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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1224話

 ホワイトスターへと戻ってきた俺達は、早速宴会の準備に入る。
 ……まぁ、エザリアを始めとした政治班の面々や、生活班の四葉といった面々。他にも料理が出来る茶々丸や、交流区画にある料理店に協力して貰ったので、料理が足りないって訳じゃなかったんだが。
 ああ、それと雪広財閥や那波重工にも料理を用意してくれるように、あやかと千鶴が頼んだらしい。
 これだけの者達が用意したのだから、料理が足りなくなる事はないだろう。
 俺の視線の先には大勢の人数が揃っている。
 ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界、修羅達。それとマブラヴ世界。
 全て合わせて数百人。
 逆に言えば、この数百人でマーズゼロとその周辺にある2つのハイヴを攻略したという事でもあるのだから、それを聞けばマブラヴ世界の住人は目を見開くだろう。
 実際、崇継や恭子といった面々は普段なら冷静な表情を崩し、時々信じられないといった様子で周囲を見回しているのだから。
 人数的に多い修羅は……本来であれば色々と騒いで周囲に迷惑を掛けるのだが、ここには修羅王でもあるアルティスがいる。
 まさか自分達の失態でアルティスに恥を掻かせる訳にはいかないと、慣れない様子で大人しくしていた。
 まぁ、パーティが始まってしまえば、それもいつまで続くか分からないが。
 下手に暴れたりすれば、量産型Wを始めとした鎮圧部隊が出てくる事になるだろう。
 あるいはシャドウミラー幹部陣が姿を現すか。
 修羅が強いのはあくまでも修羅神に乗ってるからであって、生身での戦いに関してはそれ程得意な訳ではない。
 いや、勿論上位の修羅であれば話は別だろうけど。
 生身での戦いでもエヴァとの戦闘訓練で鍛えられているシャドウミラーの幹部陣であれば、下級の修羅は文字通り赤子の腕を捻るように無力化出来るだろう。

「さて……では、火星の息吹作戦の無事成功を祝し、また各世界から援軍として来てくれた者達の労を労う意味でもこの場を用意させて貰った。皆、飲んで食べて騒いで、今日の疲れを癒やして欲しい。……乾杯!」
『乾杯!』

 その一言と共に、いよいよ宴会が始まる。
 幾つものテーブルの上には多種多様な料理が用意されており、最初の乾杯でそれぞれのコップの中に入っている飲み物を口にした後は、そっちへと手を伸ばしている。

「よ、お疲れさん。にしても、お前さんの最初の挨拶って短くていいよな。俺が大西洋連邦にいた時なんか、こういう場所でも延々と長話を聞かされて、その間に料理とか冷めたりしてたんだけどよ」

 シャドウミラー用のテーブルへと戻ると、ムウがが嬉しそうにテリーヌを食べ、ビールを飲みながらそう告げてくる。
 そんなムウの横では、ナタルが少しずつワインを口にして笑みを浮かべている。

「ま、俺自身そういう経験がない訳じゃないしな」

 士官学校の時とか、校長を含めてお偉いさんの挨拶ってのは決まって長かった。
 正直、挨拶なんてのは短ければ短い程にいいという認識なんだが。
 だからこそ、俺の挨拶もあんな風になった訳で。

「アクセル君、アクセル君、アクセル君!」

 ムウやナタルと話ながら料理を食べ、飲み物を飲んで――勿論俺の飲み物は冷たいお茶だ――いると、そんな興奮した声が聞こえてくる。
 その声のした方へと視線を向けると、そこにいたのはネギ。
 当然の事ながら、ネギも火星の息吹作戦には参加していた。
 今のネギは、麻帆良でも最強クラスの戦力だ。今回のように戦闘力が必要な仕事は打って付けなのだろう。
 まぁ、ネギの場合はその生まれや能力から、戦闘以外にもこなせる仕事とかは多いだろうが。
 戦闘しかこなせないってのは、小太郎か。

「よお、ネギ。そう言えば、こうして会うのは久しぶりだな」

 Fate世界から戻ってきてからは色々と忙しく、今回の火星の息吹作戦にもネギが参加していた事は知っていたが、こうして直接会うのはかなり久しぶりの出来事だ。
 こうして見ると……随分と背が伸びているように思える。
 いや、実際に背が伸びているんだろう。
 何だかんだで、ネギももう子供ではなく青年と呼んでもいい年齢になっているんだから、当然か。
 中学3年だったか? それとももう高校生になったんだったか……まぁ、実際には魔法先生としての活躍で学生はやってないんだろうけど。

