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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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進級試験とウロボロス
  中級悪魔昇格試験本番と試験官をやる俺とヴァーリ

紅色で紋様が刻まれているが、確認が出来たので俺とヴァーリが案内役で蒼太と大地が護衛者となっている。

「一応言っとくが、この二人は俺の護衛者となっている。ブラック・シャークから派遣されて来た奴らだが、普段は国連軍日本支部に居る者で俺の部下だ」

「なるほど、道理でこの二人から一切隙を感じないんだね」

「兵藤大佐の護衛をするのが、今回の仕事ですからね。大佐はいらないと言っていましたが、一応との事ですので」

「それとここはグラシャラボラス領にある中級悪魔の昇格試験センターだと言う事は知っているよな?」

石造りの廊下を進むが、豪華と言う程ではないがシンプルに造られている。ここがグラシャラボラス領であり、あのまったり野郎こと魔王ファルビウム・アスモデウスの御家領地となっている。サイラオーグにフルボッコされてやられたヤンキー悪魔の故郷であるが、戦術家であるファルビウムに倣ってここに中級悪魔の昇格試験センターを造ったそうな。

「まったり野郎であるファルビウムだが、戦術家と言う二つ名は本物なのさ。アジュカのアスタロト家の領地にも試験センターがあるし、冥界各地にあるが冥界でその筋一番の権威だから本来ならアスタロトで行われる昇格試験だ」

「それに上流階級の悪魔が通う名門と呼ばれる学校もあると聞きましたが、リアスもアスタロト領の学校か魔王領にある学校かで迷ったそうですわよ。結局、魔王領の学校にしたとか」

「俺も一誠も知っているが、先日の事件でアスタロト家の権威は失墜してしまったからな。ディオドラの一件で尾を引いているが、あのバカの所為でアスタロト家は危機的状況になったと聞いているよ。術式プログラムの第一人者であるアジュカの影響もあるからか、最悪の事態だけは避けたそうだ」

「他の冥界住民や貴族からの目が厳しくなったのは確かなようだね。次期魔王の輩出権利も失ったけど、それに関しては傍迷惑な話だね」

ま、そう言う状況があるから今回はここになったんだろうよ。朱乃らを率いて辿り着いた場所は、受付であり窓口がいくつかある場所でもある。受験者達が受付と話をしていたようだが、悪魔の数が多くないと気付いたしそこそこ広い受付場所は人気も無いからガランとした場所である。

「あそこの受付で必要書類事項に記入をしてから、受験票を受け取るようにな。それが終われば、そのまま上階の筆記試験の受験会場に向かう様になっている」

「試験は第一部が筆記で、第二部が実技となっている。二人が持っているレポートも筆記試験前に、担当試験官に提出するように・・・・自動的に俺達となるがな」

「蒼太は記入する書類を持って来い『了解』俺らはしばらく待機だから、大地は俺ら周辺を警戒せよ『はっ!』」

蒼太は指示を聞くと素早く走って行くが、あんまり受験者がいないのかヴァーリがそう言っていたが本当に余りいないな。昇格試験に臨める悪魔など、今の冥界では少ない方だと聞いているし上級悪魔の試験センターの方がもっと空いているそうだ。昔なら兎も角、現在は戦もないし悪魔稼業の契約で大きな事をするかゲームで活躍しない限り昇格話は来ない。

「一誠君、試験開始前に一つ言いたい事があるんだ」

「ん?何だよ、改まって」

「君ら二天龍と出会えてよかった」

「二天龍、ね。ま、寄せ付ける力を持っているからな。俺らがいないと二人共昇格など出来んよ」

「私も一誠さんに出会えなければ、お母様とお父様との幸せな事はありませんでした。あの事件を解決してくれたお陰で、今があるんだと思いますわ。一誠さんの戦いを見たお陰で、こんなにも強くなれたと思いますわ。必ず合格してみせますわ」

と言う事で、俺の拳とコツンと鳴らしたら朱乃からも握手をしていたら蒼太が書類を取ってきてくれたので、空いているスペースで記入する事となった。ここから俺とヴァーリは試験官だからか、二階に続く階段を一緒に上がるようだが悪魔文字で書いてあるから俺だけ読めないように思えた。グラサンにある機能で、ゼロが翻訳してくれたお陰で理解出来た。

