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第四次聖杯戦争を良い感じに狂気の妹コンビがぶっ壊してくれるそうです

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第一話:ランスロットはきゅっとしてドカーンされたようです

 
前書き
第1話故非常に短いです。ご了承を 

 
「──素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

間桐臓硯は醜く嗤う。
目の前で今まさに英霊を召喚せんと詠唱を始めた雁夜を、恍惚の視線で見つめた。
雁夜には他のサーヴァントに比べ、異常に魔力消費の多いバーサーカーを呼ぶ様に指示してある。彼は指示通りにバーサーカーを召喚し、その維持によって悶え苦しむ事となるだろう。その光景を思い浮かべるだけで、自然と唇が吊り上がる。

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)っ!
繰り返すつどに五度
ただ、満たされる刻を破却する!」

魔法陣が輝き出す。雁夜が小さく呻き出し、血管が浮き上がり、眼からは血涙が流れる。

「─────Anfang(セット)
──────告げる……っ! 」

足元が覚束ず、たたらを踏む。何とか持ちこたえて詠唱を続けるも、今にも倒れそうなのは見れば分かる。
臓硯の心をドス黒い愉悦が埋め尽くす。


「────告げる……
汝の身は我が下に、我が命運は……汝の、剣に。
聖杯の寄るべに従い……この意、この理に……従うならば応えよ!
誓いを此処に 。我は常世総ての、善と成る者、我は常世総ての……悪を、敷く者……
されど、汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし……汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を……手繰る者……っ!
汝三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───ッ! 」

魔法陣が一際大きく光を放ち、魔力が人型を形作って行く。


英霊召喚。
聖杯戦争に於いて聖杯に選ばれたマスターが行う儀式であり、伝説の英霊を自らの使い魔として召喚する儀式。
セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー。
以上の全七クラスに分けられ、聖杯を巡り闘争する。

今回雁夜が呼んだのはバーサーカーであり、生前に「発狂した伝説がある」もしくは「狂気的ともいえる行動をとっている」英霊が召喚される。

さて、今宵召喚されるのは如何なる英霊か。

筋骨隆々の巨漢か、それとも狂乱に堕ちた騎士か──?



「──ん、んーーっ!」



何やら枝の様な翼を生やした幼い少女が、呑気に背伸びをしていた。

「──な」

初めに声を漏らしたのは臓硯。当然だ。この様な十代にも届かぬような少女が、伝説の英霊である筈が無い。
赤と白を基調とした半袖、そして同じく赤いラップ・アラウンド・スカート。金髪のサイドテールに、リボンが付いたナイトキャップを被っている。右手には黒い、武器とも言えないような棒が握られている。

問題は背から生える七色の宝石を垂らした翼だが──しかし今は先ず。

「……貴様は、バーサーカーか?」

「んー?何よお爺さん。私にはフランドール・スカーレットっていうちゃんとした名前があるの。バーサーカーだなんて、野蛮丸出しの名前で呼ばないで」

少女は不満そうに口を尖らせると、目の前に膝をついた雁夜へと問い掛けた。

「ん、まあ何となく分かるけど、一応聞いておくわ。おじさん、貴方が私のマスターって事で良いのかしら?」

少女が屈み込み、雁夜の顔を覗き込む。雁夜の顔は血濡れた瞳でフランを見つめた雁夜は、辛うじて首を縦に振った。

「そ。じゃあまあ分かってると思うけれど、決まりだし言っておくわ。非っ常に不愉快ではあるけれど、まあ暴れられるなら良いでしょ。──サーヴァント、バーサーカー。フランドール・スカーレット。召喚に応じ参上したわ。よろしくね?マスター」

少女はニッコリと笑うと、立ち上がってスカートの裾を払う。黒い棒を手から消すと、雁夜の体を持ち上げて部屋から出て行こうとする。

「待て、バーサーカー」

「うるさい」

制止の声を掛けた臓硯を、少女は手の一振りで消し飛ばす。
余波が地下室の石畳を粉々にし、大掛かりの壁を完膚無きまでに破壊する。
臓硯の肉体は無数の血肉へと引き裂かれ、最早原型すら留めてはいない。

「私はその名で呼ぶなと言ったのよ。不快だわ」

臓硯が居た筈の場所を睨み付け、フランは扉へと向き直る。意識を失ったのか、雁夜は既に目を閉ざした様だった。

「んー……取り敢えずこんなのでもマスターなんだし、どっかに運ばないとダメねぇ」

可愛らしい仕草で唇を抑えた少女は、さも当然の様に鋼鉄の扉を蹴り破る。
超硬質の金属板には簡単に大穴が開き、その先の廊下すら余波でボロボロに崩れている。

穴から抜け出た少女は自らのマスターを抱え直し、翼膜すら無い翼を羽ばたかせて階段を登って行った。 
 

 
後書き
この小説に於いてのフランのステータス。

【CLASS】バーサーカー

【真名】フランドール・スカーレット

【性別】女

【属性】悪・混沌

【ステータス】
筋力:A 耐久:D 敏捷:A+ 魔力:A+ 幸運:C 宝具:A+

【スキル】
『狂化』:A
バーサーカーのクラススキル。全ステータスをワンランク上げる代わりに、サーヴァントは理性を奪われる……筈なのだが、フランの場合何故か理性は残っている。元々情緒不安定のため、時に狂った行為を行うが、それさえ無ければ外見相応の明るい性格の少女。

『吸血鬼』:B
純粋な吸血鬼。彼女は生前常に地下室に篭っていた為、人々に怖れられる事も少ない故にランクは低め。幸運以外のステータスに+を付与し、吸血や超速再生、形態変化等のスキルも同ランクで得る。満月の夜のみ幸運以外のステータスはワンランクアップ

『魔法』:B+
名称が異なっているだけで、魔術と内容は大差無い。幻想郷において魔法というものは特に珍しくもなく、型月世界の魔法とは全く別物。
B+は大方の基本的魔法は全て習得し、自らの手で実用可能な術式を作り上げる程度。

『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』:EX
文字通り物質であれば何だろうと破壊する事ができ、『壊れない』宝具だろうとお構い無しに破壊する。彼女曰く、物質には『目』というものが存在し、それが崩れればどんなに硬い物質だろうが容易く崩れるのだという。彼女はその『目』を自らの手に引き寄せ、破壊できるのだという。ぶっちゃけ直死の魔眼の上位互換(?)


【宝具】
???

【解説】
東方紅魔郷Exボス。悪魔の妹と呼ばれる、レミリア・スカーレットの妹。
姉のレミリアと同じく外見は幼女だが、495歳。彼女はこれまで一度も外に出た事が無く、495年間ずっと地下室に閉じ籠っていた。生まれつき情緒不安定で、力の加減を知らない故の選択で、彼女を外に出していれば最悪、幻想郷の全てを敵に回しかねなかったという。
純粋な攻撃力だけなら姉を遥かに上回り、能力を交えた猛攻は最早狂乱の域である。
吸血鬼としての格はそこまで高い訳ではなく、全体的に見ればレミリアに劣る。






こいしちゃんはもうちょっと待ってね!()
 
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