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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第1章:メルキド編
  14:料理は愛情……だけでは美味しくなりません。

(メルキド)
リュカSIDE

「あ……う、うん。でも……後でも良いよ。リュカも皆も忙しい……みたいだから……」
「何を言ってるんだピリン。どんなに忙しくても君の事を最優先に考えてるんだよ、僕は」
紅一点の遠慮がちな発言と、俺の優先順位の明言で野郎2人の喧嘩が停止する。

「言ってごらん、何か僕に頼み事があるんだろ?」
「う、うん……あのね……私ね、最近料理に嵌まってるの。でもね……上手くいかなくてね……新しい土地に料理のヒントとかがあれば、私にも教えてほしいの」
か~! 可愛いねぇこの()

「それでしたら僕の持ってる情報が役立つかもしれません」
抱き締め押し倒しそうな衝動を萎えさしてくれたのは、新顔のショーターだ。
ピリンの望みに合うかもしれない情報があるらしい。本当か?

「これから赴くドムドーラ地方には、有名な美食家が居たらしいんです。砂漠のオアシス付近を拠点にしてたらしいので、探せば何か見つかるかもしれませんよ」
これまた漠然とした情報を披露された。
その情報で探索するのは俺なのに、その苦労は解ってもらえない。

だが、そんな事は如何でも良い。
これでドムドーラ地方に行くことをロッシは止めないだろうし、行く以上ヒゲ(ロロンド)は文句を言わなくなるだろう。

ヒゲ(ロロンド)の言ってた“火を噴く石像”の事は正直如何でも良いけど、鉄で装備を作ることが出来るのは有難い。
もっと長持ちする武器がほしいのだ。
物作りも面白いが、鉱物採掘とかも面白い!

そんなわけで、早速新たな旅の扉に入ります。
入る直前ピリンが、「序手でで良いからね」と言ったので、「解った。ピリンのお願いの序手でに、鍛冶屋の子孫を助けてくるぅ」と返答。

「ち、違っ」
ってとこまで聞こえたけど、もうワープ完了してたので、ピリンの声は聞こえませんでした(笑)



(ドムドーラ地方)

俺が以前訪れたときが、どのくらい過去なのかは解らないが、相変わらず不毛な砂漠地帯なドムドーラ地方。
それでも未来を諦めない人々が、慎ましく生活する町が有ったけど……
滅びたアレフガルドの地では、真っ先に消滅してしまったんだろうなぁ……

さて、暗いことを考えるのは無しにして、ピリンのお願いの為に探索を開始します。
歩きにくい砂漠を注意深く探すと、砂の中にキラキラ光る粒を発見。
如何やらガラスの原材料らしい。採取採取ぅ!

次に見つけたのは物ではなく動物。
所謂“一角ウサギ”と呼ばれるモンスターだ。
何か珍しいアイテムをドロップしないかと思い、素早く攻撃。

で手に入れた物は“生肉”だ。
ウサギを食うって発想がちょっとアレだけど、この世界で肉は超貴重!
なので童謡の“故郷”を歌いながら、ウサギハントを続けます。
あ、因みに……酒場とかカジノに居るウサギ(バニーガール)を喰うのは大好きです。

一心不乱にウサギ狩りをしてたら、突然石の壁にぶつかった。
足下のウサギしか見てなかったので、前方不注意な自分を叱りたいけど、その石壁が実は“ストーンマン”だったってオチは、納得のいかない世の中の不条理だと思います。

親子なのか、大きいストーンマン1体と小さいストーンマン2体が連携して攻撃してくる。
小さい方は瞬殺出来るんだけど、大きい方が堅くて倒せない。
でも動きが遅いので逃げることは出来る。

うん。逃げるが勝ちだよね。
でもね、小さいストーンマンを倒したときにね、見たことないアイテムを落としたんだよ。
本当は逃げることに集中した方が良いんだけど、やっぱり欲しいじゃん。
だから大きいストーンマンの攻撃をかいくぐり、落としたアイテム“バスタブ”をゲット!

素晴らしいアイテムに心躍りますね。
拠点にバスルームを建設しようと考えたけど、2個も手に入れたから1個はピリンの部屋に設置しようと思います。一緒にお風呂入って、色んな所を洗いっこしよ-♥

ムフフな妄想をしながらストーンマンから逃げ出すと、目の前にオアシスを発見する。
ショーターが言ってた美食家の痕跡があるかもしれないので、入念に探索開始……する必要もなく、オアシスの畔には生気のない人間が佇んでいる。

「アンタ……有名な美食家の幽霊か?」
『ん? 君には私の姿が見えるのか!?』
「ノー」と言いたい。面倒事に巻き込まれそうなので、幽霊が見えるという質問には「ノー」と言いたい!

