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魔法少女リリカルなのは~無限の可能性~

作者:かやちゃ
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第2章:埋もれし過去の産物
  第28話「闇の欠片」

 
前書き
大体察してる人もいると思いますが、U-Dとかの設定が変わっています。
 

 






   ―――...あの、■■■。

   ―――なんでしょうか?

   ―――もし、私がどんな目に遭っても助けてくれますか?

   ―――もちろんです。私は貴女の騎士ですから。

   ―――...ありがとうございます。

   ―――しかし、なぜ突然そんな事を?

   ―――....いえ、私、皆さんにあんまり何もしてあげられないので...。

   ―――何を言うんですか■■■。貴女は私達に労りの言葉を掛けるだけで十分です。

   ―――でも....。

   ―――貴女は優しい。だから私達に任せてばかりは嫌なのは分かります。
   ―――ですが、“何かしてあげなくては”と思う必要はありません。
   ―――貴女は、私達の主ですから。

   ―――■■■....。

   ―――それに、貴女は治癒魔法で治療してくれるではないですか。
   ―――本来なら、私達騎士は、主である■■■の手を煩わせてはいけないんですよ?

   ―――あはは...。

   ―――ですから、■■■が深く悩む必要はありません。

   ―――すみません■■■...。貴女にこんな事を言ってしまって...。

   ―――幼い頃からの付き合いです。構いませんよ。

   ―――....ありがとうござます。











       =優輝side=



「.....既に結界が張られてる、か。」

「そうみたいだね。」

  落ちてきた時は気にしてなかったけど、僕達がいる場所を含めてかなり広範囲で認識阻害の結界が張られている。多分、それだけ広範囲で何かが起きているのだろう。

「正直、うろ覚えだから何が起こるのかはほとんど忘れてる。気を付けて、緋雪。」

「分かってるよ。」

  緋雪にそう言いつつ、飛んでいると正面から魔力を感じる。

「...誰かいるな。」

「...うん。」

  夜だから見えにくい。でも緋雪なら吸血鬼だから夜目でもはっきり見えるはず。

「あれは....なのはちゃん?」

「高町さんか...。」

  近づいて僕にも見えるようになる。
  ....少し様子がおかしいな。

「え、あれっ?あの、あなた達は....?」

「....解析魔法。」

   ―――対象の名称、通称“闇の欠片”

   ―――対象状態、正常。

   ―――対象構成材質、魔力。

   ―――参考にした素体がある模様。

  .....どうやら、高町さんの偽物のようだ。

「(正常か...。そういえば、解析魔法でも魅了されてるのは分かったな。なら...。)」

「...えーっと、私、何かしたかな..?」

  状態が正常と言う事は、偽物とはいえ目の前の高町さんは魅了されていないらしい。

「...一つ聞きたいけど、織崎神夜の事をどう思ってる?」

「神夜君の事?....っつぅ...!え..なに、これ....!?」

  一つ質問してみると、突然高町さんは頭を抱えだした。

「神夜君は....彼は.....!」

「お、お兄ちゃん、これは...?」

「......。」

  すずかちゃんとアリサちゃんは魅了されている時の記憶もあった。
  だから、偽物とはいえ高町さんで試してみたかったんだけど...。

「嫌い....あんな人...大っ嫌いっ!!」

「っ!緋雪!」

「だ、大丈夫!」

  癇癪を起こすように魔力弾が放たれる。
  僕も緋雪もなんとかそれを躱す。

「どうやら、偽物...闇の欠片でも魅了されてる時の記憶はあるようだ!そして、その時の記憶を強く嫌悪してる!」

「それで私達に攻撃!?とんだとばっちりだよ!?」

「そうだな!しょうがない、倒すぞ!」

  飛んできた魔力弾を二丁拳銃に変化させたリヒトで撃ち落とす。
  緋雪も“破壊の瞳”で魔力弾を破壊したようだ。

「緋雪!僕が牽制するから攻撃を!」

「了解!」

  こんな真正面から砲撃魔法は隙だらけ。
  だけど、偽物且つ錯乱している今の高町さんなら...!

