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魔法少女リリカルなのは~無限の可能性~

作者:かやちゃ
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第1章:平穏にさよなら
  閑話3「可能性」

 
前書き
これが正真正銘第1章最後の話です。(キャラ紹介除く)
伏線....のつもりです。 

 




       =???side=





  ―――魔力を開放し、その反動を利用して光の奔流を避ける。

「なに...?」

  僕が避けた事に、光を放った女性が少し驚く。

「洗脳されてるなら、斃し、正気に戻すまで...!」

「っ....!」

  両手にそれぞれ剣を創りだし、一気に女性と少女に接近する。
  そして、剣を振う.....が。

「なっ!?」

「残念だったな。」

「っ、くっ...!」

  なぜかその攻撃はすり抜け、反撃とばかりに光の弾が放たれる。
  すぐさまその場から飛び退き、間合いを取って体勢を立て直す。

「(すり抜けた!?実体じゃないのか!?....いや、待て。そもそも僕自身も実体なのか?)」

  確か僕は死んだと言われていたはずだ。

「(解析魔法...!)」

  自身に解析魔法を掛け、どうなっているのか確かめる。

   ―――状態、精神体。肉体は存在せず。

   ―――精神体での物理攻撃、可。

   ―――限界解除。通常では無理な行為も可能。

   ―――魔力量、自身の意志に依存。

「(これは....。)」

  魂だけになったことにより、色々と都合がよくなっているようだ。
  しかし、これを見た限り僕は実体に攻撃できるようだ。

「(なら、相手は実体じゃない?)」

  しかし、実体じゃないにしても魔法なら効くはず。
  先程の一閃は魔力を纏わせていた。それなのに、すり抜けた。

「(どういうことだ...?)」

  再び飛んできた光弾を避ける。
  その瞬間、避けた所に女性の方が回り込んでくる。

「遅い。」

「(速い!?)くっ.....!」

  魔力で一気に身体強化し、振るわれた拳を両腕をクロスさせガードする。

「がっ....!?」

  しかし、それでも一気に数百メートル飛ばされ、ダメージを受ける。

「(なんて強さだ...!?これが...神...!)」

  だが、負ける訳にはいかない。
  幸い、魔力量は精神に依存。おまけに精神体のおかげで肉体に負荷がかかるような事もやりたい放題となっている。

「(もう一度、確かめてやる!)」

  ありったけの魔力を身体強化に回し、音速を軽々と超える速度で接近。
  先程の剣をもう一度振るう。

「っ!またか!」

「無駄だと分からないか?」

  しかし、またもやすり抜ける。
  相手の攻撃は当たるのに、僕の攻撃は当たらない...。これは....。

「(相手は神。そして僕は魂のみとはいえ人間...。ここは神のいる世界で、そんな場所で僕の知りうる常識が通じるか...?まさかとは思うが....。)」

   ―――人間は神より下位にあたる存在だから、攻撃が通じない?

「(っ.....!そうだと仮定したら、普通の攻撃は一切通じない!)」

  魔法でさえ通じないだろう。...僕の仮定の通りであるのなら。

「(攻撃が通じるようにするには....そう言った神にも通じる概念を持つ武器か...。)」

   ―――()()()()()()()()か....!

「(生憎、生前も“前世”もそう言った武器は知らないな。)」

  ならば同格の存在に至らない限り攻撃は当たらない。...しかし...。

「(同格の存在って言ったって、どうやってそこまで昇華しろと...!)」

  同格の存在...つまり“神に成る”って事だ。

「(そんなの、可能性的に天文学的数値ってレベルじゃねぇぞ....!)」

  ...だけど、ここで諦める訳にはいかない。

「どうした?無駄な足掻きはそれで終わりか?」

「......。」

  洗脳を受けているからか、女性と少女の僕を見る目が無機質に見える。
  ....それが我慢ならなかった。

「....神に成る。...それがどんなに危険な賭けかは知らない...。」

   ―――でも、確率は“0”じゃない。

「だけどそれがどうした...!」

  確率が低い?それがどうした。その低い確率を掴み取ればいいだけだろ?
  確率なんてそんなもんだ。百分の一の確率だって、その一の部分を最初に持って来れば100%になる。今回だって同じ事をなせばいい!

