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『最低な女』

作者:零那
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『足りない』



蒼は、こんな未桜で良いと言う。
未桜のこと、大好きだと言う。
ヨソ行っても戻ってきてくれるなら良いよって。

こんな未桜に、最初の頃のような優しい手を差し伸べてくれる。
未桜は、蒼に対して酷いことをしたと反省していた。

蒼が未桜に好きとか言うこと、こうやって優しくしてくれること、滅多にない。
よっぽどの事が無い限り、未桜をチャント見てくれていない。
愛情表現は確実に足りていない。

こんなんじゃ不安になるどころか、結婚してる意味すら解らない...。
未桜は、愛情には飢えている。
産まれた時からズット...。
だから、愛されたい。
愛が欲しい。
其れが素直な気持ちだと思う。

蒼の、こんな時だけって愛は未桜には全然足りなかった。
満たされない。
不安で不安でたまらない。
怖くて仕方ない。

何が?
解らない。

けれど、足りなかった...。


 
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