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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1275話

 ビックバリアを無事に抜けたナデシコは、次の目的地へと向かっていた。
 えーと、確かサツキミドリ2号とかいうコロニーらしい。
 この世界でもコロニーとかはあるんだな。……いや、火星への移住が完了していたんだから、技術的には全くおかしくないのか。
 その割りには兵器の発展が遅いような感じがするけど。
 敵がいなかったからこそ、なのかもしれないな。
 ヴィンデルではないが、戦争というのは技術を発展させる。だが、敵がいなければその発展も遅くならざるを得ない。
 ともあれ、現在俺はナデシコの部屋でベッドに寝転がって売店で買ってきた雑誌を眺めていた。
 特に面白そうな本とかはなかったので、取りあえず適当に選んだのがこのグラビア雑誌だったんだが……

「外れだったな」

 溜息を吐き、雑誌を閉じる。
 いや、普通の男なら当たりと言えるかもしれない。
 だが俺の場合はレモンを始めとして最高の恋人が沢山いる。
 そんな相手と毎晩のように肌を重ねていれば、当然相手を見る目も厳しくなってしまう訳で……
 うん? けど、そう考えればこのナデシコに乗ってるメンバーは全員が美形揃いって事になるのか?
 頭の中にナデシコに乗っているメンバーの顔を思い浮かべて行き……ホウメイガールズと呼ばれている食堂のウェイトレスを思い浮かべたところで、不意に腹が自己主張してくる。
 どうやらホウメイガールズ=食堂=食い物的な感じで腹の虫を刺激してしまったらしい。
 時間的にはまだそんなに遅くないし、ちょっと腹ごしらえでもしてくるか。ああ、いや。そう言えば食堂じゃなくてハンバーガーとかのファーストフードが買える自販機があるって話だったな。
 そっちはまだちょっと使った事がないし、見るだけ見てみるか。
 あの手の奴は、自販機だけあって出てくるのは早いんだけど味がいまいちなんだよな。
 まぁ、自販機にどこまで期待しているのかって話だが。
 ともあれ、こうして暇をしているのなら食事をしに行ってみてもいいだろう。
 そう判断すると、キャッシュカード代わりにもなっているネルガルのIDを手に、部屋を出て行く。





『あ』

 自販機の前へと到着すると、丁度俺と同じタイミングでその自販機のある場所へとやって来たルリと声を揃えてお互いに呟く。
 そのまま数秒視線を合わせるも、特にお互いが喋る様子はない。
 奇妙な沈黙の中で根負けしたのか、最初に口を開いたのはルリだった。

「アクセルさんも食事ですか?」
「ああ。ルリもか?」
「はい。お先にどうぞ」
「……いや、ここにはどういうのがあるのか見に来ただけで、食事自体は食堂でするつもりだったんだがな。と言うか、ルリはこういうのをよく食うのか?」

 ルリが俺を嫌っているというのは知っているが、それでもある程度は仲良くなっておいた方がいいだろうと判断して話し掛けてみたが、予想外な事にルリは特に嫌がるような表情も見せずに頷きを返す。

「はい。便利なので」
「便利ってな……こういうのは確かに時々食いたくなるけど、栄養的には色々と問題あるぞ?」

 勿論中には健康に留意しているハンバーガーとかもあるのかもしれないが、まさか自販機で買えるハンバーガーがそこまで気にしている筈がない。

「大丈夫です。栄養はきちんとサプリメントで取ってますから」
「……あのな、食事ってのはそういものじゃないだろ? きちんと味を楽しむべきものだ」

 特に俺の場合、食事というのは健康に何ら影響しない。いや、腹の中に入った瞬間に魔力に変えられるから決して無駄って訳じゃないんだろうが。
 それだけに、俺の中では食事というのは味を楽しむ娯楽という一面が強い。

「栄養上で問題はないのですから、私としては構わないのですが」
「……初めて俺に会った時、子供じゃなくて少女ですとか言ってたが、少女ってのは普通自販機で買った味気ない食事で済ませたりはしないぞ」

 少なくても俺の知ってる少女と呼ぶべき面々は食事を楽しむ面子が殆どだ。特に元3-Aの生徒達なんかは、四葉がクラスにいたおかげか食事に関しては貪欲だった。

「そうなんですか?」

 言葉の真偽を確かめるように視線を向けてくるルリに頷きを返す。
 食事と少女。どちらを重視するのか迷ったようなルリだったが、やがて少女の方に軍配が上がったのだろう。渋々とではあるが、自販機から離れる。

