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ソードアートオンライン~戦場で舞う道化師~

作者:NNG
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アインクラッド編
  第五話なれなかった勇者

 
前書き
装備強化詐欺のお話


それでは どうぞ 

 
主武装無くしてこの余裕、なんか方法があるんだろうけど……で、なんで俺は驕らされてるんだろう。ねえ、アスナさん。















「へえー、《所有アイテム全オブジェクト化》か〜」
「そ、ちょっとチートくさいけど。まあ開発側の救済措置だろうね」


サイガ達はとあるレストランでキリトの武器回収方法を聞いていた


「まだ少し釈然としないけど……良かった、安心したわ」
「あ、そんなに心配してくれたんだ」
「いいえぜんぜん?」
「ブッ、だってよキリト」
「うるせ」
「でもミスってGood-bye Foreverはないってことだろ?」
「そうね…そんな心配はいらないのね」
「二人とも随分武器を大切にしてるな」
「当たり前よ、私のパートナーはこのこだけだわ……サイガ君…なにその目」
「いやいや、あ、そうだキリト俺の武器ってどこまで通用する?」
「俺が言おうと思ってたのに、お前って変なとこで鋭いよな……まあ、丁度いいしこの機会に言っとく。アスナのウインドフルーレは+6でも三層終盤辺り、
サイガの絶ノ大剣は五層中盤あたりだと思う…残念だけどいずれは…」
「ま、そりゃそうd「嫌」……え?…」


サイガは特に変わった様子は無いがアスナは過敏に反応した。


「私、そんな風にしたく無い。剣なんてただの道具、私は技術と覚悟だけを武器に戦い抜くんだってそう思ってた。でもね、
第一層でこのこに会った時感動したの。羽根みたいに軽くて、透き通る様に綺麗で、まるで自分の意思がある様に私を助けてくれるのよ。一緒に生き抜いて来たのに捨てるなんて可哀想だわ」


サイガもキリトもアスナの意見に心底驚いていた。


「おいキリト、アスナってこんなこと言うやつだっけ、全ては信号なのよ!、みたいな事言う奴じゃ無かったっけ」
「いや、一層の時はそうだったよ、なんか最近変なんだよ、おかしいんだよ」
「なにこそこそ話してるの!」
「いや……あの……」
「その……えっと……」


キリトとサイガは必死に言い訳を考え、


「あっ、キリト、あれだ、自転車がインゴットになる奴の話だ。魂がどうとか言ってたろ」
「一体なんの話だよ……………あれか!」
「だから何なの!」
「SAOの武器製造システムには剣をインゴットにしてそれを材料に新しい剣を創るオプションがある」
「それで…剣の魂が引き継がれる…?」
「……うん、子供騙しだって笑うかい?」
「いいえ、わたしもそうするわ。この子の魂を受け継いだ剣となら最後まで戦い続けられる、そんな…気がするから」
「さあ、キリト先生のいい話を聞いたところでケーキの到着です」


アスナとサイガは甘いものに目がなくキラキラ目を輝かしケーキを切り始めた。………はずだった


「ん?おかしいなぁアスナのケーキ俺たちの10倍位あるよなぁ」
「…ちょっとアスナさん…量がその…おかしくないですか?」
「当然の配分よ、キリト君は蜂の討伐数私に負けたでしょ?「ぐぬぬ」サイガ君は私を空高く投げたじゃない「ぐぬぬ」文句
あるかしら?」
「いやでも、アスナはキリトにLAとられたく無かっただろ?」
「そうだけど結局出なかったわ、どっかの誰かさんが持ってったせいで」
「人聞きの悪い……でもあのLAは俺たちには使えないものだったよ、ほら」


キリトが手に入れたものは中々に特殊なモノだった


「なる程」
「そゆことか」


なんだかんだでうやむやにされキリトとサイガはケーキを食べられませんでしたとさ。


「ああ……美味しかった…」
「確かに美味かった……」


天からの祝福を受けたような顔をしている二人、特殊効果に喜ぶ一人


「それにこの幸運ボーナスはベータ時代に無かったものだ」
「残り15分じゃ狩りにいけないよな〜」
「じゃあこの子の強化に付き合ってよ!」


(これは………!)


