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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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第118話

~銀の道~



門の中へと入ったリース達は分かれ道を見つけ、一端足を止めた。するとリース達の目の前に妖しげな光陣が現れた!

「っ………!」

「来るか……!」

「は、はわわ……っ!?」

それを見たリースとロイドは警戒した様子で仲間達と共に武器を構え、ティータは慌てながらも武器を構えた。すると光陣から今まで見た事のない魔獣が現れ、リース達に襲い掛かった!



「「……………」」

戦闘開始早々角を持つ魔獣らしき敵達はリース達に突進した!

「させん!」

「っと!!」

しかしバダックとフレンがそれぞれ前に出て、武器で受け止めた。

「やぁ~っ!ダイヤモンドダスト!!」

二人が攻撃を受け止めている間にクローゼがアーツを発動して敵達にダメージを与えた。

「スターストローク!!」

「ピアシスライン!!」

そこにユリア大尉とナタリアが敵の側面に回ってそれぞれ遠距離攻撃を叩き込み

「オォォォォ……ゼロ・ブレイク!!」

「魔王!炎撃波!!」

フレンとバダックがそれぞれクラフトを放って止めを刺した。



「…………」

一方後方に残っていた敵はアーツの駆動を開始していたが

「無駄です!!」

リースがクラフト――アークフェンサーを放って攻撃すると同時に妨害し

「あ、当たって!アースインパクト!!」

続けてティータが強烈な衝撃が発生する砲弾を敵に命中させて敵を怯ませた。

「うぉぉぉぉぉ………ブレイブスマッシュ!!」

「―――――――!?」

そこにロイドが全身に闘気を纏って敵に一点突破の攻撃を叩き込むと敵は叫び声を上げながら消滅した!



「……………………」

「い、今のって……まるでおとぎ話に出てくる死神みたいだったような……」

戦闘終了後仲間達と共に武器を収めたリースは不安そうな表情で考え込み、ティータは先程戦った敵の特徴を思い出して信じられない表情で呟いた。

「……ええ、確かに。悪魔とはまた違った意味で”あり得ない”魔物のようです。」

「……どうやら簡単には進ませてくれないみたいですね。」

「ええ。慎重に行きましょう。」

そしてリースの説明を聞いたクローゼとユリア大尉は静かな表情で答えた。その後リース達は先を進み、しばらく進むと封印石を1つ見つけて手に入れた。



「……それがもしかして”封印石”ですの?」

「……ええ。先程の女性の話を信じるのならば、この中に”聖なる焔の光の真の友”か”最後のユリアの末裔”が封印されているようですが………」

封印石を興味深そうに見つめているナタリアの疑問にリースが答えたその時封印石は光を放った!すると封印石は二つの光の球となり、リース達の目の前に降りてきた。

「一つの封印石に二つ……?」

「片方はジークの時みたいにちっこいから、ペットみたいな奴か……?」

「あ、あの……ジークはペットじゃないのですが……」

「ピュイ!」

一つの封印石から二人の人物達が解放されようとしている事を不思議に思ったロイドは首を傾げ、フレンの推測を聞いたクローゼは苦笑しながら指摘し、クローゼの指摘にジークは力強く鳴いて頷いた。

「フフ、やっぱりティアはミュウと一緒でしたのね。」

一方一つの封印石から二人の人物達が解放されようとしている事に心当たりがあるナタリアは微笑みながら二つの光の球を見つめた。そして光が消えると腰まで届く美しいアッシュブロンドの髪をなびかせる女性と水色の小さな謎の生物が現れた!



「みゅう~……眩しかったですの~………」

「今の光は……――!まさか閃光弾!?下がって、ミュウ!………………え。」

謎の生物が直前に起こった出来事で呻いている中、目を見開いた女性はすぐに立ち上がると共に足に装着している投擲用の短剣を素早く抜いて構えたが、目の前にいるリース達に気づくと呆けた。

「へ~……結構美人じゃねぇか。それに………(胸もセシルと同じ……いや、それ以上じゃねぇのか?)」

(うわ………!)