「それより! アスナさんから聞いたんだけど、アーサー王に会ったって、本当!?」

 ネギの口から出たその言葉で、そう言えば神楽坂にその辺伝えておいて欲しいって言ったのを思い出した。
 ……ただ、クーフーリンよりもアーサー王が真っ先に出てくる辺り、ネギの認識がどうなっているのかがよく分かる。
 もしランサーがこれを聞いたら、何て言うんだろうな。
 いや、寧ろ気にしないか?
 ……多分、それが正解な気がする。

「ね、アクセル君。アーサー王ってどんな人だったの? やっぱり強かった? 格好良かった? 凄かった?」
「そうだな。強いて言えば……」
「強いて言えば?」

 期待で目を輝かせてアーサー王の……セイバーの話をせがんでくるネギに、俺の持っている最も強いセイバーのイメージを口にする。

「腹ぺこキャラだな」
「……はい?」

 俺の口から出た言葉が理解出来ないと、首を傾げるネギ。
 そんなネギに対し、思わず苦笑を浮かべつつ言葉を続ける。

「いいか? ネギに言うのもなんだけど、イギリスってのは今でも食事があまり美味いとは言えない国だ」
「それは……まぁ、その……お、美味しいのとかもあるんですよ!?」

 何とか言い募るネギだったが、素直に飯マズ国家と言わなかっただけ感謝して欲しい。

「だろうな。紅茶関係の軽食はそれなりに美味いって話だし。ともかくだ。それも、今だからこそだろう? 調理技術の殆ど発展しなかったアーサー王の時代には、特に食事が……何だったか。そう、確か雑だったらしい」
「雑、ですか?」
「ああ。で、俺が行ったFate世界ってのは……まぁ、麻帆良辺りとそう大差はない。勿論あんな風に巨大な学園都市だったりはしないがな。つまり食事に不満のあるアーサー王が、食文化の発展している現代に呼び出されたんだ。で、それを呼び出したのが家事を得意としている男で、料理の腕も近衛以上に高い。さて、そうなればどうなるか……分かるな?」
「……それが、腹ぺこ……」

 ショックを受けたように呟くネギ。
 少しやり過ぎたか?

「ただ……普段は腹ぺこであっても、戦いにおいてはその伝説通りにかなりの強さだったぞ。ヘラクレスを相手にしても普通にやり合っていたし。それに、自分のミスを認めれば素直に謝る事が出来ていた」
「自分の非を素直に認められる方だったんですね」
「そうだな。それは間違いなく評価出来るところだと思う。俺とは色々と合わなかったけど、召喚したマスターとの相性は良かったな」

 ワカメの件もあって、最後の最後になるまで手を組む事は出来なかったけど。
 それでもあのコンビは原作主人公とヒロインというだけあって、色々と恵まれているように見えた。
 まぁ、凛ルートだけは絶対なかったけどな!

「アクセル君? どうかしたの?」
「いや、何でもない。後はアーサー王の他にはクー・フーリンとも会ったぞ。こっちも神楽坂から聞いたか?」
「はい。クランの猛犬、アイルランドの光の御子として名高い英雄ですよね?」
「そうだ。寧ろ俺としてはクー・フーリンとの方が馬が合ったな」
「じゃあ、友達に?」

 目を輝かせて尋ねるネギ。
 10代も半ばになったってのに、この辺は昔通りなんだな。

「友達……戦友? ライバル? まぁ、そんな具合だな。……これがクー・フーリンの宝具だ」

 興が乗った事もあり、空間倉庫からゲイ・ボルクを取り出す。
 瞬間、周囲で俺とネギの話に耳を澄ませていた他の者達も、いきなり現れたその槍に目を奪われるのが分かった。
 シャドウミラーの面子のように何度か見た事がある者は別だが、初めてゲイ・ボルクを見るような者達は視線を逸らす事が出来ずにいる。
 それは、俺の前にいるネギも同様だった。

「……」

 ただ驚き、目の前にあるゲイ・ボルクへと視線を向ける事しか出来ない。

「ちょっと、アクセル。こういう場所で気軽にそんな物を出さないでよ」

 近くで俺達のやり取りを見ていたレモンが、どこか呆れたように呟く。
 実際、そう言われるだけの状態になっているのだから、俺としても納得するしかない。

「全く、それを取り出したのがアクセルだからいいけど、もし他の人がそんな真似をしていたら、多分後で厄介な事になっていたわよ?」
「そうか?」

 確かに普通ならそういう揉め事が起きてもおかしくはないが、今回の場合は作戦に参加している面子が面子だ。
 火星の息吹作戦に参加した者は当然各世界で選りすぐられた者達であり、そうなれば迂闊な行動をするようにも思えない。

