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IS~夢を追い求める者~

作者:かやちゃ
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第2章:異分子の排除
  第18話「桜vs秋十」

 
前書き
桜がいかにチート染みてるかが分かります。(ISの機能あんまり関係ないし。) 

 




       =秋十side=



「ふぅ....よし!」

  ピットからアリーナへと飛び出す。
  桜さんは既にアリーナにいるので、俺は対峙するように桜さんの前に行った。

「さて、いよいよだが....。」

「...剣道場の時のようには行きませんよ?」

「そりゃ、楽しみだ。」

  俺も桜さんも至って普通の近接ブレードを展開する。
  そして、正面で構える。

「っ、はぁああああああ!!!」

  試合開始の合図と共に、先手必勝とばかりに俺は突っ込む。

「甘い。」

「っ!(流水の動き!)」

  振るった一閃は流水の如き動きで避けられる。
  オルコットとの戦いでもあった、“心に水を宿す”動きだ。

「ふっ!」

「くっ!」

  一閃は上に避けられたため、一回転すると共に桜さんは足を振り下ろしてくる。
  それを、俺は“身に土を宿し”腕で防御する。

「っと、やはりそれを使ってきたか!」

「伊達に桜さんの動きを見てきた訳じゃ...ありませんから!!」

  足を押し返すように弾き、瞬時加速(イグニッション・ブースト)と“動きに風を宿す”事を併用し、桜さんの後ろに回り込む。

「燃え盛る...焔のように!!」

「っ!?」

   ―――“羅刹”

  桜さんが完全に振り返る前に“技に火を宿し”業火の如き激しさで剣を振う。

「はぁああああああ....!!」

「っ、これっ、は.....!」

  疾風の如き動きと、業火の如き激しさを合わせた剣戟は、流水の動きを宿した桜さんでも、捌くのが精一杯のようだ。

「はぁあっ!!」

「ぐっ...!だが、これで凌ぎきった!」

  だが、俺もそれ以上の攻撃は放てなかったため、全て凌がれてしまった。

「お返し...だ!」

「っ!」

  全て捌かれ、隙を晒した俺に容赦なく桜さんはカウンターを放ってくる。
  それを....。

     ―――ギィイイン!

「経験上、こういうのには慣れてるんですよ...!」

「っ、やるじゃないか...!」

  空いた片手にもう一本ブレードを展開し、逆手に持って攻撃を防ぐ。

「でも、俺ももう片手余ってるんだよ、なっ!」

「っ!」

  反対側から来たもう一つの斬撃を、上体を逸らして避ける。
  もちろん、それだけでは隙だらけになるので、そのまま脚を振り上げ、バック中の要領で後ろに下がりつつ、ブレードを手放してマシンガンを展開して乱射する。

「....一応、二丁で乱射してるんですけど、射線上からずれずに無傷ってどういうことですか?」

「ハイパーセンサーって凄いよね。全部認識してくれた。」

  つまり認識さえすれば生身でも行けるって事ですか!?

「...つくづく桜さんって人外染みてますね...。」

「よく言うだろ?」

「.....?」

「“バケモノを倒すのは、いつだって人間さ”って。」

「なんで自分が倒される前提なんですか!?」

  しかも人外な事認めてるし!

「....落ち着いたか?」

「えっ...?...あっ。」

  ふと、さっきまで少し力が入っていた事に気付く。
  ...なるほど、やっぱり、少し緊張していたみたいだ。

「...ありがとうございます。」

「礼はここからの戦いに応えるか試合の後にしてくれ。」

「.....はいっ!」

  ここからは出し惜しみなしだ。

「動きに風を宿し、身に土を宿し、心に水を宿し、技に火を宿す....!」

「.......。」

  なにも、この戦い方は桜さんだけが使える訳じゃない。
  束さんも使えるし、それをずっと傍で見て、習得しようと努力していた俺も使える。

「っ.....!」

「っ!」

  初動もなく、しかし地面が凹む程の勢いで桜さんに接近する。
  両手にそれぞれブレードを展開し、流水と疾風の如き動きで攻撃する。
  躱され、反撃。それをもう片方のブレードで防ぎ、そのまま再度攻撃。
  しかし、それも桜さんのもう片方のブレードに阻まれ、鍔迫り合いになる。

「はぁっ!」

「っ、ぁあああ!!!」

  互いに間合いを離すようにブレードを弾き、剣戟を繰り広げる。
  斬る、防ぐ、斬る、斬る、避ける、斬る、防ぐ、防ぐ、避ける、斬る...!

