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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第38話 ミサイル基地

 
前書き
ミサイル基地に転送された二人が見るのは… 

 
ミサイル基地の入り口付近に転送された二人は周囲を見渡した。

どうやら転送は無事に成功したようで、直後にシエルから通信が入った。

『良かった!二人共無事だったのね!!』

「うん、私達は無事だよ。ところでミサイルの目標は分かった?」

「どこに向けられている?」

二人はすぐさまシエルにミサイルの目標を尋ねる。

『あっ…えっと今……目標…エリアZ…3079。何てこと…!人間の……居住区だわ!待って、それだけじゃない……。その居住区にダークエルフがいるらしいわ!!』

「ネオ・アルカディアの居住区に…ダークエルフが……?まさか…ミサイルを居住区に撃ち込むつもりなの?」

「恐らく直接乗り込んでダークエルフを捕らえる気か…了解した。行くぞルイン」

「OK、久しぶりに一緒のミッションだね」

軽く笑みを浮かべると、ゼロとルインは同時にZセイバーとZXバスターを抜いて一気に駆け出した。

目指すはネオ・アルカディアの居住区に向けて放たれようとしているミサイルだ。

普段のミッションと違い、今回は二人でのミッションなので、立ち塞がるパンテオンやメカニロイドを返り討ちにして、梯子を駆け登っていく。

「ゼロ!何か真っ直ぐ突っ走って梯子を見つけては登ったり、壁を蹴り上げて登ったりしてるけど、ミサイルのある場所を知ってるの!?」

一秒も無駄に出来ないミッションなので、ルインは焦りながらゼロに尋ねる。

「このミサイル基地からネオ・アルカディアの居住区までの距離とあのオメガを積むことが出来るほどの大きさを考えるとなると、それなりの規模のはずだ。そんな大型ミサイルをこの施設内に置いておくのは不可能だ…。恐らくは外のどこかに置いてあるはずだ。まずは屋上に向かう。」

「なるほどね、屋上なら基地全体を見渡せるからね」

こういう時でさえ冷静なゼロは本当に頼りになる。

「そうだ。急ぐぞルイン」

二人が金色の髪を靡かせながら、一気に屋上に向かう。

パンテオンやメカニロイドが二人を迎撃するが、ゼロやルインを相手にしては紙の盾のような物だ。

「ゼロ、行くよ!!トレーニングの時を思い出して!!」

「タイミングを合わせるぞ」

ゼロがバスターショットを引き抜いてルインのバスターと同時に構えると、同時にチャージショットを放った。

「「クロスチャージショット!!」」

二つのチャージショットが一つとなって広範囲を攻撃出来るチャージショットへと姿を変えた。

威力は当然だが、かなりの広範囲を攻撃出来るために殲滅力がかなり高い。

目の前に立ちはだかった敵は瞬く間に破壊された。

「やはり俺はこの技を知っている…」

「イレギュラーハンター時代…私とゼロとエックスの三人でチームを組んでいた時に編み出した合体攻撃だよ。エックスがいればより強力なクロスチャージショットが撃てるんだけどね」

イレギュラーハンターの特A級ハンターとなると、危険なミッションが与えられることがある。

当時のエックスはまだ自身の性能を引き出せておらす、強化アーマーが無ければレプリロイドの高速移動能力であるダッシュさえも使えなかった。

バスターの威力は高い部類には入っていたが、ゼロやルインと比べれば低かったために、ルインが考案したのがクロスチャージショットだった。

何となく閃いたそれを伝えたらエックスからは不安そうな、ゼロからは呆れたような表情を向けられたが、何回か試して成功した時の威力を見て、いざという時の切り札になったのである。

「昔話は後にして、それよりも急ごうかゼロ。」

「ああ」

話を切り上げると、二人は急いで先に進む。

屋上付近まで来ると、窓から見える物体にルインは顔を顰めた。

「(本気でこれだけ巨大なミサイルをネオ・アルカディアの居住区に撃ち込むつもりなの…?そんなことしたら、たくさんの人間達が巻き添えになって犠牲になる…今まで人間達を守ることに異常なまでに執着していたネオ・アルカディアが……)」