「おいら帰る」
「チョトマテサイガ」
「何カタコトになってんだよ」
「アスナとふたりでいけってのか!アルゴに見られたら……」
「うるせーなー、お前のコミュ障治す為と思え」
「そんな「早く行かないと大変な事になるぞ」はあ、わかったよ」


その時、サイガは何とも言えない感覚に陥った、何かを無くすような…そんな感覚に…


「あと、気を付けろ」
「何にだよ」
「何かにだ」


キリトはサイガにブツブツ言いながらアスナの武器強化についていった。


(久しぶりに嫌な感じがしたな……圏内だから死ぬ事はないと思うが……)









その夜、アスナのレイピアが真っ二つになってしまったのだ。












次の日


サイガは迷宮区にいた。ミノタウロスの様な半人半牛のmobを倒し一息ついていた。


(ここ牛しかいないのか………あれは……)


「おーい、キリトー」
「おお、サイガか」
「昨日めっちゃ大変だったらしいな、アルゴから聞いたぞ」
「ああ、とんでもなく狡猾な手段だった。アスナ以外にも既に7件あったらしい」
「へえー、で、その本人は?」
「牛がセクハラだとか何とか…」
「セクハラよっ!!セクハラ!!」


どうやら牛の格好について何かを言っているらしい


「……何言ってんだ?ってかキリト!何でそんな面白そうな事、俺に言わなかったんだよ!」
「それどころじゃ無かったんだよ。おっ」
「あれは…レジェンドブレイブスの方々じゃん」
「名前負けしてる事に違いわないと思うけど」
「うん、でさ何でキリトのほっぺが腫れ上がってて距離が空いてるの?」
「別に、普通よ」


(まーた夫婦喧嘩したのか)


「ふざけているけどいい連携してるわね」
「そりゃどっかのコンビよりはマシでしょ」
「お前ら何で喧嘩したんだ?」
「い、いいの。ほ…ほら行くわよ」


(喧嘩するほど仲が良い、か)


レジェンドブレイブス達に目を向けたサイガは


「ん〜、変じゃないか?」


明らかな違和感を感じた


「何がよ」
「サイガもそう思うか。普通RPGってのはレベルと装備が比例していくものなんだ」
「だけど彼らはレベルもスキル熟練度も中の上、それなのに装備は攻略組でも最上級ってか?」
「て事は、彼らはあなた達も知らない高効率の財源を………もしかしてあなた装備強化詐欺を疑ってるの!?」
「短絡的な考えだが詐欺が始まった時期と、彼らが出てきて時期は重なっている、っていうか一致しているんだ」
「…彼らの事調べてみる必要があるみたいね。アルゴさんに…………」
「どうした?」
「…違う、違うわ。見てキリト君、サイガ君。あの人たちは本当に連携がいいのよ」
「!装備の突出ではなく、レベルの低さを見るべきだった、か?」
「本当に鋭い時は鋭いのね…サイガ君って」
「なるほどな、違和感の種はそこにあるのか」


アスナがアルゴにメッセージを送ったところで、


「んでさ、まだ上行くの二人は?」
「そうだった、あと1フロアだけつき合って欲しいんだ」
「いいけど、どうして?」
「実はさ《片手直剣》のスキル熟練度100まであと少しなんだ」
「100!!?」
「んー?あ、俺もだ」
「あ…あら、おめでとう。スキルModはなににするの…?」
「《クリティカル率上昇》かなぁ」
「俺は前《ソードスキル冷却タイム短縮》取ったぞ」
「あっ、俺もだよ、あと《クイックチェンジ》なんかもなありかと…」
「なるほど……ん?」


(クイックチェンジって…)


