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忘れ去られし古伝

作者:さいぞう
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二説目…
KNOCKIN ' ON HEAVEN 'S DOOR
  6話

血を好むか。
それは主の勝手にござる。

魔は持つ者を喰らうと申すが、拙者には通用せぬ。

世が戦ならば、友の為に。

主は主の好きにせい。







余程、精神修行を繰り返したのか…
人間は、心の弱き生き物。

取り憑かれるのが世の常じゃがのう。

一戦一戦、意志を持ち、血を喰らおうとする魔刀を侍は理解しておった。
じゃが、侍は平気じゃった。

さらには、わしを喰うてみい。と、好きにさせておった程じゃ。

血を刃が吸うたびに力は強くなる。
だが、侍には何の変化もなかった。


勘違いするな?

魔刀と言うのは、持ち主の力量あっての呼び名。
刀だけでは、魂を喰うくらいしか出来ぬ。

さすが、古の武士と云える事じゃろうなあ。







強き者を求めるのは、拙者の望み。
その果ては解らぬ。

この魔刀も、我が友。

心の一手は拙者と同じに感じ得る。

だが無駄に命を獲ろうとは思わぬ。
猛る魔刀の腹も解らぬでもない。

面白い事じゃ。ハハハ!


  





侍の一手は、斬れない者が何一つなかった。

数々の後世に伝わる勝負も何度かあったが、あの炎剣を見事に使う者以外、誰も敵わなかった。

そんな中…
魔刀は、侍の心など関係なく…

血を吸い、成長していく…
 
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