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ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D

作者:ユキアン
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ハイスクールD×D 光の使者

side ソルド

ウルトラ星人として産まれて早1万8000年。たまに前世のことをふと思い出す程度になってしまったが、楽しく、楽しく?生きています。普通の一般的なシルバー族として真面目に体を鍛え、光線技のバリエーションを増やし、特殊な技術を覚え、宇宙警備隊に所属し、行動範囲や戦闘力を高めるためにウルトラコンバーターやウルトラブレスレットを開発し、技術長官にまで出世した。

ウルトラマンが地球に降り立ってからは派遣された宇宙警備隊の援護に何度か地球を訪れる機会もあったが、ウルトラマンの姿ではエネルギーの消耗が激しすぎた。人間で例えるなら成層圏ギリギリを普段着で活動するような物だ。人間態や同化して初めてまともに活動することができる。生前の謎が解けたな。

そして1万年ほど月日が流れ、ブルトンによるギャラクシークライシスによって様々な平行世界や宇宙が混ざり合った。私は科学者として地球人達との架け橋となり、様々な技術を提供したりされたりした。そしてギャラクシークライシスを引き起こしていたブルトンを倒したことで少しずつ世界が元の形に戻っていった。

平和になったのも束の間、収監されていたベリアルが脱獄しウルトラの星へと復讐を企んだ。偶々星から離れていた私は無事だったメビウスと共に地球人と地球のレイオニクスと協力してなんとかベリアルを倒すことができた。だが、問題はそこじゃない。

「おい、セブン!!お前、こんな大きな子供がいるなんて聞いてないぞ。それに今まで知らなかったってことは認知してないのかよ」

「い、いや、それはだな」

「お前、地球にいた時も女が原因でウルトラアイを何度も奪われていたと思ったら、こっちじゃ子供を認知していないとか。というか、籍も入れてないだろう?」

「ま、まあ」

「そりゃあ息子がグレてプラズマスパークに力を求めようとするわけだわ。かわいそうにな。同期として謝っておくぞ、ゼロ。お前、今何歳だよ?」

「えっ、7000歳だけど」

「となると、母親は銀十字団のジョアンか。酔わせて持ち帰った時か」

「あっ、こら!!」

「気をつけろ、ゼロ。学生時代からこんな感じで女をとっかえひっかえしているからな。ジョアンの時はこいつも結構飲んでいたから避妊に失敗したんだろうな。そんでもってセブンの野郎は逃げたんだろうぜ」

「親父」

「ち、違うぞ。逃げたわけでは」

「どもったぞ。これは益々怪しい」

ちょっと引きながらゼロをかばう位置に立つ。マンやダイナ、レオ達からも怪訝な目で見られ始める。無論、地球人達にもだ。

「よ~し、それじゃあ本人に突撃インタビューをやるか。ヒュウガ船長達も行くだろう。私はこのスペースポートと同じバリアを張れるからな、私の手に乗れ。案内しよう」

メディカルセンターに突撃インタビューをかけたのだが、ジョアンが迷惑になるからと内緒にして産んで育てたらしく、セブンがゼロが息子だと知ったのもウルトラの星から追放された後だったそうだ。結局、そこそこの人数に知られてしまった為に正式に籍を入れて結婚式を派手にやった。結婚式はそれはもう大変だった。多くの女性が集まり号泣だ。このプレイボーイめが。ゼロもさすがに呆れてたぞ。

そしてしばらくして再びベリアルが光の国へと侵攻を開始した。ゼロをアナザースペースへと送り込むために持てる技術の全てを使いコンバーターとブレスレットを合わせたゼロブレスレットを開発。予算の都合上量産は不可能なワンオフとなってしまったにも関わらず、ゼロが帰還した際にバラージの盾と呼ばれているウルトラマンノアのノアウィングを吸収してしまったために整備も調査もできなくなってしまった。結構な自信作だったのに、完全に私の手元から離れてしまったことにショックを受け、数年ほど落ち込んでいた。

そんなことがあった為か最近は親やゾフィー隊長やケン大隊長にお見合いを勧められるが、独身の方が楽なんだよな。それに、根っこが地球人な所為かあまりウルトラ族の醜美感覚からずれてるんだよな。おかげで言ってはなんだが、美人と言われても『はぁ、そうなんですか』としか返せない。

