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エイリアン

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5部分:第五章


第五章

「いらっしゃいませ、御主人様と」
「御主人様!?メイドは奴隷なのか」
「いえ、召使いの様なものです」
「召使いが店にいるのか」
「私も最初はそう思ったのですがどうも違う様で」
「ではどういったものだ」
「はい、店で働いている女の子です」
 それがメイドでありメイド喫茶だというのだ。
「店の方で女の子にその制服を着せて働かせているのです」
「風俗店の様だな、それでは」
「はい、実際にそうした風俗店もある様です」
「マニアなのか。いや」
 上司は真剣にいぶかしむ顔でこうグリーザに話した。
「地球人の嗜好なのか」
「どうやらその様です」
「メイド喫茶か」
「それが結構あります」
「妙な話だ。そして他にもまだあるか」
「はい、他にはです」
 グリーザは地球の文化のことを上司に話していく。実際にレシピやメイドの服も送信しながらだ。そして彼自身も地球文化についてさらに学ぶのだった。
 この日はだ。所謂アニメショップに行きだ。そこでだ。
 様々なアニメキャラのグッズを見ながらだ。店員に尋ねるのだった。
 そのうちの一つ、地球の文字でののを描いた様な目の赤い髪のキャラクターの写真を見ながらだ。そのうえで店員に尋ねていたのだ。
「アイドル?」
「はい、そのキャラクターはアイドルなんですよ」
「アイドルというと歌を歌ったり踊りを踊ったりする」
「そうですよ。あの、他の国の方ですよね」
「はい、アメリカの」
「アメリカにもアイドルはいますよね」
「はい、います」
 彼の星の話をアメリカに転移させて答える。
「そうしたタレントはちゃんと」
「じゃあアニメのキャラがアイドルでも構いませんよね」
「いえ、そうではなく」
「そうではなくとは?」
「こんな可愛いキャラがいるのですか」
 その赤い髪にののという目のキャラを見ながらのことだったのだ。
「それに他のキャラも」
「どのキャラもそれぞれ可愛いでしょ」
「はい、双子のキャラもいるのですね」
「そのキャラは中の人が一緒なんですよ」
「中の人?」
「あっ、声優さんです」
 所謂一人二役だというのだ。
「そうなんですよ」
「そうですか。一人が二つの役を演じてるんですか」
 このやり方は彼の星にはなかった。それで内心かなり驚いていた。
 だが今はそのことを隠してだ。彼は言うのだった。
「それはまた面白いですね」
「そうでしょ。じゃあどのキャラのグッズ買われますか?」
「どの娘もいいですね」
 何と全員だ。彼のツボに嵌まっていた。そえでなのだった。
 彼は金があったこともありだ。店員に対して勢いよく言ったのである。
「全員です」
「全員のを買われるんですね」
「ポスターに写真に」
 そしてだった。
「他のグッズもお願いします」
「わかりました。それでは」
「アイドルがアニメのキャラになるんですね」
「元はゲームだったんですけれどね」
「凄いですね。そしてアニメのキャラがグッズになってこうして大々的に売られるのも」
 彼の星にはないことなのでこれまた驚くべきことだった。彼は地球のそうした文化も知った。それで店でもだ。店の親父にまかないのうどんを食べながら話した。
「地球、いや日本の文化は」
「何だよ。何かあるのかい?」
「いえ、かなり独特ですね」
「ははは、そうだろうな」
 親父は彼のその言葉に笑って返した。親父は今彼の前にいる。一つのテーブルに向かい合って座りだ。そのうえでうどんを食べているのだ。
 
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