『中級悪魔昇格試験・筆記試験会場、と読むのか。翻訳モードにしないと読めないわ』

『俺は何とか読めるが、一誠は悪魔文字を知らないからな』

『そう言う事だけど、ここから俺らの仕事が始まるからなヴァーリ』

『分かっている。まるで駒王学園の大学部にある教室みたいだな』

長机が並ぶ室内で、受験票が書かれた番号に記された席に座らないといけないようだ。試験官である俺とヴァーリは後ろにいたが、仕事なのでここからは見守るしかないだろうな。二人並んで席に着くと・・・・周囲の受験者からヒソヒソ話が聞こえてきたな。

「・・・・あれって、グレモリー眷属の?聖魔剣と雷光の巫女・・・・」

「後ろにいる試験官って、あのサイラオーグ・バアルを倒した二天龍か!」

「魔王様からの昇格推薦の噂は本当だったんだな・・・・」

「それに二天龍である二人は、魔王様から雇われたとか噂されているわよね?」

「だから外にカメラを持った奴が何人もいたのか・・・・」

と言う感じのようだが、特撮番組やニュース報道にレーティングゲームで有名になったグレモリー眷属だ。ま、その前に俺らが有名過ぎている事だがその辺は気にしていない。だが話から察するとやはりマスコミ関連がいるようだな。人間界で言えばパパラッチか?まあすぐに殺気で蹴散らすけど、受験者が集まり試験会場は昇格試験に臨む悪魔で席が埋まった様子だ。

『百人以上収容出来る室内を満席になる気配もないな』

『そりゃ元人間の悪魔ばかりだからかもしれんよ、獣人や妖怪に魔物系統の悪魔も来ているぞ一誠』

『多種多様の悪魔が昇格試験に臨む訳だが、朱乃らを含めても四十人程度かな。昇格は狭き門のようだし、実力がある者にもチャンスを与えられると言う事か』

『そろそろ俺らの仕事を始めるぞ』

試験官である俺とヴァーリが後ろから受験者を確認してから、レポートの提出をするように告げる。俺らの先導の元、レポートを提出させてから纏めて封筒に入れた。これをサポートである蒼太に渡してから、試験用紙をヴァーリと一緒に配る。

「さてと、そろそろ時間となったんで開始して下さいな」

俺の開始を知らせる声で受験者は皆一様に試験用紙を表に返して、テスト開始となったが俺は前にいてヴァーリは後方にいるようになっていた。カンニングや落とした物とかをチェックするが、受験生は一つでも解答を埋めていくようにして悪魔文字で書いていた。そんで筆記試験を終わらした朱乃と祐斗は、センター内の食堂に来ていたが過去問と俺らからの勉強会の結果が出たようだ。

「やはり一誠さんの言う通りとなりましたわ。『黒衣の神皇帝』に出てくる敵幹部の名前や一番初めに使った技名などが」

「それと『レヴィアたん』のも似たようなのが出て来たよね」

「ま、俺的には最近起きた事が試験に出ると予想していたが本当に出るとはな」

「だが試験官とした仕事も新鮮があって面白いな」

複数の項目に分かれていた筆記試験を数時間かけて終了したが、俺とヴァーリは問題を見ていたけど予想通りと予想外な問題が出ている事にため息をしていた。筆記試験をしている時、俺とヴァーリは監視しながら各自読書やらしていた。

悪魔に関しての基礎はあったが、社会学で『マジカル☆レヴィアタン』と『黒衣の神皇帝』に関しての問題が出て来たと試験後に知った。最近起きた出来事に『禍の団』に関しても出て来たので、他の受験者よりもスラスラと書けたようだ。

「それにしても一般に教えてはいけないような情報まで書く必要性はなかったよね?」

「ああ。それを知っているのは一部の悪魔と三大勢力トップと俺らぐらいだから、他の試験官でも知らない事は沢山あるぞ」

「それは良かったよ。にしても空欄がほとんどなかったから、自信は結構あったかもね」

「確かにそうかもしれんし、悪魔文字で書くからか一誠が受験者に質問受けた時は一瞬疑問符していたぞ」

「そう言えば一誠さんは悪魔文字が読めないんでしたか『まあな~だがこのグラサンにて翻訳モードにすれば読めるからな』だからいつもグラサンをかけているのですね」

昇格試験で一番難しいのは、試験に挑戦できる権利を手に入れる事なのか。だからこんなにも受験者が少ないし、ここの食堂も広い割に悪魔の数も少ないからな。お茶を持ってきた大地だったので、俺とヴァーリは飲み干したコップを置いた。