「キリト!《クイックチェンジ》ってどんな奴だ!」
「え?えっと予備の武器をワンタッチで出したり、同じ武器持ってれば“直前に装備していたものと同じものを再装備”なんていう設定も…………ん?」
「あ」
「ビンゴだな」
「でも、職人クラスが一朝一夕で取れるスキルじゃないでしょ!?」
「………それなんだけど……まだ確証は無いけど、その問題クリアできるかもしれない」


ピコン


「アルゴさんからだ」
「「「…………」」」




















圏内


顔を覆うヘルムをかぶった剣士が歩いている、道に店を展開している鍛冶屋を見つけると声をかけた。


「もう店じまいか?」
「い…いえ!大丈夫ですっ、メンテですか?それとも…」
「強化を頼む」
「強化…ですか」
「何か問題でも?」
「いえそんな……」


サイガ、アスナ、アルゴの三人は鍛冶屋の真後ろの建物にいた。強化詐欺のの解決の為である。


「--使い手を選ぶでしょうけどすごい剣ですね…この上さらに《速さ》を強化すれば……では、始めます」


「始まったカ」
「はい」
「強化素材を炉に焚べた時のライトエフェクト、確かに見入る瞬間だよなぁ」
「見逃しちゃダメだヨ」
「わかってます」


炉がライトエフェクトを放った瞬間、鍛冶屋の左手が動いた。


「ア…ッ、アルゴさん今ッ!」
「うン…すり替わったネ」


カァン…カァン…カァン…


「…随分と心のこもった丁寧な槌音じゃないカ」
「……そうですね、あの時は強化の成功を祈ってくれているんだと思っていたけど……違ったのね」
「悼んでるからだな。詐欺の為に犠牲になる剣を…」
「そう、あの剣は試行回数残りゼロのエンド品。その強化は…“必ず失敗する”」
「そしてそのペナルティは………」


パリイイイイイイン


剣士が差し出した剣が砕けた。


「すみません!!!!すみません!!!!本当にすみません!!!!」


案の定、鍛冶屋は土下座をしながら謝り始めた。


「いや、謝る必要はないよ」
「は…!?」


剣士がこちらを見て合図をすると、アスナが扉を開け頷いた。


「そうか…」


剣士は兜を外した。


「あれ、あいつキリトだったのか」
「知らなかったの!?」


「わかってみると、案外単純なトリックだな」
「あ…あなたは!?あの時の…」
「悪かったな、騙すような真似して」


「クイックチェンジ」
「!!!!」
「このトリックの種だ。俺は今同じ手を使って君のストレージから取り返した」


瞬時に取り出した片手剣を突き付けて言った


「あいつって無意識にかっこつけてるのかな?」
「まア、キー坊だからナ」


「鍛冶屋が武器スキルModを習得してるなんて思わない、メニューウインドは商品棚、Modエフェクトは炉の光と音で隠す、
天才的な手口だ」
「ッ!!!」
「署までご同行願おうか」


















宿屋の一室でサイガたちは取り調べを始めた。


「…要するに、武器は全て換金して豪遊し、ほとんど残ってない、そういうんだな、ネズハ」


鍛冶屋ネズハは呆然と俯きながら答えた


「…はい…本当に申し訳ありません…」
「攻略組の面々が命を懸けて鍛え上げた武器を私利私欲で浪費したと?」
「なんとお詫びすれば良いか…ッ」
「やっぱりおかしいわよ」


アスナが取り出したのは投げナイフだった。


「これはフィールドで会ったソードマンの忘れ物。アルゴさんに調べてもらったら、プレイヤーメイドだったわ」
「現在鍛冶屋のプレイヤーはただ一人、作れるのはネズハ、君だけって事になる」
「ソードマンならクイックチェンジを覚えていてもおかしくはないナ」
「会った時の装備も中々の物だったけど、あなたの‘質素な生活’を見ても桁が違う
「俺たちは今こう疑っている。“荒稼ぎした金を誰かに貢いでるんじゃないか”ってな」


