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ラブライブ!~μ’s feat.me~

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Aパート
  LIVE7 姉の迷惑

白夜とことりが付き合い始めてから1週間後、俺たちには刺客が迫っていた。
「今日から椎名先生の代わりにこのクラスを担当する鳴神風花です。よろしくお願いします。」
嫌だ!何でよりによって姉ちゃんが来るんだよ‼因みに説明しておこう。姉ちゃんと俺は姉弟で姉ちゃんは鳴神流剣法の後継者だ。俺でさえも組手で勝ったときがない。
「嫌だ……」
「刹那、これは諦めるしかねえぞ。」
「隼人、刹那しっかりしてください。いくら知ってる人とは言え先生なのですよ。」
いや、あいつは悪魔だよ。
『先生キレイだね。』
『先生、美の秘訣を教えて下さい!』
「美の秘訣かぁ~。それはね、一途に思い続けることだよ!」
「黙れよ、退化サキュバス。」
しまった‼小言とはいえ言葉になってしまった!
「刹那、後で保健室に来るように。」
何で保健室なんだよ‼せめて職員室にしろよ‼
「良かったじゃないか、刹那!」
「刹那、君のことは一生忘れないよ。」
てめえら、マジで殺す!


放課後の練習にて、
「はぁ⁉姉ちゃんがμ’sの顧問だと⁉」
「お姉ちゃん、久しぶり!」
「穂乃果、久しぶり。元気にしてた?」
「うん!雪穂も元気だよ!」
穂乃果が犬みたいに姉ちゃんに飛び付く。何でだろう?めっさ可愛い。犬耳があったら着けたいなぁ……………って俺は何を考えてるんだ!今はそんなことを考えてる場合じゃない!
「ねえ、1つ気になったこと聞いても良い?」
姉ちゃんにそう言われると全員が首を傾げる。
「何で部活しないで勉強やってるの?」
「あー、それはだな、赤点とるバカが出るとラブライブっつう大会に出場出来ないらしい。それで今勉強してるって訳だ。」
「皆、勉強苦手なの?」
「穂乃果は数学が……」
「凛は英語が……」
「わ、私は「ワシワシするで。」数学が平均点よりちょっと……」
「俺は物理が……」
勉強出来ない組が口を揃えて言っていく。まぁ隼人、御愁傷様。何でかって?それは、
「物理なら私が教えてあげよっか!」
姉ちゃんは物理に目がないからだ。
「お、おい刹那。なんかヤバくなってきた……」
「良かったじゃないか、隼人。これで物理が好きになるぞ。」
俺と同じ苦しみを噛み締めて過ごしやがれ。
「俺を捨てる気か⁉」
「当たり前だろ。」
「だって世の中ではこう言うじゃん。」
「「人の不幸は蜜の味!」」
俺と白夜は声を揃えて同じことを言った。
「穂乃果、本当に隼人達は友達なのでしょうか?」
「穂乃果に聞かれても困るな。ね、ことりちゃん?」
「う、うん……」
「そう言えば、先生はどこに行ったんですか?」
花陽が聞いてきた。たしかに、みてないな……
「それなら、さっき持ってくるものがあるって言ってたにゃ。」
「皆、お土産を持ってきたよ!」
姉ちゃんが急にドアを開けて持っていた袋の中から取り出した変な人形をテーブルの上においた。なんか、嫌な予感しかしねえ……
「これは何なん?」
「これはね、私が開発した人形。その名も『擬似ドール』。この鼻を触った人の前意識を読み取って自分で行動するんだよ!」
嫌な予感的中!ツッコミどころが多すぎてどっから突っ込んで良いのか分からねえ!
「ねえ海未ちゃん、ぜんいしきって何?」
「そ、それは……」
お困りのようだな。さて、ここは俺の知識を貸してやるとするか。
「穂乃果、海未、よく聞けよ。ジークムント・フロイトの無意識っつうのは『抑圧する無意識』で、無意識自体には、何の目的性もなく、自我との関連で、心理力動的に意識に影響を及ぼすものだ。無意識の領域にある記憶や知識は意識に昇ることは通常ないが、自由連想法などを通じて、意識化することも可能であり、抑圧されて、無意識領域にあった記憶等が思い出されるということは、自由連想を通じて、抑圧記憶がまず前意識に移動し、そこから更に、意識の領域へと移動し、意識化されるということを意味する。このような過程を繰り返すことで、無意識の『抑圧構造』が変化し、抑圧によって生じているとされた神経症の症状等が治癒するというのが、フロイトの治療理論であったんだ。」
「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、しっかり!」
あ、穂乃果と海未が夢の中へ旅立った。
「へー、刹那も勉強したんだね。感心したよ。」
「俺は昔から無駄なものばっかり覚えてたからな。」
「凛ちゃん、なんかよく分かんないけど面白そうだね。」
「かよちんと一緒にやってみるにゃ!」
そう言って花陽と凛が人形の鼻を押す。すると、テーブルの上にはデフォルメされ、猫とか犬の耳を生やした凛達が現れた。
「「か、可愛い。」」
うむ、なかなか可愛い。が、気を付けるんだ。奴は何かを狙っている。
《かーよちん!大好きにゃ!》
《凛ちゃーん、近すぎるよ。》
「「に、人形がしゃべったーーー⁉」」
「先生、これはどういうことなのですか!」
「前意識ってね、分かりやすく言うと本音っていうことなんだ。」
軽々しく応答したな、おい!
「それでその人形は使用者の本音を暴露するということか?」
「そゆこと。」
「「「えぇええええええ⁉」」」
「どうすんのよ!もう押しちゃったじゃない!」
《はぁ、皆の前で気取ってるのは疲れるわ……もう少し甘えたりとかしたいのに……》
「何言ってるのーーー⁉」
ほう、これは真姫の人形か。やはり気取ってたのか。
「もう、皆は面白いなぁ。」
《ウチは刹那のこt「ちょっと何言ってるん⁉」ピギャァァアアア!》
聞きたい‼せめてその続きを言って去ってくれ‼
「ははは、皆も面白いね。」
「ハク君はどう思う?」
「ん?何が?」
《ハク君は今日の撮影会の衣装は何がいいと思ってるの?》
《本当に勘弁してください。》
白夜、お疲れさん。
「ちょっと何やってるのよ!」
《にこにこにーにこにこにーにこにこにーにこにこにーにこにこにーにこにこにー》
ここにアイドル目指し過ぎて脳内ぶっ壊れの女子が一人。
「皆も大変だな。ま、俺は疚しいことなんて1つもないけどな。」
《海未のスカートの中がもう少しで、な、あれは⁉》(ブッシャアア)
「は、隼人、ハレンチです!」
「ち、違う!これは男の本能で、な、刹那!」
「俺を巻き込むな!」
《獅子神、何いろだったん……な、あれは穂乃果の⁉》(ブッシャアア)
や、ヤバイ‼これは絶対に臨死体験は免れない!
「刹那、先に行ってくれなきゃ困るよ。」
その反応は逆に困るんだよ!
《刹那、すごくエッチなことする?》
《するする!》
「「………」」
この言葉により部室内に沈黙が流れる。そして、考えるに考えた結果、俺と穂乃果はある結論に辿り着いた。
「穂乃果、」
「刹那、」
「「逃げよう。」」
俺たちは静かに席を立ち、静かに去っていった。

