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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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外伝~運命が改変された女神の新たなる道~中篇

9月7日――――





様々な波乱が起こった特別実習からトリスタに帰還したリィンはいつものように授業を受け、寮に帰ってシャロンが用意する食事を取った後訓練をする為に町の郊外に出ると意外な人物と遭遇した。



~夜・トリスタ郊外~



「―――こんばんは。」

「貴女は確か……アイドス様、ですよね?どうしてトリスタに。セリカ殿達と共にクロスベルに向かったんじゃ……?」

意外な人物―――アイドスに声をかけられたリィンは目を丸くして尋ねた。



「セリカ達とはクロスベルで別れたわ。元々彼らと共にずっと一緒に行動するつもりもなかったし……―――それに私もこうして蘇る事ができたのだから、新たなる道を歩む為にも別れたの。」

「へ?”蘇ることができた”……?一体何の事ですか?」

アイドスの話を聞いたリィンは首を傾げ

「それを説明する前に一つだけ謝っておくわ。貴方達と出会った時私は転移門の事故であの城に転移したと貴方達に話したけど……―――あれは嘘よ。」

「ええっ!?う、嘘!?どうしてそのような事を……」

更にアイドスが嘘をついていた事に驚いて信じられない表情をし

(というか、あんなあからさまな嘘を信じるほうがおかしいんだけどね♪)

(ふふふ、全員揃って純粋な証拠ですね。)

(ア、アハハ……でも、先程の”蘇る事ができた”という言葉は一体……)

二人の会話を聞いていたベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべ、二人の念話を聞いていたメサイアは苦笑した後すぐに気を取り直して真剣な表情で考え込み始めた。

「その嘘をついた理由を説明する為にも……こんな夜遅くで申し訳ないけど、今から私の話を聞いて貰ってもいいかしら?」

「え、ええ。」

そしてアイドスはリィンにかつての自分が歩んだ”軌跡”を説明した。



「…………………………」

アイドスの壮絶な過去を聞き終えたリィンは辛そうな表情で黙り込み

(争いのない世界を目指し、危険を冒してまでも人々を説得し続けたかつてのアイドス様はその名の通り、”慈悲の大女神”であったのですね……)

(こういっちゃなんだけど、そもそも現神を信じる事自体が間違っているのよ。あいつらは力を維持し、古神を台頭させないためにも人間達に古神が”邪神”である事が”正義”であると教えているんだから。まあ、”癒しの女神(イーリュン)”みたいな例外もいるけど……それ以外の現神達が古神と手を取り合うなんて、絶対にありえないでしょうね。)

(疑う事もせず、ただ教えられた事を信じ続ける人々も愚かですが、そうなるように仕向けた元凶である神々が最も罪深き存在でしょうね……)

メサイアは悲痛そうな表情をし、ベルフェゴールとリザイラは静かな表情で呟いた。



「その…………正直、何て言ったらいいかわかりません…………」

「フフ、気にしないで。貴方の反応は当然だし、それに理由は未だわからないけど、私はこうして蘇り……私のせいで運命が狂ったアストライアお姉様とセリカ(お姉様が愛する人)が”エステル(人)”によって救われたんだから。かつて裏切られた”人”によって”神”が救われ、そしてエステル―――”人”が多くの異種族に加えて女神と共に生き、笑い合っているんだから。……それだけでも私にとっては心から嬉しい出来事だわ。私の目指した”道”は決して間違っていない事が証明されたのだから。」