「“ドルヒボーレンベシースング”!」

「っ...!“ディバインバスター”!!」

  読み通り、相殺してくる。
  すぐさま砲撃魔法の制御を片手だけにしてリヒトを剣に変える。

「斬り開け!!」

〈“Aufblitzen(アォフブリッツェン)”〉

  砲撃魔法の術式を破棄し、砲撃魔法に回していた魔力を身体強化とリヒトに回す。
  そして、目の前まで迫ってきた砲撃魔法を切り裂く。

「緋雪!」

「っ!貫け!焔閃(えんせん)!!」

〈“Lævateinn(レーヴァテイン)”〉

  砲撃魔法を切り裂かれ、動揺した高町さんの目の前まで緋雪は跳び、フランのレーヴァテインとしてではなく、ベルカ時代にあった魔法としてのレーヴァテインを放つ。

「く、ぅううううううっ....!!」

「はぁああああっ!」

  辛うじて防御魔法が間に合ったようだけど、そんなのは焼石に水。
  あっさりと防御魔法を貫き、高町さんは貫かれる。

「っ...ぁ....にゃ、にゃはは...ごめんなさい。八つ当たりしちゃって....ありがとう。」

「「......。」」

  貫かれた高町さんは、そう言って消えて行った。

「....これも、あいつのいるから起きた事なの?」

「そうみたいだな...。とりあえず、知り合いとかの偽物が現れるようだ。椿と葵にも伝えておかないと...。」

  緋雪が織崎に対して怒りを抱いているのを余所に、葵に念話を飛ばす。
  葵はデバイスになってから念話が使えるようになったので、連絡を取りやすくなって助かる。

「『葵、聞こえる?』」

『聞こえるよー?どうしたの?何か見つけた?』

「『見つけたというか、報告。どうやら結界内には知り合いとかの偽物が出現するらしい。通称“闇の欠片”。強い人物の偽物が現れる可能性もあるから気を付けて。』」

『りょーかい。....っと、言った傍から出てきた。切るね?』

  そう言って葵から念話を切られる。...交戦に入った模様だな。

「そういえば、魔力が大きい程魅了の効果は強くなるってあったな。...その弊害か。高町さんのあの嫌悪っぷりは。」

「本当、いい迷惑だよね。」

「まったくだ。」

  しかし、闇の欠片か...。どういった基準で出てくるんだ?
  まさか、結界内の人物は全て模倣される...?

「....厄介な事件だな...。」

「そうだね....。」

  ...さて、戦闘を開始したらしい椿たちは大丈夫かな?