「例え無量大数分の一の確率だって関係ない!可能性があるのなら....それを掴み取るだけだ!」

「いきなり何を言い出すかと思えば...覚悟しな!」

  啖呵を切ると同時に女性が音速を軽々どころか、何倍もの速度で接近してくる。
  いや、実際は光の速度に達しているのかもしれない。

「まだだ!」

  しかしそれを僕の持っていた魔力の数倍...いや、数十倍の魔力を全て身体強化に回す事で見切る。本来なら不可能な事だが...魔力は精神に依存しているため、可能になっている。

「っ!」

  そこへ少女が光弾を放ってきて、妨害してくる。
  姉妹だからか、コンビネーションが良い。...厄介だ...!

「昇華せよ....!」

  何とか避け続けながらも、さらに魔力を溢れさせ、“僕と言う存在の格”を無理矢理昇華させる。...分かりやすくすれば、魔力を用いて無理矢理“進化”している。

「はっ!」

「通じないねぇ!」

  少し格が昇華した所ですれ違いざまに拳を繰り出す。...が、すり抜ける。
  まだまだ昇華が足りないようだ。

「(もっとだ!もっと速く....!)」

  音速の数倍どころか、十倍を軽々超える速度になる。
  もっと速くなってもいいのだが、これ以上は思考が追い付かない...!

「ちっ、すばしっこいねぇ....止まりな!」

「っ、ぐ、が...!?」

  突然、体が動かなくなる。
  これは、()()()()()()にもあった拘束...!?

「今度こそ終わりだ。」

「ぐ.....!」

  魔力でいくら身体強化しても動けない。...拘束そのものも格が違って通じないのか..!

「(ならば....!)」

  魔力を際限なく生み出し、それを体内で練る。

「魂ごと消え去れ!」

  またもや光の奔流が迫る。
  しかし、今度は拘束されて避ける事もできない。

「ああああああああああああ―――――....!!!」

  体が灼き尽くされ、意識が薄れて行く。
  魂が削られ、存在が薄れるのが分かる.....。





  ....いや......。



















   ―――....まだ.....まだだ....!!!















「まだ....終われない....!!!」

  魔力...いや、女性や少女の使っていたのと同じ“力”を開放する。
  体はボロボロになったが、何とか耐え切った。

「なっ....!?」

「へ、へへ.....耐えきったぞ...!」

  体内で練った魔力による、存在の保護。魔力が通じなくても、体内...この場合魂の内だが、それを護る事はできる。
  ....そして、僕がしていたのはそれだけじゃない。

「.....虚数の彼方にある可能性、掴み取ってやったぜ....!」

「お前....!どうやって、()()()()()になった...!?」

  そう、僕は今の攻撃で彼女達と同格の存在へと昇華した。

「お前の攻撃をまともに受けつつ....その力を直接解析したまでだ...!」

  解析魔法では通じなかったが、直接喰らいつつ解析する事はできた。
  なにせ、魂に直接攻撃されているんだ。身を...魂を以って直に受ければ、それだけでどういう力か解析する事ができる。

「っ、それだけで同格になる事など...!」

「言っただろ...?可能性を掴み取ったってなぁ....!」

  しかし、代償も大きい。
  彼女らと同格の存在へと昇華し、()()()()()()()を取り戻し、その時の力を扱えるようになった代わりに、魂が削れている。
  このままでは、再び記憶と力が失われる。
  だから、短期決戦だ...!

