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支持率

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第二章

「それでだよ」
「上がることもですね」
「あるから」
「そういえば人気取りの政策は」
 ここで渡辺も言った。
「ありますね」
「そうだね」
「はい、マスコミにそう言われても」
「そうした政策を実際にやればね」
「支持率は上がりますね」
「多少なりともね」
 篠宮は冷静に言った。
「そうなるものだよ」
「だからですね」
「そう、支持率はいつも変わる」
 これが篠宮の言うことだった。
「だからね」
「政治家は、ですね」
「理想だけれど」
「支持率に惑わされず」
「しっかりとした政策をやっていくべきなんだよ」
「けれどそれは」
「そう、理想だから」
 篠宮は苦笑いをしてだ、渡辺にあらためて言った。
「どうしてもね」
「気にしますね」
「政治家は偉そうに言っても結局は」
「人気あってですね」
「人気商売と言えば悪いけれど」
「人気があってこそですね」
「やっていけるものだよ」
 これが現実だというのだ。
「人気がないとね」
「つまり支持率がそれなりに高くないと」
「内閣は倒れるし」
「選挙もですね」
「負けるよ」
 そうなってしまうというのだ。
「そして僕にしてもね」
「落選ですね」
「そう、落選すれば」
「政治家は無職ですね」
「そうなるよ、選挙費用はかなりかかるけれれど」
 それでもというのだ。
「その選挙にお金も無駄になってね」
「無職ですね」
「それが現実ですね」
「そうだよ、だから今ね」
「はい、総理に言われてですね」
「政策を考えているけれど」
 自分の事務所においてだ。
「さて、どうしたものか」
「その人気取りの政策ですか」
「所謂ね」
「ばらまきですか?」
「いや、そういうのはね」
「もういつもマスコミやネットで言われていて」
「総理も何の実効もないって言われてね」
 それでというのだ。
「しないことになったよ」
「人気取りの政策でもですね」
「実効がある」
「そうした政策でないとですね」
「駄目だからね」
「そこも難しいですね」
「最近どうもね」
 難しい顔で言う篠宮だった。
「内閣、政党の支持率がね」
「下がってますよね」
「安全保障の件でね」
「あれは仕方ないですよね」
「しっかりとしないとね」 
 それの法整備をだ。
「国を守れないから」
「ですからどうしてもでしたね」
「支持率が下がるのを承知でだよ」
「やりましたね」
「マスコミが幾ら嫌って叩いても」
 それでもというのだ。 
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