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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  the days 崩壊~序章~

 
前書き
世界を喰らおうとする男がいた。それを防ぐ男もいた。今、壮大なる序章が幕を上げた。   

 

どこにでもいるような男。
この青年を紹介するなら、まずそんな出だしでいいだろう。


彼は平凡な男だ。
いや、平凡というと少しテンションが高くて個性的過ぎる点はある物の、それでも平凡と言えるだろう。

歳は19。
背は175で、体格は少々細め。
そんなにではないが、どちらかと言えば「ひょろい」部類に入るだろう。

とはいえ、体は結構動くほうだ。
ちょっとした武道大会で優勝するくらいには、体が動く。




そんな彼だが、今は唖然として空を見上げていた。


読者諸君には申し訳ないが、いきなりクライマックスというわけだ。
空―――というよりも空間というべきか。ひびが入ったようになっている。街はボロボロ。
そして、黒い影のベールで全身を包んだ感じの男が、彼を見据えて立っている。


彼―――蒔風舜曰くこうだ。



「え、いや・・・・これなに!?どういうことなん!?」



彼はどうやら慌てているらしい。
「落ち着いているときは素晴らしいのに、慌てるととんでもないことをする」というのはたしか彼の先生の評価だったか。


では、そんな彼のために状況を整理しよう。

最初からあったことを順番に。
見苦しいかもしれないが、彼の視点からお見せしよう。



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「うっふえ、の~どいてぇ」

そうぼやいているのが彼、蒔風 舜である。

〇〇大学の二年生、19歳。
高校生のころ、いろいろ武道をやり、段位とかは特にないけど一通りこなした事がある。

組み合わせてなんか独自に(というか遊びで)いろいろ型作ったり、それで軽く喧嘩みたいなんやったことがあったりなかったり。



今は友人数名とカラオケでハイテンションに身を任せて遊び倒し、みんなとそのまま街をブラブラしている。

先ほど喉が痛むと言っていたのはそのため。
というのも

「おまえ一気に三曲連続で入れて手加減なしで歌っててなんでさらにあんなにトバせんだ?」

「オレのテンションに限界はねぇの!」

「馬鹿かてめえ」

「あっ!」

「どうした」

「またテンションあがってきたな」

「やめろ!誰かこいつ止めろよ!」

「どうやってだよ」

「息の根でも脈でも何でもいい、止めろ!街中で恥ずかしい!!」

「あっはっはっは・・・・・」

「・・・・とまった?」

「ウハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

「「「黙れ!!」」」



こんな人物だ。
そりゃそうなる。

え、どれが蒔風か?
とりあえずテンション高いのってことで・・・え?全員?




ともかく、彼、そしてその友人はいろいろ似たり寄ったりのメンバーだ。
話し相手は最高に気の合う仲間達。高校からの親友。


そんな風に街をみんなで歩いてた時。




彼はそのときのことを語る。


そう、それだけの日常だったのだ。
いつも通りの日常。


そこからの急展開を、彼はこう語る。

「まぁ、世界の終わりってのはあっけないっていろんな漫画とかアニメとかゲームでお決まりの言葉だから言いたかないけどさ。二番煎じっぽいけど言わせてもらおう」




――世界の終わりはあっけなくやってきたんだ




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急に隣にとまってた車がポーンと跳ねて落ちた。
川の水が何人かを飲み込んでいった。
看板が落ちて悲鳴が上がった。

街中でティッシュ渡される。

そんな当然の動作と同じくらいの感覚で、そんなことがいきなり起こったんだ。

なんの前兆すらもなく、やってきた。
当たり前のように俺たちの目の前にそれはやってきた。



その中で、あいつがあらわれた。

ゴシャゴシャの街を歩いてきた、そいつ。
街の状態など一切気にしないで、普通に歩いてきた。

まず気になったのはその黒い人影。顔が見えねえなって思ったら本当にただ黒くて、多分近づいてもわかんねえと思う。
全然顔がわかんねえ。

でもノッペラってわけじゃないんだ。
なんだろうな、顔にずっと影がかかって微妙に誰だかわかんないシーンとかってあるだろ?あんな感じ。


んで、現在に戻るんだが・・・・・




オレの10メートルくらい前で止まってこう言ってきた

「貴様がこの世界の最主要人物か?」

いきなりなんだ?
最重要人物??なんだそれ?


「まぁ、わからないか、なっと!」

語尾に力を籠め、そのままそいつの蹴りがとんでもない勢いで突っ込んできた。
オレはみんなを突き飛ばしながらながら横っ跳びしてそれを避けて・・・

そして見ちまったんだ。オレの代わりに横っ面から蹴られた自販機を。
おそらく蹴りながら無理にオレを追って変な方にずれたのだろうが、それならこれは全力じゃない。


それでもなんと、自販機がひしゃげて、三つも貫かれていた。



「へ」

「ちょ」

「なんと」

「・・・・・・・・・・・おいおいおいおいおいおいおいおい!!まてまてまてまてちょっとまて!」

口々に漏らしていく仲間たち。
その中で、俺はホイホイと言葉が出てきた。

・・・いや、まあ連呼しただけだから内容に意味はないけどさ。



(こいつはやべえよ!なんなんだよ!ターミネーターだってそんな無茶はしねぇよ!いやするだろうけどさ!!こんなもん見せつけられて落ち着けるか!びっくりだよ!!)