普通の女性を比べると比較的整った顔立ちをしている上豊満な胸を持ち、更にスタイルも抜群の女性にフレンは感心し、ロイドは驚いた。

「もう……二人ともどこを見ているんですか。」

「フフ、若い殿方の二人が女性の私達でも羨ましいティアの胸に見惚れてしまうのも無理はありませんわ。―――久しぶりですわね、ティア。それにミュウも。」

女性の豊満な胸に視線を向けているフレンとロイドの視線に気づき、呆れた表情で指摘したクローゼに苦笑しながら答えたナタリアは懐かしそうな表情で女性と謎の生物に話しかけた。



「あ、ナタリアさんですの~。………みゅっ!?」

「ナタリア……?一体いつユリアシティに………―――!?ラルゴ!?何故アブソーブゲートで死亡した貴方が………!」

ナタリアに話しかけられた謎の生物と女性はバダックに気づくとそれぞれ血相を変え

「ティ、ティアさん!周りも何かおかしいですの~!」

「え………―――!ここは一体………ナタリア。ラルゴが生きている事といい、その人達の事といい、一体どういう事なのか説明してもらえないかしら?」

そして周囲を見回した謎の生物の指摘に呆けた女性は周囲を見回して驚いた後すぐに冷静になり、ナタリアを見つめて問いかけた。

「ええ、構いませんわ。と言っても私達がわかっている事もまだそんなにないのですが――――――」

その後リース達は事情の説明や自己紹介を行った。



「………俄かには信じ難い話だけど、実際こうして体験している上目の前に死亡したラルゴも生きているから、信じる他ないわね。」

事情を聞き終えた女性は静かな表情で呟き

「みゅう~………どうして生き返っているのが、ご主人様じゃなくて貴方ですの………」

「ミュウ………」

「………………」

悲しそうな表情で呟いた謎の生物の言葉を聞いたナタリアは辛そうな表情をし、バダックは目を伏せて黙り込んでいた。

「ミュウ、さすがにそれは二人に対して失礼よ。」

「はいですの。ごめんなさいですの、ナタリアさん、ラルゴさん……」

「……俺の事は気にするな。」

「私も気にしておりませんし、”彼”を心から慕っていた貴方の気持ちは理解していますから、そんなに気にしないでください。」

女性の指摘に頷いた謎の生物に謝罪されたバダックは静かな表情で答え、ナタリアは謎の生物に慰めの言葉を贈った。



「あ、あの~……ちょっといいですか?」

その時ロイドが遠慮気味に女性に話しかけた。

「何かしら?」

「えっと……貴女の足元にいる謎の生物はさっきから人の言葉をしゃべっていますけど……もしかして、貴女達の世界では人間以外の生物がしゃべるのが普通なのですか?」

「フフ、この子――――ミュウはこのリング――――”ソーサラーリング”のお陰でしゃべれるだけで、なにもミュウの種族全部がしゃべれるわけではないわよ。」

ロイドの疑問に女性は謎の生物―――ミュウを抱き上げてミュウが身につけているリングをリース達に見せて苦笑しながら説明をし

「動物に人の言葉をしゃべらせる事ができるとは……相変わらず異世界の技術は凄いな。」

「……私達の世界では間違いなく古代遺物(アーティファクト)扱いされる代物ですね。」

「フフ、それがあったらジークとも直接言葉を交わす事ができますから、ちょっと羨ましいですね。」

「ピュイ?」

説明を聞いたユリア大尉は驚き、リースは静かな表情で呟き、微笑みながらミュウを見つめるクローゼの言葉を聞いたジークは首を傾げた。



「はじめまして、僕はチーグル族のミュウですの!よろしくお願いしますの!」

「か、可愛い~……!えとえと、お姉さんは何て言う名前なんですか?」

ミュウが頭を下げるとミュウの愛らしさを感じたティータは女性に名前を訊ねた。

「そう言えばまだ名乗っていなかったわね。―――――ティア。神託の(オラクル)騎士団情報部ティア・グランツ奏手よ。」

「神託の(オラクル)騎士団………と言う事はアニスさんと同じ組織に所属している方ですか。」

