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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1232話

 部屋の中にいるのは、俺とレモン、マリュー。
 これだけを見れば、俺が恋人達と甘い一時を過ごしていると思う者もいるかもしれない。
 本当にそうなら、俺も嬉しいんだけどな。
 いや、別に俺がこの2人とそういう一時を過ごしていないという訳ではない。
 寧ろ毎夜の如く肌を重ねており、恋人同士の間柄としてはこの上なく充実していると言えるだろう。
 今そういう時間を過ごしていないのは、単純にここがそういう場ではないからであり……

「お待たせしました、済みません」

 そう声を発しながら入って来た相手を待っていたからだ。
 いや、ここで人を待っているのは事実だったが、この男が来るというのは予想外だった。
 確かに来てもおかしくないんだが……
 そんな風に思っていると、マリューが驚きの声を上げる。

「キラ君!?」
「あ、マリューさん。お久しぶりです。アクセルさん、レモンさんも。今回の件は僕が担当になりましたので、よろしくお願いします」

 俺達の前に現れたキラが、そう言って頭を下げる。
 そう、そこにいたのはキラ・ヤマトだった。
 ただし、以前に会った時に比べると随分と大人びている。
 ……それも当然か。今のキラは既に20歳を過ぎており、立派な大人だ。
 自信を持った態度は、それを表しているのだろう。
 いや、それだけではないか。

「そう言えば俺がいない間に結婚したんだってな。遅くなったがおめでとう」
「あははは。ありがとうございます。本当ならアクセルさんも結婚式に招待したかったんですけどね」
「ま、いなかったんだからしょうがない。……にしても、お前はてっきりラクスと結婚するとばかり思ってたけど、まさかフレイと結婚するとはな。表向きだけではあっても、よく納得させたな」

 俺が聞いた話によると、キラはフレイと結婚して一緒に暮らしている。
 ……ただし、そこはラクスの家でもあり、プラントとオーブを行き来しながら、オーブに来た時にラクスが泊まる……というか住むのはキラの家らしい。
 つまりはまぁ、そういう事だ。
 実際には一夫多妻状態で過ごしている訳であり、これがプラントに広まったら色々と凄い騒ぎになりそうだ。
 結婚相手をフレイにしたってのは、それが理由の1つでもあるんだろうけど。

「オーブじゃなくて、シャドウミラーに来れば普通に一夫多妻制が採用されてるのにな。……どうだ? 今からでもオーブからシャドウミラーに移らないか? お前程の技量があれば、技術班でもやっていけるだろ。何なら実働班でもいいし」
「いえ、お誘いは嬉しいんですが、僕自身オーブから離れる気はありませんので。ホワイトスターは色々と興味深いんですけどね。特に料理の美味しい店が多いのは羨ましいです。何て言いましたっけ? そうそう、超包子。あそこで食べた肉まんが凄い美味しくて、フレイやラクスも驚いてましたよ」

 超包子、行ってたのか……
 キラがホワイトスターに来ているのは知っていたけど、まさか超包子にも顔を出しているとは。
 いや、考えてみれば超包子はホワイトスターでも有名な店だ。
 例えば、味についても最高峰だし、ウェイトレスの神楽坂も外見は間違いなく美人だ。
 また、シャドウミラーに所属している四葉の店という事でも注目されている。
 この辺を考えれば、間違いなくホワイトスターに訪れる他の世界の者達に注目を浴びて当然だろう。
 神楽坂とキラ、フレイ、ラクス。この4人がどんな会話をしたのか、ちょっと興味深いな。
 いや、神楽坂が準シャドウミラーのメンバー的な存在であるというのはそんなにメジャーな情報じゃないから、普通に店員として接しただけか?
 そんな風に世間話をする事、10分程。
 キラとフレイ、ラクス3人の新婚生活についての話が終わると、少し改まった様子でキラが口を開く。

「さて、じゃあそろそろ本題に入りましょう。アークエンジェル級を注文するとの話ですが、色々と改修の要望があるとか」

 技術者の顔になったキラの言葉に、頷きを返す。

「そうだ。まず可能な限り自動化をして欲しい。確か俺達がアークエンジェル級を注文するってのは、既にオーブで広まっているって話だったが、その理由は?」
「いえ、そこまでは」

 確かエヴァはその辺の話も聞いたとか言ってたと思うんだが……ああ、エルフの傭兵云々についてはホワイトスターででも実働班辺りから聞いたのか?
 隠しておく事じゃないし……寧ろ、出来るだけ大々的に話を広めるという意味では、各世界の上層部には既に話している内容だ。ここで言っても構わないだろう。

