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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。

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浜辺で目的地を見つける

 海辺にまでやってきた僕達は、周りを見回した。

「やっぱり波が高いわね。海流の動きも速いしそれの影響かな」

 リリアが周りを見回してそう呟く。
 実際に僕が見てもそうとしか思えなかった。
 唸る海水が大きな音を立てて蠢き、浜辺へと打ち付けている。

 この周辺はもともと今の時期はかいう水浴の観光客で賑わっていたらしい。
 この浜辺の白い砂も、人気の一つなのだそうだ。
 けれどこの海の荒れようでは、近づくどころか遊泳禁止なので人っ子一人浜辺にはいない。
 
 そのせいか浜辺にある海の家には、休業中の看板が掲げられている。
 しかもここから海を見ている範囲では、船は一つも見れない。
 港の方にいくつか止まっている木造(金属ではない)船も見られたが、この大波では動けないのだろう。

 帆船であって、スクリューのついた金属製の船ではないし。
 そう思いながら僕は海を見つつレイアに、

「そのパンゲアという島があったと言われている場所は、ここから遠いのかな?」
「いえ……確か、小さな島のようなものがある場所だったはずです。以前海が穏やかなときには、ここにきた時に見えましたから」
「そうなんだ。この波じゃよく見えないね。……空から見たら見えるかな」

 僕はそう呟いて、“ニートナ備忘録”を取り出した。
 たしか何処かに風の魔法で……そう思って見つける。
 後は、いつもの様に“魔法結晶石”を作り上げて、それを使うだけですむ。

 レイア達を巻き込むと危ないので、数十メートルほど離れた場所で僕はそれを使う。
 上手くコントロールをと思いつつゆっくりゆっくり、風に吹かれて僕の体は浮き上がる。
 そして30メートル程度の高い場所から海側を見る。
 
 打ち付ける波が海との境目をなくしているけれど。
 遠くの方にヤシの木が見える。
 どうにか見える小さな島だが、恐らくはあれだろうか。

 確認したので僕はとりあえず地面に降りて、

「場所はわかったよ。それで、この大波を越せる船ってあるのかな」
「……私を連れていくためなら、その程度の無茶は通りそうな気がしますが……」
「それでも危険には変わりないよね。それでリリア」

 僕は次にリリアの方を向き、

「船が出せないから僕達だけであの島に向かって様子見するのは構わないよね?」
「……そうね。こんなに海が荒れているからしかたがないわね。……なにかいい方法があるの?」
「うん、船が出せないのなら、歩いてあの島に行くしか無いかなって」
「さっきの風の魔法? 上手く全員分、操れる?」

 リリアのその言葉に僕は首をふる。
 そして、風と水の“魔法結晶石”の核を取り出して、

「海面が凍っていればそこを歩いていける。それに風で波を抑えて平らにすれば安全だしね」
「なるほど、確かに颯太の力があればそれも可能ね……あら?」

 リリアが頷くのでその方向で僕達の話は決まったのだけれどそこで、人がやってくる。
 それも大勢の、武装した人達だ。
 どうして彼らはここに来たのだろう、そう僕が不安に思っているとその中で偉そうな格好をした人が、

「“花の姫”お迎えに上がりました」

 そう僕達に告げたのだった。



 
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