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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1303話

 このユートピアコロニーの跡地に残っていた火星の生き残りも、地上で大きな戦闘があったというのは理解していたのだろう。
 ……まぁ、隠れていた地下とは正反対の場所ではあっても、フレイヤを使って大地が大きく抉られたのだから、当然その衝撃は地面を伝わって生き残り達にも届いたのは間違いない。
 それだけ大きな戦いがあっただけにこの場にいては絶対に死ぬと判断したのか、ナデシコ側からの乗船要請に関しては拒むどころか寧ろ喜んでナデシコへと乗り込んでいた。
 地下に隠れ住んでいた関係でそれ程大きな荷物を持っている者はいなかったが、逆に言えば小さな荷物を持ち込んでいる者は多い。
 例えば食事に使う為のガスコンロとか、そういう風に。
 それだけの荷物を持っている者達がナデシコへと乗船するには当然時間が掛かる訳で、現在一応念の為にエステバリス隊5機が周囲の警戒を行っていた。
 ニーズヘッグによって襲ってきた木星蜥蜴を全て撃破したとしても、それを知ればまだ向こうが戦力を出してくる可能性がある為だ。
 勿論そんな状況になれば、再び俺がニーズヘッグで出撃する事になるだろう。
 けど、ディストーションフィールドを持っているだけの雑魚って、相手をするのは面倒なんだよな。
 これがせめて有人機ならPPが手に入るんだが、無人機ではそんなの期待出来ないし。
 いっそここにゲートを設置するか? ……でも、一度設置すればやり直しは可能ではあっても、色々と手間が掛かる。
 出来ればきちんと有益な場所にゲートを設置したいところだ。
 そもそもネルガルなり地球連合政府なりと交渉をするのなら、地球にゲートを設置した方がいいのも事実だし。
 雑魚を相手にするのが面倒だからゲートを設置したってのをエザリア辺りに知られたら……まず間違いなく説教の嵐だろう。
 ああ、でもネルガルの研究所を見る限りだと、古代火星文明の遺産ってのがこの世界のキーポイントになってるみたいだから、それを入手する為に火星にシャドウミラーの本拠地を築くってのはありかもしれないな。
 いっそ木星蜥蜴が占領している火星をシャドウミラーで奪い返して、火星そのものをシャドウミラーの拠点にするか?
 ただ、そうなるとこの世界の勢力とは徹底的に争う事になるのは間違いない。
 連合軍にとって火星というのは自分達の勢力圏という認識なのだから、俺達が木星蜥蜴から取り返しても感謝はするだろうが、当然明け渡せと言ってくるだろうし。
 それを断れば、当然俺達も木星蜥蜴の仲間……いや、木星蜥蜴が無人機である分、人間によって構成されたシャドウミラーはもっと分かりやすい敵という扱いに……待てよ? それならそれでありと言えばありか?
 メリットとデメリットを考えると、まだデメリットの方が多いが……
 火星が地球と木星蜥蜴の緩衝材的な扱いになるとすれば? あ、でもチューリップがある以上、向こうは転移してくるのか。
 そっちを何とかする必要もあるが、それでも現在地球にある木星蜥蜴の戦力以外を全てこっちでシャットダウンすると考えればどうだ?
 ナノマシンの効果により、既に空気に困らず普通に移住出来る火星というのは正直美味しい。それと木星蜥蜴のどちらに連合政府が比重を置くか、か。
 出来ればホワイトスターに戻ってエザリアや政治班に相談してみたいが、それにはゲートを設置する必要がある。
 一応ニーズヘッグのシステムXNを使えばホワイトスターに戻れるし、マーカーを置いていけばまたこのナデシコ世界に戻ってくる事も可能だ。
 ただ、ゲートを使ってしっかりとこの世界とホワイトスターを空間的に固定しないと、時差が生まれるんだよな。
 ……難しいな。ただ、俺としては火星をシャドウミラーの本拠地にするというのは結構――俺達にとっては――いい案だと思うんだがな。
 ベッドの上で寝転がりながらそんな事を考えていると、不意に扉がノックされる音に気が付く。