「キラもホワイトスターに来た事があるんなら、エルフを見た事はあるよな?」
「ええ。……ラクスが興味津々でしたよ」
「ラクスが? まぁ、それはいいとしてだ。今度エルフがシャドウミラーの下部組織として傭兵団を結成する事になってな。その母艦としてアークエンジェル級を採用する事にしたんだよ」
「は? エルフが傭兵ですか!?」

 余程意外だったのか、キラの口から素っ頓狂な声が上がる。
 確かに普通に考えれば驚くよな。
 そんなキラに言葉を続けたのは、俺ではなくマリュー。

「それで、エルフの人達がアークエンジェルを運用するにしても、出来るだけ少人数で艦を動かさせたいのよ。特にエルフの人達は、傭兵になる人数も決まってるし」
「……なるほど、艦の運用の自動化ですか。他に何か要望は?」
「そうね。一応確認しておくけど、ローエングリンの地表への環境被害の件はもう解決したのよね?」

 そう言えばマリューはその辺の事を結構気にしてたな。
 軍人として考えれば甘いとしか言いようがないのだろうが、1人の人間として考えればいい事なんだろう。

「はい、その辺はモルゲンレーテの方で既に解決済みです」
「そう、良かったわ。それとアークエンジェル級を引き渡して貰った後、シャドウミラーの方で改修作業をする事になると思うんだけど……」
「え? 最初から要望を聞かせて貰えば、こちらでやらせて貰いますよ?」
「悪いけど、シャドウミラーの保有技術を使った改修だから、オーブには情報を渡せないのよ。ごめんなさいね」

 申し訳なさそうに頭を下げるマリュー。
 そんなマリューを見て、キラは慌てて首を横に振る。

「そんな、マリューさんが謝らないで下さいよ。シャドウミラーの技術力がモルゲンレーテより……いえ、このSEED世界よりも優れているというのはきちんと理解していますから」
「そう言ってくれると助かるわ。他には……レモン?」
「そうね、基本的にアークエンジェルは宇宙でも地上でも活動が可能だった筈だけど、地上では一定以上の高度に上がれなかったのよね? その辺の改修もお願い出来る?」
「分かりました。ただ、少し時間が掛かるかもしれませんが……」
「時間が掛かり過ぎるようなら言って頂戴。こっちでテスラ・ドライブを用意してもいいから。出来ればSEED世界の技術を多く使って作って欲しいんだけど」

 テスラ・ドライブ。俺がSEED世界に来た時にオーブへと渡したのだが、未だにモルゲンレーテでは作り出す事が出来ないらしい。
 コーディネーターが何人、何十人、下手をすれば何百人と揃っているのに未だに作り出せないんだから、それを生み出したフィリオがどれだけ凄いのか分かるよな。
 勿論、テスラ・ドライブを開発したのはフィリオだけではなく、他のメンバーも協力してはいたのだろうが。
 ちなみに、ここで敢えてテスラ・ドライブではなくSEED世界の技術に任せるというのは、少しでも異なる技術を得ようという技術班の貪欲さの表れだろう。
 実際、それで問題があればテスラ・ドライブに換装すればいいだけだし。

「そう、ですね。その辺はこちらとしても可能な限り対応させて貰います。テスラ・ドライブそのものは作れなくても、それを参考にして飛行能力の向上は出来ていますので、問題はないかと」

 へぇ。何だかんだと、やっぱりモルゲンレーテの技術者は有能だよな。
 キラもその辺には関わってるんだろうが。

「お願いね。他には……ああ、そうそう。アークエンジェルは宇宙と地上を行動出来たと思うけど、海中も移動可能なようにして貰える?」

 マリューの口から出たその言葉は、俺からの要望だ。
 原作のDESTINYでは、アークエンジェルは海中を移動出来る性能を得ていた。
 海洋国家でもあるオーブならまだしも、傭兵団として活動する以上は海中を移動するなんて事は滅多にないだろう。だが、それは滅多にないだけで、可能性が皆無という訳ではない。
 特にBETAの場合、海の底を移動してくるという事を考えれば、海中での戦闘を可能にしておいた方がいい。
 まぁ、マブラヴ世界ではハイヴをユーラシア大陸に押し込め、そこから海を渡って移動出来ないようになっているけどな。
 それでもイギリス辺りはまだ確実に安全とは言えない以上、用意しておくのはおかしな事ではなかった。

「海……ですか? 海洋艦はモルゲンレーテでも作った事がありますが、アークエンジェル級を海中でも活動出来るようにするというのは……ちょっと時間が掛かるかもしれませんよ? まぁ、宇宙で活動出来るように設計されているので、恐らくは何とかなるでしょうが」

