| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生とらぶる

作者:青竹
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

マブラヴ
  1246話

 オウカとイザークが付き合う事になったというのに驚きながら居間へと戻ると、そこで俺を出迎えたのは笑みを浮かべたレモン達。
 ただし、その笑みはいつものように面白がるようなものだったり、挑発するようなものだったり、誘うような笑みだったりではなく、どちらかと言えば慈愛に満ちた笑みと表現すべき笑みだった。

「……分かってたのか?」

 何を分かっていたのかと言わなくても、十分に意味が伝わったのだろう。9人の中を代表してオウカと言葉を交わしたマリューが口を開く。

「ええ。別に盗み聞きをしていた訳じゃないけど、それでも何となくどんな話だったのかは分かるわ。訪ねてきた時のオウカの表情を見れば、女ならすぐに分かるわよ。嬉しそうで、悲しそうで、切なそうな、そんな複雑な表情を見ればね」
「そうなのか?」

 マリューの言葉に尋ね返すが、それに戻ってきたのは全員が頷くというもの。
 どうやら俺以外は全員の共通認識だったらしい。

「ちなみに、オウカが誰と付き合う事になったのかも分かってるのか?」
「イザークだろう。元々オウカとイザークは長年の付き合い……というのは多少語弊があるが、とにかくシャドウミラーとして行動を共にしてきた。それでお互いの性格をよく理解しているところで、精霊の卵の教官を任されたのだ。より濃密な付き合いをする事になって、お互いを異性として意識したとしても驚くべきことではない」

 俺の問い掛けに、スレイがあっさりと答えを返してくる。
 恋愛関係については一番疎そうなスレイでも分かる程、あの2人は分かりやすかったのか。
 俺はオウカに今回の件を聞かされて、そこでようやくイザークの名前を思い浮かべたんだが。
 この辺、色恋沙汰にはまだまだって事なんだろう。

「それにしても、初恋は実らないって言うけど……その通りになったみたいね」

 何気なく呟かれたマリューの言葉に、数人が反応する。

「あら、そうかしら? 私の場合は普通に初恋が実ってこうしているんだけど?」

 とレモンが首を傾げて呟き。

「うむ。幸か不幸か、私の場合も身分が邪魔をしてアクセルと会うまではそのような想いを抱いた事はなかったな。そういう意味では私も初恋が実っている」

 コーネリアが満足そうに呟き。

「コーネリアの場合は皇女というのも関係していたのだろう? そもそも、皇族がその年齢まで独身でいるというのも珍しいが。ああ、ちなみに私も初恋が実ったからこそここにいる」

 スレイがその大きな胸を張って自慢そうに呟き。

「あたしもアクセルが初恋だったわね。芸能界に身を置いていたから、そういう誘いは結構あったけど全部断っていたし」

 シェリルが肩を竦めながら呟き。

「うーん、私も他の皆と一緒でアクセル君が初恋だったわね。もっとも、私がアクセル君を見つけた時は子供の姿だったんだけど」

 あらあら、ウフフと母性的な笑みを浮かべながら千鶴が笑みを浮かべ。

「私の場合、悪質なナンパに絡まれているところを助けて貰って意識したのかな。うん、初恋で間違いないけど」

 円が少し照れたようにそう言う。
 ……自分の事ながら……

「アクセルが初恋って人は結構多いのね。違うって人は、マリューとあやか、美砂の3人? 初恋は実らないとか言われてるけど、少なくてもシャドウミラーは大分違う感じね」

 レモンが紅茶へと手を伸ばしながら呟く。

「私の場合は……その、アクセルとこういう関係になる前に付き合ってた人がいたから」

 悲しげに呟くマリュー。
 その表情を見て、皆は以前マリューから聞かされた事情を思い出したのだろう。少しシンミリとした雰囲気になる。
 原作と同様に、マリューは俺と付き合う前に恋人がいたらしい。
 そして、原作同様にMA乗りで死んでしまった、と。
 シャドウミラーにいれば人死にはほぼ出ないが、普通はこういう軍事国家で人死にが出ないってのは奇跡的な確率なんだよな。
 ただ、今まで人死にが出なかったからといって、これからも出ないとは限らない。
 そもそも俺が他の世界に行くという事は、いずれ俺達でも苦戦するような敵がいる世界に行く可能性は十分にある。
 戦闘のない世界に転移出来ればいいんだが、今のところそんな世界に転移出来た事はないし。
 PTやKMF、MS、VFのような人型機動兵器のある世界であったり、ネギま世界、門世界、Fate世界のように生身で戦う世界だったりと、どこの世界に転移しても戦いは確実にある。
 まぁ、門世界は向こうから繋げてきたし、Fate世界に至っては完全にイレギュラーな感じでの転移だから、この場合数に入れてもいいのかどうか分からないが。
 にしても、軍事国家……軍事国家ねぇ。
 いや、確かに現在のシャドウミラーがどういう国かと言われれば、技術力と軍事力が突出している軍事国家と言われても否定出来ない事実だけど、俺達自身としてはそんなイメージは殆どないんだよな。
 どちからと言えば、ホワイトスターを使って異世界間交易を活発に行っている貿易国家? いや、それでもやっぱり軍事力の強さが際立っているな。特にニーズヘッグがあって、更には国の代表である俺が真っ先に敵に突っ込んで行っている時点で普通なら有り得ないし。
 既存の国家形態をシャドウミラーに当て嵌めるってのは色々と無理があるか。