「どうだ? 俺はこれから食堂に行くけど、一緒に行くか?」
「……はい」

 へぇ。てっきり断られるかとばかり思ってたけど、予想外に頷いてきたな。
 まぁ、それならそれでいい。1人で食事をするってのも味気ないし。
 そんな訳で、俺はルリと2人で食堂へと向かう。
 食堂までの道のりはお互いが特に話す事もなく、無言で歩く事になってしまったが。
 そうして食堂へと到着すると、メニューを選ぶ事になる。
 ガラスケースに飾られているメニューの中からピザトーストとフライドポテトを選択。
 ルリはと視線を向けると、野菜サンドを選んでいた。

「少女ですか?」
「あー……そうだな、うん。野菜サンドはどちらかと言えば少女っぽい食べ物だな」
「そうですか、少女ですね」

 俺の言葉に満足そうに頷くルリ。
 ハンバーガーと野菜サンドだと微妙に似た感じに思えるが、それでも栄養価的に考えれば大分違うだろう。
 当然味も自販機のハンバーガーと、コック手作りのサンドイッチでは違う筈だ。
 そんな訳で食券を買って食堂の中へと向かう。
 やはり時間が時間な為だろう。食堂の中に客の姿は疎らだ。
 そして、客の姿が疎らだからこそ俺とルリの姿は目立ち……

「おや、珍しい組み合わせだね」

 厨房の方からホウメイがそう告げた。

「ちょっとそこで一緒になったんでな。それより、これ頼む」
「お願いします」
「あいよ。すぐに作るから待ってておくれ」

 そう告げ、食券を受け取って早速厨房での調理に掛かる。
 そして俺とルリは何となく成り行きで一緒の席に座って料理を待つんだが……
 奇妙な沈黙が周囲に満ちており、微妙に居たたまれない気分になってくる。

「アクセルさん」
「ん? どうした?」

 その沈黙を破ったのはルリ。
 ただ、この表情を見る限りでは、別に沈黙に耐えられなかったとか、そんな風には見えないけど。

「アクセルさんはどういう人ですか?」
「どういう人って言われてもな……こういう人としか言いようがないが?」
「……そうですか」

 うわ、話が終わってしまった。
 霞も同じような無口系少女だけど、それなりに会話は弾むんだけどな。
 それは夕呼とか、共通の話題が多いってのも関係しているのか。

「それにしても、まさかナデシコにルリみたいなこど……いや、少女が乗ってるとは思わなかったな。本当に今更だけど」
「そうですか? ……そうかもしれませんね。ですが、私はナデシコに乗れて良かったと思っています。オモイカネとも会えましたし」
「オモイカネ? ……ああ、ナデシコのAIだったな。俺が知ってるのと比べると、随分と高性能だけど」

 そう告げると、少しだけ……本当に少しだけだが、ルリの口元が弧を描いたような気がした。
 余程そのオモイカネってのを気に入ってるんだろう。
 そこから少しずつだが言葉を会話していく。
 ホウメイが料理を持ってきたのは、そんな会話が数分続いた頃だった。

「はいよ、お待ち。ゆっくりと味わっていっとくれ」

 そう言いながら差し出されたのは、野菜サンドとピザトースト、フライドポテト。
 どれも料理と呼ぶには簡単に出来る代物だったが、だからこそ料理人として一手間加えているのだろうというのは、ホウメイの様子を見ると何となく理解出来た。
 そのまま厨房へと去って行くホウメイを見送り、俺とルリはお互いに自分の料理へと手を伸ばす。
 フライドポテトは外はカリッとした食感で、中はホクホクの芋の食感がいい。
 ピザトーストも、薄切りにして乗っているウィンナー、タマネギ、ピーマン、マッシュルームといった具材と、それを覆っているチーズが非常に美味い。
 ホウメイの事だから、ナデシコ食堂で使われているピザーソースも市販の物ではなく手作りなのだろう。

「随分と美味しそうに食べますね」

 ふと気が付けば、ルリが俺の方へと視線を向けながらそう話し掛けてくる。
 手に持った野菜サンドは少しだけ食べられた状態で止まっており、別に腹が一杯になった訳でもないんだろうが、それでも食べるのをやめてこっちをじっと見つめていた。

「実際、美味いしな。それに……」

 そう告げたところで、不意にコミュニケに着信が入る。
 どうぞ、とルリが視線で促してきたのでスイッチを入れると、次の瞬間には俺の前に映像スクリーンが映し出される。

『ちょっとアクセル。あんた今どこにいるの?』

 そこに映し出されたのはエリナ。ただ、周囲の様子は部屋じゃなくて……格納庫か?