ネズハは急に焦ったように顔を上げた


「ま、まさか、いったい誰に…?なんの根拠があって…」
「根拠なら、あるが?君の名前にな、[Nezha]よ」
「…ッ!!!」


予想外の言葉にネズハは言葉が詰まってしまった


「そう、あなたの本当の名前は[ナーザ]。[ナタク]って言う呼び方が有名すぎて気付かなかったわ」
「中国の小説【封神演義】に登場する少年の神だな」
「《宝貝》なる多様な武器を操り、二つの輪に乗って空を飛ぶ、らしいヨ」
「すげえなぁ、なーんて言うんだっけか、こういうの」
「シャルルマーニュ伝説の、オルランド、や、現代の西洋風ファンタジーの原点、ベオウルフ、に勝るとも劣らない








「「「「レジェンドブレイブ」」」」





「………ッ!!!」



「君が彼らの為に資金を稼いでいたんだな。…なぜだ、何故君だけがこんなリスクを負ったんだ?見返りはなんだ!
君たちは、何故こんなことができたんだ!」
「キリト、落ち着け」
「落ち着けない!このままいけば《レジェンドブレイブス》は攻略組をブッチぎって強くなる。悪事を厭わない詐欺集団がだ!
…そんな奴らが圏外で襲われても返り討ちにすればいいと開き直ったらーー」
「違うな」


突如サイガはキリトの言葉を遮った。サイガはネズハの変化に気づいた。キリトが悪事を厭わないと言った時唇を固く噛み締め
手を強くに握ったのを見逃さなかった。


「ネズハ、この投げナイフを取ってくれ」


サイガは投げナイフを取ると、ネズハの前に差し出した。取ろうと伸ばしたネズハの手は届かなかった。


「お前、遠近感が分からないんだな」
「FNCか!」
「という事ハ彼らがその弱みニ漬け込んデ…」
「それも違うな」
「そうね、彼らは見捨てなかったのよ。どう、まちがってる?」
「……いいえ、そのとうりです。レジェンドブレイブスは他のゲームでも常連の上位ランカーでした。SAOでもてっぺん取って本物のヒーローになろう、って。だけど、……僕のFNC判定で狂ってしまった…!…結局……僕が戦闘職を諦めた時は攻略組との差は絶望的でした。その時です、《あいつ》が声をかけてきたのは…」
「あいつって?」


ーーOK、話は聞かせてもらったァ。あんたが戦闘スキル持ちの鍛冶屋になるなら、すげえCOOLな稼ぎ方があるぜェ!!ーー


「黒ポンチョの男?」
「でも、これは全て自分が自分自身のためにやった事です!」


席から立ち上がり、窓ほうへ歩きながらネズハは話す。


「だから、だからどうか…これで…」


ネズハはそう言うとベランダから飛び降りた。圏内ではダメージを受けないのだが、この街は周りがすぐ崖で圏外になっている
落ちたらログアウトって事だ。
すぐさまアスナが飛びつきキリトが引き上げようとしたが、筋力値が足りずサイガが三人引き上げる事になった。


「……さすがに三人は無理かも……」
「放してください!僕はもうこれ以上…」
「考え直して!あなたはそれでいいの!?」
「見返してからって事だろッ!!!!」
「勇者のように命を張って見せろ!!!オラアアアア!!!」


サイガは筋力値マックスで一本釣りした。ネズハはただ呆然と…


「キリト君…お願い」
「ネズハ、君の投擲スキルは中々のものだと聞いている。システムアシストがあれば、たとえ遠近感がなくても」
「分かってますよ!!そんな事!!でも、弾数が無制限でもない限り、実戦では…」
「無制限はないが、戻って来る、物はある」


キリトが取り出したのは円形の投擲武器。


「これはフィールドボスのLA、《チャクラム》だ。この武器を使うには特別なスキルがいる。スキルスロットにあきは?」
「ありません…」
「では質問を変えよう。伝説の勇者殿。鍛冶スキルを捨てる覚悟はあるか?」
「…………………」


ネズハはただ手を強く握り、うつむいていた。




 
 

 
後書き
体術にたどり着けなかった… 
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