| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

忘れ去られし古伝

作者:さいぞう
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

二説目…
KNOCKIN ' ON HEAVEN 'S DOOR
  9話

拙者は、皆を守れなかったか。

だが、心地好い。

皆、笑っておった…く…もう、死ぬのに…
拙者に笑っておったな…

最期の意地。
この、我が友の血を吸い、皆の覚悟を受け継ぎし魔の刀と共に。

ただの肉の塊になり、なりえた、、うぐ、、
友が為に。








神々の圧倒的な数と力により、この隊は全滅しておる。

皆、一つ一つの仕事を終えて、よくやったなと。
互いに誉め合うような…
そんな、職人達のような笑顔じゃった。

五体をバラバラにされても、笑顔だけは。

友の為に死したあの、誇らしい笑顔だけは。


畜生にも劣る無惨な肉への行為も!
天使が奏でる、あの地獄の拷問も!


変えられなかったという。




その噂を風の便りに聞いた、あの炎剣の持ち主は寂しそうに、、
そして悔しそうに言っておった。





奴なら心配ないさ。

人間には、死場所てもんがある。
中々、そこに行ける奴はいないんだぜ?

奴は、それを見つけたんだ。
自分が望んだ、そういう所さ。
じゃあ最期はよお。

いい顔で逝ってただろうなあ…







そんな中、あの魔刀だけは、違っておった。

友達の血を吸い、、
さらに持ち主の血をも喰らい、、

それだけの呪われた武具と思われたが、魔刀は主の死を認めなかった。
魔刀は、意志を持つ。


刀もまた、主に惚れたのであろう。


その意志は、数々の命を吸ってきただけあり、、
実に強大であった。

主を生き返らせる程の。
 
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