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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第45話 これからのこと

 
前書き
コピーエックス戦後 

 
シャイニングトランスフォームを発動してエンジェルエックスとなろうとしたコピーエックスだった。

しかしバイルはコピーエックスがシャイニングトランスフォームを発動した瞬間に自己崩壊を起こすようにしていたらしく、コピーエックスは自爆同然の最期を迎えた。

「コピー…エックス……」

「一体どうしたと言うんだ……」

あまりにも突然の出来事にルインとゼロは呆然としていた。

「バイルは初めからこうなることを知っていて…彼に罠を仕掛けていたんだ。彼の…本当の野望を叶えるために……。」

「可哀想な子だったな…やってきたことは許せないけど、こんな最期だなんて…哀れすぎる」

エックスの代わりとして生み出され、エネルギー不足やイレギュラー化などを理由に無実のレプリロイドを弾圧してきたコピーエックス。

しかし、バイルのような男に利用されるだけされて自爆同然の最期だなんて哀れすぎる。

次の瞬間、ネオ・アルカディア全体にバイルの声が響き渡った。

『…ネオ・アルカディアの全ての善良なる市民の皆さんに……悲しいお知らせをしなければなりません……。』

「この声は…」

「Dr.バイル…」

ルインとゼロは何となく内容は予想出来たものの、バイルの声に耳を傾けた。

『たった今…血に飢えたテロリストの手に掛かり、我らが英雄…エックス様が…………お亡くなりに…なりました…………。』

「よくもぬけぬけと…っ!!」

確かに自分達はコピーエックスを倒すつもりで来たが、コピーエックスを殺したのは紛れもなくバイルだ。

「落ち着け、まだ話は続くようだ」

怒りに震えるルインを宥め、ゼロはバイルの言葉に耳を傾けた。

『今から、条例8項の適用により…。不肖、このDr.バイルが皆さんの指導者となり…テロリスト鎮圧の指揮を執り行うことになりました…。』

「バイル…」

表情を険しくするルインだが、今からバイルの元に向かっても手遅れのために、拳を握り締めた。

『………ありがとうございます。今、皆さんのご承認を確認致しました。』

「は、はあ!?何で!?何であんな得体の知れない奴の言葉を信じちゃうの!?」

ネオ・アルカディアの市民からの承認があっさりと受けられたバイルに、ルインは唖然となってしまう。

『これから皆さんに色々なお願いをすることになるかもしれませんが……テロリスト撲滅まで……ネオ・アルカディアに真の平和は、訪れません!!共にテロリストを根絶やしするまで、戦おうではありませんか!!……クッ………クックックッ……クーックックックッ…クヒャーッハッハッハッハッ!!』

バイルの人を不快にさせる笑い声が響き渡る。

「………全て奴の筋書き通り……か」

「まさか私達もバイルに利用されてたなんて……」

「Dr.バイル……あなたはまた、百年前の戦争を…妖精戦争の悲劇を繰り返すつもりなのか…」

「エックス、私達はバイルの行方を追ってみるよ。」

「お前の力を貸してくれ」

バイルの行方を探すにはこの世界とサイバー空間を行き来出来るエックスの協力が不可欠であり、エックスもそれが分かっているからこそ、二人の言葉に頷いた。

「分かった……僕も彼の居場所を探そう……。ところで二人共……オメガの事なんだが……………」

何故か黙り込んでしまったエックスにゼロとルインは疑問符を浮かべた。

「何だ……?」

「オメガが何?どうしたのエックス?急に黙っちゃって?」

「いや……その時になったら、改めて言うよ……。大事なのは、体ではなく心なのだと……」

「体?心?どういうこと?」

意味深なエックスの言葉に疑問符を浮かべるルイン。

「ルイン、ゼロのことを頼んだよ」

「え?うん。任せてよエックス」

エックスは人型から球体の状態になると、この場を去った。

「心……だと?………」

先程のエックスの発言が何故か引っ掛かる。

一体エックスは何が言いたかったのだろうか?

「良く分からないけど、とにかくレジスタンスベースに戻ろうよ。オペレーター、ミッション終了しました。転送をお願い」

『了解、転送します』

二人は転送の光に包まれ、レジスタンスベースに転送された。

「転送終了まで…2…1…転送!!」

ゼロとルインが司令室のトランスサーバーに出現した。

「お疲れ様でした」

ゼロとルインがトランスサーバーから出ると、シエルが駆け寄ってくる。

「とうとう、Dr.バイルが……ネオ・アルカディアの支配者になってしまったわね………」

「うん…私達もコピーエックスもバイルの掌の上で踊らされてたんだ。滅茶苦茶ムカついたけどね」

「何も知らされていない人間達…いや…何も知ろうとしない人間達…か。」

「食べ物にも、住む場所にも不自由しない生活……。人々は、段々…自分の頭で考えようとしなくなった。」

慣れてしまったのだろう。

他者からの施しを受ける日々に、だからこそネオ・アルカディアの統治者がコピーエックスからバイルになろうと市民はあっさりと受け入れてしまう。

「それだけコピーエックスの政策が極端過ぎたんだよ。コピーエックスの極端な人間優位の政策がネオ・アルカディア本来の在り方を歪ませて、人間達を堕落させてしまったんだよ……」

今の人間達はどこからどう見ても善人には見えないバイルですら簡単に受け入れてしまう程に堕落している。

「でも…中には、前にルインが言っていたように何とかしたいと思っている人がいるかもしれない。Dr.バイルが何を考えているのか…そんな人達に伝えることが出来たら……ネオ・アルカディアを変えることが出来るかもしれない…。」

「Dr.バイルは一体何者なのか……この世界に再び現れてから今まで何をやっていたのか……」

「情報を集めていただければ……彼が今どこにいるか…何をしようとしているのか…分析出来るかもしれません」

「分かった。どこへ行けばいいか教えてくれ…」

「ええ…オペレーターさん。お願い」

シエルが指示を出し、ジョーヌがモニターに情報を得られそうな場所をピックアップする。

「情報が入手出来そうな場所をピックアップしてみました。ミッションを選択しますか?」

「うん」

「ゼロ、ルイン。Dr.バイルがこの世界を支配してしまったら…あの恐ろしい歴史をまた繰り返すことになるわ…何としても…そう…何としてもそれだけは、阻止しないと…でも、二人の力を信じているけど…無理はしないでね…」

現在、バイルの野望に立ち向かえるのはゼロとルインだけだ。

だからこそ、個人的な気持ちも含めて来るべき時に備えてあまり無理はして欲しくはないのだ。

「ああ…」

モニターにピックアップされたミッションを見遣る。


エリア:エネルギー施設

ボス:キュービット・フォクスター

ミッション:施設の調査


エリア:雪原

ボス:グラチャー・レ・カクタンク

ミッション:データの回収


エリア:水没した図書館

ボス:ヴォルティール・ビブリーオ

ミッション:データファイルの回収


エリア:巨大エレベーター

ボス:トレテスタ・ケルベリアン

ミッション:施設の調査 
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