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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1267話

 ナデシコから出撃したミロンガ改に乗って、俺はテスラ・ドライブを使いながら空を飛ぶ。
 てっきり連合軍の方から何か言われるかと思っていたんだが、特に何も言われる様子はない。
 ……いや、そもそも既にエステバリス2機が出ている以上、今更か。
 連合軍もチューリップに呑み込まれた戦艦を救出するのが最優先だろうし。
 それにミロンガ改の能力を少しでも把握しておきたい向こうにしてみれば、寧ろこの状況は願ったり叶ったりって奴なんだろう。
 にしても、戦艦を捕らえているって事はチューリップを空間倉庫に収納するのは無理か。
 元々この状況でそんな真似をしている時間がないというのは理解していたが、もしかしたら……本当にもしかしたら可能性は少ないながらも、チューリップを入手出来たかもしれないんだけどな。
 くそっ、連合軍め。つくづくこっちの足を引っ張ってくれる。
 ムネタケが妙な真似をしていなければ、恐らく今頃ナデシコは宇宙に上がっていただろうに。
 チューリップへと向かうと、当然のように触手がミロンガ改へと向かってくる。
 その攻撃をエナジーウィングを使い機体を斜めにして回避し、そのままビームサーベルで触手を切断した。
 まるで蛇かミミズのようにニョロニョロと動き回りながら海中へと落ちていくのを眺めつつ、ビームマシンガンを触手へと向ける。
 トリガーが引かれると同時に、無数のビーム弾が連続して射出され、触手を次々に砕いていく。

『ああっ! アクセルさん! ヤマダさんが!』

 ビームマシンガンで触手を破壊していると、不意にそんなメグミの悲鳴のような声が聞こえてくる。
 何だ? と海中の方へと視線を向けると、そこではエステバリス1機が触手により滅多打ちにされていた。
 それこそ、既にエステバリスの右手と左足が破壊されており、半死半生と言ってもいい。
 いや、エステバリスの特性を考えればコックピットブロックさえ無事ならフレームをすぐに交換出来て、また前線に復帰出来る。
 それを考えれば致命傷ではないんだろうが……そもそもエステバリスの動きが鈍い。

「ヤマダ、邪魔だ。ナデシコに退け!」
『うるせえっ! こっちは大丈夫だから、お前に心配される必要はねえんだよっ!』

 コミュニケではなく、ミロンガ改の映像モニタに映し出されたヤマダが、俺の通信を聞いた瞬間に怒鳴る。
 元気そうではあるが、足を骨折しているのは変わらない。
 それが理由で、こうして触手の攻撃を受けて機体を大破に近い様態になっているんだろうし。
 エステバリスの操縦をどうやってするのかは分からないが、それでも足を骨折してギプスで固めている状況で普段通りに操縦出来る筈がないだろう。
 間違いなく骨折は操縦に悪影響を与えている筈だった。

「お前の身勝手でナデシコに被害を与えるつもりか?」
『るせえっ! 俺はゲキ・ガンガーになるんだ! いや、俺こそがゲキ・ガンガーなんだぁっ!』

 叫ぶと、ヤマダはまだ何とか動く機体を使い近くの触手へと掴み掛かる。
 何だか自分が主人公だとでも言いたげな事を叫んでいるけど、この世界の主人公は多分テンカワだと思うぞ?
 そんな風に考えながらどうしようか迷っていると、不意に通信モニタにウリバタケが映し出された。

『おいっ、アクセル! その馬鹿を止めてくれ!』
「止めても止まるもんじゃないぞ?」
『いいから、頼む!』

 必死な形相というのはこういうのを言うんだろう。
 何だってそこまで必死になる? 
 そんな俺の疑問を理解したのか、ウリバタケは小さく息を吸ってから、それを吐き出すようにして叫ぶ。

『その馬鹿ともう1人の馬鹿が乗っていったのは地上戦フレームなんだよ!』
「……何?」

 その言葉に、エステバリスのスペックを思い出す。
 基本的にエステバリスというのは、フレームを変える事によってどんな戦場にも対応出来る能力を持っている。
 つまり、今ヤマダが……そしてもう1人ってのはテンカワが乗っているエステバリスは、陸戦フレームだという事なのだろう。
 そして当然ながら、陸戦フレームというのは空を飛ぶ事が出来ない。
 空を飛ぶ為には、別にある空戦フレームが必要になるのだから。
 何だってこの状況で陸戦フレームを装備していたんだ? 普通空戦フレームだろ。
 ああ、いや。敵が連合軍の戦艦だと判断してから、いざという時は敵戦艦に乗り込む必要があったとか?
 いやいや、それは有り得ない。そもそも、乗り込むのだって空戦フレームを使えば空を飛んで簡単に移動出来るんだし。
 空戦フレームだからといって、地上を歩けない訳じゃない。
 その辺を考えると、陸戦フレームよりも空戦フレームの方が汎用性は上だよな。
 ともあれ、この状況で空戦フレームを使っていない理由は分からないが、それでもこのままヤマダを放っておく訳にはいかないだろう。

