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エレンゲレクキ

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第二章

「現代化しているよ」
「もうそうだね」
「だから」
 グルシチョフは強い目で言った。
「今のナナイ族の調査だから」
「本当に偏見は省いて」
 意識してとだ、グローニスキーも言った。
「調べていこう」
「人にも聞いてね」
 そうしてとだ、二人で話してだった。
 そしてだ、彼等は実際にナナイ族の村を見て回った、そこはもうロシアの村と変わらず家以外の建物もそうしたものだった。
 それでだ、グローニスキーはまたグルシチョフに言った。
「ロシアの村とね」
「変わらないね」
「そうだね」
「そうだね、しかもね」
 さらに言ったグローニスキーだった。
「ナナイ族の人はアジア系だけれど」
「混血もね」
「進んでいるね」
「ロシア系の人とね」
「この辺りにも移住しているからね」
 ロシア系、彼等と同じルーツの人達がというのだ。
「だからね」
「混血もしているんだね」
「見れば」
 実際にだ、村もだ。 
 白い肌で背の高い人達もいる、その彼等を見て言うのだった。
「実際にいるしね」
「この村にもね」
「もうかつてのナナイ族じゃなくて」
「今のナナイ族だね」
「そうなっているね」
「ロシア文化も入って」
 そうなっているというのだ、そして。
 グローニスキーは深い雪に覆われた雪の道を進みつつだ、グルシチョフに白い息を出しつつ言ったのだった。
「ナナイ族も変わった」
「そういうことだね」
「いや、もうね」
「昔の文化はだね」
「残っていない、いや」
「そう思うのは早計だよ」
「そうだね」
 グローニスキーは同僚の彼の言葉に頷いた。
「それにはね」
「まだだよ」
「早いね」
「確かに文化は消えたりもするけれど」
「それでもだね」
「しっかりと見て回って」
「話も聞かないとね」
 村にいるナナイ族の人達、そしてロシア人達からもだ。ざっと見たところロシア人の割合は二割程度であった。
「それからだよ」
「どうかと言うのは」
「そうだよ、ではね」
「お話も聞いて」
「確かめよう」
 二人で話してだ、そのうえで。
 村をさらに調べた、村の人からも話を聞いた。服も現代のロシアのもので料理もだ。
 鮭や鱒の料理が多かったが、その味付けは。
 生の魚肉に醤油や酢、香辛料で味付けしたものだった。二人は村長、村でとりわけ年配のナナイ族の老人の家でそれをご馳走になった。
 そのうえでだ、村長に二人で言った。家はやはりロシアの三重の窓や扉と厚い壁で覆われた家である。暖房も充実している。
「日本の刺身ですね」
「それを思い出しました」
「日本、あの国ですね」
 村長も日本と聞いて言った。 
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