「ソルド長官、N81星雲に謎の空間の歪みを感知しました」

「謎の歪み?近くにいる技術部所属の警備隊か恒星観測員は?」

「問い合わせたところ誰もいないそうです」

「分かった。私が出よう」

「はっ、宜しくお願いします」

「念のためにコンバーターとブレスレットを持って出るぞ」

「了解しました」

宇宙警備隊への連絡を任せてN81星雲に急行する。

「おかしいな。報告があった宙域はこのあたりのはずなんだが。正常に戻ったのか?」

確認の為にウルトラサインで光の国に報告を送り、返事が来るまで待機する。しばらく待ち、返信に驚く。ただ逃げろとしか書かれていなかった。嫌な予感がして全速で飛び始めるが、遅かった。今までの静寂が嘘だったかのように空間が一気に歪み、歪みに飲み込まれる。少しでも助かる確率を増やす為に身体を丸めてバリアで覆って耐える。コンバーターのエネルギーも根こそぎ使い切り、カラータイマーが鳴り始めた頃、ようやく安定した空間に投げ出されたが今度は重力に捕まり、この空間に投げ出された時の力が合わさり墜落は免れないようだ。冷静に計算するが、身体がギリギリ耐えれるかどうかといったところだ。

「こんな所で死ねるか!!」

ウルトラブレスレットを盾に変化させて空気抵抗を少しでも増やす。気持ち速度が落ち、木々を押し倒しながら墜落し、生きていることを実感しながらエネルギーの節約の為に人間態に変化して意識を失う。











「ぐうぅっ!?」

思い出したかのように全身に痛みが走り目がさめる。視界には見覚えのない天井が広がっていた。痛みに耐えながら身体を起こすと手当てがされており、調度品を見る限りかなり上流階級の者に助けられたのだろう。問題は持ち物が何もないということだろう。変身の為のプラズマ鉱石を埋め込んだ多機能腕時計にディファレータ計測器、ガッツブラスターとカプセル怪獣のカプセルの中身入りが1つと空が2つ、それに着ていた服が脱がされて病院着らしきものに着替えさせられている。コンバーターとブレスレットは変身時に構築されるので問題はない。他の問題は、この星の環境が恐ろしく合わない。地球だと3分だが、この星だとコンバーター無しで1分が限界だろうな。人間態での活動なら問題はないみたいだが、エネルギーの回復は遅いだろう。

「現状は確認できたな。とりあえず、情報を集めないことにはどうすることもできないな」

寝かされていたベッドから起き上がり扉の方へ近づくと、向こう側から開かれ銀髪の女性が現れて驚いている。

「もう動けるのですか!?」

「まだ辛いですが、なんとか動けます。貴方が私を助けてくれたのですか?」

「いえ、すぐに主人をお呼びいたしますのでお待ち下さい」

そう言って扉を閉めて出て行くのを見送るのだが、会話に違和感があった。疑問に思うが、とりあえずはベッドに腰掛けて主人を待つことにする。しばらく待っていると先ほどの銀髪の女性とその後ろに紅髪の男性が現れる。

「驚いたね。まだ動けないと思ったんだけどね」

「貴方が私を助けてくれたのですか?」

「見つけたのは私の妹だがね。私はサーゼクス・ルシファーだ。君の名前を聞いても?」

「ソルドです。この度は命を救っていただき、ありがとうございます」

「気にしなくて構わないよ。ものすごい幸運の持ち主だしね。流星が落ちた場所に倒れていたんだ。ボロボロの姿でね。持っていた物は拾える限り拾ってあるよ」

そう言って銀髪の女性がトレイに乗せて私の所持品を見せてくれた。ガッツブラスターはトリガー部分が折れていて使い物にならないな。全体的に溶けてるし。カプセルの方は問題ない。中にいる怪獣も同じく無事だ。ディファレータ計測器は破損しているがこれぐらいなら簡単に直せる。そして多目的腕時計は

「プラズマ鉱石がなくなっている!?」

よりにもよって一番厳重に作っていたプラズマ鉱石の収納部分が破損し、プラズマ鉱石がなくなっていた。まずいにも程がある。あれがなければ、私は二度とウルトラマンに戻ることができない。しかもエネルギーも尽きかけていたからただの石にしか見えないぞ。