「見えるけど、成仏の手伝いをするのはイヤだ!」
『何だ君は、つれないなぁ……まぁ良いけどね。どうせ直ぐに君もこっちの世界に来るのだろうから』
そう意味深なことを言い在らぬ方を向く美食家幽霊。

俺もつられて同じ方を向くと、そこには大サソリ2匹が臨戦態勢で向かってきていた。
舐めんな-! こんなザコ敵如きに俺が殺されるわけねーだろ!
銅の剣で瞬殺ですよ!

って、思いっきり剣を振り下ろしたら、あっけなく壊れちゃった!
如何やらストーンマンとの戦闘で酷使しすぎて、耐久度ギリギリの状態だったらしい。
でも大丈夫だもんね~……ストックは大量にあるから大丈夫なんだもんねー!

と、まぁ何とか危なげなく戦闘を終了するイケメンな俺。
改めて美食家幽霊に話しかける。
すると『何だ……倒しちゃったんだ。こっちの世界の住人になれたのに』と残念がられる。
幽霊じゃなかったら殴ってる。

「おい料理のレシピ本かなんかくれよ」
『何だねいきなり? 成仏の手伝いはしないけど、要求は押し付けるんだな』
「俺、ビルダーとしてアレフガルドの復興を頑張ってるんだ。だからレシピ寄こせよ」
『何が如何“だから”なのか解らないけど、私は美食家だから料理はしない』

「つまり役立たず? 食うことしか出来ない役立たずなのかな?」
『ストレートな物言いにカチンとくるが、美味しい料理のレシピは知らないよ』
何ってこった……この荒廃した世界では美食家は要らない存在に部類される。

『でもね、こんな滅びかけの世界だからこそ、美味しい物を広める事に協力はする』
「はぁ~? 協力ぅ~? お前に何が出来るんだよ」
俺の言葉に顔を歪めて不快感を示したが、それでも“煉瓦料理台”の作り方を教えて消え去った。

料理を作る環境は提供するけど、料理自体は自分で何とかしろって事かな?
まぁこれで新たな料理を作れる様になれば、ピリンも喜んでくれるだろうし、夜の運動会も盛り上がることだろう。
肉も手に入れたし、精力満点な料理を考えよう。

でもね……考え付いたのが“ハンバーガー”だった。
先日手に入れた小麦でパンを作り、それとウサギ肉を掛け合わせる料理が頭に浮かんだ。
ハンバーガーにするくらいなら、そのまま“ウサギステーキ”の方が高級感あるかな?

そんな事を考えて砂漠の真ん中で佇んでいると、遠くの岩壁に鈍い光を放つ何かを発見する。
あれは……もしかして……噂の……鉄か!?
多分そうに違いない!

俺はダッシュで岩壁に来ると、そのままの勢いで大木槌を振り下ろす。
そして手に入れたのは“鉄”だ!
おれの一撃でポッカリ空いた穴の奥には、まだまだ鉄が豊富に潜んでいる。

もう一心不乱だね。
気が狂ったかの様に、岩壁を奥に掘り進んでいくイケメンな俺。
持ってきた大木槌のストックを3/5消費した所で、木々や緑が豊富な草原地帯へとトンネルを開通させる。

周囲は既に真っ暗で、自分の位置すら判らない。
星でも出ていれば、もう少し位置確認も出来るのだろうけど、この世界では無理なこと。
せめてもと思い、トンネルから出て小高い丘に登る。

丘を登り切り、周囲に目を配る。
だか暗くてよく見えない。
それでも見える近場を確認。

俺の立つ丘は直ぐに下っており、その向こうにも同じくらいの高さの丘が存在する。
その丘の先には、丘と同じ緑の草原が続いており、更に先にブナの木が密集してる林を確認出来る。
暗い中動くのは危険だし、ここら辺に穴でも掘って仮の休憩所を作ろうと考えてると……

地平線の彼方から、薄ぼんやりした朝日が昇り始めた。
あら……また徹夜してしまったよ。
美容に良くないんだけどなぁ。

だが、日が昇り始めたことにより、もっと遠くまで目視できるようになった。
するとブナの木の林の奥に、先程俺が掘り進んだ岩壁とは違う岩壁が存在することを確認。
しかもその岩壁には、今まで見たことのない赤い宝石の様な物が光を照り返してる。

何だかよく解らないけど新しい綺麗な鉱物に、俺の心は高揚する。
早速大木槌を手に隣の丘へと大跳躍!
華麗な着地と共に、もうひとっ飛びで緑の草原へ……と考えてたんだけど、着地地点が俺の想像よりも大分柔らかくって転倒。

あれあれ? 何だか記憶にある感触だったなぁ……
もしかしてぇ~……ワタクシの踏んだ緑の丘はぁ~……例のアレかなぁ?
恐る恐る緑の丘から降りて、全容を確認する。

うん。やっぱりね……
そこには怒り心頭のドラゴンさんが、俺に殺意むき出して佇んでいたよ。

リュカSIDE END



 
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