「ルイン、考え事は後にしろ。そろそろ屋上のはずだ。」

上に向かって行くごとに駆動音が大きくなっていき、風が流れ込んで来ているので、確かに屋上が近いようだ。

屋上に辿り着くとミサイルの弾頭が見えた。

「でか…っ」

あまりの巨大さにルインは目を見開いた。

こんな物をネオ・アルカディアの居住区に撃ち込むつもりなのかと目を見開く。

しかし、驚いていられるのも束の間、ミサイルが発射されようとしている。

「チッ…!!」

「やばっ!!」

直ぐに二人はミサイルに飛び移り、二人が着地した瞬間にミサイルが発射された。

『発射されたのね!二人共!これ以上は危険だわ!!』

シエルの言う通り、本来ならばここで一旦帰還すべきなのだろうが、ゼロとルインは逆にチャンスかもしれないと思った。

「今ならオメガは動けない……後方から侵入して、奴ごとミサイルを仕留める。」

「確かに…今のオメガなら動けないし、倒せるかもしれない…ごめんねシエル!!」

『ゼロ!ルイン!!』

二人は通信を切ると、ミサイル内部に侵入するためにミサイルの後方に向かう。

そして二人がミサイルの後方に近付いた途端、ミサイルの一部が分離した。

二人はミサイル内部に侵入し、ミサイルに積まれているオメガの護衛らしきパンテオンやメカニロイド達を返り討ちにして奥のシャッターを強引に抉じ開けた。

するとそこには二体のベビーエルフ・プリエとクリエがいた。

「ベビーエルフ…」

エックスのボディが破壊される元凶であり、アルエットのことが脳裏を過ぎったことで複雑そうな表情でベビーエルフ達を見つめるルイン。

「やっぱり来たよ!悪いレプリロイドだ!!」

「やっぱり来たね!悪いレプリロイドめ!!」

バイルに何を言われたのか分からないが、どうやらバイルからすれば自分達の侵入のことは予想していたらしい。

「オメガにーちゃんはおかーさんを助けに行くんだ!邪魔するな!あっち行けぇー!!」

「オメガにーちゃんをお前から守るんだ!邪魔するな!あっち行けぇー!!」

二匹のベビーエルフ達がゼロとルインに襲い掛かる。

「邪魔なのは…君達だよ!!」

予めZXセイバーのチャージは終えており、即座にチャージセイバーをプリエに叩き込んで吹き飛ばす。

「バーストショット!!」

ゼロはクリエに向けてバーストショットを叩き込む。

普通のサイバーエルフなら消し飛んでいる程の威力なのだが、どうやらバイルによって強化されたベビーエルフにはそんな常識が通用しないようだ。

寧ろ激怒してこちらに攻撃を仕掛けてくる。

「ゼロ、こいつら合体攻撃して来るよ!!」

「落ち着け、こいつらは感情任せに攻撃して来る。一対一に持ち込めば大した敵じゃない。そっちは任せたぞ」

ルインにクリエを任せ、ゼロはプリエを相手取る。

「壊れちゃえー!!」

「そんな単純な攻撃が当たるわけないでしょ!!」

ルインに向けて光弾を放ってくるが、彼女に直線的な攻撃など通用するはずがなく、回避と同時にチャージショットとチャージセイバーのダブルチャージを叩き込む。

「サウザンドスラッシュ!!」

一方、プリエの相手にしていたゼロは、リコイルロッドによる連続突きをプリエに炸裂させていた。

あの技はゼロが倒したデスタンツ・マンティスクのDNAデータを解析して編み出した技であり、トレーニングルームでのトレーニングではまだ未完成だったが、今ここで完成したらしい。

「やったなーっ!!」

プリエがゼロにかなりの速度で突進してくるが、逆にカウンターでバーストショットをプリエはまともに喰らう。

確かにダークエルフの子供だけあって、ベビーエルフ達の力は強大だったが、ベビーエルフ達はただ力が強いだけであり、感情のままに力を振るう者と、冷静に力を使いこなす者では戦いの結果は見えていた。

