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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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共闘



神鳴殿を停止させられ、追いつめられたラクサスは逆上して一気に魔力を解放した

あまりの雷の威力にラクサスの耳につけていたイヤホンが粉々に砕けた

迸る雷を身に纏い、光るその眼に映るのはアルトとナツの二人のみ

その威圧感は先ほどまでの比では無かった



「いい加減にしろよラクサス、フェアリーテイルはもうお前のものにならねえ」

雷の威圧感に圧されて顔を腕で庇いながらも、重い口を開くナツ



「なるさ・・・そう、かけひきなど初めから不要だった」

そう言ったラクサスの目の焦点は合っていなかった

全てを自分の力だけに任せ、フェアリーテイルを乗っ取ろうとする意志の表れだ

ラクサスの目や口からも雷が放たれていて、その化け物じみた姿に思わずアルトたちも表情を強張らせた



「全てをこの力に任せておけばよかったのだ!!!! 圧倒的なこの力こそがオレのアイデンティティーなのだからなァ!!!!」

叫ぶラクサスが全身から雷を放出すると地面が砕け、アルトたちはその場の空気が重くなるのを感じた



「だったら俺がそいつをへし折ってやる!! そうすりゃ諦めもつくんだろラクサス!!!!」

アルトが衝撃波を込めて突進する



「アース・クライツ!!」

振り上げた拳をラクサスの左頬に叩きこむアルト

しかし拳を食らったラクサスはまったくダメージを受けてないような素振りを見せる

それどころか剛毅な口元を吊り上げてひっそりと笑う



「まずは貴様からだ・・・くくく」

「(まるで効いてない・・・!?)」

あまりの手ごたえの無さに、アルトが驚愕の表情を見せる

するとラクサスは右腕を勢いよく前に突き出し強力な雷撃をアルトに打ち込んだ



「かかってこいフェアリーテイル!!!! オレが全てを飲み込んでやる!!!!」

「ぐはぁああぁあ!!」

雷撃に押され、後方へと吹き飛ばされるアルト



「フハハハハハハッ!!!!」

ラクサスはすかさずアルトを追う

倒れているアルトに向かって次の一打を叩きこもうとしたその時



「オレを忘れてんじゃねえー!! ラクサス!!!」

荒々しい炎を拳に宿したナツが頭上からラクサスに突撃する



「火竜の鉄拳!!」

「ハァ!!」

ナツの拳をラクサスが雷撃で弾いてガードする



「くくく・・・そんなに相手して欲しいなら貴様から葬ってやろう!!」

不気味に笑うラクサスは自身の体に雷を纏わせた

そして弾かれて宙を舞うナツに接近し、ひざ蹴りをかます



「がっ・・!!」

攻撃を喰らったナツは反撃の暇を与えられることなく、ラクサスの攻撃を受け続ける

顔を殴られ、腹部を蹴られてその場に叩きつけられた



上手く体勢を立て直し、大聖堂の柱に着地したナツ

しかしすぐさまラクサスの雷撃が柱ごとナツの体を貫いた



「つ・・強ェな・・・やっぱり・・・」

地面に倒れたナツが、息を切らしながらそう呟いた

すると壊れた柱の残骸の上に立つラクサスがナツを見降ろし、左腕を天に掲げる



「鳴り響くは召雷の轟き・・・」

次の瞬間、大聖堂中の空気が震えだす

ラクサスを中心に凄まじい魔力と風が渦を巻く



「やべぇ・・・体が・・・」

なんとか攻撃をかわす体勢をとろうとするナツだったが、その場から動こうとするも体が言う事をきかない



「天より落ちて灰燼と化せ」

雷がラクサスの体を走り、徐々に威力を高めていく



「くそ・・・」

ナツは動かない体を地面に伏せたまま、ただラクサスを見上げるだけであった

ラクサスが目を見開いて高らかに叫ぶ



「レイジングボルト!!!!」

ナツの頭上にとてつもなく規模の大きい雷撃が振り落とされる

避ける事の出来ないナツはあまりの悔しさに目を瞑り、拳を握りしめる



「ギルガ・ファングバイトォ!!!!」

ラクサスの巨大な雷撃を衝撃波が包むように受け止める

見るとナツのすぐ近くには、先ほどまで倒れていたハズのアルトが立っていて両手で衝撃波を打ち出していた



「アルトレア、余計な真似を・・・だが」

「う・・ぎぎぎ・・・!!」

苦悶の表情を浮かべ、頭上から降る雷をなんとか受け止めているアルト

しかし時間が経つにつれ衝撃波が雷に押し負けている



「いつまで持つかなァ・・・!!」