俺たちは部室を去ったあと、屋上でゆっくりしていた。
「なぁ、穂乃果。」
「なに?」
「あれって嘘だよな?」
「そう思ってくれると助かるんだけど……否定は出来ない。」
うっ、まさかこの人形が穂乃果を壊すとは……
「まだ責任取れる歳じゃないからな?そこは察してくれ。」
「うん……」
「キスくらいならできるぞ?」
俺とは違う声。
「2分間耐久?」
穂乃果とも違う声。
「「なんで、ここに⁉」」
その声の主は姉ちゃんであった。
「二人ともごめんね。まさか、こんなピンクな雰囲気になるなんて思ってなかったからさ。帰ろっか?」
「「はい。」」
それからその人形は焼却炉行きになったのだった。

翌日……
俺はいつものように目覚ましのせいで心地悪い朝を迎えた。だが、それよりも最悪な物が俺のヘッドパーツに装着されていた。
「眼…鏡……だと?」
「刹那、おはよ!」
目の前には歩く骸骨が。ほう、これは透視できる眼鏡か。これを作った奴はアイツしかいない。
「穂乃果、スマホを取ってくれ。電話しなきゃいけないところがある。」
「えっ、あー、はい。」
俺は穂乃果(骸骨)からスマホを受け取り番号を非表示にして電話する。
『はい、鳴神風花ですけどどちら様でしょうか?』
「…………キサマヲコロス」
『あ、刹那か。お姉ちゃんが恋しくなったの?』
なぜ俺だと分かったんだ⁉
「んな訳ねえだろ。というかこの眼鏡『それは人間を透視できてね、年頃の男の子にはたまらない商品だよ!』裸どころか骨まで見える始末なんだが?」
『それじゃあ、学校に来たら直してあげる。』
「外すだけで良い‼」
まったく、姉ちゃんはいろいろと面倒なことに巻き込むから困るんだよな。それから飯を食い、周りの骸骨達(海未とことりと穂乃果+男子二人)と話ながら学校に行った。学校に到着すると同時に俺は姉ちゃんのところに飛んでいった。
「早く直せぇぇえええええ!!」
「刹那、会いたかったよーーー‼」
説明しよう!姉ちゃんは極度のブラコンなのだ。だから俺の電話の声も分かったのだ。
「いいから、ハヤクナオセ。」
「ワカリマシタ。」ガクガクガク
俺が睨みを利かせて注文すると姉ちゃんは眼鏡を取った。そこを狙って俺は逃げた。
「あ、ちょっとー!」
遠くから聞こえる声を無視して俺は全力で逃げる。これで骸骨とはおさらばだ!バカ姉め、俺の勝ちだ!