       =椿side=



「っ、はっ!」

  矢を放ち、牽制する。

「かやちゃん!そいつらは全員偽物!本物じゃないよ!」

「道理で!こんな街中に“(あやかし)”が大量に現れる訳ないものね!」

  葵が優輝と連絡を取り合ってる最中に、いきなり妖が現れた。
  今の時代、もう全て幽世に還ったかと思っていた妖の出現に驚いたけど、偽物だったのね。

「なら、さっさと片付けるわよ!」

「後衛は任せたよ!」

  そう言って葵はレイピアを持って妖の大群に斬りこむ。

「ちゃんと避けなさいよ!“弓技・火の矢雨”!!」

  炎を纏わせた矢を上空に放ち、それが炸裂し、炎を纏った霊力の細かい矢の雨が降り注ぐ。

「あははっ!あたしは散々かやちゃんの矢を喰らってきたからね!これぐらい避けれるよ!」

「それ自慢する事じゃないでしょ!?」

  しかも矢を喰らわせる原因のほとんどが血を吸おうとする事だし。

「っ....“戦技・四天突”!」

  葵が矢の雨に耐えた、もしくは避けた妖に対して高速の四連突を繰り出す。
  元々槍術師が使う技だけど...レイピアならむしろ相性がいいわね。

「...っと。...あら?これで終わりかしら?」

「あれ?そうみたいだね。」

  葵から少し離れた所に残っていた妖を撃ち抜き、一段落着く。
  どうやら、そこまで大量に出てくる事はないらしい。

「本物と比べて弱かったわね。」

「そうだね。本物の強さなら今の強さだと厄介だけど。」

  そう言って私達は臨戦態勢を解除する。

「さて、偽物が出てくるのは分かったけど少し疑問に思うわね。」

「うん。この結界は明らかに“魔法”。私達式姫とは関係がないはず。それなのに妖の偽物が出てきた。」

「黒幕が私達式姫や妖の事を知っているのなら話は別だけど、知らないのなら偽物が現れるはずがないわね。」

  魔法関連なのに妖が出るはずがない。それに私達は引っかかった。

「...もしかして、偽物には基準があるのかしら?」

「基準?」

「ええ。...さっきの妖は全部それなりに印象に残っていた妖だったわ。」

  気づいた推論を述べて行く。
  さっきの妖には“しょうけら”などの厄介だったからよく覚えていた妖などがいたのよね。

「...多分、偽物は私達...結界内にいる者の記憶から作りだされているのだと思う。」

「なるほど...。うん、あたしもそう思うよ。」

  けど、記憶からとなると厄介ね。
  ...それこそ、“あの子”の偽物が出たら...例え、偽物でも危険すぎるわ。

「...情報収集に戻りましょ。葵、一応偽物に対する考察を優輝たちに伝えておいて。」

「りょーかい!」

  今は情報を集めるのが先決。気にしてもしょうがないわ。







       =優輝side=



「『...なるほど。確かに辻褄が合うね。』」

『とりあえず、そう想定しておいてね。』

「『わかった。そっちも頑張って。』」

  葵との念話を切る。すると並んで飛行していた緋雪が訪ねてくる。

「どうしたの?」

「偽物...闇の欠片は結界内の人物の記憶から作りだされてるかもしれないってさ。」

「へ~...って、それって結構やばくない?」

  緋雪の言うとおり、強い奴も偽物として現れるので結構やばい。

「...かといって、結界内じゃないと情報の集めようがないだろう?」

「うー、そうだけどさ...。」

  結界があるって事は魔法を隠蔽してるって事。なら、結界外に行った所で結界を維持してる魔導師ぐらいしかいないだろう。...情報を集めるにはやはり結界内でないと。

「(思い出せ...“原作”と現実は違うとはいえ、参考にはなるはずだ。思い出せ...!)」

  今巻き込まれている事件との類似点が多いゲームの内容、もしくは設定を思い出そうと僕は悩む。今の所分かってるのは偽物が闇の欠片と呼ばれる存在って事だけ。
  後、過去に遡っている事ぐらいか。

「(確か...ほとんどの登場人物が関わったはずだ...。...って、大した事じゃないな。)」

  ここまで大規模な結界だったらそりゃあ、当然の如く大人数が関わるだろう。

「....他に未来から来た人を探すか。」

「えっ?どうして?...というか、他にも未来から来た人がいるの?」

  僕ら以外にも未来から来る人物がいたのを思い出す。
  ...というか、なんで未来から巻き込まれるのは分かっていたのに忘れてたんだ?

「まぁな。...思い出せないけどね。少なくとも、僕らだけではないはずだ。」

「そうなんだ。...でも、どうして?」

  なぜ探すのか疑問に思う緋雪。

「思い出してみろ。今の時期、僕らは司さんとでさえ仲良くなっていない。それに、女性のほとんどが魅了を喰らっている。...なら、少しでも魅了に掛かってる可能性の少ない未来の人の方がいいからな。それと、同じように未来から来たって事で何か分かるかもしれないし。」