 困ったようにしながらも、呟くキラ。
 そうなんだよな。DESTINYの方では普通に出て来たけど、普通に考えれば宇宙艦であるアークエンジェルを海中でも活動出来るようにするってのは、色々と無茶な話だ。
 DESTINYの原作では、よくあんな風にあっさりと出来たな。
 マリューがモルゲンレーテで技術者として働いていたのを考えれば、もしかしてそういう事か?
 マリューはSEEDの方でもPS装甲を開発した人物の1人だ。アークエンジェルを海中でも活動出来るような改修が出来てもおかしくはない。
 ……PS装甲と海中での活動は全然話が違うが、それでも技術班に所属している今のマリューを見る限りだと、否定は出来ない。

「それと、格納庫をなるべく広くして貰える? エルフの人数も結構多いから、出来るだけMSを搭載出来るようにしたいのよ」
「なるほど。……ちなみに、ちなみにですが、温泉を作るという案があるんですけど……」

 キラの口から怖ず怖ずと出されたその言葉に、レモンが呆れたように溜息を吐く。

「ねぇ、坊や。何で戦艦に温泉が必要なの?」

 キラの年齢は既に20歳を超えているんだが、それでもレモンの口から出た坊やという言葉に違和感を覚えないのは、どうなんだろうな。
 外見年齢でいえば、20代半ばで年齢が止まっているレモンと、20歳を超えているキラだ。
 ぶっちゃけ殆ど年の差はない。
 それでも積み重ねてきた経験の差は大きいといったところか。
 それにこう言ってはなんだが、キラは平穏な暮らしを続けているのに対して、レモンはシャドウミラーを実質的に動かしてきた。
 この経験の差は大きい。

「で、ですよね。いえ、ちょっとこっちの部署から可能だって意見があったので言っただけです」
「温泉、温泉ねぇ……」
「ちょっと、アクセル。もしかして乗り気だったりしないでしょうね?」

 温泉という言葉を繰り返す俺に対し、レモンが念を押すように尋ねてくる。

「いや、そうじゃない。温泉は確かにいらないと思う」

 そう告げると、キラが落ち込んだ表情を見せる。
 ……実は温泉ってキラのアイディアだったんじゃないのか?
 まぁ、それはともかくとしてだ。

「温泉はいらないけど、温泉の代わりに自然公園……ってのはちょっと言い過ぎだろうけど、木とかを植えた庭のようなものは出来ないか? アークエンジェル級に乗るのがエルフである以上、どうしてもそういう自然ってのは大事だと思うんだが」
「……なるほど。確かに温泉よりは緑があった方がエルフ達も喜ぶでしょうね」
「ちょっと待って頂戴、2人共。確かに自然があればエルフは喜ぶだろうけど、艦の中よ? それこそ、自然がどうこうというのは難しいんじゃない? ……どうなの、キラ君?」

 マリューの言葉に、キラは少し難しい表情を浮かべながらも、口を開く。

「試してみないと分かりませんが、可能か不可能かと言われれば、可能だと思います。日光の方もLEDでどうにかなりますし。ただ、当然自然の中じゃなくて艦の中に木を植えるんですから、色々と手を掛ける必要が出て来ますよ?」

 不自然な環境で育てるんだから、確かに普通よりも手を掛ける必要は出てくるだろうな。けど……

「乗るのがエルフである以上、自然に対しての知識は高い。恐らく大丈夫だと思う。……どうだ?」

 レモンとマリューの方に視線を向けて尋ねると、2人は頷く。
 どうやら決まりらしい。

「じゃあ、自然公園……いや、部屋なんだし、自然部屋? は決まりって事で頼む」
「分かりました。ただ、何分初めての試みなので、少し時間が掛かるかもしれませんが……」
「それはしょうがないだろ。寧ろ、これをいい機会としてモルゲンレーテの売りにしてみても面白いかもしれないな」

 半分本気でそう告げるが、そんな俺に対してレモンがどこか呆れたように口を開く。

「あのね、アクセル。私達みたいに特殊な集団ならともかく、普通なら艦の中に自然をどうこうしようなんて思わないわよ? もし自然をどうにかしたいと思っても、鉢植えとかそういうのでしょうね。それか、自然の光景を映像として流すとか」
「そんなものか? ともかく、自然はそれでいいとしてだ。キラ、他に何かあるか?」

 そんな風に、暫くの間はアークエンジェル級についての話を進め、気が付けば夕方近くになっていた。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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