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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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外伝~妖艶魔王との契約~

~旧校舎・地下一階~



「ん……ちゅ……ちゅる……」

「ん………?――――なっ!?」

何かの水音を耳に聞いたリィンは目を覚まし、そして身体に何かの違和感を感じた後水音が聞こえてきた方向に視線を向けると驚くべき行動をベルフェゴールがしており、リィンは思わず声を上げた。



「ちゅる……あら、目が覚めたのね。」

「な、ななななな、一体何をしてるんだっ!?」

ベルフェゴールの信じられない行動にリィンは顔を真っ赤にして声を上げ

「フフ、唯の”性魔術”よ♪私の予想通り、貴方の精気、とっても美味しいわ♪」

「せ、”性魔術”!?そ、それって……というか何でこんな事をしているんだよ!?」

ベルフェゴールの口から出た答えを聞いて真っ赤にした顔で指摘した。



「あなた、さっきの変身みたいな行動で相当”力”を使っていたわよ?だからわざわざ私が”性魔術”で失った”力”を分けてあげているのよ。」

「なるほど……って、だから何でこんな事をするんだよ!?さっきまで戦っていた相手に!」

ベルフェゴールの説明を聞いたリィンは疲れた表情で指摘した後ベルフェゴールから離れる為に身体を動かそうとしたが

「グッ!?」

身体を動かそうとした瞬間、全身にとてつもない疲労感を感じて動けなかった。

「フフ、心配しなくてもこれからするコトは貴方と”契約”する為に気持ちいいコトしかしないから、安心しなさい。睡魔の中でも女王種である”リリエール”の……それも”七大罪”の一柱を司るこの私の身体を存分に味わえるなんて、とても光栄な事なのよ?」

自分から逃げようとするリィンの様子を見たベルフェゴールは魅惑的な笑みを浮かべて行動を再開し

「け、”契約”!?な、何で俺と……うあっ!?」

ベルフェゴールが自分の使い魔になろうとしている事に驚いたリィンだったがベルフェゴールの行動によって呻き声を上げた。

「フフ、後で説明してあげるから、今は全て私に委ねなさい……その身体に私が使い魔になれば男にとってどれほど幸せな事かたっぷりと教えてあげるわ♪」

そしてベルフェゴールはリィンとの契約をする為になんと、リィンを犯し始めた!



一方その頃エリオットやガイウスの知らせを聞いたサラ教官はレーヴェと共に旧校舎の地下に急行していた。

「ったく、その”はぐれ魔神”、だったかしら?メンフィルは一体どういう管理をしているのよ!?何でそんな危険な存在があたし達の世界に来る事を許可しているのよ!?」

レーヴェと共に旧校舎の地下に急行しているサラ教官はレーヴェを睨み

「相手が”魔神”となると、いくら精強なメンフィル兵と言えど数人では太刀打ちできまい。それこそ”執行者”――いや、”蛇の使徒”が数名で挑んでようやく互角に持ち込めるほどの力を持っていると聞く。それ以前に、メンフィル大使館からはこのゼムリアに降り立った者の中で強硬突破をしてまで異世界移動をしたという報告は受けていない上、”はぐれ魔神”の中には空間と空間を移動する能力を持つ者もいると聞く。恐らくメンフィルがその”はぐれ魔神”の存在を確認できなかったのはその事が原因だろう。」

「チッ、そうなるとここで仕留めておかないと、後々とんでもない被害を出す事になるかもしれないわね……!」

レーヴェの話を聞いたサラ教官は未知の敵が今後出すかもしれない被害を予想して舌打ちをして厳しい表情をした。そして二人が地下へと続く扉に到着するとそこには”Ⅶ組”のメンバーやアムドシアスがそれぞれ何度も扉の前にある結界らしき障壁を攻撃していた。



「アルゼイド流奥義!洸刃乱舞!!!クッ……この奥義でも罅すら入れられないのか……!」

「これだけの人数で何度も攻撃をしているのに、どうして壊れないのよ!?」

「普通ならとっくに壊れてもおかしくないぞ!?」

それぞれの武器で結界を攻撃してもビクともしない事にラウラは厳しい表情をし、アリサは焦りつつも導力弓で導力エネルギーの矢を放つ事を忘れず、時折オーブメントも駆動させてアーツを放ち、数えきれないほどの弾丸を放ち終えたマキアスは攻撃の手を止めて信じられない表情をし

「力づくで破壊する事が不可能なら、何らかの仕掛けを解く必要があるのではないか?」

「いえ。結界自体は結界内の音を防ぎ、侵入者を防ぐだけの簡易的な結界で、特に仕掛けは施されていません。」

力づくでは埒があかないと判断したユーシスに尋ねられたプリネは真剣な表情で結界を見つめながら答え

「”怠惰”はあれでも我と同じ古より生きる”魔神”の中でも更に秀でている力を持つ”七大罪”の一柱を司る魔神だからな。睡魔とはいえ、その身に秘められている潜在能力は”色欲”と同等と言ってもおかしくない。非常に不愉快な話だが、魔力だけならこの我より秀でている。」

