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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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第59話

その後クルツを救助し、宿に運んで手当てをしたエステル達は目覚めたクルツから事情を聞き始めたが、クルツは何者かに記憶を封じられていた。



クルツの記憶の封印を解く方法をエステル達が考えていると、ケビンが申し出て七耀教会に伝わる”法術”でクルツの記憶の封印を解き、クルツはエステル達に驚くべき事を説明した。



それは”結社”の拠点はヴァレリア湖北西の湖岸にあり、見つからなかった理由は上空にダミー映像を展開し、地上には濃霧を発生させてその存在を隠していた。



拠点に潜入したクルツ達だったが、”執行者”達の待ち伏せによって奇襲をかけられ、クルツ達は総崩れとなってしまい、クルツはアネラス達を残して傷つきながらもボートに辿り着いたが気を失ってしまった事を説明した。



そしてアネラス達の救出を決意したエステル達はメンバーを厳選してクルツが倒れていたボートを使って、結社の拠点らしき研究施設に潜入した。



研究施設に到着したエステル達は警備代わりの人形兵器を退けながら、アネラス達を探した。



アネラス達は1階層ずつにいたが、全員操られてエステル達を襲いかかって来た為エステル達は仕方なく、アネラス達と戦ってアネラス達を戦闘不能にした後、ケビンの”法術”のよって正気に戻らせた。



そして最後に助けたアネラスの証言により、ヨシュアがいた事に驚き、エステル達は急ぎ、ヨシュアがいるであろう屋上に向かった。



~ヴァレリア湖・研究施設・4階・最奥~



エステル達が部屋に入ると、そこにはヨシュアが倒れていた!

「ヨシュアっ!?」

倒れているヨシュアを見たエステルは血相を変えてヨシュアに駆け寄り、仲間達も続いて駆け寄った。



「ヨシュア!ねえ、ヨシュアってば!な、なんでこんなに身体が冷たいのよぅ……。起きて……起きてってばぁ!」

倒れているヨシュアをエステルは必死にヨシュアの体をゆさぶって、悲しそうな表情で叫んだが、ヨシュアは何も答えなかった。

「そ、そんな……」

「クソッ…………!」

「間に合わなかったのか………!」

その様子を見ていたクローゼは悲しそうな表情をし、ルークとフレンは悔しそうな表情をし

「………?」

アリエッタは眉を顰めてヨシュアを見つめていた。



「……う……………」

エステルが何度も揺すって声をかけていると、倒れているヨシュアから声が聞こえてきた。

「ヨシュア!?」

「……エ……エステル……。どうして君が…………こんなところに……」

「よ、よかった……無事……だったんだ……。待ってて、すぐに手当てを―――」

声を出しているヨシュアを見てエステルが安心した後、手当てをしようとしたその時!

「あかん!離れろ!」

「偽物――いえ、人形です!!」

ケビンとアリエッタが警告した!ケビンの警告に咄嗟に反応したエステルが棒を構えると同時に起き上がったヨシュアが双剣でエステルを攻撃し、エステルと鍔迫り合いの状態になった。



「くっ………!?」

「……………」

攻撃を防御されたヨシュアは大きく後ろに跳んで、エステル達から距離をとった!

「えっ……!?」

「ヨ、ヨシュア……」

ヨシュアの行動にクローゼとエステルが驚き、ヨシュアを見た。

「………………………………」

ヨシュアが顔を上げると、顔はなんと真っ白だった!

「!!!」

「に、人形……!」

「舐めた真似をしてくれるじゃねえか……!」

さらにエステル達を囲むようにヨシュアの人形が2体、現れた!

「来るぞ………!」

そしてエステル達はヨシュアの姿をした人形達との戦闘を開始した!



「「「……………」」」

3体のヨシュアの人形達は同時にヨシュアと同じ技――――絶影で奇襲し、エステル達は奇襲に反応してすぐさま武器を振るって相殺しようとしたが、攻撃を見切れなかったエステル、ケビン、アリエッタ、クローゼは人形達の攻撃によって傷ついた。

「いった~!?」

「ヨシュアさんと同じ技を使うなんて……!」

人形達の攻撃を受けて傷ついたエステルとクローゼは表情をしかめ

「チッ、”結社”の技術力はどこまで反則じみてんねん!?―――――そらっ!!」

ケビンは星杯のロケットを掲げて癒しの光を発し、自分達の傷を回復し

「……………」

アリエッタはぬいぐるみに魔力を溜め込んで詠唱を開始した。



「剛魔神拳!!」

「スタンブレイク!!」

一方人形達の攻撃を防いだルークとフレンはそれぞれ反撃をしたが、人形達は攻撃を回避した瞬間、一瞬で二人の背後に現れて双剣を振るった。

「あぶねっ!?」

「へっ、本物の方がもっと上だぜ!」

背後からの奇襲にルークは後ろに跳躍して回避し、フレンはトンファーで受け止め

「うおおおおおお………!」

フレンは闘気によって足元に渦を発生させて2体の人形を引き寄せ

「おらあっ!!」

そして自分の近くまで引き寄せると回転して同時に攻撃した!