「ふっ!」

「っ!はぁっ!」

  運よくいい感じに桜さんの攻撃を懐に誘い込み、思いっきりそのブレードを弾き飛ばす。

「っ、く....!」

「はっ!」

  そして、もう片方のブレードで残ったブレードを封じ、すぐさま突きを繰り出す。

「っ!危ない....な!」

「やば....!?」

  それを桜さんは上体を逸らし、刺突をしたブレードを蹴り上げて一回転しながら後ろに下がり、そのままマシンガンを展開して乱射してきた。

「っつ....!」

  すぐさま射線上から外れたけど、いくつかは命中してしまったようで、シールドエネルギーが削れている。...まだ余裕はあるか。

「さて、そろそろ武器を変えさせてもらおうか。」

「ハンドガン....!まずい....!」

  桜さんは二丁のハンドガンを展開する。
  IS用に改造されたハンドガンとはいえ、あまり需要がない武器だけど桜さんの場合は...。

「くっ....!」

  幸い、まだ間合いは離れているので俺もライフルを展開して桜さんに向けて放つ。
  しかし、それは流水と疾風を合わせた動きで避けられる。

     ―――ダン!ダン!

「っ、って、やば...!」

  ハンドガンから放たれた銃弾を流水の動きで躱してしまう。
  そのほんの一瞬の隙を突いて、桜さんは俺に接近してくる。

「っ、ぁああっ!」

「ふっ、はっ!」

  すぐさまブレードを展開して斬りかかる。
  ...が、あまりに接近されていたからか、振る直前で止められ、至近距離から弾丸を喰らう。

「ぐっ...!?この....!」

「甘い!」

「がぁっ!?」

  超至近距離と言っていいほど密着されているせいで、満足に剣を振れずに止められ、反撃と言わんばかりにハンドガンで何度も撃たれる。
  まずい、シールドエネルギーもガリガリと削れている...。このままだと...。

「(ブレードはあまりにも不利!使いこなせなくても、俺もガン・カタで...!)」

  銃を用いた近接戦闘へと、俺もシフトする。
  ...尤も、今まで剣ばかり振っていた俺には使いこなせないが。

「(間合いさえ離せれば....!)」

  桜さんが銃口を俺に向けてくる。それを片手で払いのけ、もう片方で狙...おうとして、阻まれる。すぐさまフリーになった払いのけた方の片手で狙うが、また妨害される。

「くっ.....!」

「......!」

  妨害、狙う、妨害、妨害、狙う、狙う、妨害....!
  ブレードで行っていた事を繰り返すように攻防を繰り広げる。

「はっ!」

「くっ....!」

  足払いを掛けられ、バランスが崩れる。
  ....だが、チャンスだ!

「喰らえ!」

「っ!」

  高速でハンドガンとアサルトライフルを切り替え、足払いで崩されたバランスも無視して上に飛びながら乱射する。

「(元々ISでの戦いなんだ!無理して地上で戦う事もない!)」

  さすがにハンドガン装備じゃ捌ききれないのか、桜さんは射線上から避ける。

「はっ!」

  アサルトライフルを適当に撃ちつくし、それを桜さんに投げる。
  すぐさまブレードを展開し、投げた銃に気を取られている所に一閃する。

     ―――ギィイイイン!

「...です、よね....!」

「投げ方にもう一工夫欲しかったね...!」

  投げ方に工夫ってどうすればいいんですか....。

「(速く、早く動き、明鏡止水の心で...斬る!)」

「お?」

  すぐさま間合いを離れ、瞬時加速を応用しながら斬りかかる。

     ―――キンッ!

「流水の流れを斬る事はできても...防がれる程軽いのはいけないな。」

「くっ.....!」

  流水の動きを捉えるのは難しい。だから俺も同じ領域に至って斬りかかったけど...。
  防がれちゃ、意味がない....!

「動きが軽くなるなら....こう、だ!」

「っ!」

     ―――キィン!キキキィン!!