「ア、アムドシアスさんよりもですか!?」

「という事は、あの時の戦闘はよほど手加減されていたのだな……」

「そ、そんな……そんな相手に僕達、勝てるの……?」

不愉快そうな表情で語るアムドシアスの説明を聞いたツーヤは驚き、ガイウスは攻撃の手を一時中断して真剣な表情で結界を見つめ、エリオットは不安そうな表情をし

「リィンさんは大丈夫でしょうか……?」

「……今の所は扉の先から二人分の気配がするから多分生きていると思う。」

心配そうな表情で扉を見つめるエマの言葉にフィーは攻撃を中断した後集中して扉の先から感じる気配を感じて答えた。



「―――どうやら全員揃っているようね。」

「あ……サラ教官、レオン教官!」

その時サラ教官がレーヴェと共に到着し、エリオットの声を聞いたその場にいる全員はサラ教官達に注目した。

「どういう状況だ?見た所、シュバルツァーと”敵”がいると思われる場所へ続く扉は何らかの結界で阻まれているようだが。」

「恐らくだけどリィンさんが相手している”はぐれ魔神”がエリオットさんとガイウスさんが撤退した時に邪魔者が入らないように結界を展開したんだと思うわ。」

「あたしとプリネさんが真っ先に到着して結界の破壊を試みようとしているのですが……”魔神”の魔力によって展開された結界は予想以上に強固で破壊できなくて、困っていたんです。」

レーヴェに状況を尋ねられたプリネとツーヤはそれぞれ答え

「どれどれ………?セイッ!!」

二人の話を聞いていたサラ教官は片手に持つ強化ブレードに力を入れて振り下ろして結界にぶつけた後続けてもう片方の手に持つ導力銃で銃弾を連射したが、結界はビクともしなかった。



「―――何らかの仕掛けの可能性は?」

すぐに次の手段を講じる事を判断したサラ教官は魔術関連に詳しいと思われるプリネに尋ねたが

「ありません。解除するには中にいる術者自身が解除するか、力づくで結界を破壊するしかありません。」

「つまりは手詰まりって訳ね………………………」

プリネの答えを聞いて、その場で真剣な表情で考え込んだ後やがてある提案を思いついた。



「――プリネ、ツーヤはそれぞれ戦術リンクを繋いで。」

「わかりました。」

「はい。」

サラ教官の指示によってプリネとツーヤは互いのオーブメントで”戦術リンク”を繋げ

「で、レーヴェはあたしと”戦術リンク”を繋いで。」

「……一体どうするつもりだ。」

サラ教官に視線を向けられたレーヴェは尋ね

「一点集中で強力な攻撃を連続で当て続ければどんな強固な結界でも普通なら罅くらいなら入れられるはずよ。で、この中で息ピッタリに強力な攻撃を続けてできるのは現時点ではあの二人だけだし、あんたとあたしレベルならあの二人に合せなくてもタイミングは大体読めるでしょう?」

「―――なるほどな。いいだろう。」

サラ教官に納得した後サラ教官のオーブメントと”戦術リンク”を繋いだ。



「あんた達は一端下がりなさい!――――プリネ、ツーヤ!あんた達二人の攻撃が合図よ!」

「わかりました!一撃目は私が入れるからツーヤ、貴女は二撃目をお願い。」

「はい!」

そしてエリオット達は一端下がってプリネ、ツーヤ、サラ教官、レーヴェが結界の前に移動してそれぞれの武器を構えて大技の構えをした。



「―――行きます。ハァァァァァァッ!!」

プリネは己に秘められる力を解放して漆黒の髪と琥珀の瞳の姿へと変え

「ええっ!?プ、プリネの髪や瞳の色が……!」

「い、一体どうなっているんだ!?」

「まさかあれが”闇夜の眷属”の力なのか?」

「なんて霊圧…………!」

変貌したプリネの姿を見たエリオットやマキアスは驚き、ユーシスは目を細め、他の生徒達が驚いている中、エマはプリネ自身が無意識にさらけ出す霊圧の高さに驚いた後真剣な表情でプリネを見つめた。そしてプリネは異空間から暗黒のレイピアを取り出すと共に手に持っていたもう一本のレイピアに強烈な光を纏わせ

「ソウル!クロス!!」

結界へと突撃して強烈な一撃を叩きつけた!

「――全てを切り裂け!蒼き刃!!奥義!十六夜……”蒼氷斬”!!」

更に強烈な一撃を叩きつけたプリネが側面へと跳躍してその場からどくとツーヤの強烈な抜刀技によって発生した蒼き刃がプリネが攻撃した所に命中し

「むんっ!受けて見ろ、荒ぶる炎の渦を………鬼炎斬!!」

ツーヤの奥義が結界に命中した瞬間、レーヴェが放った強烈な炎の斬撃波が命中し

「受けなさい!オメガ……エクレール!!」

そしてサラ教官が放った凄まじい電撃が宿る衝撃波が結界に命中したその時、結界に僅かに罅が入った!



「!結界に罅が……!」

その様子を見ていたエマは目を見開き

「――今よ!全員、あの罅を狙って集中攻撃しなさい!」

「はいっ!」

サラ教官の号令を合図にその場にいる全員は次々と結界の罅に集中攻撃し始めた! 
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