申し訳なさそうな表情で謝罪するリィンに苦笑したアイドスは優しげな微笑みを浮かべた。



「…………俺もアイドス様が目指す”争いのない世界”……可能性は限りなく低いですが、実現は不可能ではないと思っています。」

「あら、どうしてかしら?過去、人々は争う事で利益を得て、自分達の生活を発展し続けているでしょう?」

考え込んだ後静かな表情で答えたリィンの答えを聞いたアイドスは目を丸くして尋ねた。

「確かに人々は争う事で発展し続ける事を歴史が証明していますが、それでも争いのない平和な世界を望む人々もいます。例えばリベール王国の女王―――アリシア女王陛下はかつてエレボニア帝国の侵攻によって祖国が危機に陥ったにも関わらず、”不戦条約”を掲げ、西ゼムリア大陸内での国家間の戦争を失くそうとしています。メンフィル帝国は”光と闇の共存”を掲げ、種族関係なく共に平和に生きる世界を目指しています。そして先程上げた例の二つと比べるとあまりにもちっぽけですが俺達―――トールズ士官学院特科クラス”Ⅶ組”はこのエレボニア帝国が”貴族派”と”革命派”によっていつ内戦が始まってもおかしくないと言われている状況でありながら、それぞれの派閥に属する子息や息女が同じクラスで共に笑い合い、協力し合って今までどんな試練が訪れても乗り越える事ができたのですし、これからも喧嘩や意思の違いで仲違いしても必ず乗り越えられると信じています。ですからどのような険しい道でも一人じゃ無理でも、仲間達がいればいつか必ず乗り越えられる事ができると思います。」

リィンは入学してから今までの出来事を思い出しながら答え

「…………………………」

リィンの話をアイドスは呆けた表情で聞き続け

(うふふ、ご主人様だからこそ出せる答えでしょうね♪)

(ふふふ、これもあの担任教官に毎回厄介事を押し付けられたお蔭でしょうね。)

(アハハ……でも、私もリィン様の意見には賛成です。どんな時代でも平和を願う人はいるのは本当の事ですし。)

ベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべ、二人の念話を聞いていたメサイアは苦笑した後静かな笑みを浮かべた。



「…………フフ…………ありがとう…………そんな事を言ってくれた人は貴方が初めてよ…………」

そして黙って聞き続けていたアイドスは優しげな微笑みを浮かべて涙を流して小声で呟き

「ア、アイドス様!?お、俺何か不味い事を言いましたか!?」

アイドスが流す涙を見たリィンが慌て始めたその時

「ん………………ちゅ……れる……」

「んんっ!?!!!!!!???」

なんと涙を拭ったアイドスは両手でリィンの顔を自分の方へと寄せた後深い口付けを交わし、アイドスの突然の行動にリィンは顔を真っ赤にして混乱した!

(ええっ!?ま、まさかアイドス様、先程のリィン様の話を聞いてリィン様の事を…………)

(アハハハハハハハハハッ!まさか”女神”を……それもよりにもよって”古神”を落とすなんて、さすがの私も予想外よ♪)

(ふふふ、さすがは精霊王女である私が認めたご主人様ですね。私もまさか女神をも惹きつけるとは思いませんでした。)

一方その様子を見守っていたメサイアは驚いた後信じられない表情をし、ベルフェゴールは腹を抱えて大声で笑い、リザイラは静かな笑みを浮かべて感心していた。



「な、なななななななななっ!?い、いいいいいい、一体何を……!?」

アイドスが自分から離れるとリィンは混乱した様子でアイドスを見つめ

「フフ………そう言えば私がここに来た理由をまだ言ってなかったわよね。―――私がここに来た理由は一つ―――”人”を良く知る為に貴方と共に”道”を歩む為に来たのよ。」

見つめられたアイドスは微笑みながらリィンを見つめた。



「お、俺と共に”道”を歩むって、ま、まさか……!」

アイドスの答えを聞いてアイドスが自分と”契約”しようとしている事に気付いたリィンは信じられない表情をしてアイドスを見つめたその時、アイドスは短い詠唱で周囲に認識障害の結界を展開した後身に纏っている服のボタンを外してなんと下着もつけていない胸を顕わにした。

「あわわわわわわっ!?―――んんっ!?」

そしてアイドスは自分の扇情的な姿を見て混乱しているリィンの唇を口付けで封じ

「フフ、認識障害の結界を展開したから、私が結界を解くまでこの場には誰も来ないから、慌てなくていいわよ。それじゃあ始めるわね?”契約”の”儀式”を――――」

リィンに”性魔術”を施してリィンと契約し、リィンが装備していた太刀――――利剣『真焔』に宿り、女神であるアイドスが宿った事によって太刀は形態を変えると共に”慈悲の大女神アイドス”の膨大な神力を纏わせた”神剣”―――『神剣アイドス』に生まれ変わった!