10分後……
朝のHRが終わり、姉ちゃんから速攻で眼鏡をかけられた。そうか、バカは俺の方だったんだな。姉ちゃんが俺らの担任だということを忘れていたからな。
俺は勇気を出して視界を開く。すると、そこには明るめの緑の下着が1つがあった。危うく鼻血が出そうになったため俺は下を見る。そこで声をかけてきたバカがいた。
「刹那君のその眼鏡かっこいいね。」
「ことりか……これはな、」(ブッシャアア)
俺の我慢は限界点まで達していた。
「刹那君、大丈夫⁉」
「刹那、どうしたのですか⁉」
水色の下着が追い討ちをかけてくる。俺の鼻血はますます激しくなる。
「刹那、何があったの⁉」
オレンジの下着が!刹那に9999のダメージ。刹那の血は出尽くした。
「刹那、遺言は?」
「ハク君、そんなことを言ってないで助けてあげてよ⁉」
「なら、俺がこいつの鼻血の原因を教えてやろう。」
「何なのですか?」
「鼻血、眼鏡、この二つで出てくるキーワード。それは___」
「「「それは?」」」
「透視眼鏡、だろ?」
「「「透視眼鏡?」」」
「透視眼鏡とはその名の通り色んな物を透かして見ることができる眼鏡だね。でも、そんなものを開発できる人がいたなんてビックリだよ。」
「そんなものを開発できる人と言えば、刹那のお姉さんしか居ないと思うのですが………は⁉まさか、それを使って下着を……」
「認めます!認めますからとにかく弁明をさせて下さい!」
それから、テストが始まるまで拷問や自白の強要などを強いられた。姉ちゃんが来て説明してくれたおかげでなんとか一命をとりとめた。

テストが終わり放課後、屋上には爽やかな風が吹く中、七人の女子生徒、男子3人がいた。これは男子からみれば羨ましい光景だろう。さぁ、そこの『その立場を俺に寄越せぇぇええええ!』という君!今ならただで代わってやろう!ただし、これを耐えられるならな!
「う、海未。これは冗談だよな?」
「いえ、報いはしっかりと受けてもらいます。」
「ことり、これって嘘だよね?」
「ううん、これはね現実なの。」
「お、おい穂乃果、これは遊びだよな?」
「何言ってるの?」
「「「なんで、屋上の柵のところに縛られなきゃいけないんだ⁉」」」
「「「大丈夫、すぐに楽になる(なります)から。」」」
駄目だ、俺たちはもう助からない!
「「これも刹那のせいだー!」」
そう、この二人は俺が巻き込んだんだよ!昼休みの時に俺のスピードの速さを活かしこいつらにも眼鏡をかけてやったんだ。ふん、自分だけ助かろうなんてバカなことを考えたお前達が悪いんだ。
「俺ら、友達だろ?」
友達なら一緒に天昇しようぜ?
「友達を道連れにする友達は居ないと思うけど⁉」
「では、早く地に堕ちて下さい。」
海未の言葉と同時に俺たちを縛っていたロープが切れる。それと同時に俺たちは宙に浮く。地に堕ちるまでは意外と早かった。走馬灯って見えるものなの?って、
「「「死ねるかぁぁあああああ‼」」」
俺たちはその言葉と共に地を力強く踏んだ。そして、校舎に入って即行で屋上に行った。
「「「なぜ生きて⁉」」」
それは彼氏に送る言葉か?
「ふん、僕たちを甘く見てもらったら困るよ。」
「こんな処刑なんて中学の頃は日常茶飯事だったからな。」
「そして、俺たちは元殺し屋だぜ?」
「「「この程度じゃ死なねえ(ない)よ!」」」
あ、言っとくの忘れてたけど白夜も獅子神も元殺し屋です。
「はぁ、んなことはどうでも良いからさっさと練習始めるわよ。テスト期間中ろくに練習してないんだから。」
どうでもいいとは何だ、どうでもいいとは。
「それもそうね。さ、早くやりましょ。」
「真姫ちゃんが珍しくやる気にゃー。」
「ち、違うわよ!」
「またまたー。」
「こら、凛ちゃん!」
「かよちんが怒ったにゃー。」
「では、練習を始めますか。穂乃果、ことり、始めますよ。」
「「はーい。」」
「隼人達はいつも通り、テンポが遅れた人に声をかけてください。」
「りょーかい。」
海未はなにもなかったように接してくる。何だかんだ言って海未は案外優しいのかもしれない。
「では、最初の………」
それから二時間の海未の極悪卑劣残虐無人な練習メニューを終えた穂乃果達といつもに比べて楽だった俺たちはは帰って行った。皆、だいぶ成長してきたな。 
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