『くそおっ! 俺は……俺は死なねぇっ! 帰ったらゲキ・ガンガーを見て、サラダを食うんだ』

 おいこら、馬鹿。死亡フラグを立ててるんじゃない。
 と言うか、何でここでサラダが出てくる。
 その死亡フラグはUC系ガンダムでのフラグだろうが。
 普段から肉ばっかり食ってるような顔をしているのに、サラダとかどこから出て来た。
 そんな俺の思いとは裏腹に、ヤマダはもう大破と言ってもいいような機体で空中へと飛び……いや、跳び上がり、次の瞬間にそのヤマダを狙って無数の触手が襲い掛かる。

「ちっ、馬鹿が! 手間を掛けさせるな!」

 ビームマシンガンのトリガーを引き、ヤマダの機体に叩きつけられそうになっている触手を次々に破壊していく。
 だがヤマダ自身が俺から逃げようとしているのか、それとも単純に機体の制御が出来ていないのか、ミロンガ改から離れるようにして移動していく。

「おい、ヤマダ! こっちに戻ってこい! それかナデシコに一旦戻れ! 出ないと死ぬぞ!」
『がっ、くそ! 俺がこんな場所で死ぬなんて事、絶対に……絶対にぃっ! なぁっ!』

 何かを言い掛けたヤマダだったが、まるでそのタイミングを待っていたかのように触手が上下左右全方位からエステバリスへと襲い掛かる。
 このままだと回避不可能、逃げる場所もない。ヤマダが死ぬ。
 ちっ、させるか。

「加速!」

 精神コマンドの加速を利用し、そのままテスラ・ドライブとエナジーウィングを全開にして、一気にヤマダの機体との距離を縮める。
 ただ、そこまでしても本当にギリギリのタイミングであり、とてもではないが手でエステバリスを拾い上げるといった真似も出来ない。
 となれば……

「しっかりと掴まって身体を固定しておけよ、ヤマダ!」

 その言葉と共に、Eフィールドを展開したままビームマシンガンで触手を破壊しつつ、ミロンガ改をエステバリスへとぶつける。
 それでもぶつかる直前にテスラ・ドライブによって極限まで速度を殺したので、ヤマダが受けた衝撃は予想していたものに比べれば遙かにマシだった筈だ。
 その代わり俺がミロンガ改の中で受けたGは、普通のパイロットなら肋骨へし折って血反吐を吐いていたくらい厳しいものだったが。
 俺が物理攻撃を無効化する混沌精霊だからこそ出来た荒技だ。
 ともあれEフィールドによって体当たりを食らわされたヤマダのエステバリスは、ぶつかる直前に俺がビームマシンガンによって破壊した触手の隙間を真っ直ぐに吹き飛んでいく。
 そして吹き飛んでいく先にあるのは、当然のようにナデシコ。
 あのままの速度で突っ込めば色々とやばいだろうが、減速する程度くらいはヤマダの今の機体でも出来るだろう。
 触手の方でも、いきなりのミロンガ改の動きには対応出来なかったのだろう。一瞬迷うように触手を揺らしていたが、次の瞬間にはエステバリスの代わりだとでも言いたげに、ミロンガ改へと向かって触手を叩きつけてくる。
 その触手を回避しつつビームサーベルで切断しながら、ふと疑問に思う。
 この触手はチューリップから伸びている代物だ。
 つまり、チューリップの一部に近い。
 だというのに、この状況で良くこっちの動きを理解出来ているな。
 勿論チューリップは無人機であり、そうなると動かしているのはAIの類の筈だ。
 その手の存在は、決められた事に対してはそれなりに反応が早いが、イレギュラーな出来事には対応出来ない。
 さっき一瞬にして目の前からヤマダのエステバリスが消えた時の躊躇がその証だろう。
 つまり、意表を突くというのがこいつらに対しては有効な訳だ。