「なるほど....。」

  まぁ、どちらを探してもどちらかには嫌でも遭遇するだろうけどね。

「他にも、あまり管理局に椿や葵の秘密は知られない方がいいしな。僕らの時代でこそ何とか受け入れられたけど、ここは過去だし。」

「厄介事になりかねない...って事?」

「そう言う事。緋雪が吸血鬼って事もね。」

  ばれたら目を付けられるしね。クロノとかなら何とかなりそうだけど...。

「じゃあ、未来から来た人達を探すんだね。」

「そうだね。...まぁ、僕らも見覚えがない人を探せばいいだろう。」

  少なくとも見覚えのある人は今の人だろうし。

「問題はその人が敵じゃないかどうかだけどね。」

「あっ...。」

  同じように未来から来たからって味方とは限らない。
  最悪の場合、僕らと敵対していて過去の僕らを殺そうとしてくるだろうしね。

「...っと、また誰かが....って、げ。」

「誰...あー....。」

  また誰かが来たかと思ったら、銀髪に金ぴかの鎧...王牙だった。

「偽物?...どっちにしても会いたくないけど。」

「うーん...偽物だね。」

  解析魔法を掛けて判断する。
  ...なら、遠慮なくやれるかな。

「...誰の許しを得て(オレ)を見ている、雑種。」

「(あ、これ完全ギルガメッシュだ...。)」

  言っちゃなんだけど偽物のが強いなこれ。
  威圧感も王牙と比べものにならない。...王牙の威圧感がなさすぎるだけだけど。
  ...いや、偽物ってだけで王牙には変わりないんだけど...なんだこれ。ギルガメッシュの特典を持ってるからギルガメッシュみたいな思考になったってか?

「ど、どうするのお兄ちゃん?」

「.......。」

  戸惑う緋雪を余所に静かに剣を構える。
  どの道闇の欠片なら倒しておかないと....。

「ほう、剣を向けるか。」

「...悪いけど、お前はここにいてはいけない存在だ。倒させてもらう!」

「思い上がるなよ?雑種如きが!」

  瞬間、飛んできた剣を避ける。
  やっぱり本物より速いし狙いが甘くない!偽物のが強いってどういうことさ!?

「緋雪!遠慮はするな!多分、本物より強いぞこいつは!」

「わ、分かった!」

  偽物も僕らを敵だと認識したのか、王の財宝を開放してくる。
  元ネタよりも慢心してない!?厄介すぎないか!?
  ....いや、ステータス的な部分で大いに劣っているから元ネタよりは圧倒的に弱いけど。

「くそっ!」

「きゃっ!?..っとと...“スターボウブレイク”!」

「っ!ナイス!」

  量の多い宝具に対し、僕は一部を弾きながら避け、緋雪は一度射線上から避けて弾幕を張って相殺を試みる。
  それによって宝具の弾幕が薄くなったため、僕は突っ込む。

「(宝具に解析魔法を掛ければ“創造”で投影できるだろうけど...って、これ闇の欠片だから偽物じゃないか!?意味ないじゃん!?)」

  Fateの士郎のように対処しようとして、無理だと気付く。

「くっ...リヒト!」

Zwei Schwert form(ツヴァイシュヴェルトフォルム)

  リヒトを双剣の形にして斬りこむ。

「む....!?」

「フォイア!」

  そして、“創造”で創りだしておいた剣を射出し、宝具を相殺していく。

「な、にぃ...!?」

  懐まで行くと、偽物は驚愕する。
  まぁ、双剣で宝具の大群を抜けてきたからな。
  だけど、懐に飛び込んだ所で僕は双剣を左右に振りきった状態。隙だらけだ。

「(けど、それは剣を持った状態での話!)」

  リヒトから手を離し、掌に魔力を溜め....。

「“ドルヒボーレンベシースング”!」

「な...!?ぐぁああああ!?」

  砲撃魔法を放つ。魔力消費を抑えるために威力は軽減したけど...。

「緋雪!」

「切り裂け!焔斬(えんざん)!」

〈“Lævateinn(レーヴァテイン)”〉

  後ろに回り込んでいた緋雪が焔の大剣でぶった切る。

「お、のれぇええええええ.....!!!」

「....やったか。」

  叫びながら消えて行く王牙の偽物を見ながらそう言う。
  ....決してフラグじゃないからな?