「それも”情報部”となると彼女は防諜等を任務としているのだろうな……」

女性―――ティアが名乗るとリースはティアとアニスが所属している組織が同じである事に気づき、ユリア大尉は真剣な表情でティアを見つめた。



「それで貴女はティータ……だったかしら。私に何か言いたい事があるようだけど、何かしら?」

「えとえと……後でミュウちゃんを抱かせてもらってもいいですか?」

「フフ、ミュウの本当の主は私じゃないのだけどね……私は別にいいと思うけど、ミュウはどうかしら?」

「僕もいいですけどその前にティータさん。僕は雄ですの!だから”ちゃん”じゃなくて、”君”って言って欲しいですの!」

ティアに頼みごとをするティータが自分をメス扱いしている事に気づいたミュウはティータに修正を求めた。

「ふえっ!?そ、そうだったんだ……ご、ごめんね、ミュウ君。それとこれからよろしくね、ミュウ君!」

「はいですの!」

「可愛い………」

無邪気な笑顔を浮かべてミュウを見つめるティータの様子を見たティアは心に思っている事を思わず口に出した。

「ふえ?ティアさん、何か言いましたか?」

「な、何でもないわ。―――それよりも私も元の世界に帰還する為に今後の探索に協力させてもらうわ。」

そしてティータに声をかけられて我に返ったティアは若干慌てた様子で答えた後リース達を見回して協力を申し出、露骨に誤魔化したティアの様子にリース達は冷や汗をかいた。

「………よろしくお願いします。」

(フフ、ああ言う所も相変わらずですわね。)

(クク、クールに振る舞っているが、普通の女らしい一面もちゃんとあるようだな。)

(ハハ……本人に聞こえたら不味いですからそういう事は本人のいない所で言った方がいいですよ。)

可愛いものが好きな事を隠している様子のティアをナタリアは微笑ましく見守り、フレンの小声の言葉を聞いたロイドは苦笑しながら指摘した。その後リース達はどんどん先へと進み、ついに終点らしき場所に到着した。



「あ………!」

「もしかして………出口でしょうか?」

「………ええ。どうやらそのようです。もしかしたらケビン達の方もすでに…………」

明るい表情をしたクローゼの推測にリースが頷いたその時、妖しげな光陣が現れた!

「………っ………」

「そう簡単には通してはくれないようね。」

「フン、今までの”星層”の最奥では必ず悪魔達が現れたからな。今更驚きはせん。」

それを見たリースとティアは警戒した表情で仲間達と共に武器を構え、バダックは鼻を鳴らして武器を構えた。すると光陣からなんとボウガンを構えたケビンが現れた!



「……え…………!?」

「ふえええっ!?」

「し、神父殿!?」

「ケビン神父………!?」

ケビンの登場にリースは呆け、ティータとユリア大尉、ロイドは驚いた。

「…………………」

一方ケビンは何も語らず、虚ろな目でリース達を見つめた後、妖しげな動く砲台達を召喚した!

「…………ケビン……!」

それを見たリースが叫んだその時

「みんな、騙されちゃダメですの!その人は人間の姿をしていますけど、人間じゃありませんの!」

「どういう事なのですか、ミュウ……!」

ミュウがリース達に警告し、ミュウの警告に驚いたナタリアはミュウに訊ねた。



「僕はご主人様達と一緒に旅をしたお陰で気配で人間と魔物の区別ができますの!勿論その人は人間どころか”レプリカ”でもなく、魔物の気配しかしないですの!」

「要するに魔物が俺達を惑わす為に神父に化けたって事か……!」

「フフ、お手柄よ、ミュウ。」

ミュウの指摘を聞いてケビンの正体が魔物である事を悟ったフレンは自身の推測を口にし、ティアはミュウに微笑み

「………そういう事ですか。なら容赦をする必要はなさそうですね………!」

リースは表情を引き締め、仲間達と共にケビン達との戦闘を開始した!




 
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