「次は実技の方だが、これに関しては得意分野だろうよ」

「センター内の屋内会場で行われるようですけど、一誠さん達はこれからどうするのですの?」

「俺達は引き続き試験官として仕事をする予定だが、実技に関しては禁手化した俺と一誠が試験官として受験生の本気度を見ようとな」

「赤龍帝と白龍皇が見ていると知れば、自然と実力を発揮させないと評価が落ちるからかい?」

「まあな。俺らが二天龍だと知らんからな、この容姿だからか普通の試験官に見えるそうだ」

俺らが禁手化して鎧姿を見せれば、自然と受験生が力を見せてくれるだろうと言う思惑がある。実技試験の時間となったので、俺とヴァーリは禁手化して鎧姿となり二人はジャージ姿となっていた。広い体育館で、受験者がそれぞれ動きやすい格好に着替えていて自分なりの解し方で体を温めていた。鎧姿なのかとても浮いていたが、試験官なので最後まで見守る事にしている。

「全員、集合!」

俺の声にて、受験者が集まったが他の試験官と違い二天龍の鎧を着ていた俺とヴァーリなので、普通の試験官ではない事を知った受験者。点呼をし始めてから、ジャージに受験者番号のバッジ付いているんで分かるようになっていた。ちなみに頭部だけは素顔になっているので、グラサン姿をしている。

「実技試験は至ってシンプルな事をするが、受験者の皆で戦闘をしてもらう。この後、皆に抽選してもらう事で対戦相手を決めてもらう」

「戦闘時、総合的な戦闘力などを見るので相手に負けたとしても合格の目が無くなる事はない。無論勝利した方が、得点は高い方となっているが戦闘の中身を俺ら二天龍と他の試験官が見るんで、心技体、規定を満たしていればそれ相応の点数が得られる」

「分かりやすく言えば、出来るだけ良い試合をする事だ。ルールは持てる力で相手と戦闘をし、武器使用は原則的に許可しているから己の力を存分に出せ!ただし、相手を死亡させた場合はこの場で失格となるんで注意するんように。事故による死亡は我々試験官による審議によって是非が決まるよう何で、事故死による項目は手元にある参考資料を見てくれ」

ルール説明を俺とヴァーリで言うが、要するに俺ら試験官に良い戦いをすればいい事だ。それと『兵士』の者は試験センター特例のプロモーション承認カードが発行されているが、今回グレモリーに『兵士』はいないのでその説明は他の試験官からしてもらった。アジュカはプロモーション用のカードをここに発行しているし、現ベルゼブブでなければ作成も出来ないがコピー品も無理と言われている代物だ。

『だが一誠なら専用カードを作成出来るんだろ?』

『ああ。それに関しても純正品並みのだから、コピー品だと思われないさ。俺ら整備班には技術肌とか言われるし、アザゼルやアジュカよりも超えていると聞く』

『CBの技術はオーバーテクノロジーの塊だからなー。実技試験のルールは基本殺さずに戦えばいいらしいが、中級悪魔試験は上級悪魔のとは違うと聞いている』

戦術(タクティス)試験が無いからとてもシンプルだ。戦術勉強しないままとなると、不合格になるからな』

試験官の説明が終わるまで、俺とヴァーリは念話していたが他の試験官からの説明が終わった事で俺は空間から箱を取り出してヴァーリにも渡した。これが抽選用の箱だから、受験生は箱の中に手を突っ込み番号が振られたボールをそれぞれ取っていた。朱乃は4で祐斗が7だったが、二人共前半戦になった。

「試合は二組ずつ行われるが、まずは一番と二番の方、三番と四番の方の試合を始めるとする!」

「まずは私からですか・・・・力は本気を出せばよろしいのですか?」

「そう言う事だが、相手を殺さないように加減調整をしておけな」

「いつも通りにやれば大丈夫さ・・・・ここにいる中では一番力を持つ悪魔だからな」

朱乃は魔力で円形に描かれたバトルフィールドに入って行くが、俺は審判として間に入っていた。相手悪魔は中肉中背の男性で、見た目は凄くオーラを漂わせている訳でもないが昇格試験に来る程の悪魔だ。そんで開始を告げると、相手の男性は手元を魔力を光らせて巨大な炎の球体を撃ち出していく。朱乃からすると簡単に避けてから、この後の攻撃を披露するだろう。

