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銀河鉄道物語 リリカルな異世界[地球]

作者:stk
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番外編
  終焉の合図は、新たな始まり

 
前書き
六年 

 
物事には終わりと始まりがある。
それを今の何かが終われば、その瞬間かあら新たな始まりがあること。
しかし今時の子供は一つが終われば全てが終わりだと思っている。
そんなことは絶対にないのだ。
その事を伝えなくてはならない。
そうだと私は思う。
宇宙暦3085年 生物学者オージ・ナバスリ

「カレンさん、いつまで隠れているんですか?」
未来は、機動6課の気配が消えるとそう告げた。
「あら~、バレちゃってた。結構自信があったのよ。」
「それならもっと殺気を消してくださいよ。もう僕に向けられているようで鳥肌がたちましたよ。」
「可愛いわね。それよりも未来、ちゃんと探しているんでしょうね?」
「ゼロ因子適合者がどう簡単に見つかるわけがないじゃ無いですか。ECウイルスだって公では無いんですから、でも目星はついていますよ。」
カレンの目付きが変わった。
「それってどこの子なのか教えてくれない?」
「一年前にあなた方が襲ったヴァイゼン遺跡鉱山の生存者の少年に適合の可能性があると思いますよ。名前は確かトーマ・アヴェニールだったかな?」
「あそこにそんな少年がいたなんて知らなかったわ。」
「そうですか。あなた方は何かいい知らせはあるんですか?」
「私たちの持つ情報だと、時空管理局の最高評議会が殺されてたらしいわよ。」
それを聞き未来は驚いた。
「そうだったんですか。つまり僕たちはこれからもっとやりやすくなりますね。お互いにとって良いことですね。」
「そうわよね。未来も最近やっと普通に接してくれてちょっと嬉しいかも。」
「僕はあなたが最初に訪ねてきたときビックリしましたよ。」

約二年前、銀河鉄道エリアA管理本部、本部長室。
「ハロハロ。あなたが此処の責任者?予想していたのより小さいわね。」
「初対面の相手に失礼だと思わないんですか?それにこう見えても十三歳なんですよ。」
「それはごめんなさい。でも若いわね、十三歳なのよね?」
「そうですが何か。」
未来はカレンを睨んだが、
「おっと。怖い怖い。私が来たのにはちゃんとした理由があるのよ。」
「その理由とは何ですか?」
「あなたたちが時空管理局と仲が悪いと聞いたから取引がしたくてね。」
「その取引とは何なんですか?」
興味が出たのか未来はカレンに聞いたが、
「取引してくれるの?だったら教えてあげる。」
意地悪なめんが見られた。
当然、未来は興味津々だった。
「そっちの条件次第だよ。こっちからはあなた方の要求に答えられように最善を尽くしますから。」
「条件は2つ。物資の支援と緊急時の救助、あとは探し物の手伝いかな。」
「見返りは。」
「あなた方、銀河鉄道にとって知りたい情報の提供でどうかしら。」
カレンが未来に目線を送った。
「分かりました。取引は成功です。あなた方の緊急時の避難所は前局員寮で良いですか?」
「その点はお構い無く、私達にはこれがあるので。」
カレンがこれでもかっと言うくらいみせてくる。
「そうですか。ですが一様鍵は預けておきますんで、何時でも使ってください。」
「気前がいいのね坊や。」
「僕の名前は夏村未来です。階級は少将。あなたの名前と組織名は?」
未来が尋ねると、
「カレン・フッケンバイン。フッケンバイン一家の首領だよ。覚えといて。」
これが二人の出会いだった。


時は戻って、
「未来はどうやって調べているのかな?」
「銀河鉄道のパソコンからちょっと細工をしてね。」
「そんなことしていいのかい?職権乱用なんじゃないかい?」
「そんなことを言っていたら情報は手に入りませんよ。これくらいならじゃれないでしょうしね。」
未来がカレンに話すと、カレンが笑っていた。
「未来は違う意味で悪人だよな。」
「そんなことを言わないでくださいよ。結構傷つきますよ。」
未来が笑いながら言っているため、どうも未来が傷つく姿が想像出来なかった。
そんなことをカレンも思いながら、話は進んでいく。
「食料はいつもの倉庫に置いてありますし、大抵いつものところにあるんで持っていって下さい。」
「いつも悪いね。」
「そう思うのでしたら少食になってください。」
するとカレンが笑いながら、
「努力はするよ。じゃあね未来。」
カレンは部屋から出ていった。
いつものことだが、未来は暇になった。 
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