「走れぇ!逃げ」

「まぁ待て」

奴の声が聞こえたと思ったら、オレたち全員が地に伏していた。

抵抗などする時間もなかった。
気付いたら地面に張り付いていた。
どこを殴られたかも、あまりにも鮮やか過ぎて感じられない。

皆命に別状はないようだが、今すぐ逃げられるようでもない。
これは・・・まずい

あいつは今もまた目の前から10メートルくらい先に立っている。
余裕のつもりか、くそったれ。


「まだ慣れてないんでな、この世界に引っ張られちまってるが・・・・今の俺はこの世界、"No Name"の力に合わせて、フルパワーなんぞ皆無なんだぞ?」

この世界?のーねーむ?フルパワーじゃない?
そんなことを考えているオレの視界に、ぶっ倒れている仲間が入ってきた。

みんなオレと同じ感じだ。すぐには動き出せない。
みんな、やられてる。

奴の声が聞こえる・・・

「死ね、名前は・・・蒔風・・・・か。おもしろい。蒔風舜、オレの力の増幅のために、世界を崩壊させるために、死んでくれ」

・・・・・・・あぁん?
んだよそれ

「んだそれ!?」

「?」

「てめえは自分の目的のために」

ググッ

「おれ達を、俺の友だちを、ぶっ潰すってのか!?」

ギチッ

「ああ、だがオレの中で生きるぞ?そして新しい世界で生まれ変わるんだ」

-ふざけるな-

「ふぬ?」


いきなりやられて何が何だかわからねえ。
てめえがなんのつもりでここに来たかは知らねえし、何の目的でこんなことをしたのかも知らねえ。

が、しかし

おまえは仲間を傷つけて、関係ない奴を巻き込んで、しかも他者の命と意志などお構いなしに殺すってこと。
それはわかる。



結構ノンキな性格してるが、ここまでされてそうはいかねぇよ。


「いくらなんでも切り替わるぜ。テメーは俺の敵ってことで決定だからなァ・・・!!?」

「おぉー、よく立つなぁ。お兄さん感心だ」

あぁ畜生・・・こいつ、あんなにも気楽にいいやがる・・・・




「ま、蒔風…」

ふと、足元に倒れてる内の一人が俺に声を掛けてきた。

「逃げ、ろ。あれは・・・普通じゃない・・・」

・・・逃げろって?

ああ、おまえらが見知らぬどーでもいい一般人ならそうしてたな。
だけどな、幸か不幸か、おまえらは俺の親友なんだ。

それを見捨てて逃げちゃあよ、俺はその時点で俺じゃない。

俺が蒔風舜であるために、ここは・・・・・


「友人が逃げろと言っているのに、逃げぬとは。さすがは最主要人物と言ったところか」

「ちげえよバァカ。オレが逃げねえのはよ、ここで逃げたら、顔向けできなくなっちまうだろうがよ」

「そいつらの親にか?」

「・・・ははっ、ちげえちげえよ。全然ちげぇ。お前わかってねえなあ・・・」

ザっ
一歩近寄る

ズリッ
すると影の男は一歩後退し、蒔風から距離をとった。

いったい何が彼の足をさがらせたのか。
恐怖ではない。この男より力は強い。
気おされてでもない。一般人の出すようなものよりも強い迫力があるが、そんなになるほどでもない。


では・・・なぜ?


その疑問を振り払うかのように影の男は問いただす。

「一体・・・・何に対して顔向けできないというんだ?」

「そりゃぁ、おまえ・・・・・・・」


-明日の、自分の面にだよ-


to be continued

 
 

 
後書き

どうも武闘鬼人です
この作品は中二なオレが頭の中に溜めにためまくった中二な話を形にしたものです

楽しんでいただければ幸いかと

では主人公性説明なんかを(結構重要かも?)

名前:蒔風 舜

読み:まいかぜ しゅん

好きなこと:基本的に楽しいこと

嫌いなこと:理不尽

性格:基本的には気さくで愉快な人。でも時にすごい悟ったような大人になるし、時にはすごく熱くなる。つまりは一定してない。

とあるバカらしい理由で、死に対する恐怖が無くなってしまった。でも痛いのは嫌だし、死ぬ気もない。


嫌いなことは理不尽だが、本人曰く「強いられるのは嫌だが強いるのはなかなか楽しい」
とはいえ、無論そんな悪いことが出来る人間ではないので仲間内からは「一緒にいて楽しいけど、時々超絶的に面倒くさくなる」という評価を受けている。

一言でいうと「誠実な変人」

そんな自分をわかっている仲間たちに、蒔風は内心とても感謝している。




蒔風
「うわ、中二全開」

うるさいわ
ほれ、次回次回


蒔風
「次回、覚醒」

ではまた次回 
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