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僕らの一年日記

作者:ザクロ
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4月17日 再集結への一歩

あれから一週間たった。部活に入ったばかりなのか、入ったとしてもなのか、部員はなかなか集まらない
つまり、団結力にかけていた
由紀は放送部に行ったっきりだし、覚元くんはすぐに家に帰ってしまう
才茂くんとは、そもそも同じクラスではないので、どうして部活に来ないのかもわからない
いるのは、善田くんだけだった
善田くんは恥ずかしがりやなのか、全く口を開かない。二人きりで理科室、なんだか気まずい・・・・
いや、このままじゃダメだ、私は、話すことを得意にするんだから、自分で話しかけないと
「ねぇ、善田くん」
声をかけると、善田くんは顔を真っ赤にしながらびくついた
「あぁぁ、えぇっと、なんですか!?」
メガネを必死にくいっと上げる。何も、そこまで動揺する必要ないのに
「才茂くんとか、覚元くんとか、なんで部活に来ないかわかる?文化祭は5月22日、残り一ヶ月とちょっと、このままじゃ何もできないままだよ」
「そう・・・・言われましても・・・・」
なんだか、同級生なのに敬語って、なんだか嫌だなぁ。ここも思いっきり言ってみるか
「敬語禁止」
「あ、はい」
素直なんだな、ちゃんと聞いてくれるんだ
「そう言っても、僕はあんまり才茂と話してないんだ。才茂、ずっと最上と話してるから、最上の方が詳しいと思う。むしろ、最上がなんで部活に来ないか知りたいよ」
「あ、それは、放送部に行ってるからだと思うよ」
そういうと、間違いを指摘されたのを恥ずかしがるように、顔を真っ赤にして隠してしまった
「そんな、恥ずかしがることじゃないよ」
私は必死に笑顔を作るが、向こうは見えてないみたいだ。この部活、厄介な人が集まってんのかな?
「じゃあ、放送部に行ってくるよ。由紀を呼んでくる。由紀と善田くんがいれば、才茂くんがいなくても伝えてくれるもんね」
善田くんは小さくうなづいて、後ろを向いてしまった。こうなったら逃げるように放送部に行くしかない
それじゃあ、と一言つぶやいて、私は理科室を出た。やっぱり、この部活、入るもんじゃなかったかな・・・・?

「善田」
「覚元、どうした。部員を集めたいって、皆木が探してたぞ」
「いや、ちょっと帰ってふりをしていてな」
「?」
「まぁ、俺の暗躍は知ってるだろ」
「あぁ、今回は何してるんだ?」
「ちょっと、皆木の過去が気になってな、調べてたんだ」
「何かわかったの?」
「そうだな、どうやら、彼女は昔


・・・・いじめにあっていたようだ・・・・ 
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