「...まさかとは思うが、闇の欠片の原因の近くだったらさらに出現しやすくなるのか?」

「うぇえ....それは嫌だなぁ...。」

  さっきのように性格の違いで厄介な場合もあるから、それは嫌だ。

「....幸い、偽物だとデバイスまでは再現しきれてないみたいだが...。」

「でも、それってインテリジェントデバイスの時だけだよね?」

「...厳密に言えば、高度なAIを持ったデバイスは....かな。」

  高度のAIがあると、マスターをサポートするからな。リヒトやシャルだって助言してくれるし、インテリジェントデバイスならなおさらだろう。

「一度僕の推察も交えて闇の欠片の特徴を纏めてみよう。」

「色々と分かってた方が対処も楽だもんね。」

  ...と言っても、解析魔法と実際に戦って思った事ぐらいしか分かってないけどな。

「まず、闇の欠片は僕ら...厳密に言えば結界内にいる人物の記憶から作られている。」

「その人物の事を鮮明に覚えてればその分細かく再現されたりするのかな?」

「さぁ?そこまではまだ分からないけど...。次に、戦闘力。これは偽物と言えるだけあって本物より弱いのが普通だな。...王牙の場合は油断や慢心がない偽物の方が厄介だけど。」

  それでも僕と緋雪で攻めればあっさりと倒せるぐらいには偽物は弱い。

「...で、闇の欠片がどこまで再現してるかだけど...。おそらく、デバイスと耐久度以外はほとんど再現されていると言ってもいいね。記憶を含めて。」

「デバイスはAIの部分で再現しきれないのは分かるけど...耐久度?」

  耐久度に関しては分からないのか、緋雪は疑問に思う。

「闇の欠片は見たところ、魔力で作られた生命体のようなものだ。よって、魔力ダメージだけにする非殺傷設定で攻撃しても非殺傷にはならない。その部分がオリジナルよりも耐久度が低い要因となってると思ってる。」

「そういえば、さっきもレーヴァテインで真っ二つにしたっけ?」

「幸い、魔力で作られたからかグロい状態にはならないけどな。」

  いくら殺してしまう覚悟とかはあっても、グロいのは耐性がないとな...。

「...それと、闇の欠片って名前なだけあって、少しでも大ダメージを喰らえば偽物を作る術式と言うか...基盤のようなものが崩れるんだろう。それだけ脆い存在になっているのも、耐久度が低い理由の一つだ。」

「なるほど.....。」

  ただ、攻撃力は変わらないっぽいからそこは気を付けないとな。

「...で、これは多分一番重要な事なんだけど...。闇の欠片は、オリジナルと性格が違う事がある。例えばさっきの王牙のように。」

「明らかに余計に偉そうだったよね。あまりどっち道厄介だけど。」

  ギルガメッシュ寄りの性格だったからな...。

「でも、性格が違うだけでそこまで重要なの?」

「ここからは推測になるんだけど、さっきの王牙は性格が違っていて、その前の高町さんは魅了に掛かっていなかった。...つまり、本物とは相違点があるんだ。」

「うん。偽物だからね。普通に考えてあるとは思うけど...。」

「王牙の方はまぁ....あれだけど、高町さんの場合は織崎に対して嫌悪感を露わにしていた。それこそ魅了が解けて心が惑わされていたのに気付いた(・・・・)かのように。」

  あの嫌悪感は明らかに異常だ。アリサちゃんやすずかちゃんは戸惑うだけだったのに。

「所謂IFって奴かな?“もしこうなっていたら”な出来事を辿ったかのように性格の違いや記憶の違いがあるのだと思う。」

「IF....でも、それって重要なの?」

  あー、まだ分かりづらいか...。

「例えば、緋雪の偽物が出たとしよう。普通なら会話だけで事が終わりそうだけど闇の欠片の場合....そうだな、あの誘拐事件で僕に助けられなかったIFを辿ったような性格をしているかもしれない。」

「っ....!それって...!」

「...まぁ、そう言う事だ。」

  所謂バッドエンドを辿った性格...簡単に言えば負の側面に偏った性格になっている可能性がある。...王牙のはよく分からんが。

「そういう違いから戦い方にも変化がある。だから厄介になるかもしれないって事。」

「....気を付けなきゃだね。」

「ま、極論を言えば闇の欠片なんだし本物と区別して倒せばいいんだけどね。」

  どの道倒すし、戦う時は戦法の違い以外気にする事もないだろう。

「さて、じっとしてる訳にもいかないし、誰かいないか探すぞ。」

「うん!」

  椿たちも頑張ってるし、僕らも頑張らないとな!







 
 

 
後書き
原作での闇の欠片の詳しい設定は知りません。
飽くまでこの小説での設定ですので、そこの所ご了承願います。 
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