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幻想時空録

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バズーカ竜賀

 
前書き
厳しいのう。この世は 

 
幻想時空録 5
紅魔館 正門
「うぷっ!?おぇぇぇぇ!」くそっ!何度目の吐血だろうか。
美鈴と名乗ったその女は、ACKGの司令官と互角の強さだった。
「ニタニタ笑いやがって・・・」次のパンチが飛んでくる。
後ろに回り、一撃を当てようとしたその時。
腕が動かない!それと同時に、横から白い腕が俺の腕を押さえつけている。
横に首をゆっくり向けたその時!
ゴキッ!
「うぉああああああああああああ!!」
横から動かない視線から見えた美鈴の顔は、一生忘れないだろう。
そう。鬼だ。どれだけ苦しもうと、泣き叫ぼうと、嬉しそうに、一番残虐な殺し方を選ぶ、鬼の形相だ。
俺の5感全てがこう叫ぶ。「このままでは惨殺される。」と
「これはどうだ?」ボキ!
「こうしたらどうだ?」バキィ!
「これは?これは?これはどうだぁ!?」ボキボキボキ!
「死ねよぉぉぉぉぉぉ!早く死ねぇぇぇぇ!」
もう痛点が潰れかけている。薄れゆく意識の中で、俺の何かが切れた。
「・・・・」殴る腕を俺は握った。そして反撃開始のあの声は、誰なのだろう。
「これで終わるとおもいなさんなよ!?」ボキボキボキボキ!!
俺は美鈴の腕をへし折り、自分の顔の横に腕を添えた。
「うぉらぁぁ!!」首の骨が凄い音と共に戻った。
「お前!どうやって回復した!?あの傷を負ってどうやって立ち上がった!?」
「美鈴。人間ってのはな。なにも考えずに死ぬまで戦うやつが一番怖いんだよ!」
翠月を直撃した俺の拳は、何かのお陰で加速した。
「ズドォォォォォォン!!!」
爆音が聞こえる程の加速。そして、爆発。
俺は誰がやったかすぐにわかった。
「巽巻竜賀。遅いぞ。」

6話に続く 
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