「誰だ?」
『私、ハルカよ。エリナも一緒にいるわ。……どういう用件か、分かるでしょ?』

 この2人が一緒にって事は、どんな用事かは予想出来る。
 寧ろ、遅かったと言ってもいいかもしれない。

「いいぞ、入ってくれ」

 その言葉と共に扉が開き、ハルカとエリナの2人が入ってくる。
 ハルカは相変わらず露出度の高い改造制服を着ており、エリナの方は特に改造もしていない普通の制服。
 そんな2人が俺の部屋へと入ってくる。
 ハルカは結構俺の部屋に遊びに来ているからいつも通りだが、エリナの方は俺の部屋に来るのはクリスマスパーティの日以降は始めてだ。
 ……一応俺の部屋の隣がエリナの部屋だというのを考えれば、距離的にはいつもとほんの数m程度しか変わらないんだけど、やっぱりそういう問題じゃないんだろうな。

「あらあら、少し来ない間にまた散らかってるわね」

 部屋の中に散らかっている本の山を眺めつつ、仕方ないわねとか言いながら早速片付け始めるハルカ。
 それをエリナはどこか所在なさげに見守っていた。
 もう俺の正体を明かしたんだから、別に本を出しっ放しにしておく必要はないんだよな。
 纏めて空間倉庫に収納するとしよう。
 特に考えるまでもなく判断し、ハルカが纏めている本の近くへと移動する。
 それを見たハルカが不思議そうな表情を浮かべるのを尻目に、本へと触れ……空間倉庫へと収納する。
 いきなり目の前にあった本が消えたのには驚いたのだろう。ハルカも……そして自分も手伝った方がいいのかといった具合に迷っていたエリナも、何が起きたのかといった視線を俺の方へと向けていた。

「そんなに驚く事はないだろ? ニーズヘッグ……木星蜥蜴を倒した俺の機体がいきなり姿を現したり消えたり、後はコンテナにあるミロンガ改が姿を消したのも既に分かってるんだろ?」
「え、ええ。それは分かってたけど……でも、まさかそんな風に気軽に使えるものだとは思わなかったのよ。……それも魔法?」
「当たらずも遠からずってところだな」

 エリナの驚きの声が部屋の中に響き渡る。
 俺の触れた物が突然目の前から消えるんだから、それは当然魔法に見えるだろう。
 しかもハルカもエリナも俺の特殊な能力で知っているのは魔法くらいしか知らないし。
 実は他にも色々と特殊な能力があるんだが、それについては今話す必要もないか。
 今はシャドウミラーの件で混乱している筈だし。

「その辺の詳しい説明は後でだな。それより、この本を片付けてしまうぞ。エリナ、手伝ってくれ」
「え? あ、ええ」

 空間倉庫という能力に驚いていたエリナだったが、俺の声で我に返ったのか、部屋の中に入って本を集めては俺の方へと持ってくる。
 それを目の前で空間倉庫へと収納すると、最初は驚くだけだったが、やがて非常に有益な能力だと察知したのだろう。色々と俺に聞きたそうにしている。
 ただ、空間倉庫の能力について話しているような時間はあまりない。
 いや、俺は別にいいんだが、ハルカとエリナが俺の部屋にやってきた理由の方を優先すべきだろう。
 空間倉庫に関しては、後で色々と話す事も出来るだろうし。
 ……スライムとか見たら、どう思うんだな。
 その辺が気にならないと言えば嘘になるが、後日の楽しみとしておこう。
 ともあれ、部屋の中にあった本の類は全て空間倉庫の中へと収納される。
 それを確認すると、俺達は本がなくなった事で広くなった部屋で落ち着く。
 本来なら俺がベッドに座り、エリナとハルカは床に……と思ったんだがこれから真面目な話をするんだし、俺だけがベッドにって訳にはいかない。
 かといって、椅子は1つしかないし……ま、床に座る形でもいいか。
 そんな訳で、俺、ハルカ、エリナの3人はそれぞれ床の上に座布団を敷いて座る。
 この辺、和風のナデシコならではだよな。
 今まで俺が乗ってきた艦の殆どの部屋は洋風で、床に座るといった真似はしなかったし。
 そうしてひとまず3人が床に座って落ち着いたところで、空間倉庫から取り出した紅茶を渡す。

「ほら、これでも飲んでくれ。……ま、本格的な紅茶とかじゃなくて悪いけどな」

 誰に言われたのかは忘れたが、これは紅茶じゃなくて紅茶風飲料というのが相応しいらしい。
 確かに本物の紅茶好きにとって、こういう缶とかペットボトルの紅茶ってのは我慢出来ないんだろう。

