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英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)

作者:sorano
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第6話

宿舎に戻ったエステル達は夕食をとった後すぐにベッドに入り、寝始めた。



~ル=ロックル宿舎・深夜~



エステルとミントが一緒に寝ている中、銃声やアーツの発動音らしき音が何度も聞こえて来た。



(ん……?なに……この音……)

絶えず聞こえて来る音で目を覚ませたエステルは首を傾げた。

「う~ん………うるさいよ~…………」

ミントも同じように目が覚め、聞こえて来る音に目をこすりながら顔を顰めた。

「!!何この音……。ひょっとして銃声!?」

「え!?………あ!本当だ!!」

頭がハッキリして来たエステルは聞こえて来る音を驚いた表情で声を出し、エステルの言葉を聞いたミントも驚いた後、聞こえて来る音が銃声である事に気付いた。その時、部屋のドアが何度もノックされた。



コンコン!コンコン!コンコン!



「……エステルちゃん!ミントちゃん!2人とも起きてる!?」

そしてアネラスが部屋に入って来た。

「「アネラスさん!?」」

「よかった!起きてたんだね!さあ、早く支度をして!」

「う、うん!この銃声ってまさか……」

「正体は判らないけど何者かが襲撃してきたみたい!クルツ先輩が応戦しているから2人とも急いで!」

そして2人は急いで装備を確認し、下に降りた。



「クッ……これでしばらくは……」

エステル達が1階に降りると正面の入口から入って来た後鍵をかけたクルツが崩れ落ちた。

「だ、大丈夫ですか!?」

「た、大変っ!腕にケガをしていますよっ!」

「大丈夫……。ただのかすり傷ですから……。それよりも……敵の侵入を防がないと……」

自分を心配するフィリス達を手で制したクルツは優先すべき事を言った。

「ク、クルツさん!?」

「せ、先輩!?ケガをしたんですか!?」

「大丈夫なの!?」

そこにクルツの様子を見たエステル達が駆け寄った。

「エステルちゃん!アネラスちゃん!ミントちゃん!」

「すまない、油断してしまった……。見ての通り、武装した集団がこの建物を襲撃しているようだ……。3人とも迎撃に協力してくれ……」

「りょ、了解!」

「は、はい!」

「そんな……。先輩に手傷を負わせるなんて……。誰が襲ってきたんですか!?」

クルツの頼みにエステルとミントは驚きながら了解し、アネラスは実力の高いクルツに傷をつけた相手に驚き、襲撃者の正体を尋ねた。

「先ほど少しやり合ったが……。あの格好は……おそらく『猟兵団』の一派だろう……」

「猟兵団って……あの百戦錬磨の傭兵たち!?」

「で、でも……どうしてそんな人たちが!?」

「傭兵の人達って、戦争をしている国でしか活動しないんじゃないの!?」

クルツから襲撃者の正体を聞いたエステルは驚き、アネラスとミントは何故傭兵達が襲撃をしているのかわからなかった。

「リベール国外では遊撃士協会と猟兵団は事あるごとに対立している……。ここが彼らの標的になってもそれほど不自然ではない……。ひょっとしたら……例の結社が手を回したのか……」

「え!?」

クルツの呟きを聞きエステルが驚いたその時、窓が叩き割られて鎧に身を包んだ猟兵が1人侵入してきた後、エステル達に向かって行った!

「「あ……!」」

「しまった!」

そしてエステル達は迎撃態勢をとり、猟兵と戦闘を始めた!



「ぬん!」

「ハッ!」

大剣で攻撃してくる猟兵の一撃をエステルは棒で受け止めた!

「風の刃よ…………エアストライク!!」

「やぁっ!えいっ!」

そこにアネラスが放ったアーツとミントが放ったクラフト――アッパーファングが猟兵を襲った!

「!!」

2人の攻撃が命中した猟兵はのけ反った!

「はぁぁぁぁ、せい!」

「くっ!」

そしてエステルはクラフト――金剛撃を放ち、エステルの攻撃に気付いた猟兵は一端下がって回避した。

「これでもくらいな!」

そして猟兵は懐から何かを出して、アネラス目掛けて放った!

「はいっ!」

しかしアネラスは刀で斬り払った!

「むん!」

そして猟兵はミントに攻撃して来た!

「わっ!」

猟兵の攻撃をミントは驚きながら回避した。



「やっ!!」

そこにエステルがクラフト――捻炎棍を放った!

「ぐ……熱っ!?」

エステルのクラフトに命中した猟兵は呻いた。

「はいっ!はいっ!はぁいっ!」

「グアッ………!」

さらにアネラスが続くように高速で何度も放った真空の刃――剣風閃が猟兵に命中した!

「あっち行け~!」

「ガハッ!?」

そこにミントが放ったクラフト――バーストショットが猟兵の腹に命中して、吹っ飛ばした!

「…………グッ!?……………」

吹っ飛ばされた猟兵は空中で受け身をとって着地をした後、度重なるダメージを受けた為、崩れ落ちた!



「はあはあ……。な、何とか勝てたけど……」

戦闘が終了し、エステルは息を切らせながら棒を構えたまま、跪いている猟兵を警戒した。

「そ、そこの人!武器を捨てて降伏してっ!」

「大人しく降参して下さい!え~っと……器物破損、傷害の容疑であなたを拘束します!」

アネラスとミントは降伏勧告をした。

「クク……。思ったよりもやるようだ。だが、詰めは甘いようだな。」

「え……」

2人の降伏勧告を聞き、口元に笑みを浮かべて言った猟兵のセリフにエステルは驚いた。そしてその時同じ格好をした猟兵が窓から侵入してきて、煙幕を投げた!

「あ……!」

「ふえ!?」

「は、発煙筒!?」

「フフ……。お眠り、仔猫ちゃんたち。」

不敵に笑いながら言う別の猟兵の声を聞きながら、エステル達はその場で崩れ落ち、眠ってしまった……………
 
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