「お前は、一体....!?」

「.....“無限の可能性”....その異名で知られていた...らしいな。」

「なっ....!?その名は....!?」

  取り戻した記憶の中にある名を言うと、女性も少女も驚く。

「...時間がない。終わらせる。」

「っ、くっ....!」

「後ろだ。」

「なっ....!?」

  僕の言葉に身構える女性だが次の瞬間には僕は後ろに回り込んでいた。

「“十重煌閃(とえこうせん)”。」

「くっ....ぁああっ!?」

  手に剣を創造し、それで十重に見える斬撃を浴びせる。
  それを“力”...神力で防ごうとするが、それ事吹き飛ばす。

「今、正しき意志へと導こう....。」

「ぐっ....喰らいなっ!」

「お姉ちゃん!加勢します!」

  そろそろ終わらせようと、一振りの剣を創造し、“溜め”に入る。
  女性が吹き飛んだのが少女の傍だったからか、二人してあちらも“溜め”に入る。

「これが“前世”にて使っていた最強の技にして、お前たちを元に戻す(導く)光!」

  剣を振り上げ、その剣に神力を込める。そして....。

「「“ディバインシュラーク”!」」

「“勝利へ導きし王の剣(エクスカリバー・ケーニヒ)”!!」

  同時に、技を放つ。
  それぞれの光の奔流がぶつかり合い....そして。

「弾けた!?」

「勝利へ導くための布石だからな!」

「しまっ....!?」

  相殺し、光の奔流は消え去る。それに驚愕した女性と少女の間に入り込み...。

「“我、正しき意志へと導かん(ヴィレ・フュールング)”!」

  二人に掌を向け、魔法....いや、神力を使った魔法だから...神法?
  それにより、二人は光に包まれる。

「ぁ....ぅ....。」

「......。」

「...やった.....。」

  光りが収まると二人は気絶した。だけど、正気に戻った事は確信している。

「っ...ぐ....きつい、な....!」

  そして、僕もその場に倒れこんだ。
  魂を代償で削られ続けたからだろう。もう、神力は使えない。

「(.....まだ、やる事はある.....。)」

  しかし、薄れゆく意識に僕は逆らえなかった。

















「――――.....ぅ.....。」

  目を覚ます。...どうやら、気絶していたらしい。

「っ....やっぱり、か。」

  体を起こし、自身に解析魔法を掛ける。
  ....結果は、予想通りだった。

   ―――状態、“代償”により力と記憶の一部が摩耗中。

「...もう少しすれば、記憶も力も失う...か。」

  多分、僕が最初の光の奔流を避ける寸前までの記憶が削られるだろう。

「....ん?」

  ふと、顔を横に向けると、二人の少女と女性が土下座していた。

「....はい?」

  正直、男ならともかく女性と少女が土下座とか理解できない。

「....すまなかった!」

「すみませんでした!」

「...あー...えっと...。」

  そのまま二人は謝ってくる。いや、だから理解できないって。

「あなたのおかげで、私達は正気に戻れました...。」

「けど、お前にやった事は忘れてない...。今更ながら、なんであんなことを...!」

  どうやら、さっきまでの行いを恥じているようだ。

「...頭を上げてくれ。」

「「......。」」

  顔を上げた二人は、申し訳なさなどで僕を直視できていなかった。

「.....人間の魅了に掛かった事は、正直情けないと思っている。だけど、もう過ぎた事だ。当初の予定通り、僕を転生させてくれ。」

「え....!?」

「で、でも...!」

  赦す訳でもなく、責める訳でもない事に納得しない二人。...まぁ、当然だ。

「...()()()には時間がない。記憶と力も摩耗し、魂は削れていっている。このまま下界に転生して存在を安定させなければ....分かってくれるな?」

「っ....分かったよ...。」

「....はい.....。」

  分かってくれて何よりだ。

「...二つ程条件を付けて転生させてくれ。」

「...分かりました。あなたのためなら、いくらでも。」

「まずは....ゲームのシステムのように、相手の能力...ステータスなどが見える能力と、自身にとって都合の悪い事を感じ取る能力をくれ。」

  どちらも、保守的な特典だ。

「ステータスの方は、本当にゲームシステムのようにしてくれて構わない。称号とか、スキルとかみたいに。...後、ヘルプ機能的なのも付けてくれると助かる。」

「い、一応聞きますけど、どうしてそのような...。」

「僕自身が生き残るためだよ。さっきも言った通り、記憶と力は摩耗していっている。転生すれば、このやり取りの事と力も忘れているだろう。そして、転生する先の世界にも関連がある。...お前たちを魅了した奴の転生先は?」

  理由を言う前に先に聞いておく。

「えっと...“リリカルなのは”の世界です。」

「....なるほど。なら、なおさら必要かな。...その世界は、僕の生前の世界にある二次小説でよく転生者が行く世界だ。多分、実際も例外じゃない。...そうなると、“原作”とかの世界よりも危険度が増す。それらを出来うる限り回避するためだよ。」