「ありがと。……ちなみにだけど、もしかしてこの紅茶って……」

 受け取った缶紅茶を見て、ふと何か気になったように告げてくるハルカに、頷きを返す。

「ああ。この紅茶はこことは違う、他の世界の紅茶だな。まぁ、それでも普通に飲めるから安心してくれ」

 ネギま世界の麻帆良にある不思議飲料とか、OGs世界のクスハ汁みたいに飲めない、飲みたくないって代物じゃない。
 ……何だったら、一度出して見るのも面白いかもしれないな。
 そんな風に考えている俺の前で、ハルカとエリナの2人は興味深そうに手に持った缶紅茶を一瞥してからプルタブを開ける。
 そうして若干恐る恐るとだが飲み……肩すかしでも食らったかのような表情を浮かべた。

「なーんだ。異世界とか言ってたけど、紅茶は普通に紅茶じゃない」

 がっかりといった様子のハルカに、エリナも同意するように頷く。

「いや、別に異世界って言っても、普通に人間が住んでるんだからな。当然文化的に似たようなものになるのは当然だろ」

 中にはマクロス世界のように異星人がいる世界もあるが、それでも生活様式はともかく、根本の部分は殆ど一緒だ。
 違うとなると……ネギま世界の魔法界とか、門世界辺りか?
 そんな風に考えていると、取りあえず紅茶を飲んで一段落したのだろう。不意にハルカが真面目な表情を浮かべ、エリナもそんなハルカに引っ張られるように真面目な表情になる。

「さて、ねぇ、アクセル。私達がここに来た理由……分かるわよね?」
「俺も男女関係には決して鋭いとは言わないけど、それくらいはな」
「でしょうね。もしこれで何をしに来たのか分からないなんて言ったら、怒ってたわよ。ねぇ、エリナ」
「……そうね」

 話の主導権はどうやらエリナではなく、ハルカにあるらしい。
 まぁ、男女関係に関してはハルカの方が経験値は上なんだから当然かもしれないが。

「じゃあ、ここで勿体ぶっても意味はないし、正直に聞くわよ? ……アクセル。あんた恋人いるでしょ?」

 じっと、真剣な表情を向けてくるハルカとエリナに、俺は特に躊躇うことなく頷く。

「ああ、いる。ホワイトスター……シャドウミラーの本拠地にある家で、恋人達と同棲している」
「そう、やっぱ……うん? 恋人、達?」
「それって、つまりアクセルには恋人が複数いるの?」

 エリナの確認するような言葉に、再び頷きを返す。

「そうだ。シャドウミラーは一夫多妻制が認められているんでな。そこで俺は恋人達と一緒に同棲している」

 正確には一夫多妻制ってのはシャドウミラーでは黙認状態であって法律とかで決まってる訳じゃないが、あやかや千鶴が現在きちんと法律として定めるように動いているんだから、決して嘘を言ってる訳ではない。

「一夫多妻制ねぇ。ま、アクセルの事を思えばその辺は当然なんでしょうね」
「ちょっと、ハルカ。何でそんなに平然としてるの!?」

 驚くというより寧ろ納得したといった様子のハルカとは裏腹に、エリナの方は信じられないという表情を浮かべている。
 だが、そんなエリナに対し、ハルカは諭すように口を開く。

「あのね、エリナ。クリスマスパーティの夜の事を思い出してみなさいよ」

 ハルカの口から出た一言は余程意外だったのだろう。エリナは一瞬動きを止め、急激に顔を真っ赤に染めていく。
 夜に起きた事を思い出しているのだろう。

「思い出したみたいね。いい? もしアクセルが1人としか付き合えないとなると、夜はどうなると思う? ああいう行為を、自分だけでどうにか出来ると思う? 普通に壊れるわよ?」

 いや、妙に生々しい事を……まぁ、それを行った俺が言うべき事じゃないんだが。

「それは……」
「分かるでしょ?」

 確認するような視線を向けられたエリナは黙り、改めてハルカは俺の方へと視線を向けてくる。

「それで、恋人の数は何人いるの? アクセルに抱かれたんだから、そのくらいは聞いてもいいわよね?」
「ホワイトスターにいるのは9人だ。ただ、今回のように他の世界に転移した時に出来た恋人が2人いる。そっちは諸事情があってその世界とホワイトスターが繋がっていないから、まだ合流してないけど」
「……11人……他にも恋人がいるのは予想してたけど、まさかそんなに恋人がいるなんて思わなかったわ」

 11人というのは予想外だったのか、ハルカの顔に驚きの表情が浮かぶ。
 エリナの方は予想外過ぎたのか、何も口にはしない。

「それでも、私はアクセルが好きよ」

 ハルカがそう告げるが、エリナは驚きから我に返る事は出来ず、ただ黙ったままだった。
 そうして何かを口にしようとした瞬間、コミュニケの着信音が周囲に響き渡る。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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