「フフ、まさか復活した私が”処女”だったなんて、私自身も驚いたけど……よかった……私が選んだ人に”処女”を奉げる事が出来て……”処女”の身体を持つ私を復活させた”運命”に感謝ね……アストライアお姉様……ようやく私もお姉様のように心から信頼できる人を見つたわ…………これからよろしくね、リィン………ん……」

契約を終え、リィンが持っていた太刀に宿った後すぐにリィンの傍に現れたアイドスは優しげな微笑みを浮かべて自分との”性魔術”による疲労で眠っているリィンに膝枕をしてリィンの頭を優しく撫でながら見つめた後リィンの唇に口付けをした。

「―――さてと。さすがに外でこのまま寝かせたら風邪を引くだろうし、リィンを部屋まで送ってあげないとね。―――よいしょっと。」

そしてリィンを背負ったアイドスは転移魔術でその場から消えてトリスタに到着後、第三学生寮に入って行った。



~第三学生寮・リィンの私室~



「あ、リィン、やっと帰って―――なっ!?」

リィンを背負ったアイドスがリィンの私室に入るとアリサが待ち構えていたが、リィンを背負っているアイドスを見て驚き

(あらあら♪)

(ふふふ、早速興味深い展開になりましたね。)

(ア、アハハ……)

ベルフェゴールとリザイラは興味ありげな表情をし、メサイアは冷や汗をかいて苦笑していた。



「あ、貴女一体誰よ!?というかどうしてリィンを……」

「―――私の名はアイドス。今日からリィンの剣として見守る”女神”よ。」

「ハアッ!?め、女神??それにリィンの剣として見守るって一体どういう事よ??」

アイドスが名乗るとアリサは声を上げて驚いた後戸惑いの表情でアイドスを見つめ

「ちょっと待って。まずリィンをベッドに寝かせてあげないと……ね。」

アイドスはリィンをベッドに寝かせた後毛布をリィンに被せた。



「これでよしっと。それでさっきの話に続きだけど……―――こういう事よ。」

「なっ!?」

そしてアイドスが光の球体になった後リィンの太刀に宿る様子を見たアリサは驚き

「それで貴女は一体誰かしら?こんな夜遅くにリィンの部屋に待っていたって事はもしかして恋人かしら?」

リィンの太刀から再び現れたアイドスは首を傾げて不思議そうな表情で尋ねた。



「え、ええ、そうよ。私はリィンの恋人の一人よ。それでさっきリィンの剣に宿ったようだけど、まさかリィンと”契約”したんじゃ……!」

アイドスの問いかけにアリサは顔に青筋をたて、口元をピクピクさせ、そして膨大な怒気と威圧を纏ってかろうじて微笑みを浮かべて答えてアイドスを見つめ

「ええ。契約したけど何か問題があるかしら?」

「その契約方法って、もしかして”性魔術”?」

「ええ、そうよ。」

「……………………………フ、フフッ、そうなんだ……もう夜も遅いし私はこれで失礼するわね。ちょっと目を離した隙にまた新しい女を増やすなんて……!しかも”女神”とか普通に考えてありえないでしょう!?皇族どころか女神まで惚れさせるとか、リィンの女運は一体どうなっているのよ!?ブツブツ…………」