「あやかの場合は、アクセル君が初恋かどうかを判断するのは難しいわね。……好感度という意味では、初対面から限界値に近かったし」
「あー……あやかだしね。初めて小さい男の子を見た時が初恋だったんじゃないの?」
「有り得るわね。アクセル君が来てからは大人しくなったけど、それでもネギ君を可愛がりたそうにしてたし」

 千鶴と円の言葉に、あやかは反論の言葉を出せずにいたが……それでも最終的には何とか口を開く。

「わ、私が身体を許してもいいとまで思ったのは、アクセル君が初めてですわ!」
「そう? ショタっ子を寝室へ連れて行こうとした時とかなかったっけ?」
「うっ、そ、それはアスナさんがいたからですわ!」
「……美砂、その辺にしておいてあげたら? 結局最終的にあやかはアクセル君が初めての人になったんだし」
「まぁ、それは確かにね。実際あやかが暴走しそうになった時はアスナが手を出してたし。そういう意味だと、ここにアスナがいないのはちょっと残念かも。アクセル君もアスナとは仲がいいし。ねぇ?」

 美砂の視線に首を傾げる。
 神楽坂と仲がいいかどうかと言えば……仲がいい、のか?
 確かに超包子とかで結構話す機会は多いけど、それはあくまでも店員と客、良く言っても友人同士の関係だ。
 もう20歳を超えている神楽坂はかなり男好きのする身体をしているのは事実だが、精神がまだ幼いというか、何と言うか……
 うん? 神楽坂? そう言えば……

「確か神楽坂達は来年には大学を卒業だったよな? 桜咲と近衛はシャドウミラーに入る予定だったと思うが、その辺の準備はしているのか? それと、他にも色々とシャドウミラーに迎え入れたいメンバーはいるし」

 ここ数年主な活動場所となっていた、マブラヴ世界。
 その年号で言えば、元3-Aのメンバーが高校を卒業したのか1998年。で、今は2001年だから、来年には桜咲や近衛、神楽坂といった面子は大学を卒業する筈だ。
 となれば、そろそろ就職活動が本格化し始めるのだから、シャドウミラーの勧誘を始めるのであれば今のうちから唾を付けておいた方がいいだろう。
 具体的に欲しいメンバーとしては、朝倉と相坂のコンビ、長谷川、古菲ってところか。
 朝倉と相坂はシェリルと一緒に広告塔の役割……というか、マスコミ関係。長谷川も同じくマスコミ関係だが、こっちはコンピュータを使ったネット関係の方を任せたい。古菲はとてもじゃないけどPTとか乗れないだろうし、円とかみたいに艦のオペレーターとかも出来ないだろうから、警備の人材か?
 長瀬は既に実家で忍者をやってて麻帆良で働いているし、龍宮は組織に所属するのを嫌がりそうだ。
 ザジ辺りは魔族的な意味で欲しい人材ではあるが、本人が乗り気じゃないだろう。
 千鶴にしてみれば、夏美がシャドウミラーに入ってくれれば嬉しいだろうが……小太郎の件を考えると、それも難しい。
 小太郎はどうしたってシャドウミラーという組織に所属するような性格には思えないし。
 夏美という点で考えれば、円や美砂にとっては桜子がいれば嬉しいかもしれない。ただ桜子の場合はどうなんだろうな? 誘えば意外と普通に入りそうな気がしないでもない。
 他には宮崎辺りはアーティファクトの件で是非欲しいんだが……宮崎の場合はネギの側から離れないだろうし。
 ネギの側から離れないという意味では、俺が最初に考えた朝倉、相坂、長谷川、古菲といった者達も同様だが、宮崎の場合はネギに対して深い愛情を抱いている。
 とてもではないが、ネギを置いてこっちに来るとは思えない。
 ……そういう意味では、長谷川とネギも微妙に怪しいってのを以前聞いた覚えがあるんだよな。