「...なるほど。ステータスを視る能力と、危険を感じ取る能力で徹底的に回避するためか。」

「そう言う事。」

  何とか理解してもらえたみたいだ。

「.....少し気になる事がある。転生先のリリカルなのはの世界の歴史...閲覧してもいいか?」

「え、はい、どうぞ。」

  年表のようなものを渡され、ある年代の部分をタッチし、その時の出来事を空中に映像として映し出す。

「....まじか...。」

「これは....!」

  それに映っていたのを見て、僕は驚く。

「...追加条件だ。前世の相棒と巡り合えたら、前世での力が徐々に扱えるようにしてくれ。」

「あなたのような存在にそのような条件を付けると、条件を満たす前からその力が漏れ出る事もありますが....。」

「構わない。飽くまで自衛にしか使わないからな。」

  魂に刻まれた力だからな。使えるようになる前から漏れ出る事はあるだろう。

「そしてもう一つの条件だ。....僕が一定以上成長したらか、ある存在と遭遇した時、本当の“僕”としての力が扱えるようにしてほしい。」

「先程の条件と似てますけど...分かりました。しかし、ある存在とは...?」

  “ある存在”の事を伝え、転生前の準備は全て終わる。





「....そろそろだな。記憶の摩耗で、意識も薄れてきた。」

「本当にすいませんでした。...そして、ありがとうございました。」

「お前がいなかったら...。」

「いいって事だ。それよりも....。」

  少し二人に振り返って言う。

「魅了された件、多分他の神にも知られているだろうから、覚悟しなよ?」

「「えっ?」」

  そして僕の意識は完全に消え、転生を果たした。

















       ―――――☆―――――















       =out side=





「....ふむぅ....。」

「...また、下界の様子を見ておられるのですか?」

  枯山水のように美しく、それでいて神々しい雰囲気を持つ場所にある、和風のこれまた神々しい雰囲気をどこか漂わせる屋敷の部屋にて、白い髪と長い髭、金色の瞳を持ち、仙人を彷彿させるような老人が、宙に浮く鏡のように楕円形のレンズのようなものを見ていた。
  それに鮮やかに青く長い髪に水色の瞳の美しい女性が声を掛ける。

「おー、そうじゃな。あやつらの報告を聞いてからは度々見ておるの。」

「まぁ、かくいう私も気になりますね。」

「そうじゃろう?まさか、あやつが転生しておったとはな...。」

  そう言いつつ、二人は楕円形のレンズのようなもの――これが下界の様子を映しているのだろう――を眺める。

「しかし、ものの見事に集まりましたね。」

「そうじゃのう。儂が転生させた娘もそうじゃが、ものの見事にあやつに引き寄せられておるわ。」

  映し出されるのは、優輝の姿だった。

「彼には導く才能がありますね。」

「前々世が前々世じゃからのう。それ以外にも理由はあるが。」

  次に、織崎神夜が映し出される。

「...こやつの所為で色々と狂っとるのう...。」

「はい。私が転生させた娘も、魅了に....。」

「全ては、あやつの所為か....!」

  何かを思い出すように目を見開く老人。

「あやつがこやつに厄介な能力を持たせおったから....!」

「そうですね...。...彼女らも、魅了を受けていたのは情けなかったですが。」

「あやつらなら今知り合いに扱かれておるよ。」

  ふと、目を向ければ....。

「ひゃぁああああああ!!?」

「ちょちょちょ、待っておくれよ!」

「待ちません!いくら“あの存在”の影響を受けた者の魅了とは言え、その程度に引っかかる神がいますか!?鍛え直します!」

  シンプルだが煌びやかに見える洋服を着た少女と女性が、巫女装束を来た亜麻色の髪の女性に追いかけられている。...どうやら修行らしい。

「....容赦ありませんね。」

「まぁ、神でありながら人間の魅了にかかるなんて体たらく、あやつは容赦しないからのう...。あの姉妹には効果的じゃろうて。」

「そうですね。」

  同情しているように見える彼女も、その体たらくから少しばかり情けなさと怒りを持っている。今、この場にあの姉妹を助けようとする者はいないだろう。

「しかし、彼女が密かに転生させていた...祈巫聖司と言いましたか?」

「今は聖奈司じゃの。....少し歪んでしまっておるな。」

  レンズに今度は司が映し出される。

「まぁ、こやつに任せれば大丈夫だろう。」

「前世でも親友でしたからね。確かに大丈夫ですね。」

  再び、優輝が映し出される。

「ところで“サフィア”よ。儂に何か用があったのじゃろう?」

「...っと、そうでした。“封印”の確認の報告です。」

「ほう....。」

  老人の目が細まる。余程重要な事らしい。

「やはり、ほんの少しずつ綻びが出来てきています。我々でも封印の補強はしているのですが...なにせ、“彼”が命を賭して張った封印ですから、少しの補強しか手が加えられません。」

