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発進!!最凶マスコットせん○くん

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17部分:第十七章


第十七章

「一回でじゃ」
「僅か一回、ですか」
「さて。それだけの攻撃じゃが」
 博士はモニターを見ながらまた述べていく。
「あの天使達はどう防ぐのかのう」
「さあ。防ぐにしろですけれど」
 小田切君も少し首を捻っていた。捻りながらの言葉である。
「ゆっくりでしょうね」
「ゆっくりだというのじゃな」
「何かあの天使の口癖がそうですし」 
 モニターに映るその五頭身の天使達も見ていた。その姿は翼がなければとても天使には見えないものだった。しかも六枚の翼であるのがかえってややこしい。
「そうだと思いますよ」
「じゃが今回はゆっくりではないぞ」 
 博士は不敵に笑って豪語さえしている。
「激しい総攻撃じゃからのう」
「その地球が一回で崩壊するっていう」
「そうじゃ。さて、どう防ぐ?」
 それを観るのが楽しみであるかのような言葉であった。
「この攻撃は」
 博士の言葉に従いマスコットはまずはマシンガンを一斉射撃しそのすぐ後に冷凍ビームと口と腕からのミサイル、それに雷を放ってきた。しかもまた一斉射撃をするのだった。
「ナラッ」
「やるわね、流石に」
「伊達に巨大なだけじゃないわね」
 先生達も逃げてはいない。戦いを見守っているのだ。
「けれどね。天使達だってそう簡単にはやられないんだから」
「六枚の翼を持つ最高位の天使達よ」
 六枚の翼にはそれだけのものがあるのである。
「その攻撃にだってね」
「負けないんだから」
 言いながら天使達を見る。そして彼女達にも言うのだった。
「御願い、天使達」
「ここで頑張って!」
 こう言うのであった。
「貴女達が地球を救ってくれる剣だから」
「だからここは」
「ゆっくり!」
 先生達に対する天使達の返事はこれだった。
「ゆっくり!」
「そう、やってくれるのね」
「有り難う」
 先生達は天使達の言葉がわかるらしい。このゆっくりという言葉を聞いただけで微笑んで頷く。それが何よりの証拠であった。
「それなら御願いするわ」
「ここは最大の力を出して!」
「ゆっくり!」
「ゆっくり!」
 こう先生達に応えて言う天使達だった。
 そのうえで二人で向かう。今まさにマスコットの総攻撃が彼女達に襲い掛かる。
 それに対して彼女達は背中の翼を羽ばたかせた。すると。
「ゆっくり!」
「フラーーーーーーーーッシュ!!」
 二人同時に叫びその翼から黄金の眩い光を放つ。光は瞬く間に二人を包み込んでしまった。そしてその光がマスコットの攻撃を全て防いでしまったのだった。
「えっ、あれを!?」
「防いだのう」
 小田切君と博士はそれを見てそれぞれ言った。
「いとも簡単にって」
「やりおるわ」
 驚く小田切君に対して博士は冷静であった。
「これで勝負あり?ひょっとして」
「ならば最後の手段じゃな」
 二人は見事なまでに対称的であった。
「最後の手段って」
「後は接近戦じゃよ」
「接近戦ですか」
「縁距離戦で決着がつかなければそれしかあるまい」
 一応正論ではあった。
「ならばのう」
「まあそうですけれどね」
 小田切君もその理屈は理解できた。
 
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