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キズナ

作者:shoogel
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偶然

 
前書き
キズナ第3話です! 

 
時刻は21時を少し回り、21時10分になっていた。

俺はカレンと共に、先程ログアウトした場所に戻ると
よく知っている少年がマイルドピッグと戦闘を繰り広げていた。

「ヤァァァァァッ!」

少年は簪をマイルドピッグに3回突き刺すと
怯んだマイルドピッグに両手で握り締めた簪でマイルドピッグの頭を突き刺した。

そのままマイルドピッグは声を上げることなく
硬直し、そのまま青いポリゴンと化し消滅した。

「こんなもんかなぁ…?」

俺は1人で呟いている少年に対し、話し掛ける。

「流石、必殺仕事人…!やるなぁ…」

「あ、サクマ!何処に行ってたのさ…。僕、待ち切れなくてここで一人狩りしてたんだよ…、ってその女性は…?」

「カレン…、こいつがさっき紹介した、友人のユウだよ」

「この人がサクマさんのお友達の方なんですね!」

カレンはユウに向かうと軽くお辞儀をして挨拶をした。

「あの初めまして!私はカレンって言います、よろしくお願いします!」

「僕はユウだよ、よろしくねカレンさん。」

ユウは俺に顔を向けると質問してくる。

「で、何でカレンさんとサクマが一緒にいるの?友達?」

「現実の友達ではないけどな。さっきフレンドにはなったよ」

「サクマさんには先程危ないところを助けて頂いたんです!」

ユウは俺に近付き、耳元で囁く。

「サクマ…、僕が居ない間にこんなに可愛い子と…。くっ…!この裏切り者!!」

「なに言ってんだよ…。俺はカレンに友人を紹介しただけだぞ?それにカレンのフレンドになって欲しいんだ」

「えっ…?僕がカレンさんのフレンドに!?」

「ああ。なってもらえるか?」

俺がそう話した後に、ユウはカレンの前に行って話す。

「あ、あのカレンさん?僕とフレンドになりませんか?」

「いいんですか!?よろしくお願いします!」

そう言うとユウとカレンはフレンド申請と交わし、2人はフレンドになった。

ユウはまた俺に近付くと、俺の肩に手を置いて呟いた。

「やっぱりサクマは僕の心の友だよ。ありがとう!!」

「……お前、わかりやすいな…」

すると俺はすっかり忘れていた事をユウに話す。

「そういや俺らもフレンドになってなかったな、一応フレンドになっとくか」

「あ〜、そうだったね、それじゃ申請送るね」

俺とユウもフレンドになった後、俺たち3人は草原に座り
たわいない話を話していた。

「へぇー、カレンも俺らと同じ高2なのか」

「うん。…ってそういえば明日テストだった!!」

「テストかぁ…、…ん?サクマ!僕たちも明日テストだよ!!」

「えっ…?それマジ…?」

「う、うん…。明日は現文と現社のテストがあるはずだよ…」

「……。現文に現社…。終わった…」

俺が頭を抱えているとカレンが口を開く。

「サクマさんたちも現文に現社?私たちもその二教科だよ」

「カレンも…?つかぬ事を聞くが高校は何処…?」

「高校は雅野高校っていう東京の学校だけど…」

それを聞いた俺とユウは顔を見合わせた。

「…?どうしたの二人とも…」

「カレン、落ち着いて聞いてくれ」

俺はカレンに話しかけると、言葉を続ける。

「その学校、俺たちも通ってるんだ…」

「えっ!?嘘…!」

「本当に驚いたね…、まさかカレンさんと僕たちが同じ学校だなんて…」

「因みにサクマさんたちのクラスは何処?私は2ー2だけど…」

その言葉に俺たちは再び顔を見合わせた。

「嘘…、サクマ…それって…」

「あ、ああ。驚いたな…。まさか隣のクラスだなんて」

「えっ…、隣って言うと2ー1なの?」

「その通りだ…。こんな偶然もあるんだな…」

俺は偶然の重なり合いで知り合ったカレンにあることを頼んだ。

「良ければ現文と現社を教えてくれないか!?」

「私で良かったら教えるけど…」

「本当か!?ありがとう、頼む!!」

俺がそう言い終わると、カレンはメニューウィンドウを開き
設定の共有という欄からギャラリー共有で俺たちの前に写真をオブジェクト化させた。

「これは次テストで出そうなところを、スマホで撮ってた写真だよ」

「凄いこんなに沢山…。わかりやすく赤ラインも引いてあるしね!」

「ああ。だけどこれは…?」

そんな感じでカレンに勉強を教えてもらった俺たちは、自身に満ち溢れていた。

「よし!これで明日のテストはバッチリだぜ!」

「うん、かなりわかりやすかったよ!」

「そ、そうかな…?ありがと…」

カレンは少し照れたように話すと、メニューの時刻を確認する。

「もう23時か…。結構勉強しちゃったね」

「ああ。勉強教えてくれてありがとな、カレン」

「う、ううん!こっちこそ助けてもらったり、友達紹介してくれてありがとね!」

カレンは名残惜しそうに口を開く。

「もうそろそろログアウトしなきゃ…」

「カレン…」

俺がそう言うとカレンは俺に向く。

「カレンが良かったら、明日学校で会おうぜ!」

「うん!今日はありがとね!サクマさんまた明日…」

そう言うと俺たちの目の前でカレンはログアウトしていった。

その瞬間、ユウが俺に向かい話す。

「やっぱり前言撤回…。サクマは裏切り者だぁぁぁ!!」

「な、なんでそうなるんだよ!」

「くっ…!この天然め…。カレンさん「サクマさんまた明日…」って言って、僕には何も言わなかったんだよ!?最後なんか2人で見つめ合っちゃって!」

「そんなの気のせいだろ!?」

「いーや!気のせいじゃない!」

このユウの抗議は1時間に渡り行われた。

最後は渋々諦めたようにユウが話しているのを無視し、その後俺たちもログアウトした。


俺は現実に戻ると、カレンに見せてもらった写真を保存していたので、それで改めて勉強して明日に備え、布団に入った。 
 

 
後書き
キズナ第3話でした! 
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