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発進!!最凶マスコットせん○くん

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15部分:第十五章


第十五章

「どうじゃ。これならば国を一個破壊するのも容易いぞ」
「何か外見だけ違ってカイザージョーとか鉄人と変わらないんですね」
「わしの作るものはどれも完璧じゃ」
 マントを羽織って自信満々で言い切るその姿はまさに悪の科学者そのものであった。
「だからじゃ。あのマスコットも完璧なのじゃよ」
「完璧に作るなよ、そんなもの」
「だよねえ」
 ライゾウの言葉に相槌を打って頷くタロだった。
「おかげで毎回毎回大騒ぎだからね」
「折角あの二千体が消えたってのによ」
「それでは。行くのじゃ」
 しかし博士は彼等のそんな話をよそに何処からかマイクを出して巨大マスコットに命じていた。
「そして古都に乗り込みあの先生達を退けるのじゃ」
「さて、先生達はどうするのかな」
 小田切君は先生達がここで何もしないとは思っていないのだった。やはり何かをしてくると思ってモニターを見続けているのだった。
「この巨大マスコットに対しては」
 小田切君が見ているそのモニターの中にいる先生達はその巨大な存在を見ても逃げ出してなぞいなかった。それを見上げて毅然として立っているのだった。
 そして今田先生が今日子先生に。こう尋ねるのだった。
「じゃあ今日子ちゃん」
「香織ちゃん、あれをやるのね」
「ええ。やっぱりあれよ」
 こう今日子先生に返すのだった。
「あれが一番いいわ」
「わかったわ。それじゃあ」
「召喚!」
「召喚!」
 先生達は二人同時にステッキを上に掲げた。すると。
 黄金の光と白銀の光が発されそれは天にまで届いた。するとその天からこれまたとてつもなく巨大な存在が降臨したのであった。
「うわ、そう来たか」
「まさか召還するなんて」
 ライゾウとタロはモニターを見て今回の騒動で最も驚いた。
「しかも召還したのが」
「それなんだ」
「うわ、ここまでするんですか」
 小田切君もモニターを見て驚くことしきりであった。
「この先生達は」
「ふうむ」
 そして博士はそれを見て考える顔になっていた。
「そう来たとはのう」
「二人の天使ですね」
 降臨してきたのは天使達だった。どちらも六枚の翼を持っていることから最高位にある天使達であるとわかる。
 どちらもかなり丸い顔をしていて五頭身である。一方は頭に魔法使いの三角帽を被っており黒い服を着ている。もう一方は黒髪に赤いリボンをした赤い服を着ている。どちらも少女の様だ。天使達は二人一緒になって言うのだった。
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりですか」
「あのマスコットに対抗するにはこれというわけじゃな」
 博士は妙に納得したように述べるのであった。
「そういうことじゃな」
「またえらく壮絶な天使達ですね」
「相手にとって不足はない」
 博士はその二人の天使達を見ても動じるところは全くなかった。
「それではじゃ。行くのじゃ、あたらめてのう」
「ナラッ」
 両手をキョンシーのように前に出して応える巨大マスコットだった。その動きは何処か不気味でやはり妖しい瘴気まで漂わせている。
 そのうえで天使達に対して両手の十本の指からキョンシーの構えで一斉射撃を行う。しかし天使達はそれに対して六枚の翼を羽ばたかせ風を起こしたのだった。
「ゆっくり!」
「ゆっくり!」
 こう叫びながら激しい風を起こしそれにより弾丸を風の中に巻き込んでしまった。こうしてマスコットの放った弾丸は全て無効化されてしまったのであった。
「ふむ。弾丸は通じんか」
「ミサイルも効きそうにないですね」
 小田切君はその風の威力を見て博士に述べた。
「あれだけの威力ですと」
「そうじゃな。それでは他のやつでいこう」
「雷ですか?それとも冷凍ビームですか?」
「とりあえずは雷じゃ」
 博士が今選んだのはそれであった。
 
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