「重ねて申し訳ないのだが、私が倒れていた場所に案内してもらえないでしょうか?」

「プラズマ鉱石とかいうのを探しにかい?」

「あれがないと私は故郷に帰るどころか連絡すら取れないのです」

いや、ウルトラサインなら時間はかかるが機械を作れば行けるか?まあ今は伏せておこう。プラズマ鉱石を見つけ出せば問題ない。

「そんな体で大丈夫かい?」

「今見つけないと二度と帰れなくなりますから」

そして、グレイフィアさんに案内された先で連日捜索を続けたが、プラズマ鉱石は見つからなかった。だが、私はウルトラ一族の中で最も諦めが悪いと自負している。ウルトラマンに戻れないのなら、ウルトラマン以外の力で光の国に帰還するまでだ。幸いなことにスペースペンドラゴンのライブラリーの中身を完全に覚えている。つまりは地球の技術は完璧に覚えきっている。それを再現すれば時間はかかるが帰還は可能だ。

本来なら技術提供はまずいのだが緊急事態として対応することにする。情状酌量されるとは思うが、最悪は1万年ほど幽閉されるかな?まあ、未来のことは未来のことだ。

サーゼクスさんとアジュカさんから援助を受けてまずは装甲材としてガッツイーグルの装甲材を作りながらサーゼクスさんの妹で私を見つけてくれたリアスを人間界の遊園地に遊びに連れて行ったり(この時にここは平行世界であることが判明。ウルトラサイン発生装置の開発を断念。ウルティメイトイージスによる時空の穴を開ける方法を解明していて良かったと心から安心する)、エネルギー源として基礎を積むためにマキシマオーバードライブを開発しながらリアスに簡単な格闘技を教え込んで人間界の動物園に一緒に行ったり、金のためにリパルサーリフトを開発しながらリアスの眷属候補を鍛え上げてリアスと二人で水族館に行ったり、とりあえずの集大成として上記三つを組み合わせたアートデッセイ号と艦載機としてガッツウィング1号と宇宙開発に便利な宇宙服としてガッツアーマー、スーパーGUTSメット、スーパーGUTSバックルを名前を変えて発表。人間界は宇宙開発時代に突入する傍らリアスの悪魔稼業デビュー祝いに正式に使い魔契約を交わすことになる(本当は眷属にしようとしたのだがコストが足りずに渋々使い魔契約にした)。使い魔として戦闘も行われることを想定して、ウルトラ一族を模した戦闘外骨格ウルトラマンスーツを開発。基礎技術が発展したのでネオマキシマオーバードライブを発表しながら、リアスにランジェリーショップに連れまわされる。

ここまでで12年の歳月が流れるが、ウルトラマンの寿命から言えば僅かな時間にすぎない。この調子ならあと50年程で帰れるだろうな。むしろ、誰か迎えに来る方が早い気もする。だからこそ油断していた。私を飲み込んだ次元の歪みが奴の居る空間に似ていたことを、私は忘れていた。





「バキシム、それにベロクロンにドラゴリーまで。馬鹿な、なぜ超獣がここに!?」

リアスとライザー・フェニックスの結婚をかけたレーティングゲームの終盤。突如としてゲーム会場の空間が割れて奴らが現れた。

「くっ、グレイフィアさん、ゲームは中止だ!!早く回収を!!」

通信機を起動させるが繋がらない。

「リアス、念話は?」

「だめ、繋がらない」

3体の超獣がゆっくりと近づいてくる。

「ええい!!不利だが頑張ってくれ、グドン!!」

ウルトラマンスーツの中からカプセルを取り出し、校庭に向かって投げる。そしてカプセルが光り、両腕が鞭になっている怪獣、グドンが姿を表す。グドンが両腕の鞭を振り回しながら超獣達に立ち向かう。

「さて、これで少しは時間が作れるな。ライザー・フェニックス、そちらは念話や転移は可能そうか?」

「オレに指図するな!!」

「なら、ここで死ね。言っておくが、あれは先兵だ。後ろには軍団規模で控えているぞ。奴らはいくらでも量産され、何度でも襲ってくる」

「なぜそんなことを知っている」

「戦ってきたからだ。何度もな。だが、今の私は本来の力を発揮できない。このスーツの力でも、なんとか1体を葬ってエネルギー切れで終わりだな」

「っ、何を冷静にしているんだ!!」

「慌てたところで事態は変わらん。むしろ間違った選択をする。そうならないために常に冷静でいろ。考えを働かせろ、今何ができて、何をすればいいのかを。そのすべての最善を掴み取った先が死なら、それ以上の最善を掴み取れ。それが生きるってことだよ」

グドンは頑張って時間を稼いでいてくれている。その時間を使い、考えを巡らせる。私はもう3万年近く生きた。ここで死んだとしても構わない。だが、リアス達はこれからだ。何としてでもリアス達だけは逃がさねばならない。例えウルトラマンの姿に戻れなくても、心は、魂はウルトラマンなのだから。

