね。文通の頻度が私や姉様より少々多いのは気になりますが。」

笑顔で答えたアルフィン皇女の言葉を聞き、ジト目でアルフィン皇女を見つめた。



「そのくらいは別にいいでしょう?リィンさんに恋する女性の中でわたくしが一番不利な状況なのですから。」

「ハア…………それじゃあ、読みますよ?あら?手紙以外にも何か入っていますね。これは……写真?」

アルフィン皇女の答えを聞いたエリスは溜息を吐いて気を取り直した後便箋の中に入っている写真に気付いた。



「まあ………とても綺麗な方ね。あら?でもこの方……どこかで見たような??」

写真に写っている成長した姿のセレーネを見たアルフィン皇女は目を丸くした後首を傾げ

「…………―――え。ひ、姫様。兄様の手紙によるとその写真に写っている女性はセレーネだそうです。」

「ええっ!?た、確かに言われてみればセレーネさんの面影を残していますが……」

手紙の内容を読み終えたエリスの話を聞いたアルフィン皇女は戸惑い

「兄様の手紙によるとセレーネは竜ですから、成長した際に大人に急成長した、と書いてあります。」

「そうなのですか……さすがは伝説の存在ですわね。フフ、それにしてもエリス。妹分と思っていたセレーネに女性としての魅力は一気に追い抜かれてしまいましたわね♪」

「…………お言葉ですが、兄様の傍に魅力的な女性が現れた事は姫様にとってもよろしくない情報だと思われるのですが?」

からかいの表情のアルフィン皇女の指摘に顔に青筋を立てたエリスは微笑みながらアルフィン皇女に反撃した。



「確かに言われてみればそうですわね。こうなったら今の状況を挽回する為にも既成事実を作った方がいいかもしれませんわね。」

エリスの反撃に困った表情をしたアルフィン皇女は真剣な表情になって考え込み

「ひ、姫様!?お考え直しください!」

アルフィン皇女の答えを聞いたエリスは慌てた。



「うふふ、わたくしはリィンさんにファーストキスを奉げるつもりだったけど、エリスは一体何を想像したのかしら?」

エリスの様子を見たアルフィン皇女は悪戯が成功したかのような微笑みを浮かべてエリスを見つめ

「なっ!?……もう!これ以上からかうなら、2度と兄様の手紙の内容を読んで差し上げませんよ!?」

見つめられたエリスは顔を真っ赤にした後アルフィン皇女を睨んで声を上げた。



~同時刻・マルーダ城・エリゼの私室~



「………………フ、フフッ……よかったですね、兄様……?兄様を慕っているセレーネがここまで成長したのですから、さぞかし鼻の下を伸ばしてセレーネを抱いているのでしょうね?ウフフフフフ……!」

同じ頃リィンの手紙を読み終え、セレーネの写真を見つめているエリゼは膨大な威圧と怒気を纏って微笑み始めた!



こうして……成長したセレーネは多くの仲間達に祝福された。なお、成長したセレーネもアリサのように時折リィンに夜這いし、幸せそうにリィンに抱かれるようになった。更にはアリサ自身の申し出によってそれぞれリィンを夜這いする際、互いが遭遇して気まずい思いをしない為にもそれぞれが夜這いする日をリィンの知らぬ所で決めていたりもしていた。



また、成長したセレーネは誰もが振り返るような美しい容姿を持ち、スタイルも抜群と女性として魅力的すぎる為、学院の男子生徒達の憧れの的になり、貴族、平民問わず多くの生徒達からラブレターを貰ったり、告白される事もあったが、セレーネ自身がリィン一筋であると答えてハッキリと断った為、リィンはセレーネに憧れる多くの男子生徒達の嫉妬の対象になったという…………


 
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