「アスナさんは分かりませんけど、近衛さん、桜咲さんの2人を迎え入れる準備は万全ですわ。……まぁ、どうしてもと言うのであればアスナさんの件も考えますけど」

 あやかのツンデレ発言に皆が笑みを浮かべる。

「……ん、コホン。それで話を戻すけど……美砂の場合はどうだったの? アクセルが初恋?」

 マリューの言葉に、美砂は微妙な表情を浮かべて口を開く。

「うーん、私としては微妙なところね。一応アクセル君の前に彼氏がいた時期があったし。ただ、女にガツガツし過ぎていて、結局それが理由で別れたのよ。……今思えば、あの年齢は女の身体に興味津々だったって分かるんだけど、当時は受け付けなかったわ」
「……それで受け付けたのが夜の大魔王でもあるアクセルだってのは、ちょっと面白いわね」

 レモンのからかうような言葉に、美砂は溜息を吐く。

「だって、しょうがないじゃない。私達があったアクセル君って、まだ10歳くらいの子供だったのよ? そんなアクセル君が、実は3P、4P、当たり前……どころか、毎夜そんなのを繰り返している程の好き者だなんて、誰が分かるのよ」
「……美砂、あまりあからさまな言葉は言わないように」

 美砂の言葉に、スレイは頬を薄らと赤くしてそう告げる。
 だがそんなスレイに対し、美砂は艶っぽい笑みを浮かべて口を開く。

「何よ、私達の間で今更そんな事を言っても照れたりなんかしないでしょ。全員が全員の身体に指や唇で触れてない場所がない間柄なんだから」
「そ、それでもだ。そういう言葉は明るい内に言うものではないだろう!」
「全く、スレイっていつまで経ってもそっち方面はウブよね。夜になればあれだけアクセル君に責められて鳴いてるのに」
「……」

 美砂の口から出たあからさまな言葉は、スレイの表情を真っ赤に染めて沈黙させる事に成功する。
 それを言うのなら、美砂だって毎晩いい声を聞かせてくれてるんだけどな。
 特にいつも最後の方に聞かせてくれる声は、元コーラス部だけあって美声と言ってもいい。

「はいはい、まだ夜も更けてないんだから、そっち関係の話題は取りあえず止めておきましょ。……で、元々の話は何だったかしら。そうそう、初恋は実らないって話だったわね」

 レモンの言葉で、艶っぽい空気は一変する。
 何だかんだと、恋人達の中でもレモンが主導権を握っているんだよな。
 付き合いが長いというのも影響してるんだろうが。

「そう言えば、私達についての初恋だけを言ってたけど、アクセルの初恋はどうなの?」

 シェリルの言葉に全員の視線が俺へと向けられる。

「俺の初恋、ねぇ」

 俺の場合は元々前世がある。
 その上で憑依というか、転生というか、そんな感じでアクセル・アルマーとして生まれ変わった。
 それだけに初恋らしい初恋はないままだけど……

「そうだな、そういう意味ではレモンが初恋なんだろうな」
「あら? そうだったの? じゃあ、私達お互いがお互いに初恋相手なのね」

 俺の言葉が少し意外だったのだろう。レモンは嬉しそうな笑みを浮かべてそう告げる。

「ふ、ふん。もし私がレモンよりも最初にアクセルに会っていれば、多分その初恋の相手は私だっただろうけどな」
「コーネリア、負け惜しみはみっともないわよ?」
「誰が負け惜しみだ! 大体、ここにいる全員が何だかんだとアクセルを愛し、愛されてるんだ。そういう意味では別に初恋云々なんて殆ど関係ないだろう」
「そうね。確かにそうかもしれないけど……私がアクセルの初恋の相手だというのは、変えようがない事実よ」

 レモンのその言葉に、コーネリアだけではなくマリューやスレイ、シェリル、あやか、千鶴、円、美砂といった俺の恋人達全員が笑みを浮かべる。
 強気でいながら、どこか艶っぽいその笑みは、そういう方面に耐性のない思春期の男が見ればそれだけで魂が奪われたかのようにフラフラと近寄って行くだろう笑顔。
 そんな笑みを見て、レモンも自分の失敗を理解してしまったのだろう。失敗したといった表情を浮かべる。

「じゃあ、まだ少し夜は早いけど……アクセルの初恋相手の身体を存分に味あわせて貰いましょうか」

 マリューの言葉に、全員が立ち上がり……俺を含めて全員が寝室へと移動する。
 そうして……この日、レモンはいつもの余裕が嘘のように皆に責め立てられ、途切れることなく喘ぎ声が寝室の中に響き渡り続ける事になる。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