そしてアイドスの答えを聞いたアリサは一瞬石化したかのように固まった後我に返るとブツブツ呟きながらリィンの私室から去り

「フフ、なるほど。そう言う事ね。―――明日は頑張ってね、リィン。」

アリサの様子を見てある事を察したアイドスはリィンに視線を向けた後太刀に戻った。



そして翌朝。

9月8日―――



~翌朝・第三学生寮・リィンの私室~



「ん…………?(殺気!?)―――ッ!!――――え”。」

翌朝目覚めたリィンは自分に向けられる殺気に気付いた後慌てた様子で飛び起きて身構えたが目の前にいる人物達を見て表情を引き攣らせた。



「ようやくお目覚めね、リィン?フ、フフッ、フフフフフ……!」

「そのご様子ですと昨夜はさぞかし楽しまれたのでしょうね、兄様?ウフフフフフ……!」

「姉様共々時間が取れてようやくまた会いに来れたのに、まさかこんな事態になっているとは私達も予想していませんでしたよ、兄様?ウフフフフフ…………!」

リィンの目の前にいる人物達―――アリサ、エリゼ、エリスはそれぞれ膨大な威圧を纏うと共に目にも見える程の怒気をメラメラ燃やしてリィンに微笑み

「ア、アリサ!?それにエリゼとエリスが何でここに……」

3人を見たリィンは驚いた後3人の尋常ではない様子に気圧されて表情を青褪めさせて身体を震わせた。

(アハハハハハハッ!さすがご主人様ね♪)

(アハハ……今日たまたま訪問してきたエリゼさんとエリスさんがアイドス様の事を知るなんて凄い偶然ですね……)

(ふふふ、新しい使い魔の女性と契約すれば即座に彼女達に耳に入る事はもはや恒例化していますね。)

(ア、アリサがまた怖くなっている……お、お願いだから元のアリサに戻って~!)

その様子を見守っていたベルフェゴールは腹を抱えて大声で笑い、メサイアは苦笑し、リザイラは静かな笑みを浮かべ、ミルモは身体をガタガタ震わせながらアリサを怖がっていた。



「今はそんな細かい事は気にしないで下さい。それよりも……私達に報告すべき事があるでしょう?」

「目覚めて早々で申し訳ないですが、早速報告してもらえませんか?―――昨夜”契約”したという女神の方を。」

「え”。………………あ。な、何でアリサ達がアイドスの事を……」

エリスとエリゼの指摘に表情を引き攣らせたリィンだったがすぐにアイドスの事を思い出して表情を青褪めさせ、冷や汗を滝のように流して身体を震わせて尋ねた。



「―――それについては私が説明するわ、リィン。」

「ア、アイドス…………」

そして太刀から現れたアイドスに気付いたリィンはアリサ達を気にしながらアイドスを見つめ

「昨日の”契約”の後そのまま疲れて眠ってしまった貴方を背負ってこの部屋まで運んだ時にこの部屋で待っていたアリサと会って、事情を軽く説明したのよ。」

「………………………」

アイドスの答えを聞いて再び表情を引き攣らせた。



「へ、へえ……?疲れて眠るくらいまで楽しんだんだ?フ、フフッ、フフフフフ……!」

「アイドス様は男女問わず誰もが振り返るような美しい容姿を持っている上バランスのいいスタイルをなさっているのですから、さぞかし鼻の下を伸ばして楽しまれたのでしょうね?ウフフフフフ……!」

「しかもアイドス様は”女神”……”女神”とそのような関係に発展する兄様は少なくともゼムリア大陸初の男性でしょうね?ウフフフフフ……!」

「あわわわわわわっ!?そ、そこで何で3人共武器を取り出しているんだ!?」

顔に青筋をたて、口元をピクピクさせながら目にも見える程の怒気をメラメラ燃やしながら膨大な威圧を纏って微笑みながら導力弓を取り出したアリサ、それぞれの腰につけている鞘からレイピアを抜いたエリス、太刀を抜いたエリゼを見たリィンは表情を青褪めさせて慌て始めた。



「ア、アハハ……ついに”女神”まで惹きつけちゃったんだ、リィン……」

「”女神”の加護まで受けられるとは。凄いな、リィン……」

一方その様子を扉付近で見守っていたエリオットは冷や汗をかいて苦笑し、ガイウスは静かな笑みを浮かべ

「ふええ~!リィンって、凄いモテモテなんだね!」

「クソッ!何でリィンの周りだけあんな麗しい女性ばっかり集まるんだよ、このリア充野郎ッ!男の敵ッ!!下手したらゼリカよりもモテてんじゃねえのか!?」

「しかも自覚がないから、余計に性質(たち)が悪いね。」

「うむ……あの性格は何とかならんのか?」

ミリアムは興味ありげな表情をし、悔しげな表情で唇を噛みしめてリィンを睨みつけるクロウの言葉に続くようにジト目で呟いたフィーの言葉を聞いたラウラは困った表情で考え込み