「・・・・『凍結(フリージング)なる霊鳥(アーキオプテリクス)』ッ!」

「あれは神器か・・・・あちらが氷の鳥ならば、朱乃はどう対応するのか楽しみだな」

男性の周囲に冷気が漂っているようだが、宙に氷が集まり巨鳥となった。通常神器による冷気で氷の巨鳥を作り出して攻撃させる系のようだな。朱乃は魔力攻撃を避けてから、雷光による攻撃をしようとしたが雷だけを腕に纏ってからのメダルを撃った。ドンッ!と鳥を難なく破壊してから、所有者に向けてレールガンを浴びる事で防御魔法陣を展開させても既に遅しとなった。

「威力を抑えてもこれとはな・・・・やはり実力だけは上級なのかもしれん」

「あらあら・・・・私結構抑えたつもりなのですけど、レールガンに直撃したのか会場の後方まで吹っ飛んじゃいました」

威力抑え気味のレールガンを喰らったのか壁に激突しても止まらず、そのまま壁を突き抜けて行った。朱乃はレールガンの構えを解いていたが、増大させた訳でもないのに吹っ飛んだ事により俺が空間切断で吹っ飛んだ奴を見に行く。試合を見守っていた他の受験者の声が聞こえてくる。

「・・・・じょ、冗談じゃない!何て威力のあるレールガンだ!」

「なるほど、一般的な下級悪魔のレベルを遥かに超越してますね。それにあれでも威力を抑えていたようですが、抑えてあの力ですか」

「対戦者は不幸と言うしかないだろうが、雷光の巫女と言う二つ名は本当のようだったって事か」

「・・・・威力を抑えていなければ、上級悪魔の上クラスじゃないのか・・・・?」

「これが直に黒神眷属に鍛えられたと言う、グレモリー眷属『女王』の実力なのか・・・・」

とヴァーリ経由で聞こえてきたが、相手は可哀想としか言えない程だった。幸い怪我はしてなさそうだし、昇格試験に臨む悪魔だとしても運がなかったとしか言い様がないな。空いた壁から空間が裂けて俺と気絶した相手を持ってきたが、他の試験官に渡してから俺は間に戻ってから告げた。

「四番、姫島朱乃選手の勝利です!」

これで実技が終了となったので、朱乃は下がり次の受験生を呼んでから次々と実技試験をしていたが中にはドーピング行為を見つけては二天龍からの鉄槌を下した。祐斗も無事に終わらせた事で、朱乃と一緒にいたが鉄槌を下す姿を見た事で他の受験生は不正行為した者に向かって一斉合掌した。そんで実技試験が終わってから、俺とヴァーリは無事に試験官と言う仕事を終わらせてアザゼルに報告した。

『おっ一ちゃんか。・・・・どうだった試験は、こちらはホテルのレストランで貸し切りの昼酒中だぞ』

「何昼から飲んでるんだよアザゼル・・・・こちらは無事に仕事を果たしたんでな。バイト代をと思ってな」

『そう言えばまだ渡してなかったがそれは後にしてくれよ、それよりどうだったんだ?筆記と実技は』

「筆記は問題無くだったが、ただ実技がな『まさか威力を抑えたのか?』その通りでな、圧倒的な力を見せるよりも威力抑え気味でやってもらったが異例の強さを見せていたぜ。下級悪魔では異例の強さだと、受験生達は知っていたようだったがそれ以上の強さを見せた事で相手選手はご愁傷様だとな」

『だろうな、強くても中級悪魔の上クラス相当だしな。朱乃も木場の実力は上級悪魔クラスだし、雷光の巫女に聖魔剣と言う二つ名まで持っている「朱乃は威力抑え気味のレールガンに祐斗は魔剣を出したが速度が相手選手に見えないまま背中を取られていた始末だ」そりゃご愁傷様だな、まあどっちも圧倒的な力を誇っているからな』

俺とヴァーリは通信機を持っていたんで、それで連絡していたが魔法陣で報告するよりこちらの方が早いからな。二人に本気を出すなと言っといたが、他の受験者と二人の力は天と地の差があるからだ。下手をすると受験者を殺してしまう程だったが、朱乃も祐斗も威力調節をしていたからまあいいとしようか。 
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