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歌集「春雪花」

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 寒き雲の

  去りて光の

   差しつつも

 君なく虚し

    春の里かな



 日を陰らせ冷たい雨を降らせた雲は消え去り、春の暖かな陽射しが注いでいる…。

 本来ならきっと…こんな陽気は清々しく、楽しく思えてくるに違いない…。

 だが…私は彼を想い、虚しさだけが心を支配するのだ…。

 この彼のいない山里で…自分の影を見つめる…。



 想いたる

  日々もかえらぬ

   春の日の

 過ぎゆくけふも

    君ぞ恋しき



 ずっと…彼だけを想い続け…求めても何も得られないと知りつつ…それでも恋い焦がれ…。

 そうした日々はもはや帰っては来ず、過去へと流されて…いずれは思い出となるもの…。

 麗らかな春の日に、そんなことをふと思った…。

 しかし…過ぎ行く今この時も彼が恋しく…ただただ、彼への想いはこの先までずっと続いて行くのだと…苦笑した…。



 
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