「それは絶対に不可能だと思うがな。」

「僕も同じ意見だ。………というかここまで来たらもはや呆れを通り越して感心に値するぞ……」

「ア、アハハ…………(というかリィンさんの剣からプリネさん達が持つ剣よりも凄まじい霊圧や神気が感じるのだけど……)」

(今度は”女神”って……あの子の女運は一体どうなっているのよ!?また、頭の痛くなる奴が増えたわね……)

ラウラの言葉にそれぞれ呆れた表情で答えたユーシスとマキアスの答えを聞いたエマは冷や汗をかいて苦笑ながら『神剣アイドス』に視線を向け、エマの足元にいるセリーヌは呆れた表情でリィンを見つめていた。



「フフ、女神様にも気にいられるなんて、リィンお兄様は凄いですね♪」

「ハア……一体後何人増やせば気が済むんですか、リィンさん…………」

セレーネは嬉しそうな表情で微笑みながら見守り、ツーヤは疲れた表情で溜息を吐き

「フフ、何十人の間違いじゃないかしら♪」

「サ、サラ教官……今の状況だと洒落になっていないですよ……」

「フッ、確かにそうだな。」

「あらあらまあまあ♪強力なライバルが増えたお嬢様の恋を実らせる為にも、殿方を喜ばせる方法をもっとたくさん教えないと駄目ですわね♪」

ツーヤの言葉にからかいの表情で答えたサラ教官の答えを聞いたプリネは表情を引き攣らせ、レーヴェは静かな笑みを浮かべ、シャロンはからかいの表情になり

「ガタガタブルブル…………!(アリサは絶対に怒らせないようにしとかないと……!)」

(ボ、ボク達からしたら信じられない出来事だよね?)

(ああ………全く、姉妹揃って本当に色々と驚かされる女神達だな……)

エヴリーヌは表情を青褪めさせて身体を震わせてアリサ達から視線を逸らし続け、冷や汗をかいて表情を引き攣らせているペルルの言葉に頷いたアムドシアスは呆れた表情で呟いた。



「エリオット、マキアス!今からエリゼ達と一緒にリィンとの手合せをするからリィンを郊外まで連行して!」

その時アリサが声を上げてエリオットとマキアスを見つめて指示をし

「ええっ!?」

「な、何で僕達がそんな事をしないと駄目なんだ!?」

アリサに指名されてエリオットと共に驚いたマキアスは反論したが

「何か文句でもあるのかしら?」

「エリオットさん、マキアスさん?」

「お手数ですがお願いしてもよろしいですか?」

「あわわわわわわっ!?す、すぐに連行します!マキアス!」

「あ、ああ!」

膨大な威圧を纏うアリサ達に微笑まれて慌ててリィンを挟み込んでリィンの両腕を掴んだ。



「ちょっ、エリオット、マキアス!?俺達は仲間だろう!?助けてくれ!」

二人の行動に驚いたリィンは二人に助けを求めたが

「ごめん、リィン…………何もできない僕達を許して…………」

「元はと言えば君のその鈍感さが原因なんだ。……これも朴念仁である君自身の宿命だと思って諦めてくれ…………」

「ええっ!?二人が無理なら他のみんなは!?」

疲れた表情で答えた二人の答えを聞いて驚いた後扉付近にいるクラスメイト達に視線を向けたが、全員あからさまにリィンの視線から逸らしたりその場から去り始め

「フフ、それじゃあ3人で協力してリィンと手合せをしましょうね、エリゼ、エリス♪」

「はい、アリサさん♪」

「フフ、兄様にこんなにも早く私の剣術を見てもらえる機会が巡ってくるとは思いませんでした♪」

「ど、どうしてこうなったんだ――――ッ!?」

アリサ達に囲まれ、マキアスとエリオットによって連行されるリィンは悲鳴を上げた!



そして数時間後、メンフィル大使館の傍にある大聖堂にいるペテレーネにプリネの緊急通信によってリィンが”古神”であるアイドスと契約した事が伝えられ、その報告に驚いたペテレーネは大慌てで大使館に向かった。


 
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