「な、何!?」

突如、リアスの胸元に光が集まり始める。リアスが慌てて胸元からロケットを取り出す。出会った時から身につけているそれに光が集まっている。そしてその光の集まり方を私は何度も目にしている。

「リアス、それを渡してくれ」

リアスが何か言いたそうにしながら、私にロケットを渡してくれた。中を開けてみると、そこには予想通りの物が入っていた。

「プラズマ鉱石」

「ごめんなさい!!ソルドが昔からそれを探してたのは知っていたけど、渡したら貴方がいなくなっちゃうと、二度と会えなくなると思って。それで、何も、言えなくて」

怒られると思ったのか、どんどんとその眦に涙を溜めるリアスを昔みたいに撫でてやり落ち着かせる。

「捨てずに持っていてくれてありがとう。これで私はリアス達を守れる」

ちょうどグドンが押し倒されてピンチになっている。

「戻れ、グドン」

ドラゴリーの止めのスタンピングをカプセルに戻すことで回避させる。同時にプラズマ鉱石を多機能腕時計に、ウルトラブレストに収めると同時にプラズマ鉱石から光を取り出していく。

「これが私の本来の姿だ!!」

屋上から飛び出すのと同時にプラズマ鉱石の光を完全に解放する。光の中、私は12年ぶりに本来の姿に戻る。宇宙警備隊技術庁長官、ウルトラマンソルドの姿に。





side リアス


「これが私の本来の姿だ!!」

そう言ってソルドが屋上から飛び出すのと同時にまばゆい光がソルドの全身を覆い、その光が巨人を作り出す。これがソルドの本来の姿。ウルトラマンスーツに似たその姿に、ウルトラマンスーツは本来の自分を模して作ったのだと理解する。

『その姿、ウルトラマンソルド!?生きておったのか!!』

割れた空間の先に新たな影が現れ、声が聞こえてくる。

『ヤプール、おとなしいと思えば平行世界に進出していたとはな。宇宙警備隊として侵略行為は見逃すわけにはいかない!!』

『ええい、やれ超獣達よ!!ウルトラマンソルドを抹殺せよ!!』

『返り討ちにしてやるよ!!』

超獣と呼ばれた3体の内、真ん中の緑色の奴に対してソルドが飛び蹴りを決める。そのまま流れるようにオレンジ色の頭をしている奴の足を払い、最後の1体には円鋸みたいなものを投げて首を落とす。転がっている超獣の尻尾を掴み、ジャイアントスイングで最初の1体に投げつけてから、両腕をクロスさせて光線を発射する。光線を受けた2体は爆発し、死体も残らなかった。それに業を煮やしたのか、空間の割れ目がどんどんと広がり、ゲーム会場が崩壊し始める。

『ここから脱出する。乗れ』

そう言ってソルドが左手をこちらに差し伸べる。私はすぐに飛び乗るがライザー達は躊躇している。

「ぐずぐずしないの!!死にたいの!!」

『早くしろ!!時間が無い!!』

それでも乗ろうとしないライザー達をソルドが右手で掴んで握りこむ。そしてそのまま飛び上がり、額の結晶体らしき部分から先ほどの光線とはまた違う光線が発射されて、空間に穴が開く。その穴をくぐり抜けた先は見慣れた実家の前だった。穴はソルドが抜けるのと同時にふさがり、ソルドが私たちを屋敷の前に下ろす。

『グレイフィアさん達に連絡はつくか?』

「ダメ。繋がらない」

『向こうも似たような状況だろうな。私はこのまま救助に向かう。情報を集めておいてくれ。ハァッ!!』

ゲーム会場から戻ってきたように、再び穴を開けて何処かへと、おそらくはお兄様達の元へと向かったのだろう。あれがソルドの本来の姿と力。私が大好きな人。子供の頃にあの石を素直に返していたら、多分二度と会えていなかったと思う。それが嫌で、私はずっと嘘をつき続けてきた。そばに居たかったから。

「リアス!!なんなんだ、あの化け物は!?」

そんな大好きな人をライザーは貶す。女好きで自分勝手な性格以上にそれが一番許せない。

「邪魔よ、どきなさい!!情報を集めるように指示を出す必要があるんだから」

「あんな奴の言うことを」

顔面に滅びの魔力をぶつけて黙らせる。再生する前にライザーの体を蹴り飛ばして踏みつける。ライザーの眷属達は一歩も動けないでいる。そして再生したライザーの胸ぐらをつかむ。