「どこって言われてもな。食堂でピザトーストとフライドポテト食ってる」
「……あのね、夜にそんなの食べたら太るわよ。まぁ、それはともかくとして、ちょっと格納庫に来て頂戴。ミロンガ改だっけ? あの機体の整備をしたいって整備班長のウリバタケが言ってるの」
「ウリバタケが? ……まぁ、確かに戦闘から戻ってきてから整備はしてないから、話は分かるけど……」
「分かったらさっさと来て頂戴」
「あー、うん。分かった分かった。すぐに行くからウリバタケの方の準備をしておいてくれ」

 そう告げ、通信を切る。

「そういう事らしいから俺はさっさと行くけど、ルリはゆっくりとしていくといい。いや、ここは食堂だから別に俺がゆっくりしていくとか言う必要はないんだろうけど」
「いえ。それよりも急いだ方がいいですよ」
「ああ」

 ルリの言葉に短く答え、ピザトーストとフライドポテトを急いで口の中に入れる。
 幸いもう半分以上は食っていたから、特に見苦しい様子を見せずに食い終わる事が出来た。
 本来ならまた食べていない分は空間倉庫の中に入れておきたいんだが……さすがにそういう訳にもいかない。
 今もきっと、恐らく、多分、俺は何らかの手段で見張られているのだから。
 まぁ、それもルリとの会話で大体の想像は出来た。
 恐らくオモイカネを使った監視をしているんだろう。だとすれば、気配遮断とかを使っても無意味なのは間違いない。
 いや、それ以前に監視カメラの類でも気配遮断は効果がないんだから今更だが。
 ともあれ、そんな風に考えながら格納庫へと向かう。
 そして格納庫へと到着した俺が見たのは……

「ちょっと待ちなさい、ウリバタケ! ミロンガ改の整備はアクセルが来てからでしょ!」
「だーっ! うっせぇっ! こんな未知の機体を前に、そんな悠長な事を出来ると思ってるのかよ!」
「だから、妙な真似をすればアクセルに怒られるわよ!? あんた、アクセルがどれだけ強いのか知ってるの!? ほら、あんた達も止めなさいよ!」

 ミロンガ改に向かって突撃しそうなウリバタケを、エリナの指示に従った整備員が押さえつけているといった光景だった。

「俺が来る少しくらいの時間も待てなかったのか?」
「アクセル……ご覧の通りよ。それだけアクセルのミロンガ改は魅力的なんでしょうね。まぁ、私から見ても魅力的なのは間違いないけど」

 エリナの視線が向けられるのは、格納庫の端にあるミロンガ改。
 そんなエリナに向かって口を開こうとして……ふと、格納庫内を動いている気配に気が付く。
 隠密行動をしている十数人……いや、もうちょっと多いな。二十人を越えるくらいか?

「誰だ?」
「アクセル?」

 俺の言葉に訝しげな視線を向けてくるエリナと、俺の様子に疑問を持ったのか、ウリバタケや整備員も俺の方へと視線を向けてくる。
 そうして、その集団の気配がこっちに近づいてきて……

「なっ!?」

 それが誰なのかを理解し、エリナが驚愕の声を上げる。
 同時に、その謎の人物……キノコ頭が自分達の存在をこっちに知られた事に気が付いたのだろう。銃をこっちに……具体的には今声を上げたエリナの方へと向け……

「させるかっ!」

 キノコ頭が躊躇なくトリガーを引こうとした瞬間、床を蹴ってエリナを掻っ攫い、その場を移動する。
 そして格納庫に響く銃声。

「きゃっ、な、何!?」
「ちょっと大人しくしてろ」

 腕の中にいるエリナの耳元で呟き、そのまま格納庫の床にエリナを置くと、再び床を蹴る。
 向かう先はこちらに銃口を向けているムネタケ。
 元々俺に銃弾は効果がないが、それでも当たって無傷なところを他の奴に見られては困る。
 床を素早く何度も蹴り、ジグザクに移動しながらムネタケとの距離を縮めていく。
 監視されている制限上、瞬動の類は使えないが、それでもこの程度の相手にそこまでの動きは必要ない。
 見る間にムネタケの懐の内側に入り込み、拳を突き出す。
 軽く……かなり力を加減しての拳だったが、それでも胴体を殴られたムネタケは大きく吹き飛ぶ。
 それを見た他の連合軍の兵士達が思わず動きを止めたのを見ながら、ムネタケが殴られた影響で空中に浮かんだ銃を手に取り、その銃口を兵士達へと向ける。

「動くな」

 そう告げられ、兵士達は大人しく両手を上げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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