「行くぞ」

「OK」

二人はベビーエルフ達から距離を取り、同時にバスターの銃口を向けた。

ベビーエルフ達は回避しようとするが、この技を前にしてこのような狭い場所では逃げ場はない。

「「クロスチャージショット!!」」

二つの銃口から放たれ、一つとなったチャージショットがベビーエルフ達に炸裂し、二匹を撃墜した。

強大な威力を誇るクロスチャージショットをまとも喰らったベビーエルフ達が泣き叫ぶ。

「うわぁぁんっ!酷いよー!!」

「やあぁぁんっ!痛いよー!!」

「(君達がしたことや、しようとしていることを考えればこれでも優しい方だよ)」

胸中で呟くルイン。

ベビーエルフ達は幼すぎるために善悪の区別がまるで出来ておらず、母親であるダークエルフに会うためなら、どんなに他人が傷つこうと構わないのだから。

他人の痛みが分からないのだベビーエルフは…そう、まるで興味本位で虫を殺す子供のように。

その時、ミサイルが揺れる。

「負けちゃったけど、もうすぐミサイル落ちちゃうよ!作戦成功だね!!」

「負けちゃったけど、もうすぐおかーさんに会えるよ!作戦成功だね!!」

「くっ…!!」

「ゼロ!脱出するよ!!」

HXアーマーに換装したルインはゼロの腕を掴むと、頭部と背部のバーニアを全開で噴かし、最大速度のエアダッシュでミサイルから脱出したが…。

「きゃあああああっ!!?」

「ぐっ!!」

ミサイルがネオ・アルカディアの居住区に着弾し、凄まじい大爆発を起こしたことにより、爆風を受けたルインとゼロは勢い良く吹き飛ばされてしまった。

ゼロとルインは爆風で着弾点から大きく離されてしまったが、ミサイルと共に着弾したはずのオメガは傷一つなく、ダークエルフの前に佇んでいた。

「グ…オオ…!!」

「わーい!!おかーさん!!おかーさん!!」

「わーい!!おかーさん!!おかーさん!!」

ベビーエルフ達がようやく母親に会えたことの喜びのあまり、ダークエルフの周りを飛び回る。

そしてオメガはダークエルフの吸収を始めた。

「グ…オオオオオオオオッ!!」

瞬く間にダークエルフがオメガに吸い込まれ、オメガのボディが禍々しい金色に変わり、元々大きかったオメガのパワーが更に大きく増大した。

「な…っ」

「ダークエルフを…吸収しただと…」

着弾点から大きく離されてしまい、急いでこちらに駆けつけたゼロとルインだったが、ダークエルフをオメガに吸収されてしまったことに驚愕する。

「グ…オオオオオオオオオッ!!!」

ゼロとルインの姿を認識したオメガは咆哮を上げた。

そのあまりの威圧感には傷を負っているとはいえ、流石のゼロとルインもすぐには動けなかった。

「ついでに悪いレプリロイド達もやっつけちゃえー」

「ついでに偽者レプリロイド達もやっつけちゃえー」

オメガが唸り声を上げながらゼロとルインに近付いてくる。

二人は傷付いた体に鞭打ちながらセイバーを構えた瞬間であった。

上空からハルピュイアが舞い降りた。

「ハルピュイア…」

後ろにいるゼロとルインに一瞥もくれず、ハルピュイアは目の前のオメガを、そして無残な姿を曝している廃墟となった居住区をただ静かに見つめる。

「……………」

ハルピュイアは周囲を見るにつれ、激しい怒りが込み上げてくるのを感じた。

少し前まで、人間達が平和に暮らしていたであろう居住区だった場所がバイルとオメガの手によって滅茶苦茶にされた。

「我らネオ・アルカディアのレプリロイドは…人間を守る……。この地上の唯一の正義。これが…この廃墟が…貴様らの正義かーっ!!バイルーーーッ!!!」

ダークエルフを手に入れるという、ただそれだけのために大勢の人間達を犠牲にしたバイルへの怒りもあるが、何よりも大勢の人間達を救えなかった自分の不甲斐なさが一番許せなかった。

そのままダークエルフと融合したオメガに戦いを挑む。

しかしそれはゼロ達が知る冷静沈着なハルピュイアらしからぬ無謀極まりない行動であった。

「サンダーストライクッ!!!」

ソニックブレードを抜き放ち、それを交差させるとオメガに凄まじい威力の落雷が落ちる。

しかし、ダークエルフの力を得たオメガのボディには傷一つ付けることすら出来なかった。

まるで蝿を払うかのようにオメガが光弾を放ち、ハルピュイアに直撃させて弾き飛ばす。

「ぐあああああっ…!!」

弾き飛ばされたハルピュイアはルインの足元に叩きつけられた。

「ハルピュイア!!」

「くっ…俺は…俺は…っ!!」

何とか片膝をついて立ち上がろうとするが、ダメージを受けすぎたハルピュイアの体のあちこちがショートしている。

「くっ…!!」

ゼロはあまりの状況の悪さに顔を顰めた。

オメガはダークエルフの力を得て、より強大になった上にベビーエルフが二体もいる。

それに対してこちらはハルピュイアは戦闘不能で、自分もルインも決して浅くないダメージを負っている。

それを見ていたベビーエルフ達がはしゃぐ。

「いいぞいいぞー!!」

「やっちゃえやっつけちゃえー!!」

『ゼロ!ルイン!動かないで!今、ベースへ転送するわ!!』

「シエル、ハルピュイアもお願い!この子を…助けて!!」

『…分かったわ!!』

『転送!!』

オメガが光弾を放つ寸前でゼロ、ルイン、ハルピュイアの三人が転送の光に包まれ、レジスタンスベースに転送された。 
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