「くっ....!」

  流水のようで捉えづらい斬撃の連続を、辛うじて防ぎきる。

「(素の力だけ行きたかったけど....出し惜しみしてられない!)」

「む?....っ!?」

  相変わらず余裕な桜さんの顔がついに驚愕に変わる。
  当然だ。いきなり俺のスピードが上がったのだから。

「ワンオフか!それもこれは....!」

「はぁあああっ!!」

  斬る、離れる、すぐ近づき、また斬る。それを繰り返す。
  以前、ラウラと戦った時は1.3倍が限界だったけど今なら...!

「煌めけ....!三重之閃(みえのひらめき)!!」

「っ!がぁあああっ!?」

  かつての二重之閃よりも一つ斬撃が多く、それでいて速くなった斬撃を放つ。
  ワンオフの効果が上がり、二倍速で動けるようになったからこそできる事だ。
  さすがに、これは防げなかったのか、ついに桜さんに明確なダメージを与える。

「(まだ.....!)」

「っ!く....!」

「ぜぁああああっ!!」

  二つあるスラスターから一気にエネルギーを放出し、二連続の加速....“二連加速(ダブルイグニッション)を行い、さっきの技で後退した桜さんの後ろに回り込み、斬撃を喰らわす。

「ぐ.......!」

「(このまま....!)」

  このまま押し切ろうとして、桜さんの顔が....笑った。

「っ!?」

「油断大敵だ。秋十君。」

  嫌な予感がし、咄嗟に飛び退こうとして....背後からレーザーを喰らう。

「あれは....BT兵器!?なんで....!?」

  レーザーが放たれた方向を見ると、そこには青色のビットが浮かんでいた。
  ...おかしい、あれはオルコットの....!

「...俺のISがなぜ“想起”と言う名か分かるか?」

「想起....思い出す...まさか!?」

「シールドエネルギーを消費するが...一時的に再現が可能なのさ!!」

  再びレーザーが放たれ、そちらに気を取られる。
  ハッと気づいた時にはもう遅く...。

「俺にここまでやらせたんだ。見事だよ秋十君。」

「ぐ....ぁ.....。」

  防ごうにも、時既に遅し。一瞬で切り刻まれ、俺は吹き飛ばされた。

〈夢追、シールドエネルギー、エンプティ。勝者、篠咲桜。〉

  アナウンスと共に聞こえる歓声が、どこか遠い物のように聞こえる。
  ....あぁ、負けたのか....。

「...まだ、届かないのか....。」

「秋十君が努力して成長するように、俺も成長している。そう簡単に追いつかれちゃ年上としての尊厳が持たないぜ。」

「ははは...。さすが桜さんだ。対処がしづらかった...。」

  剣戟、ガン・カタ、そして空中戦。
  戦い方が度々変わるのには理由があった。
  俺は何度も桜さんや他の皆と戦い、経験を積む事でありとあらゆる状況に対処できるようにしている。....そう桜さんや束さんは言っていた。
  だから、同じ戦い方だと積んできた経験で対処されるだろうと、桜さんは戦い方を変えてきたんだ。それも、俺の経験がさらに積まれるように...。