「アクセルは色欲と食欲は信じられない程に強いけど、物欲は乏しかったわね。分からないかもしれないけど、目の前に信じられない程のお宝があれば手を出してしまうって人はいるのよ」
「……今の、色欲とか食欲って言う必要あったか?」

 レモンにそう答えつつ、確かにこのままの状態だと色々と面倒な事態になるのは避けられないと判断し、持っていたゲイ・ボルクを空間倉庫へと収納する。
 そうして、ようやく俺達の周辺は平常に戻る。

「うわ、うわ、うわ……凄いよアクセル君。あんなに凄いの、見たの初めてかも」

 ネギも再起動を果たし、俺の方へとこれまで以上にキラキラとした目を向けていた。
 その視線には憧れはあっても、レモンが言っていたような物欲がない。その辺はネギがネギたる由縁だよな。
 このまま、その純粋な気持ちを持ち続けて欲しいものだ。
 そんな風に10分程ネギと話をし、やがてネギも他の人とも話をするって事で去って行く。
 そんなネギを見送り、俺はテーブルの上に置かれてあった春巻きを小皿に取る。
 テーブルの方に何らかの仕掛けがしてあるのだろう。まだ十分に春巻きは暖かく、それでいながら皮はフニャリとならず、パリパリのままだ。
 ……うん? いつも食べている春巻きに比べると……随分美味いな。
 味に奇をてらっているって訳じゃないが、間違いなくいつもよりも美味い。

「アクセル、今回の……うん? どうした?」

 何かを話し掛けようとして近づいてきた星刻が、俺の様子を見て不思議そうな表情を浮かべる。

「いや、この春巻きが美味いんだけど、何でこんなに美味いのか理解出来なくてな。具は普通の春巻きとそう変わらないんだけど」
「ふむ? ちょっと貰うぞ」

 中華料理でもある春巻きという事もあって、星刻も興味を引かれたのだろう。テーブルに用意されている箸で春巻きを取って食べる。

「これは……確かに美味い。美味いが……肉? そう、これは……鶏のささみか!?」
「ささみ? ……別に具のどこにも入ってないだろ?」

 細かく刻まれた肉が入っているが、それはささみではなく豚肉だ。
 他の具にしても、タケノコを始めとして有り触れたものでしかない。
 それでいながら、いつもよりも確実に美味いこの春巻き。
 俺の言葉に、星刻はしっかりと味わうように春巻きを食べていく。
 そうして全部食べ終わると、感嘆の表情を浮かべて俺の方へと視線を向ける。

「やはりこの奥深い味はささみが原因だな」
「いや、だからささみは具のどこにも……」
「違う」

 俺の言葉を最後まで聞かず、斬り捨てるように呟く星刻。
 その目に浮かんでいるのは……悔しさか?
 まぁ、国名は変わってはいるが、陽光がギアス世界での中華料理の本場というのは変わらない。
 そうである以上、春巻きを食べて美味いと感心してしまったのは悔しかったのだろう。

「具じゃない。皮だ。この皮に鶏のささみが使われている」
「……皮に?」

 星刻の言葉は思い切り俺の意表を突く。
 改めて春巻きを見るが、普通の春巻きの皮のようにしか見えない。

「これがささみ?」
「ああ。……多分だが、ささみを片栗粉か何かにまぶしながら叩いて薄く伸ばして皮にしたんだろうな。それが小麦粉で作った春巻きの皮と一線を画すような味を生み出しているんだろう。普通に食べているだけでも十分にその違いは理解出来る。……この春巻きを作った者の腕は凄いな。それこそ天子様のお抱え料理人になって欲しいくらいだ」
「そこまでか」

 この場に用意されている中華という事で、当然これを作ったのは超包子の四葉だ。
 腕を上げているとは思っていたが、それでもこれ程の評価を受けるとは思いも寄らなかった。

「ああ。この料理人の腕は素晴らしい。他の料理にしても、非常に細かいところまで手を加えている。……シャドウミラーというのは、人材がゴロゴロとしているな」

 感心したように呟き、他の皿の料理も味わっていく。
 ……うん、それは分かる。
 シャドウミラーの代表としても嬉しいんだが、料理を味わっているけど……お前、俺に何か用事があって来たんじゃなかったのか?
 星刻の様子に思わず苦笑を浮かべ、そう思ってしまうのはしょうがない事だったのだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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