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俺と一色の御近所付き合い

作者:時雨日和
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第2話 久しぶりの手料理

翌日いつもより1つ早い電車で会社に向かって早めに仕事についた。そして何故かいつもより仕事が捗った。
八幡「(うわ…何か今の俺めっちゃ仕事出来るヤツみたいだ!なんかスゲェ捗る!……これは目的が出来たからか?…んな理由ないか)」
午前中何の問題も無しに終わった。いつも通り1人で屋上で静かに昼飯(パン)を食べている最中に携帯がなった。携帯には一色いろはと表示されている、電話だ。
八幡「もしもし」
いろは『もしもし、今大丈夫ですか?』
八幡「昼休みだから問題ない、どうかしたか?」
いろは『はい、今日の事なんですが』
八幡「ダメになったか?」
いろは『いいえ、違いますよぉ。材料の事なんですが先に確認しておかなきゃならなかったんですが、今先輩のお家に何がありますか?』
八幡「あ? あー…確か調味料は基本あったな、後は米と卵とマッ缶」
いろは『やっぱりマッ缶はあるんですね…そうですねぇ、なら鶏肉とウインナーと玉ねぎと人参買ってきて下さい』
八幡「ちょっと待て、メモするからもう一回言ってくれ」
いろは『えぇ、メモするの遅いですよ先輩、社畜根性がなってないんじゃないんですか?』
八幡「ばっかお前、俺ほど社畜っぽく見られるやつもそうそういないぞ!」
いろは『あはは…そうですねぇ。しょうがないですねぇ、もう一回言ってあげますよ』
八幡「おう、サンキュー」
いろは『では、鶏肉とウインナーと玉ねぎと人参です。メモ取れました?』
八幡「おうバッチリだ、ってかこの材料だともしかしてオムライスか?」
いろは『おぉ、先輩分かったんですね。意外です』
八幡「ふっ、これでも元専業主夫希望だったからな」
いろは『専業主夫の人はあんなコンビニとかスーパーのお弁当にばっかり頼りませんよ』
八幡「うぐ……」
いろは『あはは、では先輩また後でです。楽しみにしてて下さいね』
八幡「はいはい」
いろは『それではお仕事頑張って下さいね!』
八幡「お前も学校頑張れよ」
いろは『はい!』
そして、通話を切った。
八幡「(あいつ電話だとあざとくないんだな)」
そして昼飯を食べ終わり仕事に戻った。途中から何個か新しく仕事が増やされたが何とか定時までには終わらせる事が出来た。何でこんなにも必死なのだろうか。とりあえず久しぶりの定時で会社を出ることが出来た。そして帰る途中にいつも弁当を買うスーパーに立ち寄った。メモのとおりに食材を選びレジに向かい会計をする時。
店員「あら?今日はお弁当じゃないの?」
八幡「え、えぇまあ」
店員「そう、自分で食材買って料理する方がコスト的に安いんだからお弁当ばかりじゃダメよ」
八幡「(俺が料理する訳じゃ無いし、これからも無いだろうな、いや料理するように心掛けよう、あくまで心掛けるだけだが)はぁ、どうも」
そして会計を終え、そのまま帰った。その時既に6時辺り、ひとまず着替えとシャワーを済ませてから一色に連絡を入れた。それから少ししてから。
いろは「せーんぱい!こんばんはですー!」ドアバタン
八幡「チャイムくらい押せよ」
いろは「いいじゃないですかぁ、私だって分かってるんですしぃ」
八幡「あざとい、ほら買ってきたぞ」
いろは「ありがとうございますー、それでは台所借りますねー」
八幡「お好きにどうぞ」
いろは「~♪」
八幡「楽しそうだな」
いろは「何ですか? それって遠まわしに毎日俺のためにご飯作ってくれって事ですか? ごめんなさい遠まわし過ぎて分かりませんもう少しちゃんとした言葉でお願いしますごめんなさい」
八幡「もうわけわかんねぇよ、料理好きなのかと思って言っただけだっつーの」
いろは「料理は好きですよ、美味しいのを作れたら嬉しいですし楽しいですよ」
八幡「はぁ、そんなもんかねぇ」
いろは「元主夫希望が何を言ってるんですかねぇ」
八幡「元じゃない、俺はまだ諦めてねぇよ」ドヤッ
いろは「うわ…」ヒキ
八幡「いや冗談だから、ガチの引きはやめてくれる? 泣くよ? 俺泣くよ?」
いろは「その脅しはどうかと思いますけどね」
そんなこんなで料理が終わり、テーブルに2人で対面に座り、一色が作ったオムライスが目の前に置かれる。
2人「いただきます」
八幡「……ん」モグモグ
いろは「どうですか?」
八幡「ん、んー……まあ美味いな」
いろは「ホントですか?!」
八幡「あ、あぁ……不味かったら不味いって言うし、美味かったら美味いっていう」
いろは「そ、そっかぁ…良かったです」
八幡「…どうなんだ? 学校の方って言うか就職とか」
いろは「はぁ…はっ、何ですか?口説いてるんですか?私の全てを知りたいってことですか? 流石にそれは狙い過ぎで気持ち悪いんで無理です」
八幡「そんなつもりはねぇし、俺はどんだけお前に振られんだよ。なんかもう慣れてきたわ。そうじゃなくて、ただ先輩としてだな…つか今回のお礼っつかそんな感じで手伝えることなら手伝ってやろう…とか」
いろは「はあ、なるほど…でもそんな心配とかはありませんよ。これでもちゃんとやってるんですから勉強とか」
八幡「へぇ、ならあれから葉山とは?」
いろは「ふぇ?」
八幡「なんだその反応あざといな」
いろは「そ、そんなつもりじゃ無いんですが、まあ葉山先輩とは…別に何も無いです。ほんと先輩と同じで卒業してから1度も連絡もしてません」
八幡「何で?お前葉山の事狙ってたんだろ?」
いろは「い、いやぁ…まあ…気が変わったんですよ」
八幡「ふーん…そんなもんか」
ってな感じで雑談して一色は帰っていった。
八幡「はぁ…何かいつもより疲れた………料理か…意外とポイント高いな…あいつ」


 
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