「...敵わないなぁ....。」

「そりゃあ、警戒してるからな。これでも秋十君は俺の中で結構上位に値するぞ?」

「そうなんですか?」

  意外だったなぁ....。

「...とりあえず戻るぞ。行けるか?」

「大丈夫です。鍛えてますから。」

  先程の戦いの歓声が収まらないまま、俺たちはピットへと戻っていった。







       =第三者side=



「.........。」

「はー...凄かったですねぇ...。」

  管制室にて千冬は黙り込み、山田先生は感嘆の声を漏らした。

「ISってああいう動きもできるんですねぇ...。」

「...ISはパワードスーツだからな。生身での動きも細かく再現するのは当然だろう。...だが、あの動きは....。」

「あの二人って、軍人とかどこかのエージェントだったりしないですよね?私、ああいう動きって映画とかでしか見た事がないんですけど...。」

  ISらしい試合ではなかった。二人共そう思っているが、それ以上にその試合は体術などが凄かった。そのため、二人共試合中はずっと映像に見入っていた。

「私でもやらん。...あの二人は、ISなしの方が都合がいいのかもな。」

「ええっ!?そんな織斑先生みたいな人が他にもいるんですか!?」

「どういう意味だ?」

  まるで例外的存在の基準にされたかのような言い方に反応する千冬。

「あっ、いや、別に織斑先生が生身でISに勝てるような化け物染みた存在だとかは思ってませんよ!?」

「ほう...。」

「あっ....。」

  言い訳しようとしてさらに墓穴を掘る山田先生。
  ....自業自得である。

「(....私も一人の、織斑千冬として鍛え直すべきだろうか...。このままだと、桜には引き離された気がするしな。)」

  山田先生へのお仕置きを確定しつつ、千冬はそんな事を考えていた。









       =桜side=



  いやー、まさか秋十君があそこまで強くなってるとは。
  それなりに本気出す事になるとは思わなかったな。

「秋兄お疲れー。」

「桜さんもお疲れ様です。」

  マドカちゃんが秋十君を、ユーリちゃんが俺労わってくる。

「サンキュ、マドカ。...いやぁ、やっぱ桜さんは強すぎるわ。」

「こっちもありがとなユーリちゃん。...そうは言うけど、秋十君も大概だぞ?」

  その強すぎるという相手にして戦えるんだからな。

「...あれ?篠ノ之は?」

「箒ならあいつがいないからどっか行ったよー。」

  束の妹がいないのに気付き、俺がそう呟くとマドカちゃんがそう返してくれた。

「...まぁ、いっか。...さて、次はユーリちゃんとマドカちゃんの番だ。」

「あぅ...もう出番が来ちゃいましたか...。」

  俺がそう言うとまた緊張しだすユーリちゃん。

「そこまで気負う必要はないぞ。自分の力を出し切ればいいんだ。」

「は、はい...。」

  一度深呼吸をして、心を落ち着けるユーリちゃん。
  ....もう大丈夫みたいだな。

「...ところで、このままだと代表は桜さんになるんですよね?」

「え?俺は辞退するけど?」

「えっ?」

  秋十君の言葉に俺は否定する。

「いや、だってなぁ...。自分で言うのもあれだが、俺ほどの相手が学年トーナメントとかに出てみろ。実力差ありすぎだろ。」

「あっ....。」

「かと言って、秋十君の実力も相当だしなぁ...。まだまだ伸びるし。」

  となると後はオルコットか織斑だけなんだが...。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「ん?」

「桜さんがそれで辞退するのは分かります。でも、俺の実力ってそこまで...。」

「...生粋の軍人なうえ、代表候補生の相手に互角以上の戦いをして、ほぼ本気の俺相手にまともな一撃を与えた奴が何を言ってるのかな?」

「うぐっ....!?」

  ラウラは代表候補生の中でも強いからな。AICも厄介だし。
  それ相手に何度も模擬戦して勝った事もあるしな。秋十君は。
  ...え?俺?全戦全勝ですがなにか?

「まぁ、ともかく、強すぎる人が代表になると、他のクラスの士気にも関わる。学年トーナメントとしてはそれはダメだ。」

「...じゃあ、残りはオルコットかあいつ....。」

  オルコットの方が今はもう大丈夫だからな。そっちの方がいいとは思うが。

「(...“知識”から考えると、オルコットは例え代表になっても辞退するんだよな。でも、あれは惚れた弱みとかそんな感じだし、違うか...?)」

  何かと嫌な予感がするが...まぁ、置いておこう。

【....そろそろ時間だ。エーベルヴァイン、篠咲妹。準備をしろ。】

「..っと、時間だな。頑張ってこいよ二人共。」

  ISを展開し、いつでも行ける状態になったユーリちゃんとマドカちゃんに激励を送る。

「はい!」

「じゃ、ちょっとやってくるね、秋兄!」

  そう言って二人共順番にアリーナへ飛んで行った。

「さて、ユーリちゃんがどこまで成長したのか見ものだな...。そして...。」

  先程試合中に確認した女性の顔を思い浮かべ、笑みが漏れる。

「どんな風に驚愕に染まるか...それも見ものだな。ユリア・エーベルヴァイン。」

  観客席にいた、見下すような顔で俺たち男を見ていたユーリちゃんの元姉。
  ただでさえ、俺たちで驚いてたのに、見下してきた元妹に追い抜かれた気分はどんなものだろうな...?楽しみだ。







 
 

 
後書き
戦闘の剣戟のイメージはFateのアーチャーVSランサーもしくはセイバーVSランサーを思い浮かべればわかりやすくなるかもしれません。
...あぁ、戦闘描写が上手くなりたい...。 
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