その様子を厭わしい顔つきで見上げるラクサス

しかも徐々に魔力を込めて、雷撃の威力を上げてきている



「フハハハハ!! アルトぉ、このギルド最強は誰だ?」

押されていくアルトを見て眉を吊り上げるラクサスが問う

しかしアルトはラクサスを睨みつけているだけだった



「(な・・なんつー魔力だ・・・このままじゃ・・・潰される!!)」

アルトが倒れているナツの方を見て思う



「(せめてナツだけでも・・・逃がせれば・・・)」

すると次の瞬間、一瞬ナツに気がそれたアルトの魔法に隙ができ、ラクサスはそれを見逃さず一気に魔力を込めた



「(しまった・・!!)」

ついにアルトの衝撃波がラクサスの雷撃にかき消される

衝撃波のおかげで雷撃の威力は随分減っていたが、それでもボロボロになったナツとアルトを倒す程度の力を持っていた



「フハハハハハ、これで終わりだァ!!」

雷撃がアルトたちの頭上から襲いかかる



「鉄竜の咆哮!!」

しかしその雷撃は他方から飛んできた攻撃によって相殺された



「ア?」

「この技・・・!!」

飛んできた鉄の破片を手に取り、やってきた魔導士の正体を掴むアルト



「仲間・・・じゃなかったのか?」

雷を相殺させた魔導士がゆっくりアルトたちの方へ歩み寄る



「それを消して喜んでるとァ、どうかしてるぜ」

そう言い切った魔導士、ガジルがアルトたちの前に立ってラクサスと対峙した



「まあ消させねーがな、コイツらを消すのは俺の役目だからよォ」

「「ガジル!!」」

アルトとナツが口を揃えてそう言った



「また獲物が一匹・・・ククク」

しかしラクサスは目の前に現れたガジルに対し、臆する様子もなくそれどころか余裕の態度を見せる



「消えろ消えろォ!! オレの前に立つ者は全て消えるがいいっ!!」

両手を広げ、威勢よく叫ぶラクサス

ようやく体が動くようになったナツがゆっくりと上半身を上げ、ガジルに向かって言う



「ラクサスはオレがやる・・・ひっこんでろ」

「コイツには個人的な借りがあるんだヨ、だが奴の強さは本物のバケモンだ・・・マカロフの血を引いてるだけの事はある」

ナツの言葉に対して、ガジルは引く様子を見せない

そしてガジルの口から思わぬ一言が飛び出す



「気に入らねえがやるしかねえだろ・・・共闘だ」

「「!!!」」

ガジルの言葉にアルトとナツは表情を固める

かつての強敵であり、フェアリーテイルの事をよく思っていなかったガジルが自分から共に戦おうと言いだした

この発言にはアルトも目を丸くする



「じょっ・・・!! 冗談じゃねえ!! アルトはともかく・・・お前なんかと組めるかよ!!」

ナツが声を荒げて抗議する



「よく見ろ、あれがてめえらの知ってるラクサスか?」

ガジルがラクサスに視線を移して冷静に言う



「ハハハ・・・消えろ・・・消えろ!!」

アルトとナツの目に映ったのは口を大きく開けて狂ったように笑うラクサス

二人は絶句してその様を見ていた



「あれはギルドの敵だ!! ギルドを守る為にここで止めなきゃならねえ!! 他の奴らは神鳴殿で動けねえ、今ここで奴を止めねえとどうなるか分かってんのか!?」

ガジルの正しい言い分にナツも理解した様子の表情を浮かべる

すると横からアルトがガジルに対して言う



「お前がギルドを守るとか・・・」

「うるせえ!! 守ろうが壊そうがオレの勝手だろーが!!」

アルトの言葉に少々決まりの悪い様子でガジルは言い放つ

その直後、アルトはからかうような表情を笑みに変えて言った



「だが、お前の提案には賛成だぜガジル・・・正直、俺もここまでラクサスが底なしだとは思ってなかった」

アルトがそう言うと、ナツがゆっくりと立ちあがる



「この空に竜は二頭いらねえんじゃなかったか?」

「いらねえな・・・だが、こうも雷がうるせえと空も飛べねえ」

笑みを浮かべて言うナツに対し、ガジルも口角を上げて言った



「今回だけだからな」

「当たり前だ!! てめえとはいずれ決着をつける!!」

ナツに向かってそう宣言したガジルはアルトの方にも体を向ける



「もちろん、てめえとの決着も忘れちゃいねーぞ!!」

「あぁ・・分かってる」

鋭い目つきのガジルが言う

アルトはその視線をしっかり受け止めると、ラクサスに拳を向ける



「行くぞ!!!!」

気合の入ったアルトの声が大聖堂に響き、本人は突進してラクサスとの距離を詰める

ナツとガジルも同時に地面を蹴りだし、ラクサスに攻撃を放った


 
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