「何もできずにただ助けられただけの貴方より、助けてくれたソルドの指示はお兄様達が戻られた時に必要なことよ。それすらも理解できていないのなら、貴方の価値はその程度よ。分かったら引っ込んでいなさい!!」

用は済んだとばかりにライザーを捨てて屋敷に入る。

「お嬢様!?どうしてこちらに!?」

「今すぐ、現時点で次元の狭間を利用している人たちの安否を確認してちょうだい。お兄様達やお父様とも連絡が取れない状況なの」

「えっ?」

「いいから早く!!」

「は、はい!!」

使用人達に指示を出して情報を集めさせる。やはり私たち以外にも安否が不明になっている人たちが多い。幸いと言っていいかわからないけど、冥界には超獣は現れていないようだ。ソルドの本来の姿を見た何人かが怖がっているが、説明は後に回す。しばらくして再びソルドが現れる。使用人達が慌てるが、ソルドが怪我人を降ろし、そばにお兄様達がいることを確認して少しずつ落ち着きを取り戻す。ソルドも怪我人を降ろし終えた後、元の、いえ、私たちが見慣れている姿へと戻る。



side ソルド


ヤプールの第一次侵攻を食い止め、後始末がある程度済んだところでようやく私に関しての説明ができるようになった。参加者はリアスとその眷属、魔王様方とその眷属、グレモリー夫妻とその眷属だ。

「さて、改めて自己紹介をしましょう」

大きさは変わらずにウルトラマンの姿に戻る。

「私はこの世界とは別の、平行世界から事故で迷い込んだ宇宙人です」

「それが、君の本来の姿なんだね」

「はい。M78星雲ウルトラの星、光の国にある宇宙警備隊技術庁長官。それが私の肩書きです」

「宇宙警備隊?」

「私の世界では数多の宇宙人が存在しています。中には他の種族を滅ぼそうとする者や、侵略行為を行う者、ただ破壊を振りまく者なども存在します。そう言った宇宙のバランスを崩す存在を倒すのが我々宇宙警備隊の使命なのです」

「先ほど技術庁の長官だと言っていたが、あの超獣とやらは君たちから見ればそれほど強くはないのかい?」

「いえ、宇宙警備隊でも最精鋭であるウルトラ兄弟に名を連ねるだけの実力を私が持っているだけです。また、我々ウルトラ星人は環境によってその活動時間が変化します」

「つまり、戦いやすい環境だったの?」

「いえ、今まで生きてきた中で最も劣悪な環境です。今までは地球の、こちらでいう人間界が一番の劣悪環境でしたが、冥界は更に劣悪です。人間界での活動限界は約3分。冥界では1分が限界でしょう」

「そんなに!?けど、先日は明らかに1分どころか3分以上その姿だったはず」

「それはこの右腕につけているウルトラコンバーター、あ~、外付けバッテリーです。これのおかげで、活動時間がかなり伸びていただけです」

「では左腕についているのは?」

「こちらはウルトラブレスレット、ええっと、形状記憶合金に近い性質を持った万能兵器です」

「初めて会った時、君は故郷に戻れないと言っていたが、今なら戻れるのかい?」

「はい、戻れます。ですが、再びこの世界に来れるかは分かりません。それにヤプールの件もあるので帰還は延期するつもりです」

「ヤプール?」

「あの超獣を製造し、侵略兵器として扱う私の世界にいる異次元人ヤプール。奴らは怨念のような存在で負の感情をエネルギーとして吸収できるために完全に滅ぼすことができない存在なのです。これまでにも何度も倒してきたのですが、私たちの宇宙を諦めてこちらの世界へ侵攻してきたのでしょう。また、超獣は原生生物とヤプールの住む次元の素体と融合させることで生み出されます。こう言ってはなんですが、素材集めかもしれません」

おそらく、私がこの世界に飛ばされた時の時空の歪みはヤプールの実験か何かだったのだろう。

「一応、援軍の要請は済ませてありませが、それがいつになるかは、またどれだけの規模になるかは不明です。それに私が今まで音信不通だったために急に連絡が届いてもすぐには動いてはもらえないでしょう」

それが一番の問題なんだよな。個人的には何人かが動いてくれるかもしれないが、宇宙警備隊が大きく動くことはないだろう。ウルトラ兄弟の誰か、おそらくはエース辺りが派遣される位だろうな。

