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戦国異伝

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第二百四十八話 魔の島その一

                 第二百四十八話  魔の島
 忍達は必死に探し回っていた。
 瀬戸内の陸も海もだ、船もかなり出してだった。
 魔界衆の逃れた先を探していた、その中で。
 煉獄は仲間達にだ、船の中で問うた。」
「そっちはどうだ?」
「そんなの顔見ればわかるだろ」
「お互いにね」
 からくりと萌がその煉獄の問にやれやれという手振りを入れて話した。
「全然だよ」
「影一つないよ」
「本当に何処に行ったのなら」
「わからないよ」
「そうか、そうだと思ったけれどな」 
 やれやれといった顔でだ、煉獄は今度はこう言った。
「御前等もそうか」
「そういうあんたもだね」
 風が煉獄に問うた。
「全然だね」
「だから御前等も、って言ったんだよ」 
 煉獄は風にこう返した。
「わしもだよ」
「やっぱりそうなんだね」
「風もだよ」
「瀬戸内にいるのは間違いないんだろうけれどね」
 それでもというのだ。
「あたしもだよ」
「やっぱりそうか」
「ああ、j本当にな」
 それこそというのだ。
「何も見付かっていないぜ」
「影一つだね」
「やれやれだな」
「案ずることはないでやんすよ」
 苦い顔で言う煉獄にだ、煙が言った。
「そのことは」
「ああ、それはな」
「虱潰しに探していれば」
「何時かはだよな」
「見付かるでやんす」
 魔界衆の今の居場所がというのだ。
「絶対に」
「そうなるか」
「僕達だけじゃないしね」
 獣が子供の様な声で言って来た。
「十勇士に伊賀や甲賀の人達もいて」
「我等もいる」
 こう言ってだ、風魔が飛騨者達の集まりの中に出て来た。影からその姿を現す様にして。
「風魔もな」
「そうだよね、根来衆もいるし」
「天下の忍が総出で探しているのだ」
 風魔は獣に応えて述べた。
「見付からない筈がない」
「そういうことだね」
「焦ることはない」 
 全くとだ、風魔は煙と同じことを言った。
「まさに虱潰しで探せばいいだけだ」
「もうかなり探したよ」
 大蛇は風魔に続く形で述べた。
「だからもう探す場所は限られているよ」
「いや、一度探した場所もだ」
 ここで言ったのは拳だった。
「また探すべきだな」
「見落としがないか?」
「そうだ、それも有り得ることだ」
「言われてみればそうだね」
 大蛇は拳のその言葉に頷いた。
「相手も馬鹿じゃないしね」
「上手く隠れている筈だからな」
「それでだね」
「同じ場所も何度も探す」
「そうしていけばいいね」 
 鞠も言う。
「一度調べた場所でもね」
「そ、そして見付け出したら」
 あやとりが言う言葉はというと。
「た、倒す」
「いや、攻めることはない」
 あやとりにだ、風魔が言う。 
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