「封印が解けるのも時間の問題...かの。」

「はい。このままだと下界換算で15年から25年以内には封印が解けてしまうかと。」

  その言葉に老人は顔を顰める。

「早いのう....。儂らだけでは、あやつには敵わん。」

「はい。...せめて、“彼”がいれば...。」

「あやつは無限に等しい可能性の中からたった一つの最善策を掴み取ったのじゃ。....命をなげうってな。これ以上、あやつに頼る訳にもいかん。...今では、頼る事もできぬが。」

「....そうですね...。」

  二人共“彼”の事をよく信頼しており、そして頼っていたのだろう。

「儂らだけで何とかする..かの。」

「はい。今度こそ、私達の手で....。」

  二人は決意を固めるようにそう言った。

   ―――ひゃぁあああああ!!?

   ―――うわぁあああああ!!?

   ―――待ちなさーい!!

「....少しうるさいですね。」

「そうじゃな。....止めるかの。」

  二人は立ちあがり、少し離れた先で起こっている特訓と言う名の戦いを止めに行った。







「....はぁ、少々、やりすぎましたか。サフィアさんと“天廻(あまね)”様に止められるとは...。...まぁ、特訓自体は請け負ってくれましたからいいですけど...。」

  少しして、巫女装束の女性がレンズの前にやってくる。
  先程の二人はこの女性に代わって特訓に行ったようだ。

「...おや?下界の様子ですか....。」

  女性はレンズの存在に気付き、映像を少し切り替える。

「...それにしても、サフィアさんも天廻様も気づかないんですね...。私が天使から女神になったから気付けるだけでしょうか...?」

  ある場面で切り替えを止め、彼女はそう言う。

「...まぁ、気にしても仕方ありませんね。どの道、いずれ起こる戦いは“彼ら”に頼る事はできませんから...。」

  そう言って、彼女はその場から去って行った。









   ―――レンズには、高町なのはと天使奏が映し出されていた....。



























       ~どこか、光に溢れた場所~





  そこには、光に溢れているにも関わらず、明確な“闇”の存在が感じ取れた。

   ―――.........。

  その空間の中心にて、幾重もの結晶のようなものに包まれた存在がいた。

   ―――....もう、すぐ.....。

  その存在は怨念のように言葉を漏らす。

   ―――もうすぐ....会えますからね....?

  丁寧なようで、その念には途轍もない狂気が含まれていた。

   ―――あぁ....会いたい....会いたい会いたいあいたいアイタイ!!

  封印された存在。...そのはずであるにも関わらず、封印からは“闇”が漏れ出ていた。







   ―――嗚呼....私の、愛しき(憎き)旦那様(ユウキ・デュミナス)....!













  ....復活の時は、そう遠くない.....。















 
 

 
後書き
サフィア…サファイアを弄っただけの名前。神様なので“~語”的な由来はあまり使いません。
天廻…“天”と“輪廻”を合わせた感じ。和風な神様なので漢字で。
ユウキ・デュミナス…まだ未登場ではある。相当な重要人物。“デュミナス”は可能性のギリシャ語。一体、誰の事なんだ....!(露骨)

ディバインシュラーク…“神の一撃”的な意味で付けた名前。神なら大抵使える必殺技らしい。
ヴィレ・フュールング…“意志を導く”と言う意味を持つ。本編でのゲッティンヒルフェの“正気に戻す”部分をさらに強化したような魔法。

...技名を考えると必然的に厨二になる。なんでだ...!(厨二病だからです。)

それはともかく、登場人物の誰が誰を転生させたか、分かりますよね?
ついでに第1話の姉妹のその後も書いておきました。一応、もう魅了に掛かる事はないです。 
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