「超獣だが、我々でも対処は可能だろうか?」

「厳しいでしょうね。単純に大きさが違います。奴らはサイボーグでもありますから普通の生物よりも強い存在です。生半可な攻撃では歯が立ちません。対応できる武器としてはアートデッセイ号のデラック砲が一番手っ取り早いですね。さすがにアートデッセイ号の量産は時間も予算も人員もかかりすぎますので、私が実験に使っていたイーグルに武装を換装中です。というか、人間界の方にもヤプールが侵攻していたみたいで開発の依頼が入っていましたから、ちょうど良かったと言えます。問題は悪魔にパイロットがいないということでしょうか」

「揃えるのにどれぐらい時間がかかる?」

「イーグルの方は冥界の場合はラインから組み立てる必要があるので、とりあえずは人間界の方に発注をかけた方がいいですね。人間界には隕石破壊のために最低限の武装を施したイーグルのラインがありますから。コネを使えば3機位は回してもらえるはずです。当面はその3機で防衛しつつ、生産ラインを作るしかないですね。こちらの方はラインを作るのに4ヶ月、1機作るのに1ヶ月。これは慣れればスピードが上がるはずです。問題はパイロットの方ですね。民間の航空社から今の路線に影響がないように引き抜いたとしてベテランで3ヶ月、それ以下で6ヶ月はかかるとみてください。それからイーグルは最低人員が3名必要です。まあ、分離機構を組み込んでいるせいなんで、オミットすれば1名、いや、やっぱり2名は欲しいか。それから整備員も必要になりますし、格納庫も用意する必要がありますね。完全な防衛体制の構築まで最短で1年ですね。人間界の方は3ヶ月もかからないでしょうが」

「それほどかい!?」

「ないないづくしですからね。これでもかなり甘く見ていますし。撃墜されようものなら更にひどいことになります。イーグルがネオマキシマを搭載しているおかげで、防空圏は冥界全土をカバーできていることがせめてのも救いでしょうか」

「短縮は出来ないのかい?」

「転生悪魔の中に空軍パイロットでも居れば。しかし、整備員が足りなければ2、3度の出撃が限界ですね。その分、私がカバーしますが」

現場までは転移で送ってもらえれば、あとは私がある程度戦える。

「随分辛い状況だね」

確かにそうだが、今までのツケが回ってきたと見るしかない。それ以上に気になることがある。

「私からも質問よろしいですか?」

「なんだい?」

「天界や冥府、各神話勢力の拠点にヤプールの侵攻は?」

その言葉に魔王様方が息を飲む。

「大至急各勢力に確認しろ!!こちらの情報を与えても構わない!!冗談抜きで全ての勢力が滅びるぞ!!」

「連絡が取れない場合は強行偵察も行え!!」

「念のために救護班の用意もね!!」

「ソルド君、すまないが」

「まだ暴れているようなら出ます」

「ありがとう」

結局、天界や他の神話勢力の所にも超獣は送り込まれていた。不幸中の幸いは破壊活動のみで素材として回収された者はいないということか。だが、代わりに悪魔以外の陣営は壊滅状態と言ってもいい。悪魔もそこそこの被害が出ている。むしろヤプールが空間をつなげやすいのか、第一次侵攻後もかなりの数の超獣が送り込まれた。その結果、被害が拡大し一般市民以外にも老害と言われる奴らも1割ほど死んでいる。さすがにこのような状況では強気に出れなかったのか全人外勢力での協定が結ばれることになった。協定の内容を簡単にまとめるとこうだ。

過去のことは一旦棚上げにして一つの集団として再編成して協力し合う。各勢力から代表を出してその人たちで情報交換を行う。これに反対する者は、種の滅亡を望む破滅主義者として徹底的に潰す。向こうの言い分は一切聞かない。期限はヤプールを潰し終わるまでとなっている。また、潰した後の未来で再び複数の種の存亡がかかった際にはこの協定を再び持ち出すことがあるで同意した。

そして、それとは別に対超獣部隊が設立された。私は参加していない。私は個人で動くことになっている。正確に言えば組織には属さずに戦うのが正しいな。情報のやり取りなどは行うし、必要になるであろう技術の提供はしてある。あと、年齢の話をしたら驚かれた。一番年上だったらしい。私なんてまだまだ若いのにな。ケン大隊長なんて23万歳なのにな。高々2万8000歳で驚かれても反応に困る。

 
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