「ま、だからってそう簡単に意表を突いたりとかは出来ないんだろうけど、な!」

 その言葉と共に振るわれるビームサーベルの一撃は、数本の触手を纏めて斬り裂く。
 同時に映像モニタにヤマダのエステバリスがナデシコに回収されているのを見て、安堵の息を吐く。
 もっとも、それ以外の……連合軍の戦闘機の生き残りはもうあまりいない。
 無数の触手によって叩き落とされているためだ。
 ただ、脱出している戦闘機のパイロットの数が多いのを考えると、人的損耗はそこまででもないようだが。
 テンカワの方は……と、左手でビームマシンガン、右手でビームサーベルを振るいながら周囲の様子を確認するが、その姿はどこにも見えない。
 おい、もしかしてヤマダみたいにやられたんじゃないだろうな?
 実際、テンカワはコック志望であって、パイロットというのはあくまでも副業的な認識だ。
 そうなれば当然パイロットよりもコックの方に集中するのは当然であり……

「ブリッジ、テンカワの機体はどうした? いつの間にか姿が見えなくなってるんだが」

 四方八方から振るわれる触手を、エナジーウィングを使った細かい移動を繰り返して回避しながら、ビームマシンガンとビームサーベルで撃ち落とし、斬り払いつつナデシコに通信を送る。

『あ、は、はい。その、テンカワさんは大丈夫です! ……大丈夫? はい、多分大丈夫です!』

 何だ? メグミの言葉が微妙に……ただ、この調子から考えると、確かに撃破されたって訳じゃないのは確かだろう。
 だとすれば……
 そんな風に思った時、映像モニタに海中を突き破るように飛び出してきたエステバリスの姿が映った。
 そのまま高く跳躍し、触手の注意を引いたかと思えば、まだ海中へと沈んでいく。
 どことなくバッタを思わせるその様子の正体は、陸戦用フレームだからこそだろう。
 ようは、ヤマダと同じだ。
 本当に、何だってこんな海で出撃するのに空戦フレームじゃなくて陸戦フレームだったのやら。
 ともあれピョンピョンと跳ぶというその動きは、寧ろ木星蜥蜴の注意を引いたらしい。
 俺の方へと襲い掛かってくる触手以外の触手……殆どの連合軍の戦闘機が撃破されてしまったせいで、その分の触手がテンカワの方へも向かって攻撃が激しくなっていた。
 それでも回避に専念してはいても、何だかんだで回避し続けているってのは凄いな。
 寧ろ早くに半ば撃墜されたヤマダと比べても、パイロットとしての才能はあるんじゃないか?
 ただ、味方の姿が少なくなってきたってのはこっちにとって必ずしも不利な訳ではなく……

「テンカワ、俺の方に近づいて来い!」
『うわあああぁああっ! え? はぁっ!? 何だってそんな触手のいる方に!?』
「いいから、死にたくないならこっちに来い。そうすれば取りあえずは何とかしてやる!」
『あーっ、もう! 分かったよ!』

 そう叫び、海の中へと沈んでは再び跳躍するという方法でテンカワのエステバリスはこっちの方へと向かって来る。
 未だにミロンガ改を狙ってくる触手をビームマシンガンで撃ち落とし、ビームサーベルで切り裂きながら、タイミングを合わせて再びテンカワへと通信を送る。

「よし、そのまま俺の横を通って後ろの穴から抜け出ろ!」
『いや、けどそれじゃあアクセルはどうするんだよ!?』
「問題ない、射程範囲内に味方がいなければどうとでもなる!」

 その言葉と共に入れ替わるようにしてテンカワが俺の背後へと……先程までの攻撃で開いた空間を通って触手地獄から抜け出す。
 同時に、俺はミロンガ改のエナジーウィングから刃状のエネルギーを射出し……こちらに向かってくる無数の触手を纏めて消滅させる。

『アクセルさん、そこから一旦退避を!』

 同時に聞こえてきた艦長の声に従い、その場から退避してこちらに向かってくるナデシコから距離を取る。
 その際に周囲を見れば、そこではテンカワのエステバリスがナデシコに着艦しているのが見えた。
 ……荷物搬入口からしか出入り出来ないミロンガ改にしてみれば、羨ましい話だ。
 ともあれ、そのまま真っ直ぐに突っ込んで行ったナデシコは、大きく口を開いたチューリップの口へと艦首を突っ込み……次の瞬間、チューリップは内部から爆発する。
 チューリップを貫いて虚空に消えていった、黒い攻撃。
 それは、俺に取っても非常に見慣れたものだった。
 即ち……

「重力波砲、か」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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