「燃えちまえ!紅蓮襲撃!!」

その時足に炎の闘気を纏ったルークが強襲してきたが、人形達は素早い動きでギリギリ回避した。



「スターストローク!!」

クローゼはレイピアを地面に走らせて衝撃波を人形に放ったが、人形は素早い動きで回避すると共にクローゼの側面に現れて反撃しようとしたが

「させないわ!兎迅衝!!」

側面から突き出されたエステルの棒の一撃を受けて怯み

「そこやっ!はぁっ!そらっ!これでもくらえやっ!!」

そこにケビンがボウガンの仕込み刃で追撃した後後ろに跳躍しながら光の矢を放って命中させ

「えい、やあ、はあ!」

「秋沙雨!!」

クローゼが華麗な連続剣撃―――シュトルゥムで、エステルは棒で連続突きを人形を挟み込むような位置で放ち

「ハアッ!!」

連続突きから連携したエステルは棒を薙ぎ払って人形に強烈な一撃を命中させ、怯ませた。

「そこっ!!」

そして怯んだ影響で動きが止まった人形の首筋目掛けてクローゼが凄まじいスピードの直線的な突きを命中させた!急所を狙う一撃―――ミラージュピアスによって首筋が破壊された人形は頭が取れた瞬間、身体も地面に倒れた!



「「……………」」

残りの2体の人形達はヨシュアの奥義―――『漆黒の牙』でエステル達に瞬時で壊滅に陥らせようとしたが

蒼溟(そうめい)たる波涛(はとう)よ、戦禍となりて、厄を飲み込め!タイダルウェイブ!!」

長い詠唱を終わらせたアリエッタの戦場全体に津波を発生させる譜術に呑みこまれて壁に叩きつけられ

「空破!絶風撃!!」

「ブレイブスマッシュ!!」

ルークとフレンによる追撃を受けて破壊された!



「はあはあ……」

「くっ……さすがにキツイな……」

戦闘の終了を確認したエステルは息を切らせ、ケビンが顔を顰めたその時、拍手が聞こえてきた。

「あ……!」

拍手が聞こえた方向を見ると、暗闇の中にうっすらと3人の人影が見えた。

「………………………………」

「クスクス。」

「はは、偽物と気付くのが少しばかり遅すぎたようだね。今回のゲームは私の勝ちにさせてもらうよ。」

声の主が指を鳴らすと、目の前にガラスの壁が現れた!



「なっ……!」

「ヤバイ……!」

そして部屋にガスが放たれ、エステル達の意識が遠のいていった!

「あ……」

「……これは……!」

「クッ……意識が……」

そしてエステル達はガスによって、全員眠ってしまった!

「簡単すぎるゲームだったが、君の反応はなかなか楽しかった。お礼と言っては何だが……面白い場所に招待させてもらうよ。」

エステル達が眠るとガラスの壁がなくなり、そこからワイスマンとレーヴェが姿を現し、ワイスマンは凶悪な笑みを浮かべていた。



「う……」

「ん……」

「あ……」

「くっ……」

少しするとケビン達は目を覚まし、起き上がった。



「え、えらい目に遭ったわ……。エステルちゃん、大丈夫か―――」

起き上がったケビンは周りを見回しながら呟いたが、エステルの答えは返って来なかった。

「!!」

何かに気付いたケビンは慌てて周りを見回した。

「……どうしました、ケビン。」

ケビンの様子を見たアリエッタは眉を顰めて尋ねた。

「エステルちゃん!?お、おい、冗談やろ……」

「まさか………!」

ケビンの言葉を聞いたルークは血相を変えて呟き、エステルの姿を慌てて探しているフレンやアリエッタと共に探したが、見つからなかった。

「こっちだ!」

「!!!」

そして何かを見つけたフレンの言葉に全員が振り向くと、ガラスの壁がなくなっており、その先に扉があった。そしてケビン達は急いで先を進んだ。



~屋上~



「しもた……!」

「あ……!」

ケビン達が屋上に着くと、エステルを抱き上げているレーヴェと、その横にいるワイスマンが乗った赤い飛行艇が飛び上がり、どこかに去った!

「エステル――――――ッ!!」



そしてルークの声はむなしく夜空に消えていった…………… 
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