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破壊ノ魔王

作者:紅蓮刃
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一章
  23

ルークのことは聞いてた

ゼロの天敵で、軍のなかで最強といわれる人

容姿とか具体的なことは聞かなかったけど……若い軍人だということは知ってた


「…………どこで」

「試験会場。となりで試験を受けてた」


あ、そうですよね
やっぱりカクってなりますよね
軍人がわざわざ超難関の試験を受けてるんだから


「……あの野郎どういうつもりだ」

「わかんないけど試験を受けてるのは内緒みたいだったよ。名前叫んだら、しーーー!!!ってされた」


あぁ、ゼロが項垂れてる。ほんと強敵なんだろうな。
いろんな意味で


「…………天然ボケはほっとく。あいつのことだ。さしてなんも考えてねぇよ」


ぼくもそれには賛成
ほんとにあの人はぼけっとしてた


「妾の集めた情報によれば、ルーク・ラヴィーナは特務から外されたらしい。つまり、ゼロを追うのを止めたということよの。良いではないか。気が楽になる」

「逆。あいつが外されたなら、誰が俺を殺しに来る。情報のねぇやつほどやりづらい奴はいねぇよ」

「でもとりあえずは強敵がいなくなったと思ったら……」

「新しい敵さんが何人できたのかもわからねぇ、能力もわからねぇ、性格も戦法も癖もわからねぇ。阿保。あのボケが死んだ訳じゃねぇんだから、正体不明の敵が増えただけだ」


そっか……
ゼロは、相当警戒してるんだな
ルークより適任と判断されたその人たちが


「……ま、しょーがねぇ」


ゼロはニヤリと笑う


「派手に歓迎してやるよ。後悔しか残らねぇくらいにな」


あぁ、そうか
敵が増えるなんて、強敵ができるなんて
ゼロには慣れたもんなんだよね
若干わくわくしてるように見えるよ



「うむ。今回の情報で貸し借りなしとは、妾も思っておらぬ。その新しい敵の情報を集めて参ろう。それで良いだろうか?魔王」

「あ?許可が必要かよ。勝手にしてろ」

「うむ。借りひとつだ。では、童も元気でな」

「あ、うん!気をつけて」


ふわりとマントを翻し、ルナさんはひゅんと飛んでいってしまった。よく考えたら吸血鬼の能力ってなんなんだろ……。コウモリになれるのは知ってるけど、あとは空飛ぶのと吸血能力と……太陽が弱点だよね


「近々……」

「うん?」

「…………良くねぇことがおきる」

「…へ?なに??」

「心しとけってこと」


なにその占いみたいなの。訳がわからないんですけど!
え?もう寝てるし……

……なんだよ、良くないことって


 
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